澤田ふじ子のレビュー一覧

  • 高瀬川女船歌八 偸盗(ちゅうとう)の夜
    高瀬川女船歌シリーズ第八弾。
    角倉会所の目付け役の大槻伝蔵が故郷から佐七とい若者を連れてくる。この二人が四条通で、角倉会所で台所働きをしているお琴に出会う。
    佐七とお琴、この二人を中心に大きく話しは進展する。
  • 高瀬川女船歌七 奈落の顔
    高瀬川女船歌シリーズ第七弾。
    標題の奈落の顔は、人情深い鋳掛け屋の太兵衛が亡くなり、その死に顔が深く悩んで奈落に突き落とされたような顔だったことから、かつて東町奉行所に出仕していた太兵衛の過去が明らかになっていく。
  • 天空の橋
    舞台は京都。焼物問屋の長左衛門は、京都では一番と評判の粟田焼にかわり、清水焼を京焼で一番にするという野望のため、粟田焼の一番の腕をもつ陶工の喜助を引き抜き、彼に見どころのある十五歳の八十松を見習いにつける。
    長左衛門は、清水焼を一番にするという自らの夢を若き八十松に託し、自らの過ち、罪を背負い、天空...続きを読む
  • 篠山早春譜 高瀬川女船歌四
    高瀬川女船歌シリーズ第四弾。
    高瀬船の船頭弥助の長屋の隣にすむ藤蔵、お千代の夫婦。訳あって武士の身分を捨て、市井で暮らす道を選ぶ。宗因の口利きで高瀬船の曳き人足となるが、角倉会所の隠し目付と噂され、宗因らとともに高瀬川沿いの市井の人々のため、働き始める。
  • 陸奥甲冑記
    桓武天皇の時代、長岡京への遷移、律令国家の統一に向けて東北地方を治めるべく動く軍と蝦夷の人々の攻防。蝦夷の首領であるアテルイ、罪を着せられて高僧の道が閉ざされた果安、魅力たっぷりに描かれる。京側の坂上田村麻呂もかっこよかった。
  • 螢の橋(上)
    内容(「BOOK」データベースより)
    徳川の治世が始まった頃。青年・平蔵は恋人のお登勢に支えられ、新しい美濃茶陶を生み出そうと修業を積んでいた。ある日平蔵は東庵という謎めいた僧侶と出会い、強い友情を互いに感じる。しかし、東庵には隠された顔があった。『板倉篭屋証文』から浮かび上がった意外な新事実を元に...続きを読む
  • 公事宿事件書留帳二十二 冤罪凶状
    名古屋で仕事をしていた時、久しぶりに8時上がりできて疲れたなぁって思って書店に入ったらあった本。ずっと読んでとうとう終ってしまった。最後はなんかスッキリしない終わり方だったけど、京弁が心地よかった。
  • 高瀬川女船歌九 似非遍路(えせへんろ)
    待ち望んだ新作。公事宿シリーズが終了したので、続いて欲しい。どちらも人情物語であり、相手が居るのに結婚しないところも一緒。
  • 木戸のむこうに
    京の町に生きる匠の姿を描いた短編7編を収録しています。

    第1話「木戸のむこうに」は、一徹な料理人の弥七の想い人である千鶴と、料理茶屋「文殊屋」の女将・お高が出会い、弥七の新たな京料理の創作を手伝う話。

    第2話「雁の絵」は、苦界に身を落としそうになっているおけいを救うため、俵屋宗達の絵を2枚に剥い...続きを読む
  • 天空の橋
    作中登場する長左衛門、嘉助、亀屋、八十松…皆立派すぎる気もするが、職業年齢に関係無く相手を慮る心の大切さに改めて気付かされる。ただ読後感はとてもブルー。最後の部分がなぁ…きっとこうなるとは思っていたが、やっぱりブルーな気分になる。
  • 高瀬川女船歌
    何だか読みにくい。
    物語的な盛り上げがないのねん。
    あれ、ここで終わる?という風に、いつも終わってしまうので、肩透かしされた感じ。雰囲気あるんですけど。
  • 公事宿事件書留帳一 闇の掟
    京都の公事宿が舞台とは、ユニークな設定の時代小説。
    本妻の子の弟に家督を譲るため、無頼の振りをして家を出て旅をし、戻ってきたら、公事宿の居候となり、弟を助け事件を解決する。ちょっと、安易な物語のすすめ方の感がするが、いかが。
    二巻目以降、人情捕物帖として読むぶんには、違和感がないか。
  • 足引き寺閻魔帳
    内容(「BOOK」データベースより)
    京都、堺町綾小路に名ばかりのお堂と小さな庫裡をかまえる地蔵寺。東山知恩院の末寺で、檀家もないこの寺には、もうひとつの顔があった。怨みを抱く相手の足を引っぱり、ひそかに誅伐を加えてくれる“足引き寺”―。闇の仕事師は住職の宗徳、町絵師のお琳、羅宇屋の与惣次、西町奉行...続きを読む
  • 公事宿事件書留帳五 背中の髑髏
    5作目
    前作と変わらず、淡々と。登場人物の関係が進んでいない。
    現代でもこんな犯罪あるかも。
    「因業の瀧」で心中の生き残りへの罰が具体的で興味深かった。位では最下位の扱いだけれど、お金はたんまり持ってる主がいるとか。お金さえあれば抜けられちゃうんだ。
    「夜寒の辛夷」はできすぎな気も。そして彼らのこれ...続きを読む
  • 公事宿事件書留帳七 にたり地蔵
    公事宿事件書留帳シリーズ7弾。表題作「にたり地蔵」含むほとんどが架空の話でない。あとがきを読んで、なるほどと思いました。① 闇の掟 ② 木戸の椿 ③ 拷問蔵 ④ 奈落のみず ⑤ 背中の髑髏 ⑥ ひとでなし ⑦ にたり地蔵 ⑧ 恵比寿町火事 ⑨悪い棺 ⑩ 釈迦の女 ⑪ 無頼の絵師 ⑫ 比丘尼茶碗 ⑬ ...続きを読む
  • 公事宿事件書留帳十六 千本雨傘
    公事宿事件書留帳 16.公事宿シリーズ読み進めてマンネリ気味になってきた。 ① 闇の掟 ② 木戸の椿 ③ 拷問蔵 ④ 奈落のみず ⑤ 背中の髑髏 ⑥ ひとでなし ⑦ にたり地蔵 ⑧ 恵比寿町火事 ⑨悪い棺 ⑩ 釈迦の女 ⑪ 無頼の絵師 ⑫ 比丘尼茶碗 ⑬ 雨女 ⑭ 世間の辻 ⑮ 女衒の供養 ⑯ 千本...続きを読む
  • 公事宿事件書留帳九 悪い棺
    公事宿事件書留帳シリーズ9巻。① 闇の掟 ② 木戸の椿 ③ 拷問蔵 ④ 奈落のみず ⑤ 背中の髑髏 ⑥ ひとでなし ⑦ にたり地蔵 ⑧ 恵比寿町火事 ⑨悪い棺 ⑩ 釈迦の女 ⑪ 無頼の絵師 ⑫ 比丘尼茶碗 ⑬ 雨女 ⑭ 世間の辻 ⑮ 女衒の供養 ⑯ 千本雨傘 ⑰ 遠い椿 ⑱ 奇妙な賽銭 ⑲ 血は欲の...続きを読む
  • 公事宿事件書留帳十九 血は欲の色
    金貸しの老婆を絞殺し、百五十両の金を奪った廉で六角牢屋敷に送られた小裂売りの多吉。腕利きと評される東町奉行所吟味役同心・太田宗兵衛から凄惨な拷問を受けながらも頑として罪を認めない多吉の様子に、菊太郎はある仮説を立てる。事件の真相を探るため、罪人になりすまし牢屋敷に潜入した菊太郎が見たものとはいったい...続きを読む
  • 公事宿事件書留帳十六 千本雨傘
    シリーズ16作目で100作を越えてくると、さすがにちょっと飽きてきたかしら。人間関係にほとんど変化がないしなあ・・・

    しかし、未だに内藤剛と渡辺徹の顔が浮かんでしまう私^_^
    もうドラマは作らないのかしら・・・
  • 公事宿事件書留帳一 闇の掟
    主な時代ものが江戸を舞台にしている中、京都の公事宿鯉屋、居候菊太郎を主人公にした公事宿事件書留帳シリーズ第一巻。
    登場人物の会話は関西人にはあまり抵抗がないものの、江戸を舞台にした話に慣れている読者には少ししつこさやまどろしいと違和感があるかもしれない。しかし公事宿に舞い込む問題は現代にも通じ、同時...続きを読む