平泉の地で地神ミズチと源頼朝率いる兵士や神仏に使える僧侶、神官が闘う最中、主人公の想は、彫った仏像に明星菩薩を召喚する。
しかし、首を落とされながらも地神の放つ圧倒的な力の前に明星菩薩は半身を喰われ、想自身もその身を喰われてしまう。
命が消えようとしている最中、想は「まだ死ねない」という思いからか、
...続きを読む半身となった仏像と自身の半身を合わせ、一人の身体の中に「想」と「明星菩薩」、二つの魂を持つ半分仏(はんぶんぼとけ)としてその命を長らえることとなった。
仏師という職業の方は物凄い審美眼をお持ちと伺ったことがあります。
この漫画に登場する仏師達も相当な力と技術を持っていて、心身を注いだ仏像に神仏を『召喚』することができ、共に闘うことができます。
宗教というと少しカルト染みた感じを受ける人が多い現代ですが、遠い昔、人と神仏は隣り合わせに存在し、人の心と密な関係、拠りどころであったことが、漫画の中でもよく分かります。
神とは自然の力そのもの。
仏とは人としての理を説き導くもの。
人は神の力に翻弄され、従えることは出来ませんが、人と共に仏は存在し、人と共に笑い、泣き、苦しみ、そして明日へと導きます。
そんな仏をより身近なものにし、人々の心の拠りどころとして彫刻する仏師たち。
想と明星菩薩、そして彼らを取り巻く仏師たちが、時に笑い、時に泣き、悩み、苦しみながら、鎌倉時代を背景に源平因縁の戦いに巻き込まれていきます。
登場する仏像達の由来も面白おかしく紹介されていたりして、堅苦しさのない物語として楽しめます。
続きが早く読みたいです。