言語小説集

言語小説集

506円 (税込)

2pt

ワープロのディスプレイ上でカギ括弧同士が恋をした。威張り腐った●や■に他の記号たちが反乱を起こす「括弧の恋」。方言学の権威が、50年前自分を酷い目に遭わせた特高の元刑事を訛りから見破って復讐する「五十年ぶり」。ある日突然舌がもつれる青年駅員の悲劇を描く「言語生涯」など言葉の魔術師による奇想天外な七編に加え、抱腹絶倒の四編を新たに収録した著者最後の短編集。

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言語小説集 のユーザーレビュー

3.6
Rated 3.6 stars out of 5
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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    言葉を巧みにあやつり、今までみたことのない小説が描かれていた。鉤括弧を擬人化した人はこの人がはじめてでないだろうか。小銭も擬人化したりと、擬人化の走りとも言えそう。また、梅毒におかされた男の身体を元に大戦模様を描くのも面白かった。すごいセンスの作者であった。

    0
    2023年12月18日

    Posted by ブクログ

    ・括弧の恋
    ・極刑
    ・耳鳴り
    ・言い損い
    ・五十年ぶり
    ・見るな
    ・言語生涯
    ・決戦ホンダ書店
    ・第惨事人体大戦
    ・親銭子銭
    ・質草

    ---


    括弧の恋を見て、バカリズムのライブを思い出した。
    記号や言葉、無機物を単なる表現の手段としてではなくあたかも生きているかのようにとらえた作品が印象的。(

    0
    2018年07月31日

    Posted by ブクログ

    「言葉の魔術師」の本領発揮の短編集。

    『括弧の恋』、ワープロの "」" さんが "「" さんと恋に落ちて、威張った"◉"とか"■"に邪魔されながらも"!"や"×"に助けられながら

    0
    2015年03月09日

    Posted by ブクログ

    最後の「質草」はいい。歌舞伎になる。「芝浜」や「文七元結」みたいな世話の新作にできるんじゃなかろうか。落語にするのもいいかも。

    0
    2015年02月19日

    Posted by ブクログ

    冒頭の「括弧の恋」や「耳鳴り」なんかは、なんとなく筒井康隆のような…シュールな作品。
    (そういうご縁でか、解説は筒井康隆が書いている。)

    そうかと思うと、マレー語が残っている集落の話である「見るな」とか、老方言学者が五十年ぶりにかつての憲兵に復讐する「五十年ぶり」など、ドラマティックなものもある。

    0
    2015年02月14日

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