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耳縮小手術専用メス、シロイワバイソンの毛皮、切り取られた乳首……「私が求めたのは、その肉体が間違いなく存在しておったという証拠を、最も生々しく、最も忠実に記憶する品なのだ」――老婆に雇われ村を訪れた若い博物館技師が死者たちの形見を盗み集める。形見たちが語る物語とは? 村で頻発する殺人事件の犯人は? 記憶の奥深くに語りかける忘れられない物語。
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Posted by ブクログ
ある村の大きなお屋敷に住む、ちょっと気難しい風変わりな老婆に雇われた、若い博物館技師の物語です。 屋敷には老婆と一緒に暮らしている少女と、離れには庭師と、その妻である家政婦が住んでいます。 故郷を離れ、この村にたった一人で訪れた技師は、亡くなった村人たちの形見を集め、それらを展示、保存する博物館を作...続きを読むってほしいと老婆に頼まれます。 閉鎖的な世界で起こる奇妙な出来事が、小川洋子さんの手にかかると、なぜこんなにも美しく魅力的になるのだろう。 名前のない登場人物たち。次々に起こる殺人事件の犯人は? 博物館技師の行く末は? 謎が深まり、非現実的な世界にどんどん引き込まれていきます。 “人々から忘れられた世界の縁にひっそりと建っている” 沈黙博物館というタイトルがとてもいいです。 物語の終わりには、悲しい現実を知るとともに、こんな隔離された場所にいることが居心地が良いとさえ思ってしまいます。
スリルのある小説です。見事に感情がぶつかり合い、不思議なパズルを完成させます。主人公が戸惑い、躓いたりして沈黙と戦います。謎めいた小説の好きな方におすすめです。何か返事があるかもしれません。
すごくしんとした気持ちになりました。 爆弾事件と殺人事件のくだりは忘れていたので、こんなにミステリな作品だったっけ…と思いましたが好きです。 沈黙の伝道師も好き。わたしもかれらにひっそりと語りたいです。 遺品を展示する沈黙博物館、訪れてみたいです。 わたしなら一体何を展示されるのだろう…。 解説が、...続きを読む気になる堀江敏幸さんだったのも良かったです。この村はすでに命の無い人が住む場所、という視点は無かったので興味深く読みました。次に読むときは、このことを心に置いて読もうと思います。
久しぶりに胸を打つ話を読んだ。老婆の描き方が素晴らしく、魅力的だった。自分だったら形見は何になるのだろう、と想像するのも楽しめるというか。言葉にならない思いがたくさん溢れてきた作品です。読み終わった時、この本に出会えてよかったと思った。
象徴に満ち溢れている。 沈黙。形見。博物館。冬。 身寄りのないことが、逃げ場のないことが分かった主人公。高齢の老婆。バイソン。 解説でホロコーストとの関連に触れているが、その文脈で行くと多くのことがなにかにあてはまる。 そして、圧倒的で静謐な世界観。 特に沈黙の伝道師の存在が不可思議で考えさせら...続きを読むれた。 死の象徴か。冷たくも温かくもない。常に意識すれば寄り添っているもの。あちらから語ってくることはない。
幻想的な長編小説。「博士の愛した数式」以来、小川洋子の長編はあまり読んでこなかったのだけれど、すごく良かった。 博物館技師の「僕」が訪れた幻想的な村。そこで「僕」は形見を陳列する「沈黙博物館」を作ることになる。形見を収集してきた「老婆」と、その娘だという「少女」、屋敷に代々仕えている「庭師」と「家...続きを読む政婦」とともに…。 相変わらず身体の表現、触感の鋭さが際立つ。老婆の皺とそこにたまる垢、昔一部を切除された歪な耳。少女のまつ毛や指先。体のパーツ一つ一つを慈しむように丁寧に表現する。 村の伝統や仕来り、不思議な涙祭りや、沈黙の伝道師、卵細工、森や屋敷の様子も、目の前に浮かんできそうなほど繊細。 そして、博物館技師がいかに博物館を愛してきたか、老婆がいかに形見に思いを注いでいたか、その奥深さ。 長さを感じさせない、読みやすく儚い小説でした。 途中で、ホラー?サスペンス?な雰囲気になりつつ、グレーエンド、というよりはセピア色の落ち着いた幻想的なエンディングでした。 彼は沈黙博物館に取り込まれてしまったのでしょうか…。 今後博物館に行ったときの受け取り方が変わりそうです。
終始登場人物の名前が出ていないのにも関わらず、そのことに読み終わるまで気がつかないほど自然で美しい文体で描かれています。庭師と主人公との穏やかな交流と、その下に潜む秘密が徐々に明らかになっていくのをどきどきしながら読みました。
『猫を抱いて象と泳ぐ』を思い出しながら読んでました。 チェスの世界と博物館の世界という違いはあれ、どこか似通った幻想的な雰囲気があります。そもそもどこの国の話なのかも判然としませんし。 登場人物はそれなりに(と言うか結構活発に)動き回りますし、会話も豊富なのですが、どこか絵画的な静止状態と静けさを感...続きを読むじてしまいます。何処から醸し出されるものなのか判りませんが、小川さん独自の静謐感です。最後は少々荒っぽい感じがありましたが。。。 続けて読む気はないけれど、これからも折に触れ小川さんの作品を読んで行こうと思います。
形見を収蔵する博物館で、それぞれの人生を象徴するものの文脈を紡ぐ物語。事件の犯人が誰なのか、途中の展開の仕方が絶妙でスリリングだった
ある村に博物館を建築するため、博物館技師が呼ばれた。 博物館で展示するのは死んだ村人たちの形見。 小川洋子さん独特の世界観。 静かに時は流れるが、なんとなく不穏な空気が漂います。 そこは音は聞こえるのに音がない世界。 震えました。
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