【50歳からの勉強法】童門冬二の著書を読んで学んだこと
私は、2024年に50代になる予定の人間です。最近、心も体も老いを感じることが増えてきました。
そんなときに、ふと手に取った本があります。それが、童門冬二さんの【50歳からの勉強法】です。
この本は、私にとって「縁」のようなものでした。な
...続きを読むぜなら、この本は、私がずっと悩んでいた「勉強する目的や方法」について、著者の考え方や体験を紹介してくれたからです。
この本のタイトルを見て、勉強の方法論を期待する人もいるかもしれません。しかし、この本は、そういう本ではありません。
この本は、勉強する目的や心構えについて、著者の人生観や哲学を語ってくれる本です。
私は、この本を読んで、自分の学びに対する想いや姿勢を再認識することができました。この本を読んで学んだことを、皆さんにもシェアしたいと思います。
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まず、著者の童門冬二さんについて少し紹介します。
童門冬二さんは、都庁と小説家の2足のわらじを履いていた方です。芥川賞候補になったことで、文筆家としての道を歩み始めます。
しかし、他者の作品と自分の作品を比較される世界に身を置くことで、自分の能力の限界を感じます。
そして、一時期、筆を置くことになります。その後、太宰治の作品に出会って、小説の魅力に再び目覚めます。
都庁という組織の中で働く著者は、執筆のテーマを「文学」から「組織と個人」に変えます。歴史に実在する人物の生き方や組織との関係を描き、現代社会における組織と個人の在り方について考えさせてくれる作品を生み出します。
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この本は、そんな著者の人生や作品に触れながら、50代からの勉強について語ってくれます。
著者は、50代とは、孔子でいう知命、命を知る時期だと言います。そのためには、自分をゼロベースにリセットし、過去の蓄積に光をあて直すことが重要と記載しています。また、併せて時間、ひとづきあい、情報取得についての考え方も提示しています。
(組織と自身の視点)
組織の論理、目的に対して、自身はどのような矜持をもって対面していくのか? 決めること。持つこと。そのうえで、賛成、反対・代替案を提示するという行動を示すこと。
(時間と自身の視点)
考えて時間を消費すること。何が目的で何が重要なのか? 効率性の視点では、二者択一ではなく、二者二択でもよい、しなやかさを持つこと。
(心と自身の視点)
後悔はしないように努めること。また、後悔・挫折から逃げるのでなく、それを学ぶ機会ととらえ直すこと。絶えず、謙虚に、外部からの指摘、助言を受け入れること。
(自身の敵は自身なり)
基本、人間は怠惰と思うこと。やる気・モチベーションを理由にしないこと。必要があるならば、やれ。
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【50歳からの勉強法】童門冬二は、40代、50代のみならず、幅広い年代の方にとって気づきの書になるのでは?と考えています。著者の考え方に触れることで、「勉強する目的」について、ガチガチではなく、柔らかい視点でとらえ直すことができます。ぜひ、手にとってみてはいかがでしょうか?
【著書より】(ページ)※一部、解釈を含む。
(11)
老いてもなお学びの姿勢を忘れない姿勢が、流動的で不安定な点々の人生に確たる骨格を与え、その時間を豊潤なものにしてくれるのです。
(24)
学びの姿勢は自由でいい。・・・をしなければならないは不要。教科書は世間にある。現実、現物、現場に触れよ。
(78)
自分のやる気に相談するな。やる必要のあることは、さっさと取り掛かる。
(117)
なら人間を目指そう。あのひとのためならば・・・と想う人と出会い、そのようになるに努める。
おかゆにならない。個人の矜持を保ち、組織の目的の達成に努める。迎合しない。
(137)
類似点を探すことから入れば、人間関係は意外にうまくいくものです。
(186)
心がやわらかく、鏡がきれいに保たれていれば、そこに映る像は鮮明で記憶にも長く深くとどまるだろう。
(193)
後悔しまいと努めながら、いつも後悔し、そのつどまた戒める。この半永久的な反復に、僕はひとが生きて居ることの本質があり、快味もあると思うのです。
(195)
人間関係を絞り込むこと。重要ではないものとは距離をおくこと。なぜならば時間が少なくなってきているから。