小学館文庫作品一覧

  • お江戸ありんす草紙 瓜ふたつ
    4.0
    双子の姉妹が織りなす、笑いと涙の人生賛歌。 生まれ落ちて、すぐさま引き裂かれた双子の姉妹。 ●時は寛政の改革の真っ只中。山陽道は青海藩の気丈な千代姫と吉原を抜け出した心やさしい禿(かむろ)おいち。そしてもう一人、いわくありげな片目の剣士。三人は出会うべくして出会う運命だった。 ●一方、洒落本の統制を進める老中・松平定信の鼻を明かそうと、山東京伝、滝沢馬琴に十返舎一九ら曲者戯作者たちが版元蔦屋に集う。 ●時代小説好きも、そうでない本好きも、ついつい応援 したくなる健気なおいちの本屋奉公が始まった!
  • 大江戸恐龍伝 一
    4.0
    龍に導かれた平賀源内の時空を超えた冒険譚。  物語の発端は、明和八年(1771)。平賀源内がゑれきてるを世に送り出す5年前のことである。時に源内44歳。高松藩を脱藩し自由の身となっていた源内は、大嵐のなか、肥後で巨大な龍骨化石に遭遇。その存在を暴こうと野心に燃える。  同じ頃、遠州沖で一隻の船が遭難した。船頭たちは、漂流してやっとたどりついた島で、見たこともない巨大な爬虫類に襲われてしまう――。  その後、大坂で円山応挙とともに龍の掌を見に行った源内は、それを祭る寺の法主から、その昔、龍の掌を龍宮から持ち帰ったという男の話を聴くことになる。  京で若き日の鬼平・長谷川平蔵や上田秋成にで会い、この頃から、源内は龍に導かれるように、不思議な事件に巻き込まれていくのであった。  構想から完結まで20年の超大作。全六巻の一、二を同時刊行。
  • 大江戸将棋所 伊藤宗印伝(小学館文庫)
    3.0
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 江戸中期の将棋五世名人伊藤宗印は、いかにして将棋3家を守り抜こうとしたか。養子ゆえに不当なあつかいに甘んじた青年期から、実力者多出の家系を作り上げた老年期まで、当時の棋譜をまじえて波乱の生涯を描く異色の実在時代小説。現代の棋士たちも驚嘆するという実力者が輩出した江戸期の隆盛を築いた宗印の実像と、将棋に賭ける男たちの矜恃―将棋好きならずとも、その生き様と美学に心打たれる。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • 大江戸化物図譜(小学館文庫)
    4.0
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 河童、ろくろ首など今も有名な妖怪から、豆腐小僧、鬼娘など、すでにだれも覚えていないものまで、江戸時代のマンガ、草双紙では、個性豊かな化物が、凝りに凝った趣向や設定のもと、のびのびと暴れ回っていました。江戸の化物キャラクターは、今見てもビックリの個性派ぞろい。江戸草双紙の魅力あふれる化物たちを、一冊に凝縮。化物キャラクター設定のおかしみ、造形・デザインの豊かさも満載。学術的にもたいへん価値の高い研究を積み重ねたエッセンスでもある、魅力の珍図鑑。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • 大蔵省元相談官 酷税 驚愕のしくみ(小学館文庫)
    3.0
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 「取りやすいところから、取りにくいところは隠れて」徴税した税金は無駄遣い。元大蔵省役人が告発する亡国の税制の実態。私たちの血税はどう使われているのか、明日なき日本経済をどう改革するか。納税者必読!! ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • 大相撲人間おもしろ画鑑(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 子供の頃からの大の相撲ファンである著者が、古今東西の相撲びとたちを、自身の思い出を交え軽妙なタッチで綴った1冊。相撲の始祖である、野見宿禰と当麻蹶速に始まって、谷風や大童山、荒岩や幡瀬川、玉ノ海といった力士の面々、聖武天皇、織田信長、乃木大将、夏目漱石といった相撲好き、そして、「鳥獣戯画」や河童までをも俎上に上げ、相撲を愛してやまない人々の熱気と心意気を伝えてくれる。本文中の挿画は著者自身によるもの。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • 太田和彦の居酒屋歳時記 上
    4.5
    「居酒屋の達人が巡って選んだ名店の記録! 日本の誇る大人のための漫画雑誌『ビッグコミック』にて8年200話にわたり連載した大人気コラム「太田和彦のイケイケ居酒屋」が、名を改め、満を持して文庫化!! 日本各地を巡った8年間の、四季折々に出会った酒肴や居酒屋への思いを語った名コラムを加筆・再編集し全話収録!なかには、残念ながら店を閉じてしまったところもあるが、それでも気がつけば若い蔵元や杜氏、そして若い居酒屋店主が出てきた。 歳月とともに移ろう酒と肴と居酒屋の人間模様を訪ね歩いた達人・太田和彦の、記憶に残したい軌跡の記録。 同時期に発売となる下巻と併せ、書を持ちいざ居酒屋の旅に出よう!!
  • 大沼ワルツ
    4.5
    奇跡の三夫婦が奏でた大恋愛と大家族の物語。 明治時代に、北海道・大沼を開拓した者たちの係留として、大沼の地で自分たちらしく根を張ろうとした小さな母と長身の三兄弟。また、この地を新天地と考えて、第二次大戦後、山梨より順に嫁いでいくことになる、個性溢れる三姉妹。この大家族は、様々な困難に見舞われながらも、この地に新風を注ぎ込んでいく……。そして、母の死に際に、三夫婦に明かされた謎とは? 北海道を舞台に、数々の小説を発表してきた著者が、5年の歳月をかけて紡ぎ上げた、実話をもとにした感動長篇。 ※本書は過去に単行本版として配信された『大沼ワルツ』の文庫版です。
  • 大番 上
    4.0
    1~2巻825円 (税込)
    ギューちゃん復活!株屋が舞台の痛快小説! 愛媛の貧しい農家に生まれた丑之助は、富豪の令嬢・可奈子に手渡した“ガリ版刷りラブ・レター”事件をきっかけに、十八歳で家を飛び出し東京に向かう。昭和初期の日本橋、たまたま住み込んだ小さな株屋で小僧として働くうち、株の面白さに目覚めた丑之助は、独り立ちを決意、愛嬌のある性格と持ち前のカンので、相場師の道を突き進む!  不恰好な体つきに強い田舎なまり。そのうえ金好きで女好き。だけど、どこか憎めない“ギューちゃん”が、カブト町を舞台に大活躍する、ど根性サクセス・ストーリー。  書評家・北上次郎がオススメする名作シリーズ第二弾!
  • 大前研一 ドットコム仕事術
    3.6
    今までの仕事の発想もノウハウも役に立たなくなった現在、若手サラリーマンは仕事について相談できる上司や先輩を失い、中堅・ベテランのサラリーマンは部下の相談にのる自信と心の余裕を失ってしまいました。電子メールのビジネス活用法、ビジネス英語の効果的学習法、「6W2Hプラス2」型提案書の作成法、アイデアゼロからの企画発想法……大前研一氏が本作で明かす数々のビジネスメソッドは、若手サラリーマンにとっては上司・先輩社員の役割を果たし、中堅・ベテランのサラリーマンが自信と余裕を取り戻すための「ビジネスの新しい発想とノウハウ」に他なりません。「年収大格差時代の到来」「外国人ビジネスマン攻略法」「後悔しない転職の掟」など、迷えるサラリーマンたちが勝ち残るために不可欠な実戦的ノウハウが満載! 通勤カバンの中に常に忍ばせておきたい一冊です。

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  • 岡本綺堂 怪談選集(小学館文庫)
    4.2
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 明治初期、商売をたたんで一家で移り住んだしもた屋の離れに、一人の泊り客ができた。離れには、主人が没落士族らしき男から買い受けた木彫りの猿の仮面が掛けられていたが、夜も深まったころ、どこからかうなり声が聞こえてきて…(「猿の眼」より)。怪談の名手・岡本綺堂の短篇13本を選りすぐったおそろし噺傑作集。江戸から明治、大正時代までを舞台にした怪しくて不可思議な噺が、百物語形式で語られていく。ほかに、雪夜の横丁に座る老婆を目にした若侍たちの顛末を描く「妖婆」、新婚の夫がある温泉場から突然行方不明になる「鰻に呪われた男」など。
  • おがたQ、という女(小学館文庫)
    4.0
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 あれから長い年月を経た今も、おがたQはひとつの暗い謎である-。「おがたQ」と名乗る主人公の謎の美少女の「おんなの一生」を、文化人の父・小林徳二郎、なすがままの母、そのふたりが子育てを放棄したため実質的な育ての親である沖縄県石垣島在住の神懸かり的な祖母・浦添マツ、そして大学の映画学科の愛すべき超まぬけ男・海野鉄男などくせのある登場人物などに絡めて描き出す。三島由紀夫賞候補作家の原点、地球の自転の音が鳴り響くネガティブ・シンデレラ・ストーリー。
  • 置き去りのふたり
    3.5
    大好きだった彼が死んだ――心中だった。 みちかと太一が大学で出会った空人は、明るく誰からも好かれる人気者だった。二人は空人に密かに恋心を抱いていた。しかし、卒業から一年後。空人が死んだ。心中だった。 さらに空人の胃からは心中相手の小指が発見され、事件はマスコミにも大きく取り上げられた。空人の死がセンセーショナルに伝えられる一方、空人に想いをよせていた太一とみちかは、あまりに現実感のない事態を前にし、彼の死を受け入れられず葬儀でも涙一つ流せないでいた。 ところが、そんな二人のもとに一通の手紙が届いたことで状況は一変する。手紙には空人の字で「俺はふたりをいつまでも恨んでいるよ」と書かれていて――。 最愛の人の突然すぎる死と、悲しすぎるメッセージ。彼はなぜ、死を選んだのか。置き去りにされた二人が巡る、喪失と再生の物語。
  • 沖田総司恋唄
    3.9
    フリーのジャーナリストとしての経験を基に企業小説、経済ミステリー、歴史小説と幅広いジャンルの作品を残した著者が最も得意とする新選組に材をとった傑作。動乱の幕末を駆け抜け、25才という若さで結核のため逝った天才剣士・沖田総司。近藤勇、土方歳三、松本良順らとの交流、新選組の活躍を描き。この美貌の剣士の鮮烈きわまりない生涯と秘められたはかない恋を浮き彫りにしたロマンあふれる作品。解説・高橋千劔破。

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  • 奥の細道温泉紀行(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 全行程2400キロ、160日間の「奥の細道」の途上で芭蕉が出会った温泉。全力で芭蕉が書き残した言霊はいまも濃密に奥の湯に宿っている。文人温泉王・嵐山光三郎が不朽の紀行文の足跡を辿り、芭蕉の言霊に挑みながら道筋にある温泉を訪ねた。「細道」各地のガイドの他、名湯、秘湯、山の湯など全40湯を紹介する湯けむり行脚。「奥の細道」はゆっくり温泉に浸かりながら、美味しいご馳走のように、少しずつ楽しもう! ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • 小倉昌男 祈りと経営~ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの~
    4.7
    ヤマト「宅急便の父」が胸に秘めていた思い。 2005年6月に亡くなったヤマト運輸元社長・小倉昌男。 「宅急便」の生みの親であり、ビジネス界不朽のロングセラー『小倉昌男 経営学』の著者として知られる名経営者は、現役引退後、私財46億円を投じて「ヤマト福祉財団」を創設、障害者福祉に晩年を捧げた。しかし、なぜ多額の私財を投じたのか、その理由は何も語られていなかった。取材を進めると、小倉は現役時代から「ある問題」で葛藤を抱え、それが福祉事業に乗り出した背景にあったことがわかってきた――。 著者は丹念な取材で、これまで全く描かれてこなかった伝説の経営者の人物像に迫った。驚きのラストまで、息をつかせない展開。 ※本書は過去に単行本版として配信された『小倉昌男 祈りと経営~ヤマト「宅急便の父」が闘っていたもの~』の文庫版です。
  • 小栗上野介抹殺と消された「徳川近代」 ~幕臣官僚がデザインしたもう一つの維新~
    -
    徳川が構想した「近代」があった。 元号が明治に改元される5か月前、幕臣小栗上野介忠順が新政府軍に取り調べを受けることなく斬首されるという事件が起こった。後に大隈重信によって「明治政府の近代化政策は、小栗忠順の模倣にすぎない」とまで称された逸材である。 万延元年(1860)、小栗は、日米修好友好条約の批准書交換のために派遣された徳川幕府遣米使節の目付としてアメリカを訪れた。そこで目にしたのは工業化、近代化が高度に発展した大国の姿だった。小栗は、工場で手にした一本のネジとともに帰国。日本の近代化に着手する。横須賀に製鉄所、築地に日本で最初の本格的なホテルを建造し、さらには近代的な陸軍の創設にもかかわった小栗の歩みを照射することで、幕臣らによって進められていた「徳川による近代化」の全貌をひもといていく。 さらに、咸臨丸でアメリカに渡った遣米使節の一員だった秀才・小野友五郎など、ニッポン近代化の礎として活躍した幕府のテクノクラートの足跡を辿り、なぜ彼らの功績が埋没したかを検証。抹殺された歴史の真実を解き明かす。 ※この作品は単行本版『消された「徳川近代」明治日本の欺瞞』として配信されていた作品の文庫本版です。
  • 押し出せ青春
    3.2
    三段目力士・桐疾風の波瀾万丈の物語 名古屋場所6日目。入門2年目、三段目東三〇枚目の桐疾風は、新幹線に乗るために急いでいた。部屋唯一の関取・激浪関の付き人を振り切ってきたのだから、帰ったら半殺しの目にあうかもしれない。でも、もうすぐ会える恭子姉さんと純ちゃんの笑顔を思い浮かべていた――。大志を抱いて入門した訳でもなかった彼が、次第に相撲への情熱をみなぎらせていく、恋あり、誘惑あり、病気あり!?の波瀾万丈の痛快物語。
  • オシム 終わりなき闘い
    4.0
    祖国融和のため立ち上がった男の闘いの記録。 《オシムについてはもう書籍にする気持ちはなかった。  しかし。彼が身を挺して守った祖国がワールドカップに出場しようとしている。(中略)オシムはベンチに入っての現場指揮こそ執っていないが、人生をまだ休んではいない。帰国後も現役として毅然とサッカーの敵と戦い、祖国をサポートしている。》(プロローグより)  ユーゴスラビア紛争終結後20年近く経つ今も、民族対立が続くボスニア・ヘルツェゴビナ。サッカー協会内ではその対立故にFIFAの原則に反し、加盟資格を取り消され、W杯出場が危ぶまれていた。かつて旧ユーゴの最後の代表監督として祖国崩壊に抵抗しようとしたイビツァ・オシムは、日本からの帰国後、脳梗塞の後遺症が残る体を引きずり、W杯出場と人々の融和のために闘っていた――。  病に倒れ日本中から惜しまれながら代表監督を退いたオシム。その帰国後の知られざる闘いと、サッカーを通し憎しみを乗り越えようとする人々の姿を追った感動の記録、待望の文庫化。
  • おしんの心
    -
    ホームドラマの名手が綴る不器用女の一代記。 30年前に放送され、テレビ史上最高の平均視聴率52.6%を記録した『おしん』は現在も世界中の国々で放送され続けている日本を代表する不朽の名作です。 激動の時代を、辛苦に耐えながら不器用に、そして愚直に生き抜いた「おしん」の生きざまは、著者が歩んだ88年の人生そのもの。 しかし、著者はそんな苦難の日々さえ、懐かしむように笑顔で振り返ってしまいます。 ここでは、「夫婦喧嘩の心得」「嫁姑の賢い距離」「生涯現役の秘訣」「ブスの矜持」…女性が明るく楽しく元気に生きるための知恵を、ホームドラマの第一人者ならではの視点で軽やかに綴ります。 気持ちがちょっと塞いでしまったとき、自分に自信が持てなくなったとき、誰かを信じられなくなったとき、ぜひ本書を開いてみてください。愛くるしいおしんの笑顔が、胸の中で大きく広がることでしょう。
  • おたみ海舟 恋仲
    -
    勝海舟を妻たみの視点で描くシリーズ第1作。  辰巳芸者のおたみは、贔屓にしてくれている函館の豪商渋田利右衛門の席で幼馴染みの勝麟太郎と再会する。麟太郎は、野犬に襲われたおたみを命懸けで助けたことがあった。蘭学を修業中の麟太郎は、おたみに惚れて一緒になろうと言ってくる。無理な話と諦めていたおたみの所に、ある日麟太郎の父小吉がやってきた。小吉には気に入られ姑のお信にはいい顔をされなかったが、二人は祝言を挙げ、溜池のあばら屋に所帯を持った。新婚生活はしばらくすると薪を買う金もなくなり、天井板をはがして使うようになった。  麟太郎は、蘭和辞典「ヅーフ・ハルマ」を1年借り受け、2部写本を作る作業を始めた。1冊を自分の学問用に、1冊は高額で売ることで家計が潤うのだが、毎月500枚を移すという難作業を、おたみも協力することで成し遂げることができた。  一家は3人の子どもに恵まれ、小吉の死後は母親お信と麟太郎の妹お順が同居してきた。  麟太郎は大砲作りを指導したあと、幕府に取り立てられ、海軍伝習所に勤め、さらには咸臨丸に乗船してアメリカに行くことに。麟太郎は、夢に向かって突き進んでいた。
  • 堕ちたイカロス(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 誰もが大空に憧れ、飛行機ブームに湧いた昭和9年。アメリカ帰りのモダンボーイ秘密探偵・的矢健太郎は不時着した飛行士を助けたことがある。その飛行士が妻のアパートを訪ねると、そこに見知らぬ人間が死んでいた。殺人容疑者にされた男は無実を晴らす調査を依頼してきた。事件の鍵は死体の横の壊れた模型飛行機にあるとにらんだ的矢は、さっそく扇原飛行機製作会社の周辺を探りはじめた。“日本航空界の雄”と言われる社長の弟とその婚約者で美貌の混血飛行士など、多彩な人物が入り乱れる、空への夢を描く傑作ミステリー…。コミック界の巨匠、松本零士さんの特別解説が興味深い。
  • オッドタクシー
    4.3
    超話題のアニメーション、完全ノベライズ!  平凡な毎日を送るタクシー運転手・小戸川。少し偏屈で無口な変わり者の彼が友人と呼べるのは、かかりつけでもある医者の剛力と、高校からの同級生・柿花ぐらいだ。小戸川が乗せるのは、どこかクセのある客ばかり。バズりたくてしょうがない大学生・樺沢、何かを隠す看護師・白川、いまいち売れない芸人コンビ・ホモサピエンス、街のゴロツキ・ドブ、売出し中のアイドル・ミステリーキッス。車内で交わされる何でも無いはずの会話が、やがて1人の少女へと繋がっていく──。  主演に花江夏樹を迎えた超話題のアニメーション「オッドタクシー」。人気漫画家・此元和津也が書き下ろした脚本をもとに完全ノベライズ!巻頭カラーで人物相関図と名場面も収録。唯一無二の不思議な世界を、小説でもお楽しみください。 ※この作品はカラーが含まれます。
  • お局さまが待っている(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 どんな会社にも必ず存在するのが、お局さま!!そのお局さまを味方につけるか、敵にまわすかで、あなたの日々は大きく変わる。お局さまの生態を知ることこそ最良の対処法。200人OLからのお局実態報告書!! ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • 弟は僕のヒーロー
    4.3
    兄が綴るダウン症の弟と家族の日々、文庫化。  “ポケットに入れて持ち歩ける親友みたいな存在”の本に、わたしはずっと出会いたかった。願いが叶いました。 ―― 解説 岸田奈美(作家) 僕は5歳のとき、パパとママから弟が生まれると聞かされ、大喜びした。姉と妹に囲まれた僕は、ずっと一緒に遊べる男兄弟がほしかったのだ。  しかも、どうやら弟は「特別」らしい。  僕はスーパーヒーローを思い描き、一緒に闘いごっこをすることを想像した。だけど、生まれてきた弟は僕が思っていた「特別」とは何かが違っていた。僕はだんだん「特別」の意味を知り、中学校に入ると弟の存在を友達に隠すようになった……。  2024年1月、映画全国公開。19歳の青年がダウン症候群の弟、家族や友人との愛おしい日々と葛藤を等身大の文章で綴ったイタリア発ベストセラー、待望の文庫化。解説は岸田奈美さん、装画はヨシタケシンスケさん! ※この作品は単行本版『弟は僕のヒーロー』として配信されていた作品の文庫本版です。
  • 娚の一生
    4.5
    大人気コミックの映画版を完全ノベライズ! 都会でキャリアOLだったつぐみは、もう恋はしないと決めて田舎の祖母の家に身を寄せる。しかし祖母が急逝。葬儀の翌朝、見知らぬ男が門に立っていた。海江田醇といい、52歳の大学教授。祖母の教え子で祖母から家を自由に使えと鍵をもらったという。戸惑うつぐみをよそに海江田は家に上がり込み、奇妙な同居生活が始まった…! 素直になれない女と不器用な男の想いを温かく描いた、大人のラブストーリー。大人気コミックス「娚の一生」を原作に待望の映画化。映画完全ノベライズ本!
  • 男の民俗学1 職人編 (小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 1980年から『ビッグコミックオリジナル』に連載され、単行本にもなった人気シリーズ『男の民俗学』(全3巻)。第1巻では刺青師、琵琶法師、煙突掃除職人、猿まわし匠など市井の職人や芸人たちに密着取材して、彼らの生の声と失われつつある技を、緻密なイラストと共感に満ちた文章で描く。昭和の男たちは自身と誇りに溢れていた。本書は、男が男として生きることを許された最後の時代である昭和の貴重な記録となっている。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • 男は謀略 女は知略(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 相撲、プロレスの話題はもとより、街で拾った感動秘話、男と女の微妙にずれる心のうちを軽妙な筆さばきで綴り、ドラマとはひと味違った人間模様を繰り広げる、なっとくのエッセイ集。
  • オトナこそ歯が命(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 えっ、自分の歯が少ない人はボケやすい!?口の中の細菌で命を落とすこともある!?健康診断や人間ドックの検査対策にもならない「歯」は、じつは命の危険をも左右する重要な器官。しかし、子ども時代はいざ知らず、大人になってからは自分の歯に無頓着な人が多いというのが実情だ。そんな歯と病気の関係を説くとともに、日々のケア方法、そして虫歯菌をもとから絶つ究極の予防・治療法「3DS」を紹介!また、「噛む」ことだけにとどまらない、歯および口腔機能の役割や、予防を目的とした歯科医とのかかわり方も提唱する。今からでも遅くはない。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • 大人ドロップ
    3.8
    彼女を好きだったのは「彼」だったかもしれない。 彼女と目があった瞬間、脳裏をかすめたのは高校生の頃の蒼い記憶だった――。 あの夏、ぼくは親友のハジメに頼まれて、クラスメートの入江さんと彼のデートをこっそりセッティングした。ところがその作戦が原因で入江さんをひどく怒らせてしまう。 ぼくと入江さんの間には微妙な距離が生まれ、その頃からどういうわけか彼女はよく学校を休むようになっていた。やり場のない気持ちを抱えたまま迎えた夏休みのある日、彼女が学校をやめる、という話をハジメから聞かされる……。 大人でも子供でもなかった頃の、みずみずしい記憶を鮮やかに呼び覚ます青春の物語。  カバーイラストは浅野いにお氏。
  • 同じ月を見ている
    3.0
    マルク・シャガールの月の絵の前でたたずんでいた女性、杉山エミ。大学生の都築一平は、美術サークルの先輩でもある美しい彼女に強く惹かれる。 エミには幼馴染みで大学病院研修医の熊川鉄矢という婚約者がいた。美術館でエミと再会を果たした一平だったが、思いがけなく彼女が自分に好意を抱いていることを知る。 土田世紀原作の人気コミック「同じ月を見ている」をもとに書き下ろされた、同名映画へのプレリュードともなるべきラブ・ミステリー小説。 悲しい瞳で月を眺めながら、ヒロイン・エミが心の中に秘められている人物は誰なのか――。

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  • 鬼嵐
    3.0
    新型コロナ騒動を予見したと話題の衝撃作! 「突然発症して、身体の中を嵐のように暴れまわる」――致死率100パーセントの殺人ウイルス《鬼嵐》が発生した! 感染症医の及川夏未は東京の大学病院での研究者生活に挫折し、離婚を経て、実家のクリニックを手伝うために北関東の町に戻ってきていた。外国人労働者の姿が目立つものの過疎化が進む地元では、町おこしの一環として、地元産の食肉をブランド化しようと若者たちが動き始めていた。そんな中、一人の老人の死を皮切りに、謎の感染死が連続して発生する。夏未は独自に調査を進めるが、それを妨げるような出来事が次々と起こり、真相に辿り着くのは困難を極めた。感染源は一体何なのか。そして、その裏側にあった戦慄の事実とは……。デビュー作『感染』以来、数々のベストセラーを生み出してきた医療ミステリーの第一人者が贈る、新型コロナ騒動を予見したと話題の衝撃作! ※この作品は単行本版『鬼嵐』として配信されていた作品の文庫本版です。
  • 鬼降る森
    -
    故郷は、神と鬼の伝説が共存する里だった。 「この歓びと放心はなんだろう。胸の痛みはなんだろう。生まれ育った土地をめぐって、ケリをつけなければならないことがあった」。 宮崎県高千穂。山頭火が「分け入っても分け入っても青い山」と詠んだ、著者の生まれ故郷である。川端康成をして「山川不老」と書かしめた、山高く谷深い里だ。 「高千穂はどこにある」。そこにいるはずなのに、呆けた祖母がふともらした言葉がきかっけだった。道路が整備され、高千穂峡には巨大な橋が架けられ、国見ヶ丘には、巨大な神様の像が建っている今ではなく、「祖母が見ていた高千穂に行ってみたい」と思った著者が、故郷をめぐる。そこは、「天孫降臨」の神話と「鬼八」伝説が共存する、混沌と矛盾の里だった。大宅賞作家が、愛も憎しみも超越した感情で書き尽くした、渾身の風土記。 多くの書評に取り上げられた名著、文庫版を電子化。
  • 鬼平先生流 [粋な酒飯術]
    3.5
    人生とは畢竟、口福に尽きる。 池波正太郎の書生を10年務めた著者による食と旅をめぐる痛快エッセイ。 〔生来口福〕を生き方の基本に置き、老書生は「飲み食い」に命をかける。移ろいゆく日々のなかで描かれる生活は、まさに粋で生唾もの。 「飲み食いに真剣でないということは、そもそも生き方が真剣でないということだ」ほか、その折々に希代の食道楽であった亡師の言葉・思い出が甦る。 食をめぐる思索を哲学にまで高めた、これぞ本物の文章、本物の味わい――。
  • 鬼平料理番日記(小学館文庫)
    4.0
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 わずか数分の出番「消え物」に工夫を注ぐ、それが料理番。今風に言えばスタイリストだ。現代劇と異なり歴史への造詣の深さと卓抜した想像力を必要とする。阿部孤柳は約八年間『鬼平犯科帳』の料理番を勤めた。シナリオには「鬼平田楽に舌鼓」とだけ書かれている。そこから関東串1本、関西串2本という絵献立を導き出す。考古学に於ける発掘作業にも通ずるスリリングな考察で、「鬼平江戸の食」に迫る料理番日記。
  • 鬼六の将棋十八番勝負(小学館文庫)
    5.0
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 将棋アマ六段の実力を誇る作家の団鬼六氏が、羽生善治、郷田真隆などの現役実力棋士や、故大山康晴十五世名人、故升田幸三名人など伝説の棋士たちに駒落ち将棋を挑んだ。また、人気女流棋士との平手戦も含めて、氏独特の自戦記エッセーは、迫力満点。将棋を知らぬ読者でも爆笑、苦笑、微笑の連続…。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • お願いおむらいす
    3.0
    疲れた心に沁みる、美味しい連作短編小説。 ★「お願いおむらいす」  音楽への夢を捨てきれないまま、追い詰められて就職した太一。音楽雑誌の出版社に就職したはずが、全然違う仕事に就くハメに。それでも頑張ってしまうマジメな太一が気づく大切なこととは。 ★「キャロライナ・リーパー」  久しぶりに会う大好きな姉と疎ましい父親。突然聞かされた姉の悲しいニュースに、心は乱れる。対照的に歩んだ女性の生き方、悩みをホロ苦く描く。 ★「老若麺」  ラーメンの名店「紅葉」ぐるフェス店を任された天翔と崇。だが、どうしてもあの味を出せず客は集まらない。そんなとき事件が起こり、ある秘密が解き明かされることに。 ★「ミュータントおじや」  美優は自他共に認める崖っぷちアイドル。大ファンだという女子中学生と出会い、行きがかり上その子の面倒をみることに。自分を押し殺して生きてきた美優の思いとは。 ★「フチモチの唄」 50代後半にしてまさかのリストラになってしまった浩。大切な家族を守り切れない自分に苛立つ。最愛の母の命が長くないことを知り、彼が下した決断とは……。 秋のある日、「ぐるフェス」に集う人々の人生模様を生き生きと描く。心がほわっと温まる全5編。 ※この作品は単行本版『お願いおむらいす』として配信されていた作品の文庫本版です。
  • 尾根のかなたに 父と息子の日航機墜落事故
    4.1
    遺族が辿った不屈の物語 1985年8月12日。航空史上未曽有の悲劇。遺族の悲しみと苦しみは想像を絶した。なんの予兆もなく突然、愛する者を奪われた家族たちは、うろたえ、動揺し、泣き叫び、茫然となった。 父を失った「息子」たちは、やがて「父親」となった。ノンフィクション作家・門田隆将は思った。「あの、寡黙な男たちこそ、何かを後世に伝える義務があるのではないか」――。 <私は、今は「父親」となった当時の「息子たち」を訪ねる作業を始めた。それは決して愉快なものではなかった。訪ねていっても、胸の内を吐露してくれる男たちはむしろ少なかった。今なお、自らの内面を「語る」ことに納得ができていない男たちの方が多かったのだ>(「はじめに」より) しかし、何人かが取材に応じてくれた。彼らは四半世紀という長い年月を経て、苦悩と悲しみを克服していった。 哀しみの「時」は、いつまでその針を刻み続けるのだろうか。最愛の人を事件や事故で奪われた家族は、どうやって絶望を克服できるのか。 本書で取り上げる5つの「父と息子の物語」に、そのヒントがある。 『風にそよぐ墓標』、待望の電子化。2012年10月、WOWOWにてドラマ化!

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  • 溺れる月
    3.5
    乱歩賞作家、戦慄のランニングミステリー! 平凡な公園ランナーであるインテリア会社「ワンダーケース」の社長・高木雅弘は、所属するランニングサークルの仲間たちと行なっている「レース」にハマっていた。 ある日、高木のもとに「明日のレースには負けなさい。さもなければ、ひとが死にます」と書かれた一通の郵便が届く。そして翌日、高木がレースに勝つと、さっきまで走っていた公園内で本当に男の死体が発見される。しかもその男は大学時代の同級生だった――。 これは偶然なのか、それとも……。 走れば走るほど、日常は壊れ、運命は狂っていく――。 江戸川乱歩賞作家が放つ、戦慄のランニングミステリー!
  • 思わず人に教えたくなる 雑学館1(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 古今東西、森羅万象神社仏閣和洋中華…。実にニワトリにはヘソがある、などいう知識から大宇宙の秘密まで、コレだけ知っていればとりあえずいばれるし、クイズも一般教養試験も合格確実!驚異の雑学総集編書き下ろし。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • 親子鷹十手日和
    -
    魚菜には包丁を揮い、悪党には剣を振るう! かつて、「詰碁同心」と呼ばれ、町奉行所の定廻りとして捕物に辣腕を振るった谷岡祥兵衛は、いまでは妻の紫乃とふたり、隠居に暮らす身だ。 若い頃に食いしん坊同士で意気投合、夫婦になってから幾年月。健やかに生まれ、馬鹿正直に育った息子の誠四郎に家督を譲り、気の利いた美しい春霞を嫁に迎え、気楽な余生を過ごしている。 今日も近所の子たちに書を教えたり、玩具を作ったりしていると、誠四郎が探索の相談にやって来た。 駒込で旅道具を売る〈笠の屋〉の主人・弥平が殺されたというのだ。框に倒れていた亡骸の腹に突き立っていたのは、凶器として珍しいと言える剪定鋏。 そして盗まれたのは、たったの一両だけらしい。 娘の佐代によれば、いつも袱紗に二十両を包んで、茶箪笥の抽斗に入れていたが、十九両が残っているというのだが――。 不可解な事件に父子で立ち向かう、篤い人情の通う、書き下ろし連作捕物帖。
  • 親指の恋人
    3.4
    「これから送るのは、親しい友達にも話していないことだ。暗くなるけど、いいかな?」「わたしは……今、この瞬間全身でスミオの話をきいてるよ。全部、話して――」六本木ヒルズに暮らす大学生の澄雄と、薄給のパン工場で働くジュリア。携帯の出会い系サイトで知り合ったふたりのメールが空を駆けていく。20歳のふたりは、純粋な愛を育んだが、そこへ現実という障壁が冷酷に立ち塞がる。無防備すぎる恋は追いつめられ、やがてふたりは最後の瞬間に向かって走り出すことに。格差社会に否応なく歪められる恋人たちを描いた、現代版「ロミオとジュリエット」。

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  • お龍のいない夜
    -
    妻・お龍との愛を軸に描く、風野版龍馬伝。 「龍さんを斬らはるつもりどすか?」 そんなことしたら、あんたの頭にペストルで穴空けてやる。 一つやない。指の二本も入るような穴を、三つも四つもな。 うちは、やると言ったらやる女やで-- お龍は、胸のうちで言った。  時は幕末。京都七条新地の旅館<扇岩>で働く楢崎龍(りょう)は、勤皇の志士の隠れ家で、土佐の坂本龍馬と出会う。龍馬はお龍に惚れ込み恋文を送り、後に祝言をあげる。その後日本を駆け巡る龍馬は、お龍に何度も恋文を送り続ける。 そして、寺田屋事件の夜、お龍の機転で、龍馬は間一髪命を救われる。 しかし、近江屋での夜、お龍はいなかった。お龍がいてくれたら、龍馬は間違いなく明治の日本を生きたはずだった。 龍馬の激動の人生に、お龍はどう絡んでいったのか。 龍馬がお龍に送り続けた恋文の中身はいかなるものだったのか? 「妻はくの一」「耳袋秘帖」シリーズなどで人気を博す風野真知雄が挑んだ、新時代の龍馬伝誕生。 ※この作品は単行本版『お龍のいない夜』として配信されていた作品の文庫本版です。
  • オリンピックに奪われた命 円谷幸吉30年目の新証言(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 東京オリンピックで日の丸を! 日本陸上界の悲願は、円谷幸吉という不世出のランナーの出現で叶えられた。だが、それから4年後、円谷は自らの手で人生に幕を下ろしてしまう。自殺の原因は何か? 自衛隊という巨大組織とスポーツ選手としてのアイデンティティの軋轢に悩む円谷、そんな円谷を陰で支える女性、そして、円谷の人間形成に大きな影響を与えた厳父の密かな苦しみ。30年後の新証言を加えて、著者が悲劇の真相に迫る。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • 『オルガヘキサ』ができてしもうた!(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 「ドロドロの血液がきれいになった!」-植物性炭素繊維「オルガヘキサ」を使うとわずか15分ほどで、そんな驚くべき効果があったという。臨床実験に採り入れた数人の医師が学会で発表するほどの反響なのである。これを開発したのはわずか十八人の会社。世間から白眼視されながらも、怯むことなく「ホンマもん」の開発に懸けた艱難辛苦のドキュメント。さらに、この炭素繊維の、遠赤外線、物質吸着、電磁波シールド、抗菌・殺菌効果を専門家の証言をもとに科学的、医学的見地から検証する。
  • おれたちを齧るな! わしらは怪しい雑魚釣り隊
    -
    大人気! 雑魚釣り隊シリーズ第7弾! ブリだってボラだって出世するのに、どうしておれたちはちっとも賢くならないのだろうか――。 シリーズ第7弾となる今作では、誰が一番うまい魚を釣ってくるのかを競う「第1回雑魚釣りステークス」が開催。果たして栄冠は誰の手に!? さらに冬の館山ではカワハギをたくさん釣って「痛風肝試し」にチャレンジし、夏の東京湾では干潟でアナジャコたちと手にハサミ握りあう激闘を繰り広げた。 そして、クライマックスは能登半島の超特級キャンプ場を舞台に、幻の高級魚をネタにした「人間回転寿司」の大宴会。なんとその一部始終は地元テレビ局の特番として放映されたのだった――。 釣ったそばからまるかじり! 進化も成長もしないおバカな男たちによる爆笑釣行シリーズ最新刊!! ※この作品は過去に単行本として配信されていた『おれたちを齧るな! わしらは怪しい雑魚釣り隊』 の文庫版となります。 (底本 2022年6月発行作品)
  • おれたちをまたぐな! わしらは怪しい雑魚釣り隊
    3.0
    進化も成長もしないまま遂にシリーズ第6弾。 おれたちが必死で釣った魚は、猫もまずいといって跨いでいく―― 米子の海岸で手作りテントを建設し、富山湾ではホタルイカ掬いに精を出す。 八丈島の堤防ではムロアジ大漁に歓喜の雄叫びをあげたのだが、秘島・青ヶ島ではなんと監禁状態に!  進化も成長もしないまま、遂にシリーズ第6弾! ※この作品は『おれたちを跨ぐな!~わしらは怪しい雑魚釣り隊~』(単行本版)の文庫版となります。
  • おれたちを笑うな! わしらは怪しい雑魚釣り隊
    3.5
    抱腹絶倒釣行記、大人気シリーズ! たとえ小さな雑魚でも百匹釣れれば雑魚鍋だ!  椎名隊長率いる雑魚釣り隊は、今日も釣り竿かついで東へ西へと飛び回る。 狙うはゴマサバ、アイナメ、イカにタコ。もちろん雑魚は大本命。 堤防カラアゲに絶叫し、死に辛ソバでアヒアヒ化しながらも、男たちは釣り雑誌からのリストラ通達や、韓国・済州島のサバイバル釣り、真冬の海浜強化合宿といった試練に立ち向かっていく。 焚き火とビールの黄金時間に響き渡るのは、大漁を祝う歓喜の歌か、はたまた、ボウズを嘆く泣き声か――。 抱腹絶倒の釣り紀行。 【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。
  • おれたちを笑え! わしらは怪しい雑魚釣り隊
    3.5
    ザコを求めて南へ北へ。 爆笑人気シリーズ!! 若狭だ奄美だ四万十だ!  結成から10年。隊長・椎名誠率いる雑魚釣り隊はテントかついで南へ北へ、ザコを求めて今日も行く。 今回狙うはカンパチ、アマダイ、マグロにヒメマス・・・・・・。おいおい、雑魚はどこいった。あげくの果てにはバリ島のフィッシングトーナメントにまで出場してしまう。 掟破り、身の程知らずの男たちを待ち受ける運命やいかに。 バカさ全開! 大人気爆笑釣行記シリーズ!! 【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。
  • 俺の心臓は彼女にしか撃ち抜けない
    4.0
    「今日から俺は!!」人気漫画家最強の一作。 見た目どこにでもいる普通の高校生(妹属性のアニオタ)・杵屋孝志は、ある日、ふと下校途中に立ち寄った神社で超絶美少女の巫女・霞に出会う。聞けば、自分は神に選ばれたのだという。  なにかの悪戯か? 当然のごとく訝しむ孝志だったが、霞があまりに気になってしまい、どんどんと見えざる相手の思惑に巻き込まれていってしまう。  一方で、ふがいない生活を続けている中年サラリーマンにも、同じような出来事が出来していた――。
  • おろち olochi, super remix ver.
    3.0
    奇才・楳図かずおの名作を、天才が小説化! 100年に一度、長い眠りにつくことによって不老不死の体を保ち、人の世をさまよい続ける謎の美少女“おろち”。  行く先々で起こる、人の業から生まれる悲劇――惨劇を、時に自らの不思議な力を介入させつつ“おろち”は見つめ続ける。  そんな“おろち”が家政婦として潜り込んだ門前家には、二人の美しい姉妹がいた。姉妹の母親は、活動写真の大スター女優。その母親の跡を継ぐべく、姉妹は厳しい英才教育を受けている。  ある日、母親は活動写真のプロデューサーらを引き連れて帰宅をする。その後、自宅の映写室で上映された新作を見ていた時、アップにされた自分自身の顔を見て母親の顔色が突然変わる。  その理由――門前家の女に連綿と受け継がれてきた血の秘密が、やがて一家を崩壊へと導いていく‥‥。  まんが『おろち』を愛してやまない小説家・嶽本野ばらが描く、オリジナル・エピソード満載のもう一つの『おろち』。  名人・桂米朝の怪談噺の型を隠し味にして、独特のエスプリとユーモアを随所に織り込んだスーパー・リミックス・ヴァージョン。無類の面白さをご堪能ください!

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  • 終りに見た街
    3.8
    戦時下にタイムスリップしてしまった家族。 東京近郊に住む平凡な家族は、ある朝、戦時中(昭和19年)の日本にタイムスリップしていた――信じられないようなSF的設定で始まる問題作。家族が投げ込まれた世界は、戦時下の「食糧不足」「言論統制」「強制疎開」「大空襲」の時代だった。憎むべき〈戦争〉の時代に、〈飽食した〉現代人はどう立ち向かうのか。太平洋戦争末期、敗戦へと向かう日本を鮮烈に描きながら、驚くべき結末が待ちうける戦慄の寓話。
  • 音楽は嫌い、歌が好き(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 これを読むと音楽が聴きたくなり、コンサートに行きたくなる。玉木正之の楽しむ音楽のめちゃめちゃイケてる世界。今クラシックに興味を持ち始めている人にとって、最もうれしいクラシック・音楽入門必読書だ。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • 音楽ばんざい♪ アトピーに勝った!(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 音楽に乾杯! アトピーよさよなら! 国際的フルート奏者の著者は、アトピー性皮膚炎に悩み、あらゆる治療法を試みて悪戦苦闘した。ドイツに留学し、世界的フルート奏者P・マイゼン氏に師事し、演奏活動の傍らアトピーに悩む人たちへの助言や講演に積極的に関わり続ける。その勇気と機知に溢れた、自ら楽しむ音楽人生を初めてつづったエッセイと、アトピーの人たちへの貴重な助言。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • オン・ザ・ライン
    3.5
    テニス少年の底抜けに明るく切ない青春物語。 ウルトラ体育会系だけれども活字中毒でもある文学少年、侃(カン)は、高校に入り、仲良くなった友だちに誘われて、テニス部に入ることになった。初めて手にするラケットだったが、あっという間にテニスの虜になり、仲間と一緒に熱中した。テニス三昧の明るく脳天気な高校生活がいつでも続くように思えたが……、ある日、取り返しのつかない事故が起きる。 少年たちは、自己を見つめ、自分の生き方を模索し始める。 「恐ろしいほどの感動が、俺を圧倒した。若く溌剌とした魂の輝きがもし目に見えるとすれば、朝の光の中できっと俺はそれを見たのだ。 瞬くように過ぎ去るからこそ、二度と戻れないからこそ、このきらめくような瞬間はかけがえのない一瞬だった。」(本文から) 少年たちのあつい友情と避けがたい人生の悲しみ。切ないほどにきらめく少年たちの日々の物語。
  • 女形と針子
    -
    明治歌舞伎青春譚、ここに開幕! 全国を回り旅芝居を続ける傍流歌舞伎一座「花房座」。座頭の長女である百多は亡き母に代わり裏方の仕事を一手に担い花房座を陰から支えていた。 百多の頑張りもあり、一座の評判は上々。ついに東京の大きな芝居小屋での興行が決まった。 しかしそんな中、人気の若女形である弟の千多が失踪してしまう。千多なしで次の興行は成り立たない。急遽、百多が弟に化け舞台に立つことになるが、運悪く衣裳屋の職人・暁に正体が露見してしまい――。 女形の「女」と針子の「男」。一座と衣裳屋の危機を救うため、秘密を共有した二人が大舞台に挑む。明治歌舞伎青春譚、ここに開幕!
  • 女の名前
    -
    直木賞作家・桜木紫乃にとっての母なる一冊。 私のあこがれてやまないものが、本書のなかにあった。 長く長く大切に読み継がれますように――直木賞作家・桜木紫乃。東北の小都市で、暮らしを愛し、文化を愛し、詩や小説を書き続けてきた女流の見事なエッセー集。
  • 女は三角 男は四角(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 『週刊ポスト』誌上で「朝ごはん食べた?」と題して連載された人気エッセイの電子化。『毛利元就』など、数々のヒットドラマ脚本執筆で磨いたヒューマンウォッチングは並ではない。ドラマチックではないけれど、日常の暮らしの中に潜んでいる人情の機微をあなたに代わって語ってくれる目からウロコの一冊。女と男の微妙な心の探りあいは、著者ならでは。フムフム、なるほどの納得エッセイ集。
  • おんなひとりの鉄道旅 東日本編
    3.8
    1~2巻627~660円 (税込)
    BE-PALの人気連載「おんなひとりの鉄道旅」の文庫版を電子化! 旅と鉄道を愛するフォトライターが、全国の様々な線路と旅をした。女性鉄道愛好者“鉄子”ブームの先駆けが訪れた名路線を最新のデータと共にカラーで収録。東日本編と西日本編の2冊同時発売。2002年に『BE-PAL』誌上で始まった連載「おんなひとりの鉄道旅」をまとめ、地域別に再編集。取材後に廃線となったちほく高原鉄道や、寝台特急あさかぜなどの貴重なレポートはそのままに、運航中路線のデータ部分は、2008年6月のものになっています。
  • 怨霊になった天皇
    3.9
    天皇は神にもなるが、怨霊にもなる! 125代に亘る世界最古の王室・天皇家。御簾(みす)の奥で平穏に続いてきたかに思える皇室だが、実は権力闘争や謀略など、壮絶なドラマが絶えなかった。暗殺、呪殺、憤死などで「怨霊」になったと信じられた天皇が何人もいる。歴代天皇はこれら「怨霊になった天皇」が日本国に祟らぬよう祀り、荒魂を鎮めて「神」にし、その絶大な霊力を現世に活かそうと考えてきた。ここには、天皇は民の安寧を祈り、民は皇室の弥栄を願うという他国には見られない王室と国民の近しい関係、つまり日本の国柄が見てとれる。 明治天皇の玄孫である著者が、崇徳天皇を中心に独特の視点から「天皇家の怨霊史」をひもとく。 あなたはご存じだろうか、崇徳天皇の800年式祭に昭和天皇が勅使を送られていたことを。そう、これは現在にまで続く天皇と怨霊の裏の歴史である。 発刊時、話題を呼んだ同書、待望の文庫版を電子化! 天皇は神にもなるが、怨霊にもなる!

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  • ALWAYS 三丁目の夕日’64
    4.3
    舞台は東京五輪の昭和39年、あの感動再び! オリンピックを前に活気に溢れる昭和39年の東京。夕日町三丁目には、今日も人情味あふれる人々の暮らしがあった。前作で芥川賞の最終候補にもなった小説家の茶川龍之介は、もうすぐ妻ヒロミとの間に新しい命を授かることになっていたし、店をビルディングにしようと奮闘する鈴木則文の経営する鈴木オートも確実に仕事を広げていた。そんなある日、少年誌の「冒険少年ブック」に小説『銀河少年ミノル』を連載していた茶川の前に、強力なライバルが出現する。同じ雑誌で『ヴィールス』という小説を連載する緑沼。茶川の作品をおしのけ人気が出てきた緑沼の作品のため、『銀河少年ミノル』は打ち切りの危機に。一方、5年前に集団就職で鈴木オートに就職してきた六子もすっかり大人になり、近所の医院で知り合った菊池先生と銀座でデート。しかし、菊池には怪しい影が付きまとい、よからぬ噂も六子の耳に入ってきて人知れず悩んでいた。今回も涙と笑いがいっぱい、シリーズ初の3Dで公開する映画「ALWAYS 三丁目の夕日’64」のノベライズ。
  • オール・マイ・ラヴィング
    4.0
    14歳の少女とビートルズの物語。 「オール・マイ・ラヴィング」とビートルズは歌う。 聴いていると、だんだんわたしは内側からわたしではなくなっていく。外側にくっついているいろいろなものを振り落として、わたしは半分わたしではなくなる。ビートルズに染まったわたしとなる。 《最初から最後まで、この本のあちこちからビートルズがこぼれてくる。ほんとうにこぼれてくる。本を閉じても、まだ聞こえる》――(江國香織・評) ビートルズ日本武道館公演――50年前の「あの時代」を等身大の少女の目で見つめた感動の少女小説。夜行列車で、ビートルズ日本公演を観るために家出して東京へ向かう少女の姿に、思わず目頭が潤む。
  • 開運招福般若心経(小学館文庫)
    4.0
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 「般若波羅密多」ということばは、ごっついありがたい真言やさかい、大事にしなはれや。生まれることも死ぬことも、りんごが木から落ちるのと同じ自然のなりゆきやねんから、なーんにも怖がることなんかあらへんねん。運気溢れる招福童子たちが浪花語りで案内する愉快な般若心経の世界。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • 怪奇恋愛作戦
    -
    アラフォー三人娘のホラーなラブコメディ。 夏美、秋子、冬は仲良しのアラフォー三人娘。カフェのオーナーを夢見て会社を辞めた夏美が借りたお店の場所に行くと、そこはおかしな店主がいる「喫茶面影」という怪しい店になっていた。地味な音楽教師の秋子は男子生徒に女心をもてあそばれ、自称女優の冬は上司ともめて会社をクビに……。散々な目にあった三人は、ひょんなことから夏美が働くことになった「喫茶面影」に集うことになる。さらに夏美の幼なじみで刑事の二階堂やその後輩・悲別を巻き込みながら、彼女たちの負のオーラが呼び起こした怪奇現象や妖怪たちに翻弄されていく。三人の恋の行方と運命はどうなるのか――!? 日本の演劇界を代表する演出家、さらに映画監督、ミュージシャンとしても活躍する奇才、ケラリーノ・サンドロヴィッチが満を持して自身初の完全オリジナル脚本&演出でテレビ界に殴り込みをかける! 豪華スター競演で贈るポップなホラーラブコメディを完全ノベライズ。
  • 開港ゲーム(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 明治5年、嵐を避け横浜に入港したペルー国籍船マリア・ルス号から中国人苦力が脱走した。長い鎖国から開国、文明開化に沸く日本は、アメリカ・イギリスの利権争いが熾烈をきわめている時期でもあった。近代法治国家を目指し、国際裁判も始まるが、列強の思惑は、その道を塞ぐ。更に、英米の諜報活動から殺人事件が続発、横浜の町を震撼させた。神奈川県令・大江卓から秘命を受けた、日英混血の新聞記者・章一郎は事件の解明に乗り出す。耳慣れない〈開港ゲーム〉とは。殺人事件の黒幕、海事審判の駆け引きに、章一郎の出生の秘密までからまっているとは……。
  • 解雇・男たちのリストラ(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 有名銀行や証券会社の悲劇の裏では、どんなことが行われ語られていたのか。会社のスリム化や人減らしなど、不況対策は立場によりその苦労は並大抵ではない。その犠牲に泣く人もいる。今だから読みたいこの一冊! ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • 介護の鉄則(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 老人介護の重きに泣いて、ふらついたら本書を読んで立ち直れ。臨床医として20年、ぼけ医療の現場で直面した、患者とその家族・医者、ナース、ヘルパーを巻き込んでの椿事と感動秘話。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • 介護はつらいよ
    -
    泣けて、笑えて、役に立つ。介護実録の名作。 「頑固な父と、私のこともわからない認知症の母の世話をするのは、息子の私一人では無理だと思えました。それでも、やらなくてはならない。無理だなどと引いている暇はなかったのです。父とは何度も喧嘩をしましたが、私は東京へ逃げませんでした。」(本文より) 第一章(2006年~08年)母を看取る/第二章(2009年~13年)父を看取る 単行本では、老人ホームに入所した父が満100歳になる2013年2月までが描かれている。 その後、父は2015年3月に天寿を全うした。101歳と6か月だった。 本文庫では、2013年~2015年までを書き足し、完全版として刊行する。 単行本刊行時には各紙誌で反響を呼んだ。以下にその一部を紹介する。 嵐山光三郎――「この介護実録はまるでアクション映画だ」 斎藤美奈子――「淡々と書かれた介護日記にはお金の出入りなども細かく記され、参考になるところ大。エッセイとしても実用性の点からもオススメ!」 中野翠――「実践的なマニュアル本としても十分役立つ本。その上ユーモラスで愛らしい」 北上次郎――「この著者は若き日の不倫を隠さず、虚飾をまとわず、裸で現実に立ち向かう」 ※この作品は過去に単行本として配信されていた作品の文庫版となります。
  • 介助犬オリーブのきもち わたしの職場は市役所です
    -
    密着取材してきた著者が、犬のきもちになりきって綴った、「オリーブ」一人称の半生記。 わたしの名前はオリーブ。盲導犬より介助犬に向いているといわれた、3歳半のラブラドール・レトリーバーです。ユーザーの山口さんは車いすに乗った千葉市の職員で、毎日一緒にご出勤。でもこれまでには、子犬時代からの訓練の日々があったのです―。働く犬の事情に精通し、オリーブに密着取材してきた著者が犬のきもちになりきって綴った、オリーブ一人称の半生記。元気でかわいい写真を満載し、小学校高学年からひとりで読める、絵本感覚の書き下ろし文庫を電子化! この電子書籍の売り上げの一部は、公益財団法人日本盲導犬協会、社会福祉法人日本介助犬協会に寄付されます。
  • 怪人二十面相・伝(小学館文庫)
    3.9
    1~2巻583~627円 (税込)
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 怪人二十面相の正体は誰か。原作者の江戸川乱歩さえ触れることのなかった永遠の謎を劇作家でもある著者が大胆な想像力と緻密な構成で描く。父が自殺し母も行方不明となった平吉は、孤児院に行くことを拒否して、自らの意志でサーカス団に入門する。そこで平吉の面倒をみることになったのは、あらゆる芸を即座に自分のものにしてしまうサーカスの天才・武井丈吉だった。芸の師匠でもある丈吉を父のように慕う平吉だったが、突然、丈吉はサーカス団から姿を消してしまう。「世間をあっといわせる泥棒になる」という言葉を平吉に残して。話題の映画「K‐20」原作。
  • 海炭市叙景
    4.2
    北の町に暮らす人々を描く悲運の作家の遺作 「海炭市叙景」は、90年に自死を遂げた作家、佐藤泰志(1949-90)の遺作となった短編連作です。海に囲まれた北の町、「海炭市」(佐藤の故郷である函館市がモデルです)に暮らすさまざまな人々の日常を淡々と描き、落ち着いた筆致の底から、「普通の人々」の悲しみと喜び、絶望と希望があざやかに浮かび上がってきます。この作品が執筆された当時はいわゆる「バブル」時代でしたが、地方都市の経済的逼迫はすでに始まっていました。20年の歳月を経て、佐藤泰志が描いたこの作品内の状況は、よりリアルに私たちに迫ってくると言えます。 函館市民たちが主導した映画(熊切和嘉監督・加瀬亮、谷村美月、小林薫、南果歩などが出演)の公開は2010年12月。映画化をきっかけに、心ある読者に愛されてきた幻の名作が、ついに電子書籍となって登場!

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  • 会長への道(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 真打昇進に17年もかかった。キックボクシングのリングアナウンサーをはじめ、ずいぶんと回り道をしてきた。十八番の自作落語「会長への道」で大看板を葬り、師匠を殺し、先輩を追いやっていたら、本当に落語協会の会長に就任してしまった。顔も怖いが高座もこわい。でも、心根はほんとうに優しい親分肌の人情師匠。落語家人生50年。10年前に刊行した名著『会長への道』に、師匠小さん、僚友志ん朝をおくる章を新たに書き下ろし。抱腹絶倒の楽屋噺。
  • 快読解読 池波正太郎(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 ジャズを好み、食にこだわり、東京人としての矜持を深く沈めて、数々の名作を描いた池波正太郎、その登場人物に共通するものはある種の潔よさとでも言えるだろう。たった一冊の本との出会いが、その後の人の生き方を変える…本書にはこの言い古された言葉への再発見と証明が随所にある。「鬼平」、「梅安」などお馴染みのヒーローの誕生裏話や創作秘話にまじえて、「剣客商売」全巻のあらすじと解説をまとめた「池波正太郎」読本。
  • 香りのレシピ アロマテラピーとアロマコロジー(小学館文庫)
    4.0
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 香りの癒し“アロマテラピー”。だが果して本当に効果があるのだろうか。自ら菜園を拓き草花を摘み植物との交流を密にする筆者が調香師としての経験と視点で綴るアロマテラピー「香りの解体新書」。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • 係長・山口瞳の<処世>術
    3.0
    サントリーの部下が描く、山口瞳の原風景。 日本の高度成長が始まる昭和33年、失業中の山口瞳は、寿屋(現・サントリー)に入社し、宣伝部でコピーライター・PR誌「洋酒天国」編集担当者として多忙な日々を送ることになった。そして37年、著者が新卒社員として寿屋に入社すると、直属の上司は、「宣伝技術課係長・山口瞳」だった。サラリーマンとしてマジメに勤務しつつ、「江分利満氏の優雅な生活」で直木賞を受賞した山口瞳は、会社員として、社会人として、男として、人間として、そして作家として、どう生き、どう身を処したのか。『「洋酒天国」とその時代』で第24回織田作之助賞を受賞した著者が生き生きと描く、作家・山口瞳の原風景。
  • かぎ縄おりん
    3.7
    この親子愛は私の理想――瀧本美織(女優)。 日本橋堀留の「駕籠清」の娘おりんは、番頭の祖母・お粂に早く婿を取り商売を継ぐようせっつかれている。しかし目明かしに憧れるおりんにそのつもりはなく、いざこざには真っ先に駆けつける始末だ。 ある日、「高砂屋」に元奉公人・平吉が人質をとって立て籠もった。目明かしの父・嘉平治や同心・磯部金三郎の目をかいくぐり、平吉が隠れる蔵に迫ったおりんは、隙をつき、得意のかぎ縄で罪人を捕らえたのだった。 その活躍に磯部はおりんを目明かしに勧めようとするが、嘉平治は娘の勝手な行動に激怒し、許さない。思わずおりんは本心を白状する。二年半前、嘉平治は神田明神の祭礼で何者かに足を刺され、今も左足を引きずるようにしている。目明しの親分として活躍していた嘉平治が悔しさを噛みしめる姿を見たおりんは、自分も捕物に携わり、いつか父の敵を見つけると決意したのだ。 娘の言葉を聞いた嘉平治は、翌朝、おりんを伴い磯部宅を訪れた。そして、まずは下っ引きとして務めさせ、目明かしにふさわしいか見極めたいと申し出る。おりんは父のあとを継いで、十手持ちになれるのか。時代劇の名手が贈る、痛快捕物帳、ここに開幕!
  • 書くインタビュー 1
    3.7
    小説巧者に訊く前代未聞のインタビュー読本。 「これは、直接会って言葉をやりとりするのではなくて、メールを用いたインタビューです。いっぱんの対面式のインタビューを『喋るインタビュー』だとすると、今回やろうとしているのは『書くインタビュー』です。いままでどおりに質問しようとしても、なかなかそうはいかない。こちらもいままでどおりに答えようとしても、そうはいかない。質問も回答も手間をかけて文章にしなければならないからです」(本文より抜粋)  小説巧者として知られる作家・佐藤正午さんはいかにして作品を“つくって”いるのか――そんな疑問を直接ぶつけるインタビューが、前代未聞の形式で実現。面とむかって話す機会はおろか事前の打ち合わせもいっさい無し、メールのやりとりのみの「書くインタビュー」はスタートしましたが……。 「はっきりさせておきます。なにがなんでも答えたい質問などこちらにはありません。僕はべつに誰かの質問に答えたくてうずうずしているわけではないのです」  まさかの聞き手交代劇にはじまり作家秘書の口述筆記も! のちにNHKでドラマ化される『身の上話』上梓直前の2009年6月から、『鳩の撃退法』の執筆準備に入る2010年12月までの質疑応答(?)を収録した第1巻。
  • 架空OL日記 1
    3.9
    1~2巻517~583円 (税込)
    バカリズム、OLなりすましブログ文庫版を電子化! 会社のあとに、デパートの化粧品売り場をチェックしたり、しめにラーメン食べて焦ってジムに行くけど、お腹はぼっこりのまま。それが私。  寝坊して遅刻しそうになり、髪はボサボサ、眉だけ描いた緊急メイク状態で電車に乗ったら高校時代のかっこいい先輩にばったり遭遇。なのに、会社に行ったらいつもと同じといわれてしまう。それが私。  ジムで腹筋が割れてスタッフに間違われたりする同僚マキちゃん、いろんな意味で天然すぎる後輩サエちゃんたちとの半笑いな日々。  バカリズムが、OLになりきって書いた伝説のブログ、文庫版を電子化!
  • 書くことについて ~ON WRITING~
    4.1
    作家自身が「秘密」を語る。待望の新訳刊行。 「われわれ三文文士の多くもまた、及ばずながら言葉に意を注ぎ、物語を紙の上に紡ぎだす技と術に心を砕いている。本書のなかで、私はいかにして『書くことについて』の技と術に通じるようになったか、いま何を知っているのか、どうやって知ったのかを、できるだけ簡潔に語ろうと思っている。テーマは私の本業であり、言葉である」(本文より)  ベストセラーを次から次へと生み出す、アメリカを代表する作家が、自らの「書くことについて」を解き明かしした自伝的文章読本。作家になるまでの苦闘物語から始まり、ドラッグとアルコール漬けの作家生活を語る半自叙伝の回想。書くために必要となる基本的なスキルの開陳。いいものを書くための著者独自の魔法の技。そして「書くことと」と「生きること」を重ね合わせる作者自身の人生観まで。ひとりの作家の「秘密」がそこかしこに語られるドキュメンタリー。  2001年に「小説作法」として翻訳されたスティーヴン・キングの名著を、新たに平明で簡潔な文章で訳した新訳版。新たに巻末には著者が2001年から2009年にかけて読んだ本の中からベスト80冊を選んだリストを掲載。 (底本 2013年7月発行作品)
  • 隠し目付服部半蔵「遠国御用組」始末 バウティスタの涙
    -
    将軍吉宗の敵はイスパニア! 新感覚時代劇。  八代将軍吉宗の御前試合で、秘技「飛燕殺」で柳生俊方に勝利した丹波半蔵は、吉宗の命により、その詳細の判らぬまま家人の三太夫と京都に向かった。待ち合わせとなった三条大橋で、いきなり大立ち回りに巻き込まれた半蔵。切り捨てた侍の瞳は緑色をしていた。  自らの天命を探す半蔵は、江戸からやってきたかすみや、旅籠「武蔵屋」の主人勝五郎、御射山の屋敷を預かる妖艶な夕霧など、味方となる人々と出会った。そして明らかになったのは、半蔵は伊賀者を統率する八代目服部半蔵なのであり、幕府を揺るがすような巨悪に対して、自らの裁量で成敗することができるということだった。  京都で起こっている一連の事件の黒幕は、実はイスパニアからやってきた“バウティスタの涙”と呼ばれる一味で、薩摩藩や裏柳生の勢力が一緒に行動していた。  そんな中、半蔵の手下となったかすみが、敵に捕らえられた。相手は、半蔵の持っている謎の金貨のついた首飾りを返せと言ってきた。敵との決戦のときが迫る!  女には弱いが、剣の達人であり、天性の勘の良さを供えた男・半蔵が、活躍するシリーズ第一作!
  • 駆け込み船宿帖 ぬくもり湯やっこ
    -
    極上ご飯は新たな人生を歩ませる力となる。 江戸深川に建つ船宿「山谷屋」の主・志津は、微笑をたやさない童顔がお地蔵さんめいた十八歳。 六年前に死んだ父の跡を継いで、たった一艘しかない船をやり繰りしながら、大叔父の捨蔵と宿を営んでいる。 そんな山谷屋に、鼻筋の通った二十歳の船頭・百助が、川面に浮かんでいた若い女を慌てて担ぎ込んできた。 志津が作った貝柱の出汁で煮込んだ粥で、生気を取り戻した女は、「どうしておとっつぁんは、あんな目に遭わされてまで、『怨らんじゃならねぇ』だなんて言うの……きっと仙蔵に復讐してやる」、そう呟いた――。 おみねと名乗る女に、いったい何があったのか? 志津と捨蔵、そして百助は、手をかけた料理と知恵を絞った妙策で、おみねを絶望の淵から救おうと奔走する。 世話好きの三人をよく知る同心の後藤多一郎から助太刀を得たものの、最大の危機が訪れた! 「辛い過去を背負った客を癒し、新しい人生への船出を手伝う、温かい船宿」山谷屋にかかわる、輝く人々を描く、感動の文庫書き下ろし連作時代小説。
  • 影

    5.0
    高潔なノーベル賞作家に隠された「心の闇」。 ノーベル賞作家である父アクセル・ラグナーフェルトは、脳疾患で全身麻痺(まひ)となり施設に入っている。息子ヤン=エリックはその威光で尊敬を集めて生活しているが、家庭は崩壊し浮気三昧(ざんまい)の日々だった。 物語は、高齢で死んだ老女の身元確認から始まる。彼女はかつてラグナーフェルト家で家政婦をしていた。葬儀のために探し物をすることになったヤン=エリックは、事故死と聞かされてきた妹の死因に不審を抱く。やがて彼は、高潔なはずの父が何かをひた隠しにしていることを知る……。 人は、ここまで堕ちることができるのか――生きることの絶望と希望に迫る問題作。
  • 影裁き―蘭方医・石庵事件帳(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 江戸八百八町を震え上がらせた、身篭もった女たちが次々と惨殺されるというおぞましい猟奇事件の裏には、主人公の蘭方医・澤井石庵の師であり行方知らずの後藤尚玄の医術の技が垣間見える。恩師は何者かにかどわかされ、妊婦殺しを強要されているのか?なぜだ!いわれなき悪業に市井に生きる石庵の怒りがはじける。その一撃が大奥を巻き込んだ幕閣の権力争いを暴き出す。石庵を助ける小刀鍛冶・捨松、引手茶屋の若き女将・お春。いずれ劣らぬ腕と気っぷの役者がそろって世の憂さをなぎ払う痛快時代巨編。
  • 陰山英男 学力は家庭で伸びる
    3.7
    陰山先生がすべての父親、母親たちに贈る家庭教育論決定版。 子供たちが本来持っている「力」を引き出すために、家庭で親たちはどのように接し、何をすることが必要なのか? 陰山氏が自らの経験をもとに今すぐ親ができる具体策41を、わかりやすく提案します。 例えば―― ●リビングに図鑑を置こう ●宿題は食卓でさせよう ●運動会で我が子をビデオで追いかけ回さない ●机の上を親が片づけない ――どれもが、誰でも今すぐ実践できる簡単なことばかりで、その効果は陰山氏の教師として父親としての体験から実証されたものばかりです。

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  • 過去ある女 プレイバック
    -
    まるで第一級の長篇小説のように面白い。 「生きていかなきゃならない夜がまだいっぱいありすぎる」――アメリカを逃れてカナダの港町ヴァンクーヴァーにやってきた謎に包まれた若い美女。彼女につきまとうジゴロ、ホテルのペントハウスに住む独身紳士、そして殺人課警視。彼女の部屋のバルコニーで発見された男の射殺体。悲劇的な女が投げこまれた花やかな、そして卑しい世界を、見事な台詞と小気味のいい展開で描いたフィルム・ノワールの逸品。  ユニバーサル社の資料室から発掘されたこの最終稿は、チャンドラー自らが「私が書いた映画脚本の中でも最高のひとつ」と自讃する。知られざる傑作を名訳で再刊したものを電子書籍化した。  丸谷才一はこの作品の初刊刊行時、〈これが文学でなくて何が文学か〉と題して、こう絶讃した(抜粋)。「いろいろな意味でおもしろい本だ。チャンドラー伝の一資料。彼の小説作法を映画性の側から考へるための重要な手がかり。フィリップ・マーロウのゐない物語をチャンドラーはどういふふうに作るか。しかし肝要なのは、このシナリオがまるで第一級の長篇小説のやうに楽しめるといふことだらう。……かういふ形でチャンドラーの作品をもう一つ読むことができるのは、幸せな話だつた」
  • 河口へ(小学館文庫)
    3.5
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 自らの体験をもとに建設現場で働く外国人労働者の姿を骨太にしてユーモラスに描く表題作のほか、「入水の夏」「待ち針」「菩薩」「ありふれた一日」の短編を収録しました。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • 過去を消した男 プーチンの正体(小学館文庫)
    4.0
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 2000年5月、47歳でロシア連邦第2代大統領に就任したウラジーミル・プーチン。かの「怪僧ラスプーチン」の末裔ともいわれるその出自、KGB勤務時代の隠された過去など、その半生は怪しく謎に包まれている。2000年7月の沖縄サミット・首脳会議で訪日、本格的な国際デビューを果たすが、その胸に秘めた国際戦略、対日外交はいったいどういうものなのか。本書はプーチンの本性を分析した日本初のプーチン研究書である。
  • 鍛冶屋の教え 横山祐弘職人ばなし(小学館文庫)
    4.0
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 水戸斉昭の刀鍛冶から、農具・生活刃物を打つ職人へ。幕末から平成の現在まで、鉄とかかわってきた奥久慈の野鍛冶・横山祐弘氏が語る、鉄の不思議と道具の魅力。懐しい日本を思い出す、文庫書き下ろしの聞き書き集。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • かすがい食堂
    3.6
    1~3巻638~693円 (税込)
    駄菓子屋の奥に、子どもだけの食堂開店! 激務の末にロケ先で怪我を負い、心身ともにダメージを負った楓子は憧れて入った映像制作会社を25歳で退職した。実家で無為徒食の生活を過ごした後、80歳になる祖母が営んでいた東京・下町の駄菓子屋「かすがい」を継ぐことになった。 1ヶ月経ち、「おばちゃん」と子どもたちに呼ばれるのにも慣れ、常連の子の顔と名前も覚えて来た頃、ひとりの少年の存在に気がつく。夕刻にやって来てきっちり300円分の菓子を買って帰るのだ。その理由に気がついた楓子がとった行動とは──(第一話 その名も『かすがい食堂』)。 貧困、いじめ、摂食障害など問題を抱える子どもたちのために、楓子は店の奥の台所で食事を提供することにした。肉汁のあふれるハンバーグ、もりもりごはんが進む野菜炒め、みんなで囲む寄せ鍋……!!  楽しく温かい食卓を描く全四話。
  • 稼ぐ力 自分の仕事に「名札」と「値札」をつけられるか
    3.9
    今こそ必読!「仕事と給与」を考え直す一冊。 日本的な「年功序列」も「成果主義」も間違っている! これまでの経験や年功が通用しなくなっている今、上司・先輩の真似をしていても業績は上がらない。彼らとは違う能力とスキルが必要なのだ。いかに“自立”して稼げるかが、問われている――。 日本を代表する大企業までが赤字転落、次々と大規模なリストラを余儀なくされる中で、ビジネスマン一人一人の「稼ぐ力」がシビアに問われている。日本企業は今、何に苦しんでいるのか? 現在の低迷から脱却するために必要な人材とは何か? これから身につけるべき能力やスキル、仕事観とは……。 世界的経営コンサルタントによる最新&世代別「サバイバル仕事術」。 【ご注意】.※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。
  • 風の向こうへ駆け抜けろ
    4.0
    爽涙!スポーツ小説の大傑作、待望の文庫版を電子化!  芦原瑞穂(18歳)は地方競馬界にデビューした、数少ない女性騎手。敬愛する亡き父親への思慕から競馬界に身を投じた。だが、彼女の受け皿となったのは今にもつぶれそうな「藻屑の漂流先」と揶揄される寂れた弱小厩舎。そこにいる調教師、厩務員たちは皆それぞれが心に傷を抱え、人生をあきらめきったポンコツ集団だった。  弱小厩舎のため強い競走馬も持てず、さらなる嫌がらせを受け、困っていた矢先に出合った一頭の馬。虐待により心身共にボロボロだったこの馬も懸命な介護と歩み寄りにより、生まれ変わったかのような素晴らしい競走馬に変貌を遂げる。当初は廃業寸前だった厩舎も、瑞穂の真摯な努力と純粋な心、情熱から、徐々に皆の心は一つとなり、ついには夢のまた夢である狭き門、中央競馬の桜花賞を目指すまでになる。が、その行く手には様々な試練が待ち受ける。温かな絆でつながった彼らの運命は…?  偏見、セクハラ、虐待、裏切り、老い…。様々な理由から心に傷を抱え、人生をあきらめかけている人間達の起死回生ストーリー。人は何歳からでも成長できる、そして人生はやり直せる。すべての方々に読んでいただきたい、人生への応援歌となる1冊です。
  • 風の向こうへ駆け抜けろ2 蒼のファンファーレ
    4.6
    ドラマ化決定の大ヒット競馬小説、第2弾! 女性騎手・芦原瑞穂と弱小厩舎のメンバーを描いた爽快スポーツエンタメ小説の続編が、待望の文庫化。 舞台は再び、「藻屑の漂流先」と揶揄され、廃業寸前だった緑川厩舎。瑞穂の真摯な姿勢と情熱でメンバーが一つになり、G1桜花賞に挑戦、惨敗した翌年。今度は、中央デビュー戦で勝利した超良血馬ティエレンが緑川厩舎にやってきた。馬主はマスメディアでも有名な風水師のワン。何もかも謎めいている彼は、風水で緑川厩舎に白羽の矢を立てたと言い、厩舎を立て直すきっかけとなった魚目の馬、フィッシュアイズとの勝負を望んでいた。その狙いとは……。  奇しくもワンが告げた通りに、ティエレンとフィッシュアイズはレースで争うことに。ティエレンには瑞穂が、フィッシュアイズには中央の女性騎手、冴香が騎乗することになるのだが、冴香は、実は、調教師光司のかつての恋人だった……。 恋人との再会に心が揺れる光司。光司への思いを自覚し戸惑う瑞穂。自分を捨てた母との関係に揺れる誠……。様々な思いが交錯する中、緑川厩舎のメンバー達の新たな挑戦が始まる……。  巻末掲載の、ドラマ『風の向こうへ駆け抜けろ』主要キャストのインタビューも見逃せません。 (底本 2021年12月発行作品)
  • 風の渡る町(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 人はひとりでは生きられない。親子関係、近所の人たち、職場の人々…。いろいろな人間関係に助けられ、悩まされて生きていかなければならない。市井の人々を見つめる著者の目の温かさが身にしみる短編集。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • 数え方クイズ100
    -
    『辞典』の常識を変える驚異の大ヒット『数え方の辞典』が、クイズになって登場!!生活に密着したモノを中心に、知っておきたい数え方を厳選しました。答えと一緒に、なぜそう数えるのかが、よくわかる解説つき。クイズのおまけ”知識のはずみ”には、「麻薬探知犬は1回15分しか働けない」などの小知識を、ギュッと詰めました。 全国の中学生以上の男女…学生、フリーター、OL、主婦、サラリーマン、公務員…など、1000人に挑んでもらった結果、なんと平均点は30点台!? あなたは何題答えられますか?「日本の常識」に挑んでみてください!!

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  • かぞくいろ ―RAILWAYS わたしたちの出発―
    -
    映画「かぞくいろ」の小説版ストーリー。 地方のローカル線を舞台に鉄道にまつわる人々の人生を綴った映画「RAILWAYS」シリーズ第3作。夫を突然亡くしてしまった奥園晶は残された夫の連れ子・駿也を抱え、夫の故郷・鹿児島に住む義父・節夫に会いに行く。節夫は、長い間疎遠だった息子の死、突然現れた息子の嫁、久しぶりに会う孫の存在に困惑。行くあてがないという2人を自宅に住まわすことを決め、3人の共同生活が始まる。生活のため仕事を探していた晶は、義父と同じ肥薩おれんじ鉄道の運転士を志し、試験を受けることを決意。新しい出発を夢見るが…。 映画では、辛い生い立ちの中、やっと手に入れたはずの幸せも崩れ、それでも強く生きるシングルマザーを有村架純、とまどいながらも二人を温かく支える義父を國村隼が演じる。 本作は、映画脚本を原案にオリジナルストーリーを盛り込んだ小説。有村架純演じる晶の裏に隠された波乱の人生に感涙必至です。
  • 家族(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 松本サリン事件で河野義行さん一家の3人の子どもたちが負った「心の傷」、そして家と親の狭間で揺れ動く日々のなか、彼らが再生を願って追い求めた「家族」のあり方を問う、渾身の書き下ろしドキュメント。
  • 家族スクランブル
    3.7
    話題のショートショート待望の文庫版を電子化。  「王様のブランチ」で取り上げられ大反響の『家族スクランブル』が待望の文庫化。短編『海酒』が又吉直樹主演で映画化、ショートショート講座を開催し後継を育てるなど、新世代ショートショートの旗手・田丸雅智が贈る珠玉の短編18編を収録。 ●家族でキャンプに来ていた男が、隣のテントでくつろぐ男性と合流。彼のテントにあった不思議な光を放つランタンの謎とは? 『隣のランタン』 ●分身が作れる石鹸で妻が増えた!?夫の悲哀をコミカルに描く『白妻、黒妻』 ●洋服を買いまくるのに、それを着ない妻。その衝撃の理由は・・・?『箪笥のこやし』  文庫発売を記念してスマホサイト『マンガワン』で『家族スクランブル』のコミカライズを配信開始。小説、漫画、併せてお楽しみください。
  • 片翼だけの天使(小学館文庫)
    4.0
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 四十代半ばの独身作家は、気晴らしのつもりで出かけたソープランドで、天使のような韓国人女性と知り合う。舌足らずで一途な彼女と作家の、国境や立場を超えた何ものにもとらわれない純粋な愛を描く恋愛小説の傑作。 ※この商品は紙の書籍のページを画像にした電子書籍です。文字サイズだけを拡大・縮小することはできませんので、予めご了承ください。 試し読みファイルにより、ご購入前にお手持ちの端末での表示をご確認ください。
  • 語られなかった皇族たちの真実 若き末裔が初めて明かす「皇室が2000年続いた理由」
    3.7
    若き末裔が明かす「皇族論」、電子版で登場 曾祖母は明治天皇の第六皇女昌子内親王。祖父はスポーツの宮様として知られた竹田恒徳。祖母は三条実美の孫娘。 著者は、明治天皇の玄孫として、旧皇族・竹田家に生まれた。本書は、自らの生い立ちに始まり、祖父から教えられたこと、さらには、皇室が2000年以上の長きにわたって存続してきた理由についての歴史を繙き、天皇家の血のスペアとして宮家が果たしてきた役割を浮き彫りにする。その上で、現在も引き続き話題を集める皇位継承問題について、「男系維持」を強く主張する。旧皇族家出身の立場を充分に自覚し、その覚悟のほども吐露する。 ’05年発表の話題の書、文庫版を電子化!

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  • かちがらす 幕末の肥前佐賀
    4.0
    維新の礎を作った佐賀藩主・鍋島直正の生涯。  若くして佐賀藩主となった鍋島直正。財政難に苦しむなか城が火事になるが、それをきっかけに藩の改革を進めた。長崎警備を任されていた佐賀藩は、外国船の進入が増え、中国がアヘン戦争でイギリスに敗れたことに危機感を覚えた。  直正は軍事力で世界に負けないように、最新の大砲や銃、西洋流の船の建造を藩で行うための人材を登用した。耐火煉瓦を作っての反射炉の建設、鉄の鋳造、大砲の製造は、いくつもの難関を乗り越えて成し遂げられた。三重津には、藩独自の海軍学校を設けた。  また、幼い息子の淳一郎にいち早く種痘を受けさせ、普及を促した。  藩主を16歳の直大に譲って隠居した直正は、〈日本を外国列強の属国にしない〉〈幕府側と倒幕派との内乱を回避する〉という思いを、諸大名や公家に伝えていった。最新の軍事力を誇る佐賀藩は、幕府側・倒幕派ともに頼りにされる存在だった。  欧米諸国が開国を迫り、攘夷を叫ぶ諸藩が戦火を交える中、体調を崩しながら、直正は徳川慶喜との会見に臨む。  島津斉彬、井伊直弼、江川坦庵、田中久重、勝海舟、江藤新平、大隈重信……。多士済々の人物と交流し、明治維新の礎を作った鍋島直正を描いた長編小説。 ※この作品は単行本版『かちがらす ~幕末を読みきった男~』として配信されていた作品の文庫本版です。

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