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春夏秋冬の四季や恋といった自然や人事を詠んだ歌を中心とした、日本の風土に根ざす約一一〇〇首の中から、これだけは読んでほしい、味わってほしい和歌を選び、巻順に配列。歌はすべて振り仮名付きで朗読にも最適。 ※本作品は紙版の書籍から口絵または挿絵の一部が未収録となっています。あらかじめご了承ください。
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Posted by ブクログ
原文の和歌、訳文、寸評の順に、丁寧に解説される。四季や心情を織り込んだ和歌を音読しながら味わうので1カ月以上かかってしまった。ビギナーズとあるがなかなか読み応えのある内容。コラム欄も勉強になる。 藤は春の終わりを飾る花とのこと。菊は中国から輸入、古今和歌集から盛んに詠まれるようになったとのこと。和歌...続きを読むのレトリックとして古今和歌集を代表するのは掛詞、縁語とのこと。掛詞は、文脈の複雑さとイメージの重層化をねらった、限られた音数内でより多くの意味を持つことを可能とした。例)はる(張る・春)ふる(降る・経る)まつ(待つ・松)。縁語は、中心となる語からイメージされる言葉で一首を構成、連想ゲームのよう。 糸・よりかくる・乱る・ほころぶ 古今和歌集の成立と歴史的背景、構造や配列、歌風、その後の影響などがまとめられている。 詠み人知らずの歌で特に気になる歌が多かった。韻律が美しい。付録の初句索引がまた良い。日本語ひらがなの素晴らしさにうっとりした。 花の香を風のたよりにたぐへてぞ鶯誘ふしるべにはやる(紀友則) 春ごとに花の盛りはありなめどあひ見むことは命なりけり(読み人知らず) 夏の夜はまだ宵ながら明けぬるを雲のいづこに月やどるらむ(清原深養父) 白露の色は一つをいかにして秋の木の葉を千々に染むらむ(藤原敏行) 山里は冬ぞ寂しさまさりける人目も草もかれぬと思へば(源宗于) あさぼらけ有明の月と見るまでに吉野の里に降れる白雪(坂上是則) むすぶ手の雫に濁る山の井の飽かでも人に別れぬるかな(紀貫之) 人知れず思へば苦し紅の末摘花の色に出でなむ(詠み人知らず) 思ひつつなれば人の見えつらむ夢と知りせば覚めざらましを(小野小町) 月夜よし夜よしと人に告げやらば来てふに似たりまたずしもあらず(詠み人知らず) 世の中は何か常なるあすか川昨日の淵ぞ今日は瀬になる(読み人知らず) 世の憂き目見えぬ山路へいらむには思ふ人こそほだしなりけれ(物部良名) すべての仮名を一回ずつ使って作られた歌。 天地星空山川峰谷雲霧室苔人犬上末硫黄猿生ふせよ榎の枝を馴れ居て (あめつちほしそらやまみねたにくもきりむろこけひといぬうへすゑゆわさるねふせよえのえをなれゐて)
好きな歌が新古今和歌集だったのでそちらを先に読んでしまったが、新古今和歌集と比べるとこちらの古今和歌集の方がやわらかい印象。 今回この本に取り上げられていた歌の中で一際心に残った歌が、 しののめの ほがらほがらに 明けゆけば おのがきぬぎぬ なるぞかなしき なのだけど、夜が明ける様子を「ほがら...続きを読むほがら」と表現しているのが面白い。 「ほのぼの」だと悲壮感がなくむしろ夜明けが楽しみな感じがするのに、「ほがらほがら」だとなんだか自分の意思とは関係なく、無慈悲に時が過ぎていくような感じすらする。 またその情景を描写したあとに、別れるための身支度をしている様子が現実的で、ちょっと現代的にも感じた。 読み人知らずの歌だが、本書では身支度という日常を切り取っているところから、女性の目線なのかと書かれていて、なるほどなと思わされた。 そういうわけで、音の面白さ、情景の選び方、体験したわけではないのに作者の心が身近に感じられることなどから、私の本書No.1の歌である。
ビギナーズと謳いながらも、なかなかの内容だと思う。和歌の意味も技法についての解説も適切。はたと膝を打つことも多かった。頭の整理にもいい。非常に読みやすい本だ。古今和歌集がその後の和歌のお手本とされたことがよく分かる解説だ。理知的というか理屈ぽいが、和歌の技法の基本的なことはここで出尽くしているのだろ...続きを読むう。「本歌取り」という用語は生まれていないが、既にその手法も使われている。
1100首の中から70首を取り上げたビギナーのための本です。 春夏秋冬、賀歌、離別歌、物名、恋歌、哀傷歌、雑歌、 大歌所御歌、東歌とあります。 やはり恋歌がいいですね。想像を掻き立てられます。 他の歌もわかりやすく解説してくれているので ビギナーにはうってつけの本ですね。表紙もきれいです。
ビギナー用とのことでとても分かりやすい本でした。 解説は歌についてのみではなく、歌人の背景や当時の事情などにも及んでいて、最後まで歌の世界に入り込めました。 次はすべての歌が収録されている本を読みたいです。
本シリーズの万葉集読んだので次は古今和歌集かなと。 万葉集好きなのですが、古今和歌集もめちゃくちゃ好き〜〜!!!となりました。技巧を凝らした歌が多く、何言ってるのか分からないものも多いのですが、それがまた31文字でいくらでも表現できる自由さも感じました。 そして国歌は古今和歌集から採られていると初...続きを読むめて知りました。 これはまた全首読みたいですね。 いつものことですが本書の解説も古今和歌集や和歌に対する愛情を感じました。寸評のおかげで理解が難しい和歌も背景まで理解することができ、おもしろさがよくわかりました。 ちなみに、中でも好きな歌は下記です。 秋口に詠みたい。 秋来ぬと目にはさやかに見えねども風の音にぞ驚かれぬる
かな文字の練習教材として常に携帯中。 読んでいて切に思うのが、 ・・・・暗い。 7、8割の和歌が、惚れた腫れたの千々に乱れる心と嫉妬。いつの世も恋とは身を焦がすものなのですね。歌を認めた当時、この歌人はおいくつだったのかしら、などと微笑ましく思を馳せつつ筆を走らせ書に勤しみ。残り2、3割の心...続きを読む温まる句を、お手紙にさらっと書き綴り、そこはかとなくあたたかい心が伝えられる様になれたら素敵だな、と思ふ毎日です。
季節毎に読み返したい一冊。ビギナーズ・クラシックスはコラムや解説があり予備知識にも触れられるので、歴史や古典をそんなに勉強してこなかったひとでも楽しめます。 毎年繰り返される自然の営みを、不思議に思い、喜び、悲しむ。昔のひとの繊細な感性や想像力に触れると、当たり前だと思っていた風景がすこし違って見...続きを読むえそうです。
ビギナーズ・クラッシックスシリーズということで、ルビつきの原文・訳文に加え丁寧な解説があり、とても読みやすいです。 古今和歌集といえば、なんといっても「仮名序」。秀逸です。思わず暗誦してしまいました。 また、「桜花散りぬる風のなごりには水なき空に波ぞ立ちける」(八九 紀貫之)は、その様子が鮮やか...続きを読むに映し出されるようで、好きな作品です。
古今和歌集から厳選して70首を取り上げている。183ページと薄いが、解説と併せて味わいながら読むには適量である。
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ビギナーズ・クラシックス 日本の古典
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中島輝賢
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