グーテンベルク21作品一覧

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  • シェリの最後
    3.0
    この作品では、男が中心として描かれている。レアの姿はもはや、舞台の奥の方に、おぼろに浮かんでいるにすぎない。しかし、シェリの夢の女性として、常に、またいたるところに存在しているのである。第一次世界大戦後の不安動揺の社会の中で、なんの実行力もないシェリは、ますます虚無的になって行く……当時の若い世代に絶大な人気を博した名作。
  • シェリ
    -
    シェリとは《可愛いひと》の意味で、女性が愛人の男性を呼ぶのに用いられる。したがって『シェリ』は、男性が主人公と思われそうだが、むしろ女性のレアの方により多く比重がかかっている。まるで自分の子供のように愛していた若い男から、不意打ちをくって、これまで経験したことのないような恋の喜びをおぼえながら、あきらめざるをえないレアの哀切な心情……6年後に書かれた『シェリの最後』とともに、コレットの最高傑作といわれる。
  • ドストエフスキー後期短編集
    -
    マイナスをすべて集めればプラスに転化しうる──思索に思索を重ねた末に辿りついた、ドストエフスキー後年の逆説の世界観がちりばめられた後期傑作──「おとなしい女」「ボボーク」「百姓マレイ」など8短編を収めた。
  • ドストエフスキー前期短編集
    -
    「罪と罰」「白痴」「悪霊」「未成年」「カラマーゾフの兄弟」といった後年の代表的長編を読み解く鍵を内包する前期(1848~65)短編集。「初恋」「クリスマスと結婚式」「弱い心」など、「新しいゴーゴリの出現」と激賞されて華々しくデビューしたドストエフスキーの才気ほとばしる作品5編を収めた。
  • 見つめる目
    -
    車椅子暮らしを強いられた60歳になる全身不随のジャネットに残された希望は、太陽と青空と息子の声だけだった。口もきけず、字も書けなかった。手まねで合図も送れなかった。それなのに情夫とグルになった嫁に息子が毒ガスで殺されそうになっていることを知ったのだ。できるのは「まばたき」によるイエスとノーの合図だけ……この表題作「見つめる目」のほか、「殺しの足音」「九一三号室の謎」を収めた傑作短編集。
  • ぎろちん
    -
    監獄の中庭に集まった見物人たちは、死刑囚が断頭台の露と消える瞬間を、いまや遅しと待っていた。死刑囚ラモンは朝の冷気のなかを、二人の典獄につきそわれて断頭台への階段をのぼっていった。だが彼の恋人バベットは、ラモンを助ける最後の望みを捨ててはいなかった──たとえ、はかない望みではあっても……。この表題作のほか、「万年筆」「穴」など6編を収めたアイリッシュ短編集。
  • 私が死んだ夜
    -
    早引けして内縁の妻エセルを訪ねたベンは、見知らぬ男がいて、なんと保険金目当てにベンを殺す相談をしているのを盗み聞きした。ベンは突進して男と渡り合い、男の拳銃で相手を射殺してしまう。とエセルは言った「この死人はあなたよ、あなたは自殺して死んだのよ」…偽装工作は果たして成功するのか? この表題作のほか、中編傑作「靴」など全5編をおさめる。
  • もう探偵はごめん
    -
    トムとディックとは無二の親友だった。同じ大学を出、同じアパートで暮らし、いっしょに美人の尻を追いかけ、いっしょに女から逃げ、ひとつの背広を着あう仲だった。ところが、ある夜、トムに幸福と不幸がいちどに訪れる。トムとマーシャの結婚祝賀パーティが、ホテルでひらかれた夜である。宴たけなわに、その夜社交界にデビューしたばかりの、うら若いマーシャの妹が変死をとげた。死因は誤って親指に突き刺さったバラの棘に毒が塗られていたためで、そのバラというのが、トムが婚約者に贈った花束の一輪だった! 警察の嫌疑はトムに向けられ、ディックは親友にかけられた見当違いな濡衣を晴らすため、素人探偵を買ってでた。この表題作の他、サスペンス派の巨匠アイリッシュの好短編6編を収録。
  • パニック・ボタン
    -
    アンタリア人の乗った宇宙船は、とある惑星に着陸した。そこをいち早く領有するためだった。ところが、なんとそこにはひとりの地球人が小屋を建てて住んでいた。さてどうしたものか。これが、惑星獲得競争を描いて皮肉な結末に至る「パニック・ボタン」である。このほか、時代にとり残されてゆく年老いた男の、異星人との心の交流を詩情豊かに描いた「追伸」、異形の宇宙生物が地球の法廷に立たされる「証人」など、得意のストーリー・テリングで読者を飽きさせない6編を収録。E・F・ラッセルの軽妙な傑作短編集。
  • 列藩騒動録(上)
    -
    1~2巻550~880円 (税込)
    江戸時代、諸大名の家には多種多様なお家騒動があった。それぞれの騒動は、その藩独自の事情、武士の気質、関係諸人物の個性、そのときの時勢等の要素がからみあって出来した。海音寺潮五郎は鋭い人間観察、博い学識と精確な考証とを駆使して、どこまでもその真実の姿に肉薄する。上巻では、島津・伊達・黒田・加賀・秋田・越前の諸藩の騒動をとりあげる。
  • 社交意識
    -
    本書はモームの手になる短編集Cosmopolitansの中から23編を収録している。他の6編は弊社刊行のモーム短編集「誘惑」に収めてある。この短編集はモームがアメリカの雑誌の「コスモポリタン」に依頼され、雑誌の見開きで完結する物語をシリーズとして書いたもの。「ここに集められた話をいちどに全部読むとすれば、たいへん退屈するかも知れないが、ほかに何かもっとましなすることがないようなとき、折りにふれて、手にしてみてほしい」ここには作者の矜持がみてとれる。
  • 我が名はアラム
    -
    新天地を求めてアルメニアからアメリカに移住してきたガローラニヤン家のアラム少年。いたずら好きの彼が悪友たちと起こす騒動の数々。貧しいけれども純粋で無邪気だった幼き日々を、愛と笑いとペーソスで彩った14編からなる名作短編集。サローヤンをみずからの文学の出発点として共感した三浦朱門氏による翻訳でおくる。
  • 緑の星のオデッセイ
    -
    アラン・グリーンは宇宙船の事故で奇妙な惑星に漂着した。そこはみどりの大草原「海」が都市国家をわかつ世界だった。2年間の奴隷生活のあと、彼は小国トロパットの公爵夫人のお気に入りとなった。ふとした宮中での会話から、遠い都市エストリアに地球人の宇宙飛行士が捕われていることを知ったアランは、脱走を計画し、貿易帆船車の船長の貪欲につけこんで船に乗り込む。アランの、緑の世界での大冒険が始まる!
  • 妄執の影
    -
    アイリッシュの短編には「味のある作品」という言葉がぴったり当てはまる。この味にはアメリカの小説とは異なるヨーロッパ的なものが多分に感取される。その作品がフランスで受けている理由であろう。アイリッシュの代表作といえば長編『幻の女』と『黒衣の花嫁』が念頭に浮かぶ。しかしアイリッシュの本領は、長編よりもむしろ短編のほうにあるのではないかと思われる。本書におさめた数編でもわかるように、その短編は粒よりの珠玉編である。(訳者のことば)
  • 春の嵐
    -
    主人公クーンは少年時代、そりの事故を契機に失恋して不具となったときから、音楽家として立つことを志す。そのなかで永遠の女性ゲルトルートを見出したように思ったが…それはあっけなく、友人で情熱家の歌手ムートンの手に奪われてしまう。心傷つきながらも、クーンは諦観の境地にいたる。青春の彷徨の物語。
  • 三文オペラ
    -
    ロンドンの大泥棒メッキは当地の乞食界を牛耳る大物ピーチャムの一人娘ポリーとひそかに結婚する。ピーチャム夫婦はメッキを葬ろうと画策し、警視総監ブラウンをけしかける。だが、ブラウンとメッキは裏でつながる仲だった。メッキは売春婦の裏切りで入獄するも、ブラウンの娘ルーシーの助けで脱走、だが再び売春婦の裏切りで捕まり絞首台へ。最後の土壇場でメッキは国王の恩赦で釈放、貴族に列せられる。英国のジョン・ゲイの「乞食オペラ」をもとに作曲家クルト・ヴァイルとの協力で完成したこの作品で、ブレヒトの名は一躍世界に知られることになった。この翻訳は現代の生きた日本語を駆使してつくられた現代を反映する新訳である。
  • 魔法のかかったプディング
    3.0
    エメラルドの島とも呼ばれる緑の美しい島国アイルランド。この国に住む人々は、今日でも妖精と共存している。群をなして住む妖精たち、独り暮らしの妖精、いたずら好きな妖精、意地悪な妖精など、アイルランドの人たちは彼らを愛し敬意すら払う。アイルランド生まれの詩人イエーツが、古くから語りつがれた幻想的な民話をまとめたものから30篇を収録した。
  • 死の診断
    -
    ホーヴァー氏が避暑に借りた家は、かつて人の寿命を確実に予見できる医学博士が建てたものだった。ある晩のこと、書斎にかけてあった博士の肖像画が抜け出してきてホーヴァー氏を指さした……。この「死の診断」のほか、「壁の向こうで」「死人谷の夜の怪」「アウル・クリーク鉄橋の出来事」など怪奇短編15篇を収録。ポーの再来といわれ、痛烈な諷刺と諧謔を交えた「悪魔の辞典」で有名なビアスが、人間の心理の中に分け入って描く斬新な怪奇小説ワールド。
  • カナリヤの爪
    -
    二十代も後半とみえる若い女に依頼の件を聞いてみたとき、どうやらその中身は離婚問題と思われたので、メイスンは気が進まなかった。だが、女はカナリヤを入れた籠を持参していて、しかも、そのカナリヤは「びっこ」だった。しかも女はカナリヤから話題をそらそうとした。「謎のカナリヤ」に惹かれてメイスンは結局、事件を引き受けた……。ありきたりの民事事件の背後から浮かび上る不可解な殺人事件。カナリヤの爪に秘められた秘密とは? メイスンものの中でも本格味濃厚な好編。
  • 埋められた時計
    -
    第二次大戦に戦傷を負って帰還した青年ハーリーは、恋人アデールの運転するクーペに揺られて、南カリフォルニア山中にある彼女の別荘へと赴いた。明るい太陽と澄んだ山の空気は、なまなましい戦闘の記憶に暗くなりがちのハーリーの心に、元気と希望を与えてくれた。が、ふと別荘ちかくの落葉の中に身を横たえた彼は、あたりの静寂を破って音高くひびく時計の音にびっくりする。ブリキの箱に入った目覚し時計が、地中に埋められていたのである……。銀行の金を使いこみ、なお多額の金を持ち去った親戚の男の死に絡んで、カリフォルニア山中に展開される不気味な殺人事件。メイスン、デラ、私立探偵ポール・ドレイクのトリオが活躍する、スピーディな傑作ミステリ。
  • 工芸文化
    -
    工芸のもつ位置、とくに造形の領域における美術と工芸とのつながりを明確にし、ユニークな体系的工芸美論を確立した名著。柳宗悦の手になる本書は、鑑賞用の工芸品をしりぞけ、日用雑器の中に真の美を発見しようとした昭和初期の民芸運動に大きな影響をあたえた。「民芸」という言葉も柳の提唱したものであった。
  • 悪の花
    -
    頽廃の美と反逆の熱を謳って象徴詩の世界に「新しい戦慄」(ユゴーの言葉)を創造した「罪の聖書」と呼ばれる詩集。近代人の「神曲」ともいわれる本詩集は、怪奇、極悪、陰惨の世界を妖しい美の人工楽園のように描き、展開する。本書は杉本秀太郎氏がボードレールの詩集から61編を選んで訳したものである。
  • チャタレイ夫人の恋人(上)
    -
    コンスタンスチャタレイ夫人は、第一次世界大戦で半身不随となり、不能者となった夫との空虚な生活にあきたらない。だが、ある散歩の朝、たくましい邸内の森番メラーズと出会い、自然の美しさに目ざめ、情熱がよみがえってくる。そして二人はいつか素朴な肉体愛のうちに人生の真の幸福を発見する。正しい肉体の意味を知った男女両性間のやさしさの哲学を説き、文明に毒された人間の結び付きを否定する……作者が生涯貫き通した生命主義の思想を究極までおし進めた結果がこの作品に結実した。
  • 夢遊病者の姪
    -
    離婚裁判で係争中だったドリス・ケントは、夫ピーターが看護婦と結婚しようとしているのを知ると、急に作戦を変更して、離婚訴訟を取りさげた。そして、夫に夢遊病の発作があったことを楯に、精神錯乱だと主張し、禁治産の訴訟を起こそうとしていた。星占術にこるピーターの姪(めい)のはからいでその夢遊病者と逢ったメイスンはそこで奇妙な矛盾を発見する――正気であることを証明させるためにメイスンに依頼してきた男が、狂人じみた芝居をしてみせるのである!
  • 危険な未亡人
    -
    メイスンのもとを訪れた老婦人は訴えた。ギャンブル好きの孫娘シルビアが、グリーブという男の経営する賭博船で多額の借金をしてしまった。その際書いた借用書を彼女の夫が悪用しようとしているので、それに先んじて買い戻してくれというのだ。しかし船でグリーブが死体となって発見され、容疑はシルビアに、そして逃亡を助けたメイスンにも共犯容疑がかけられた! 絶体絶命に陥ったメイスン!
  • 餌のついた釣り針
    -
    メイスンの自宅の電話が鳴り、至急依頼したいことがあると言う。メイスンは興味をおぼえ、嵐をついて事務所に急行した……電話の主が現われたが、その依頼内容は奇妙なものだった。同行した女性の代理人になる約束をしてほしい、ただし彼女の正体は明かせないというのである。その女性を見たメイスンは驚いた。黒いレインコートと帽子で身を隠したうえ、顔にも仮面をつけている。身許はおろか顔すらわからない依頼人……雲をつかむような話にさすがのメイスンも困惑する…
  • シッダールタ
    -
    シッダールタとは釈尊(仏陀)の出家前の名前である。本作はヘッセにおける「東洋の心」の結晶であり、深いインド研究と詩的直観の融合から生まれ出た。若き日の仏陀の求道者としての歩みを、格調高い文体で描き、みずからの精神のありかを明らかにしている点で、ゲーテにおける「ファウスト」に比べられる。
  • 女性と民間伝承
    -
    平安中期の女流歌人和泉式部は、無数といってもいいほどの多くの伝説につつまれている。著者は全国各地にみられる和泉式部にまつわる言い伝えにメスを入れ、そこにかって顧みられなかった大切な日本人の歴史が潜んでいることを発見する。遊行女婦、歌比丘尼、刀自、念仏と物狂いなど、数多くの事例が和泉式部伝説とつながりのあることが明らかにされていく。日本の民間伝承にはじめて学問の光をあてた画期的著作。
  • 太陽強奪
    -
    巨匠ハミルトンのスペース・オペラ、星間パトロール・シリーズの続編。太陽とすれ違うはずだった銀河系内の赤色巨星アルトが、奇怪にも突如針路を変え、太陽系めざし接近をはじめた。このまま進めば、衝突は一年以内だ! 「八星連合」最高評議会から派遣されたジャン・トール配下の遠征隊は、やがてアルトの周囲に1個の惑星を発見。だが、偵察中に、謎の光線に宇宙船を吸い寄せられ、無気味な都市の真只中に墜落した!……この「激突する太陽」ほか、星間パトロールの勇者たちが縦横に活躍する「太陽強奪」「星雲のなかで」「彗星を駆るもの」「宇宙の暗雲」のあわせて5編を収録。
  • 銀河大戦
    -
    銀河系宇宙のはるか外側の漆黒の闇のなか、壮麗に輝く島宇宙のへりにそって飛行を続けていた星間パトロールの一隊は、突然、どこからともなく飛来した宇宙船団の攻撃にあい、壊滅的打撃を受ける。何者か? それは死に瀕した宇宙から逃れて、新たな居住地を求める侵略者だった。彼らは銀河系のカニ座大星団を襲い、銀河征服の橋頭堡を確保した。からくも逃れた地球人ダー・ナルたちに残された唯一の道は、同じ侵略者の目標となっているアンドロメダ宇宙と連携して、これを撃退することだった。みずからの生存を賭け、三つの銀河を巻き込んだ大宇宙戦の幕が切って落とされる!
  • 偽証するオウム
    -
    その日の新聞は、億万長者セイビン殺害事件の記事で埋まっていた。物とりではなかった。札のつまった紙入れも宝石類も奪われていず、死体のかたわらには、彼がいつも身辺から離したことのない愛玩用のオウムが、すさまじい叫びをあげて人を呼んでいたという……。メイスンは、セイビンの息子チャールズの訪問を受ける。セイビンの莫大な遺産をめぐって、義母のヘレンと連れ子のスティーヴが何か策謀をめぐらしている。事件の真相を調査するとともに、二人の狙いを探りだして自分の権利を守ってほしいという。メイスンに、チャールズは二つの事実を打ち明けた。そのうちの一つは、死体のそばにいたオウムが、セイビンのかわいがっていたのとはちがうオウムであることだった……シリーズ初期の傑作。
  • ダブリン市民
    -
    「私の意図は自分の郷土のモラルの歴史の一章を書くことでした。私がその場面にダブリンをえらんだのも、この都会が私には麻痺の中心に思われたからです。私はそれを無関心な世人に、この都会がもつすがたを子供時代、青春期、成熟期、公生活の四つの面のもとに示そうと試みました。作品はこの順序で配列されています」…この自分の短編集に寄せたジョイスの言葉がすべてを物語る。15編からなるジョイス文学の出発点。
  • ホームズ最後の挨拶
    -
    ホームズもの最後の短編集「最後の挨拶」から、「信ジガタキ怪奇ナ体験ヲシタ。助言願イタシ」という電報で始まる「ウィスタリア荘」のほか、「ボール箱」「赤い輪」「ブルース・パーティントン設計書」まで、4編を収録。ホームズの推理は衰えを知らない。
  • アンの村の人々
    -
    アンが少女時代をすごしたプリンス・エドワード島アヴォンリーに住んでいた身近な人たち。風変わりな暮らしをおくる人、ものめずらしい事件、痛快な事件、哀れっぽい事件…アンの忘れがたい心のふるさとの出来事を、作者持ち前の鋭い観察力と人間愛で浮き彫りにする短編12編。

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  • アンの婚約
    -
    年来の希望がかない、レドモンド大学で学ぶことになったアンは、彼女に恋心をいだくギルバートとともに、新しい学生生活に入っていく。アンはすばらしい「パティの家」に、仲良しの3人とともに住む。新しい環境、新しい友人のなかで、さまざまな経験を積み重ねながら、アンはようやく真実の愛に目覚めていく。シリーズ第3作!

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  • アンの愛の手紙
    -
    アン・シャーリーは大学を卒業すると、サマサイド中学校長として赴任し、『風にそよぐ柳(ウィンディ・ウィローズ)』に下宿する。よそ者にたいして敵意をもやす町の有力者プリングル一族、非協力的な副校長キャザリンやいたずらな生徒たちに手こずりながらも、アンは、持ちまえのユーモアとまごころで地域にとけこんでいく。その三年間の出来事を、レドモンド大学医学部の婚約者ギルバートにあてたアンの愛の手紙形式でつづる。

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  • ルパン対ホームズ
    -
    シャーロック・ホームズが依頼を受けて、はるばるロンドンからパリに乗り込んでくる。第一話では謎のブロンド女が絡む青いダイヤの盗難事件を解決するために、第二話ではユダヤのランプを取り戻すために。待ち受けるのは女性の味方、ダンディなルパンだ。虚々実々の両雄の対決はどちらに軍配があがるのか。軽快なテンポで一気に読ませる好エンタテイメント。

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  • ルパンの告白
    -
    夫の罠に落ち込んだ美しい伯爵夫人を救う「結婚指輪」、謎解きを見せ場に約束の時間まぎわにさっそうとオートバイで姿をあらわす「影の合図」など、カッコよさ満点の9編からなるルパンもの短編集。ガニマール警部との追いつ追われつが、またなんとも楽しい。

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  • 舞姫タイス
    -
    紀元四世紀ごろ、エジプトの砂漠で禁欲と瞑想の生活をおくるパフニュスは聖者として評判が高かったが、かつて淫靡な都市アレクサンドリアで知りあったことのある舞姫タイスを思い出し、出向いて淫蕩の暮らしから足をあらわせようと決意する。饗宴の一夜ののち、タイスは改宗して修道院にはいり、パフニュスは砂漠にもどる。だが、彼はタイスをあきらめることはできなかった…

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  • 鳴門秘帖(上)
    -
    江戸時代中期、阿波徳島の藩主、蜂須賀重喜(しげよし)を黒幕として倒幕の陰謀があると疑った幕府は、隠密の甲賀世阿弥(よあみ)を送って動向を探らせるが、世阿弥は10年このかた行方知れずになる。幕府は隠密、法月弦之丞(のりづきげんのじょう)を、世阿弥の消息を探り、阿波藩の動静をあらためて探るため派遣する。だが、弦之丞はたちまち、お十夜孫兵衛、スリの見返りお綱という正体不明の者たちに跡を追われる。世阿弥は捕えられ、剣山の山牢に幽閉されていた。そして探り当てた阿波の秘密を遺書ともいうべき血で書いた「秘帖(ひじょう)」にまとめていた! 弦之丞と阿波藩の剣客たちは「秘帖」をめぐって熾烈な戦いを繰り広げる…

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  • ミラボー橋に消えた男
    -
    身重の妻を残していずこかへ消えた男。実直一途でつつましい男がなぜ? 私立探偵ビュルマは河岸に広がる工場街へと男の足跡をさぐる。気まぐれな都会の偶然が巻き込んだ男と女の運命! フランスのハードボイルド・ミステリーを代表する作家の人気シリーズ。

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  • 殺意の運河サンマルタン
    -
    ファンの黄色い歓声に沸き立つサンマルタンの劇場街、典型的な下町のその裏小路には芸能界の暗部が幅をきかす。私立探偵ビュルマは、プラチナブロンドをなびかせ、細身を黒いスーツに身を包んだ芸能プロダクションの女社長に頼まれ、なにかにおびえる人気アイドル歌手の身辺を洗う。フランスのハードボイルド・ミステリーを代表する作家の人気シリーズ。

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  • 妖怪談義
    -
    「我々の畏怖というものの、最も原始的な形はどんなものだったろうか。何がいかなる経路を通って、複雑なる人間の誤りや戯れと、結合することになったでしょうか」…柳田国男はこのような問題意識から、さまざまな「妖怪」の正体を明らかにしていく。おばけの声、幽霊、川童、天狗、ザシキワラシ、小豆洗い、山姥、一つ目小僧、片足神などが次々と俎上にのせられ、それらの根源が明らかにされていく。巻末には妖怪名一覧を収録。

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  • 赤信号
    -
    クリスティは得意な古典的ミステリー以外に戯曲やファンタジーの色濃いものなど幅広い作品を残したが、怪奇・幻想ものもその一つだった。本書には、表題作のほか、「暗い鏡のなかに」「ジプシー」「カーマイケル卿事件」「青い壷のなぞ」「SOS」「ラジオ」の全部で7編を収録した。

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  • 朝鮮とその芸術
    -
    朝鮮の芸術・文化は、日本のそれの土台となっているが、そのことはいっこうに理解されていない。著者は多年にわたる朝鮮の芸術との付き合いから、その独自性と魅力のありかと、そのよってきたる理由を探り、朝鮮の心に迫ろうとする。そして二つの国の住人に「互いを認め合い、平和に生きる」ことを心底から呼びかける。目次:「朝鮮人を想う」「朝鮮の友に贈る書」「彼の朝鮮行」「朝鮮の美術」「石仏寺の彫刻について」「失われんとする一朝鮮建築のために」「李朝陶磁器の特質」「朝鮮陶磁号序」「朝鮮の木工品」「楽浪出土漢代画について」「今の朝鮮」「全羅紀行」「林檎」

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  • 工芸の道
    -
    「工芸の諸問題はまだ処女地として残る。不思議にも工芸の意義に関する深い叡智や正しい見通しは未だに語られていない。ほとんどすべては断片的であって整理せられた体系がなく、かつ内面的意味に乏しい。まだ耕して培(つちか)わねばならぬ個所が限りなく拡がる。その土地の性質や何がそこに生い立つかについても見残され、また見誤られたものがはなはだ多い。しかし早晩誰かが出てこの未墾の地に鋤(すき)を入れねばならぬ。それが耕すに足りる天然の沃野であるということに疑いはない。私はここに最初の難多き準備の仕事に身を置いたのである。すべての開墾者がなすように、私も雑草を抜き去り、石を除き、土塊(つちくれ)を砕き、畑を整えようと努めたのである」…この序言が語るとおりの、柳の「工芸・民芸」論の到達点!

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  • 失われた遺産
    -
    ジョーンは、これまでの医学では夢物語とされていた諸能力…コンピュータなみの記憶力、演算能力、読心能力、透視能力…を二人の大学教授とともに開発した。だが、その理論を公表しようとしたとき、三人は恐るべき運命の渦中へ(「失われた遺産」)。この表題作と、新人類の登場を描く「深淵」をあわせ、初期ハインラインの作品2作を収録。

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  • 宇宙の孤児
    3.0
    人々は、森、農場、廃墟、迷路などがある〈船〉が世界のすべてと信じて、種族ごとに生活を営んでいた。だが、この〈船〉は、遠い昔に人類がはじめて送り出した恒星間宇宙船だったのだ! 航行途上の反乱で航宙士のほとんどが死に絶え、長い年月のうちに〈船〉は中世的迷信の世界に変貌してしまっていた。しかし、ある日、一人の若者が〈船〉の中を探検しはじめ、真相を明らかにしょうとする……壮大無比な宇宙SF!

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  • ウィンター殺人事件
    5.0
    熱心に話しこんでいる途中で、ヴァンスはチラッと、背後へ眼をはしらせた。…部屋の戸口に、当家の執事、ヒギンズが立っていた。顔は白墨のように血の気がない。にごった老眼を大きくみひらいている。…「ああ! 助かりました。ヴァンスさま、よくいてくださいました! リチャードさまのおすがたが見あたりません! なにか恐ろしいことでも…」言うなりヒギンズは、すばやく大階段を、レクスンの書斎のほうへ登っていった。書斎の、暖炉をまえにした床の上に、レクスン家の当主、カリントン・レクスンが倒れていた。……第二の殺人だった!

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  • 死刑囚最後の日
    -
    1巻550円 (税込)
    表題作は、死を前にしてしだいに切迫していく死刑囚の心の世界を克明に描いたユゴーの異色作。これはユゴーの死刑廃止の信念を公にする作品でもあった。同時に収めた「クロード・グー」の主人公は、のちに「レ・ミゼラブル」のジャン・バルジャンとして結晶する。

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  • メグレと善良な人たち
    -
    セーヌ左岸、カルチエ・ラタンに近い閑静な住宅街で老人が殺された。すでに事業を退き、一人娘も嫁いで、夫人とともに悠々自適の生活を送っていたこの老人一家のどこに、殺人事件に巻き込まれるような影の部分があったのか? 現場の状況は犯人が被害者とかなり親しい間柄にあることを示していたが、被害者はもちろん、周囲の人物もすべて「善良な」人々ばかりで、メグレには犯人像は浮かんでこなかった。

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  • 重罪裁判所のメグレ
    -
    額縁作り職人ガストン・ムーランの伯母が殺され、貯めこんでいた小金が奪われた。密告する者があり、ムーランに不利な証拠も出て、彼は逮捕され、犯行否認のまま起訴された。ムーランに白の心証をいだいたメグレはその後も捜査をつづけ、律義なムーランとはあまりにも対照的な妻ジネットに疑いを持った。法廷でジネットの素行が明るみに出されて、裁判の成行きは一転し、ムーランは無実の評決を得る……

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  • 夏服を着た女たち
    -
    1930年代から50年代にかけてのアメリカの時代を、職人芸といってもよい精緻な筆致で描きあげた短編集。ニューヨークがパリが、ブルックリンが生きた人間の町として浮かび上がる。表題作のほか「八〇ヤード独走」「ニューヨークヘようこそ」「カンザス・シティに帰る」「愁いを含んで、ほのかに甘く」 など10編を収録。

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  • ヘンリ・ライクロフトの私記
    -
    長い生活の苦闘の末に、主人公はふとしたきっかけから田舎に引っ込む余裕を与えられる。四季を通して自然の風物、友情と人生、社会観などを静かに語る語り口には、自足し成熟した大人が感じられる。

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  • 夜の樹
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    「夜の樹」は、1949年に出版されたカポーティの唯一の短編集で、「夢を売る女」「誕生日の子供たち」「最後の扉を閉めよう」「銀の酒壜」「ミリアム」「無頭の鷹」「私の言い分」「夜の樹」の8編からなる。多くは人間の深奥にひそむ欲望や夢をシュールに描いた作品であるが、「誕生日の子供たち」のような幼年期への郷愁から生れた自伝的色彩濃厚な心優しい作品も含まれている。

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  • カフカ自撰小品集
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    とりあえずカフカを〈邪心〉なしにそのままに読んでみよう。〈人死に〉が出なければ火事がニュースにならない時代、笑いが〈爆笑〉に局限されようとする時代、飲み会が必ず〈盛りあがら〉ねばならないという確信の時代に、この笑いは、このほくそ笑みは超貴重なはずである(訳者)…『観察』『田舎医者』『断食芸人』という、カフカの自撰3作品集を一つにまとめた初めての本。

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  • ロボット宇宙船
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    ミストラが事務的な調子でいった。「さあ、こんどは窓の外をごらんになるといいわ」スティーヴンズは、眉をひそめるようにして彼女を見た。「窓だって!」と彼はいった。何かあると予想はしていたものの、彼は気の遠くなるような驚きにおそわれて、息をあえいだ。「これは、どうしたんだ!」空は暗かった。下には、茫々たる靄(もや)のひろがりがあった。やがて、最初のショックが去った。下界はものの形も生命もない混沌の中にあった。奇妙に円い感じがあって、それが非現実の世界に仕上げの一筆を添えていた。これに似た茫々たるながめをどこかで目にした記憶があったが、ようやく彼はそれを思い出した。百マイル、もしくはそれ以上の高空から撮られたV2号の写真が、これとそっくりの異様な効果を見せていたものだった。…ヴァン・ヴォクトの描く異様な世界!
  • 月は地獄だ!
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    40万キロの暗黒の淵を越えて、彼らはついにここまで来た――灼熱と極寒と、無気圧と真空の月世界へ! だが1年11カ月にわたる調査と探検を無事完了した隊員たちは絶望のどん底につき落された。地球から飛来した帰還ロケットが月面に激突、いまや帰還の望みは断たれた! そして彼らは次の帰還ロケットが到着するまで、さらに2年の歳月を生き抜いていかねばならない! 食料、水、酸素、あらゆる補給物のない月面に取り残されて……。

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  • 終末期の赤い地球
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    時に私は「終末期の赤い地球」と題するぼろぼろのペーパーバックの上に掌(てのひら)をかざすのだった。すると表紙の厚紙から、ミール城のトゥーリャン、無宿者ライアーン、怒れる女ツサイス、情無用のチャンといった魔法がもれ出してくるのだった。私の知り合いにはこの本のことを少しでも知っている者は誰もいなかったが、私にはこれこそが世界で最高の本だとわかっていた。……このジーン・ウルフの言葉によって、ファンタジー史上屈指の傑作とされ、近年ますます評価が高い。

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  • 火の起原の神話
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    原始宗教の起原を呪術と儀礼のなかに探り、文化の様相を克明に描き出そうとした「金枝編」の著者フレーザーが、「火の起原」の神話にとりくみ、そのなかに相通ずる深層の心理をあかそうと試みた興味ぶかい著書。

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  • 悪魔の弁護人
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    この本での「悪魔」とは、無数の種族・民族によって信じられてきた「迷信」のことである。それらは邪悪で虚偽にみちたものとして、文明社会の進展とともに追放されてきた。だが、われわれの社会の成り立ちの多くのものは、これら「迷信」によって、支えられてきたのではないか、と著者はいう。こうした視点から著者は「政治(支配)」「所有権」「結婚」「人名の尊重」という四つの大きな社会制度の成立維持において果した「迷信」の役割を、世界各地の未開民族からの豊富な実例によって解き明かす。

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  • タバコ・ロード
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    長年、ろくに肥料もやらずにタバコ栽培を続けた結果、不毛の地と化した南部の農村。その土地にしがみついて生きるジーター老人は棉花栽培の夢を捨てきれない。娘の兎口の手術費用の工面もできず、末娘のパールは口べらしのため、十二歳で嫁に出される。貧困と絶望がもたらす堕落と人間本来の欲望。アメリカ南部のプア・ホワイト(白人貧農)の暮らしを赤裸々に描き、社会に衝撃を与えたコールドウェルの代表作。

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  • 神の小さな土地
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    自分の土地に金鉱脈があると信じて、15年も痩せた農地を掘りつづける老農夫タイ・タイは、物欲の権化である。娘婿のウィルは義理の姉妹に手を出し、長男ジムは弟の美しい妻を奪おうとして射殺される。

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  • 南方郵便機
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    ベルニスはフランス・アフリカ間の定期郵便機のパイロット。ジュヌヴィエーヴとの愛は報いられず、彼はひたすら「飛ぶ」ことに、埋められないなにかを求めるが……著者自身の飛行体験をもとに書かれたこの処女作は、若々しい魅力にあふれている。

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  • 白き処女地
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    厳しいカナダの大自然の中に生きる開拓農民のサミュエル・シャプドレーヌ一家。娘のマリアは森林伐採場の現場監督フランソワ・パラディに淡い恋心を抱く。フランソワはマリアに会うために出かけた深い雪山で道に迷い、帰らぬ人となった。その後に訪れたマリアの母の死によって、大自然でたくましく生きることの意味を悟ったマリアは、都会への憧れを捨て、大地に生きる決心を固める。

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  • リラの森
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    フランスのセギュール夫人(1799~1874)がカラレ家の自分の孫たちのために書いた童話集「新仙女物語」から、5編を選んで訳した選集。夫人は宮廷文学の伝統をひく子どもの文学をつくった人として知られ、その童話は今日でも出版されつづけ、依然として根強い人気を保っている。夫人はロシアの将軍の娘で、一家はのちフランスに移り住み、彼女はフランスの名門貴族と結婚して、セギュール伯爵夫人となった。

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  • ピーター・パン
    -
    1巻550円 (税込)
    ピーター・パンはロンドンのケンジントン公園で乳母車から落ちて迷子となったことから年を取らなくなった少年だ。ピーター・パンの住む世界はネバーランド、そこには海賊のフック船長やインディアンのタイガーリリーが住み、ピーターと同じように親とはぐれ年を取らなくなった子どもたち(ロストボーイ)がいて、ピーターは彼らのリーダーだった。

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  • 木曜日の男
    -
    無政府主義者のグループは「日曜日」と呼ばれるボスによって統括され、幹部はそれぞれ曜日の名前を冠された7人で構成されていた。たまたまメンバーの「木曜日」が急死したため、まぎれこんだ詩人のサイムは「木曜日」に任命された……スパイもの? ファンタジー? 思想小説? チェスタートンならではのエンターテインメント。

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  • 熊――フォークナー短編集
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    アイク少年は10歳になってはじめて、大狩猟隊に加わることを許された。それは滅びゆく原野を背景にくりひろげられる「神話的な老いた熊」との壮絶な闘いだった……この「熊」をはじめ、「古老たち」「デルタの秋」「あの夕陽」「エミリーへのバラ」などフォークナー文学の一端に触れる好個の中短編集。

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  • 一万一千本の鞭
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    1巻550円 (税込)
    ホモ、レズ、糞尿譚、獣姦、サド、マゾ、殺人など、ありとあらゆるエロスの極致がないあわされた驚天動地の奇書。

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  • ソドムの百二十日
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    「最大の快楽はもっとも醜悪な源から生まれる」という倒錯した悪徳の哲学を追及したサドの、ひとつの見本をしめす作品。4人の男が若い美男美女をかき集めて、どことも知れぬ山ふかくの城砦を舞台に、想像を絶した饗宴を…

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  • 愛の砂漠
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    高名な医師クーレージュは、町の有力者の愛人になっているマリア・クロスという未亡人に惹かれる。だが、こともあろうに18歳の自分の息子のレイモンが同じ女の虜になるとは! 地方都市ボルドーを舞台に、孤立した人間の心の暗部を描いたモーリアックの代表作。モーリアックに傾倒した遠藤周作の翻訳で。

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  • 険しい道―モンゴメリ自伝
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    『赤毛のアン』が好評をもって迎えられてから10年、その作者が幼いときと若い時代を振り返り、「わたしと同じように、うんざりするような人生という道程(みちのり)を苦しみながら、いまもなお歩きつづけている人びとを励ますために」とはっきり言い切って書いた自伝。これは単なる作家修業の回顧録にとどまらず、小説に登場する人物や背景となったプリンス・エドワード島の山河が豊かによみがえる読み物となった。「険しい道」というタイトルは、「壮麗なる高みに至る道、それはあくまでもきびしく、あくまでも険しい道」という自作の詩から採られている。

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  • 鼻・幌馬車
    -
    1巻550円 (税込)
    ゴーゴリの中編小説集。プーシキンが絶賛した「ネフスキー大通り」、鋭い諷刺作品「鼻」、チェーホフが高い評価をくだした「幌馬車」ほか、異色作「狂人日記」、ローマ讃美の詩編ともいえる「ローマ」の5編を収めた。
  • エリア随筆
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    英国のサラリーマン、チャールズ・ラムが、在職中から「ロンドン・マガジン」に書き継いだ自伝的なエッセイ。「エリア」はこのエッセイの語り手の名である。「エリア随筆」は、1823年と33年に2分冊として刊行され、大人の味をもつエッセイの至宝として今日でも綿々と読み継がれている。本書は長年この書の親しんできた訳者が10編を選んで訳したもので、その真髄がわかる。

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  • 家庭のクローディーヌ
    -
    1巻550円 (税込)
    「クローディーヌ」もの第3作。この作品の中のクローディーヌは、もはやこれまでのような、挑戦的で快活な、あの自由奔放なクローディーヌではない。内面生活が豊かになり、瞑想的になり、そして、夫から愛されながらも、時に孤独でさえある。クローディーヌは、この作品の最後において、自分の反抗する心をじっとおさえて、夫のルノーにすがりつこうと必死に愛の腕をさしのべている。しかし、その熱烈な求愛の言葉の中には、すでに絶望のひびきがどこかにある。

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  • ドウエル教授の首
    -
    女医マリー・ローランは、決して秘密を漏らさないという条件で、ケルン教授の助手として雇われた。教授の実験室内部で彼女が見たものは、まばたきしながらじっと彼女を見つめている、胴体から切り離された生首であった! それは最近死んだばかりの高名な外科医ドウエル教授の首だった。その「首」の生命維持の仕事を命じられた彼女は、やがてケルン教授の研究の真相を知ることになる……「ロシアSF界のジュール・ヴェルヌ」ベリャーエフの高名なSFスリラー古典!
  • 夜明け前(巻一)
    -
    1~4巻550円 (税込)
    「夜明け前」は何度読んでもぼくを感動させる。陶酔はますます深まり、ぼくの月並みな思念は千々にみだれ、目前の言葉と言葉の合間に、意味しえぬ意味がひろやかに、しかも幾重にも層をなして透けてくるように思える。陶酔から醒めたときに、ぼくははるかなる彼方をかえりみるように、あるいは遠い昔のことを思いだすようにして、この小説がぼくに経験させてくれたものの意味を考えようとする。ぼくが想いみたものは、あるときは、ありとあらゆるものを食い尽してゆく時間についての作者の毅然たる形而上学であり、あるときは主人公青山半蔵の悲槍な劇的生涯であり、またあるときは、ぼくたちの祖国が、黒船の到来とともにヨーロッパから押し寄せてきた近代の巨大な波濤に、身をさらしながら切り拓いてきたぼくたち自身の近代の困難さであった。……篠田一士。

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  • 岡本かの子名作集
    -
    1巻550円 (税込)
    「このように大きく豊かで深い女人は、今後いつまた文学の世界に生まれてくれるであろうか」(川端康成)。「渾沌未分」「過去世(かこぜ)」「夏の夜の夢」「金魚撩乱」「東海道五十三次」「老妓抄」「家霊(かれい)」「河明り」の代表作8編を収録。新字現代仮名遣い。

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  • 江戸の芸術
    -
    浮世絵に関するものを中心に1920年にまとめて刊行された「江戸芸術論」に、別のところで発表された「浮世絵」「鋳掛松」「為永春水」を加えて新たに編成した荷風の江戸芸術論。「浮世絵」「浮世絵の鑑賞」「鈴木春信の錦絵」「浮世絵の山水画と江戸名所」「泰西人の見たる葛飾北斎」「ゴンクウルの歌麿及北斎伝」「欧米人の浮世絵研究」「浮世絵と江戸演劇」「衰頽期の浮世絵」「鋳掛松」「狂歌を論ず」「為永春水」「江戸演劇の特徴」の13編を収めた。

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  • 三国志(一)竜戦虎争の巻
    -
    1~6巻550円 (税込)
    漢が滅びてのち中国は、魏(ぎ)・呉(ご)・蜀(しょく)が覇を争う激動の時代を迎えた。本書は、この三国の抗争に材をとった、波乱万丈の伝奇物語『三国志演義』の完訳である。従来日本では 『三国志』といえば、この『三国志演義』のことを指している。時は後漢王朝も崩壊直前の末期。暗雲全土をおおい、群雄が諸方に起(た)ち、戦機まさに野に満ちる。そのおり、劉備(りゅうび)・関羽(かんう)・張飛(ちょうひ)が世に現われ、三英雄は桃園(とうえん)に会し、兄弟のちぎりを結ぶ。

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  • メグレと賭博師の死
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    深夜、パルドン医師を訪れ、名も告げずに立ち去った男女(女は軽傷ながら背中にピストルの弾を受けていた)は、オルリー空港からアムステルダム行きの飛行機に乗ったことがわかった。翌朝、職業的賭博師ナウールの射殺死体が自宅で発見された。家にあった写真から、昨夜の女はナウールの妻エフェリーナと判明した。
  • メグレ激怒する
    -
    田舎の別荘で引退暮らしを楽しんでいたメグレは、孫娘の不慮の死に疑念をいだいたアモレル老婦人に調査をたのまれる。大富豪のアモレル家を訪れたメグレは、そこで意外な人物に出会う。老婦人の娘むことして紹介された人物は、メグレの中学時代の同級生、しがない税務署員の息子のマリクだった! マリクは一家の内情をメグレに知られることを異常なまでに恐れていた…

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  • メグレと生死不明の男
    -
    プロ中のプロ、アメリカの殺し屋を向こうにまわして闘いをいどむメグレ! その捜査はメグレの長い警察官暮らしのなかでも、もっとも難しいものだった。メグレもふくめて警視庁所属のエリートたちを嫌う第二街警察署所属の「無愛想な刑事」ロニョンが活躍する長編でもある。

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  • メグレの退職旅行
    -
    メグレにも退官のときはある。2日後の退官をひかえて、ひとり身辺整理にあたる。電話が鳴る、自動的に受話器に手がのびる、ホテルで男が殺されたという、出かけずばなるまい(ホテル「北極星」)。メグレの定年前後を扱った他の2編「マドモワゼル・ベルトとその恋人」「メグレの退職旅行」のほか、「月曜日の男」「ピガール通り」「バイユーの老婦人」をふくむ6編からなる短編集。

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  • メグレと優雅な泥棒
    -
    冬の凍てつくようなブローニュの森で、頭部を鈍器で何回か殴られて死んだ男の惨殺死体がみつかった。メグレは男に見覚えがあった。はたして、男はキュアンデという名の「優雅な」泥棒であった。検事と判事はこの事件をやくざ同士の喧嘩とみなして重きをおかず、おりから多発していた一連のピストル強盗事件の捜査に全力を傾注するようメグレに言い渡す。だがメグレは不思議な親近感さえおぼえたこの怪盗の過去を洗っていく。

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  • メグレと消えた死体
    5.0
    かつてメグレが逮捕したことのある売春婦エルネスティーヌがどんな風の吹きまわしかパリ警視庁を訪れて、メグレに面会を求めた。金庫破りで名を知られた彼女の亭主アルフレッドがパリ郊外のある屋敷に忍び込んだところ、そこで女の死体を見つけたので、何もとらずに逃げ出したというのである。しかも嫌疑を恐れたのかアルフレッドは姿をくらます。メグレはその家を訪れたが、死体は消えていた。しかも、屋敷の持ち主の歯科医とその母親は泥棒に入られたことも完全に否定した…

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  • メグレと政府高官
    -
    高地に建設された子供のためのサナトリウムが洪水に見舞われ、128人が犠牲に。この大惨事を予測し、警告を発していた学者、故カラム教授のレポートが盗まれていた。政府高官の首がかかった難事件に極秘調査を命じられたメグレは……

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  • スペイドという男
    -
    「マルタの鷹」で颯爽と登場したサム・スペイドを主人公にすえた短編「スペイドという男」と、コンティネンタル探偵社の名なしの探偵「私」(コンティネンタル・オプ)が活躍する「クッフィニャル島の夜襲」「つるつるの指」「誰でも彼でも」「暗闇の黒帽子」「フェアウェルの殺人」の6編を収めたハメット短編集。
  • メグレ警視のクリスマス
    -
    ミステリであれ、純文学であれ、外国の作家たちは一生涯に一度はクリスマス・ストーリーを書く。エラリイ・クイーンによれば、クリスマス・ストーリーにはいくつかの約束事がある。「子供を登場させる」ことと、「奇蹟がなければならない」ことだ。『メグレ警視のクリスマス』にも子供が登場し、小さな奇蹟も起こる。『メグレのパイプ』では、メグレ夫人が十年前の誕生日祝いに贈ってくれたメグレのもっとも好きなパイプが盗まれる。毎日、メグレはオフィスのなかをさがす。帰宅しても、不機嫌で、ほとんど口をきかない。メグレがそのパイプを見つけるのは、捜査中の事件の犯人を逮捕したときであった。シムノン自身がもっとも愛している中編。

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  • メグレの打明け話
    -
    製薬会社の経営者アドリアン・ジョセの妻が深夜、自宅で刺殺された。遊び好きの妻には多くの男友達が、夫には愛人アネットがいた。容疑者ジョセは本当に殺(や)ったのだろうか?
  • モンマルトルのメグレ
    -
    モンマルトルの怪しげなキャバレー《ピクラッツ》の踊り子アルレットは酔っぱらった勢いで警察に出頭し、殺しが行われるかもしれないとほのめかした。酔いが醒めるとそれを否定したが……ほどなく彼女は自室で絞殺死体となって発見され、予言のように口にした「伯爵夫人殺し」も現実となった。彼女が同時に口にした「オスカル」という人物は何者なのか? パリの場末のモンマルトルを舞台にタフなメグレは奔走する。メグレもの屈指の名編。

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  • 三十九階段
    -
    アフリカからロンドンに帰って来たリチャード・ハネーは退屈しきっていた。しかしふと知りあった男が殺されるにおよんでハネーはおそるべき国際スパイ団の大陰謀にまきこまれてしまう。世界大戦勃発の危機をはらむ陰謀! しかし単身それを阻止する手がかりは「39階段」という謎の言葉だけ。ハネーのゆくてには、つきつぎとスパイ団の魔手が…
  • バッハの想い出
    -
    バッハの二度目の夫人が、バッハの思い出を書いているものがあって、先日、それを服部龍太郎氏の訳で読み、非常に心を動かされたのである。これは比類のない名著である。出典につき、疑わしい点があるという説もあるそうだが、そんなことはどうでもいいように思われる。…バッハの音楽の不思議な魅力が、こんなに鮮やかに言葉に移されることはほとんど奇蹟だと言っては過言であろうか。…小林秀雄が絶賛したバッハ伝
  • 園遊会
    -
    母の主催する園遊会に心浮き立っていたローラは、晴れ上がった当日、張り切って準備の手助けに精を出す。そのときクリームパフを届けにきた店員から、すぐ近所に住む馬車屋が事故で死んだことを聞かされる…子ども5人と奥さんが残されたと。ローラの心は沈み、園遊会の中止を母に頼むが「ばかなことを」と一蹴される。園遊会がぶじにお開きになったあと、ローラは残った食べ物をバスケットに入れてその家を訪ねるが(「園遊会」)…抒情詩のような短編集。

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  • 死刑は一回でたくさん
    -
    ハードボイルド探偵小説の創始者ハメットの傑作短編集。コンチネンタル探偵社の名なしの探偵「私」(コンチネンタル・オプ)、私立探偵サム・スペードなどが活躍する諸編は、アクションとサスペンス、謎解きが一体となった胸のすくエンターテイメント世界である。背景をなすのは大都市サンフランシスコとその近辺、リヴォルヴァーと車と荒々しい人間と山野だ。

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  • 影なき男
    -
    探偵商売の足を洗い、妻のノラと愛犬アスタとともに地味な仕事についていたニックは、あるとき元の顧客で発明家のクライド・ワイナントの秘書が殺されるという事件に遭遇、いやおうなく探偵として乗り出さざるをえなくなる。……ユーモアも光るハードボイルド第一人者ハメットの秀作。
  • マルタの鷹
    5.0
    誘拐された妹を取り戻してほしいと一人の女から依頼を受けたサム・スペードは、女の希望どおりに相棒のマイルズに一人の男の跡をつけさせる。だが、マイルズは射殺され、肝心の男も死体となって発見される。嫌疑をかけられたスペードは依頼主の女を追う…やがて明らかになる「マルタの鷹」と呼ばれる謎の彫像をめぐる血で血を洗う争奪戦…ハードボイルドの金字塔!

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  • 毒

    -
    急死した新鋭作家の体内からは多量の砒素が見つかった。彼と同棲していた女流ミステリ作家は、偽名で砒素を購入していた。彼女は当然のように疑われ、起訴されたが…

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  • 貧しき人びと
    -
    大都会ペテルブルクに暮らす中年の書記ジェーヴシキンと田舎出の薄幸の少女ワルワーラとの不幸な恋を、笑いと涙、喜劇的要素と悲劇的要素を交えて活写したドストエフスキー24歳のときの作品。ロシア文壇への鮮烈なデビュー作。

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