グーテンベルク21作品一覧

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  • [名作落語]田能久
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    演者によっては、田之助の弟子の沢村田之紀という、やはり親孝行な芸人のことにして話す。孝行の徳が幸福を得たというのだから感じがよい。
  • [名作落語]芝浜
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    これは元三題噺である。酔っぱらい、芝浜、財布の三つをまとめたもので、現在のような名作落語に作りあげたのは円朝である。海で拾った革財布を腹がけの丼にしまうものと、財布を盤台へ投げ込むものと、また前を略して、家へ帰って来たところから始めるものと、いろいろの型がある。
  • [名作落語]樟脳玉
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    にせ物の幽霊の噺も少なくないが、この話に出るねじべえは珍らしい善人である。雛の箱についている樟脳の匂いを嗅いで樟脳玉の燃える匂いを思い出し、魂を連想したところなどは、あっぱれ作者の働きで、名作である。
  • [名作落語]将棋の殿様
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    殿様の将棋は傍若無人、都合がわるくなると、その歩を取り払えとか、飛車が金銀を飛び越えて相手陣へ成りこむ。これならもちろん連戦連勝、おもしろくないので「負けたやつには鉄扇をお見舞いする」と宣言したが…
  • [名作落語]王子の狐
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    王子には昔たくさんきつねの穴があったそうである。そうして王子は江戸庶民が四季おりおりに訪れた場所でもあった。もとは「高倉狐」という上方のはなしである。
  • [名作落語]宮戸川
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    小網町の質屋の息子半七は碁か将棋のため遅くなって帰宅、父親に締め出されてしまう。一方、隣の船宿の娘お花も夜遅くなって締め出しを食う。半七は霊岸島の伯父のところに泊りに行くが、お花は無理矢理くっついていく。酸いも甘いもかみわけた伯父は二人を二階へあげてしまう。
  • [名作落語]妾馬
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    長屋住まいの孝行娘おつるは大名にみそめられ男子をもうけて大出世。兄の八五郎をお城へ呼んだ。礼儀もなにも知らない八五郎は天衣無縫に振る舞って気に入られ、石垣杢蔵源蟹成(いしがきもくぞうみなもとのかになり)という名前を頂戴した。あるとき馬に乗っての使者に遣わされたが…
  • [名作落語]小言幸兵衛
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    長屋の家主幸兵衛は世話好きだが、小言ばかり言ってうるさい。貸し家札を見て、次々と借家人がやってくるが、口頭試問は辛らつ。そこを無事通過しても、幸兵衛の想像力の飛躍はとどまるところを知らない。
  • [名作落語]笠碁
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    碁がたき同士が「きょうは待ったなしでいこう」と決めて打ちはじめると、さっそく相手が「待った」。「そりゃねえだろ」からはじまっての言いたい放題の喧嘩わかれ。だが雨降りが続くと何となく碁が打ちたくなって…
  • [名作落語]蚊いくさ
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    町道場に通う熊五郎、剣術にこって商売を怠け、質においた蚊帳(かや)さえ受けだせない。女房に悪態をつかれて先生に「道場をしばらく休みたい」と相談すると、「蚊の大群など恐れるに足りない」と先生は言い、撃退の謀計(はかりごと)をさずけてくれた…
  • [名作落語]船徳
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    道楽のすえに勘当された若旦那は、船宿に居候するうち、船頭になろうという気を起こす。浅草の四万六千日に蛮勇をふるって船を出したのだが……
  • [名作落語]巌流島
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    講談のほうでは佐々木小次郎に同様のがあるので、このような題名をつけたのであろう。続き話のごとく重々しく振り込んで軽く落とすところ、真打ちのやるべき大物である。
  • [名作落語]武助馬
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    前に奉公していた男が上方からもどり、役者になったと挨拶にくる。「一谷嫩軍記(いちのたにふたばぐんき)」で熊谷直実の馬の足で舞台に立つという。旦那はよろこび店の連中総出で見物にゆく。さてその結果は?
  • [名作落語]文七元結
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    以前からあったちょっとした話を、幕末・明治期に活躍した円朝(えんちょう)がこれだけにまとめあげたものだといわれ、円朝得意の人情噺(にんじょうばなし)である。
  • [名作落語]佃祭
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    佃祭の実話を小噺を着けてサゲたものである。これは立派な真打ち噺で、信心などをマクラをつけて、長い高座にしている。
  • [名作落語]てんしき
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    これはとくに解説をいれることもない。明るく、素直にやれば、たいへんおもしろい。知ったかぶりをする人をうまく描いている。
  • [名作落語]高砂や
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    「婚礼に御用捨」は「巡礼に御報謝(ごほうしゃ)」にかけたもの。上方では「…このうらふうねェに帆を上げてェ……助け船ヤーイ」」でサゲている。
  • [名作落語]粗忽長屋
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    そんな馬鹿なはなしがある? と言いたくなるみごとな最後のサゲ! 熊(くま)はテレポーテーション能力の持ち主か。
  • [名作落語]寝床
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    原話は江戸期の「醒睡笑(せいすいしょう)」(安楽庵策伝著)などの江戸小咄からに見られる。上方では単に「床」と言っている。名作である。
  • [名作落語]長屋の花見
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    家主招待の長屋のお花見。酒も肴も盛りだくさん、ただしどれ一つとして「まともな」ものはない。やけ酒ちかくなっての言いたい放題、これがめっちゃ面白い。
  • [名作落語]目黒のさんま
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    仰々しい馬乗りのいでたち、駈けっこの末の空腹とさんまの匂い、百姓の啖呵、大名どうしのやりとり、誰も目黒がどういうところかまったく知らない世間知らず……文字で追うと、また格別のおもしろさがある。
  • [名作落語]饅頭こわい
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    中国の「笑府」に出るはなし「饅頭」がもとになっている。談州楼焉馬(だんしゅうろうえんば)編の「落噺(おとしばなし)」中には、東南西北平作として出ている。
  • [名作落語]蒟蒻問答
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    運びに無理がなく明朗でおかしくて構想の奇抜なところ、まことに代表的な名作。作者の二代目正蔵の前身は僧侶だったという。
  • [名作落語]鰍沢
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    円朝作の三題噺〔客から適当に三つの題をもらい、一席の噺にする〕という。題は毒消し、鉄砲、たまご酒であった。落語中の大物とされている。
  • [名作落語]寿限無
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    初めての子に縁起のいい名前がほしい…坊主に相談してつけた名は「じゅげむじゅげむ、ごこうのすりきり、かいじゃりすいぎょのすいぎょうまつ……」前座の口ならしに格好のはなし。諸地方の民話に似たものがあるという。
  • [名作落語]一目上がり
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    この噺の落ちはいく通りもある。町内の鳶頭(とびがしら)の家へ行き、宝船の図を見て「いい六だなァ」と褒めると「ナーニ七福神だ」とさげる。これが一番古いらしいが、ほかにも「これァ六だろう」「ナーニ質の流れだ」というのもある。江戸小噺から取ったものだが「膝栗毛」にも使われている。
  • [名作落語]蟇の油
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    「サアサアご用とお急ぎのないお方はゆっくりとお聞きなさい…」という口上で有名。「高田の馬場」という題でやることもある。
  • [名作落語]道灌
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    およそ落語家で、道灌を演(や)らぬものはほとんど無かろうというくらい、前座咄の中での王様にも当たる。
  • [名作落語]明烏
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    人情噺 「明烏後真夢(あけがらすのちのまさゆめ)」の発端である。噺の中のクスグリをサゲにして、一席の落語にしてある。
  • 江戸小咄春夏秋冬 夏の二
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    江戸小咄を「新年」「春」「夏」「秋」「冬」の、5つの季節にふさわしい129の話題にそって分類。小咄、川柳を中心にすえ、季節の風物・事物・場所・言葉にまつわる来歴をまじえて、親しみやすく書き下ろした歳時記ふうの好読み物。艶笑ばなしあり、軽口あり。

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  • 江戸小咄春夏秋冬 夏の一
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    江戸小咄を「新年」「春」「夏」「秋」「冬」の、5つの季節にふさわしい129の話題にそって分類。小咄、川柳を中心にすえ、季節の風物・事物・場所・言葉にまつわる来歴をまじえて、親しみやすく書き下ろした歳時記ふうの好読み物。艶笑ばなしあり、軽口あり。

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  • 江戸小咄春夏秋冬 冬の二
    -
    1巻220円 (税込)
    江戸小咄を「新年」「春」「夏」「秋」「冬」の、五つの季節にふさわしい129の話題にそって分類。小咄、川柳を中心にすえ、季節の風物・事物・場所・言葉にまつわる来歴をまじえて、親しみやすく書き下ろした歳時記ふうの好読み物。艶笑ばなしあり、軽口あり。

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  • 江戸小咄春夏秋冬 冬の一
    -
    1巻220円 (税込)
    江戸小咄を「新年」「春」「夏」「秋」「冬」の、五つの季節にふさわしい129の話題にそって分類。小咄、川柳を中心にすえ、季節の風物・事物・場所・言葉にまつわる来歴をまじえて、親しみやすく書き下ろした歳時記ふうの好読み物。艶笑ばなしあり、軽口あり。

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  • 江戸小咄春夏秋冬 秋
    -
    江戸小咄を「新年」「春」「夏」「秋」「冬」の、5つの季節にふさわしい129の話題にそって分類。小咄、川柳を中心にすえ、季節の風物・事物・場所・言葉にまつわる来歴をまじえて、親しみやすく書き下ろした歳時記ふうの好読み物。艶笑ばなしあり、軽口あり。

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  • 江戸小咄春夏秋冬 春
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    1巻242円 (税込)
    江戸小咄を「新年」「春」「夏」「秋」「冬」の、五つの季節にふさわしい129の話題にそって分類。小咄、川柳を中心にすえ、季節の風物・事物・場所・言葉にまつわる来歴をまじえて、親しみやすく書き下ろした歳時記ふうの好読み物。艶笑ばなしあり、軽口あり。

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  • 江戸小咄春夏秋冬 新年
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    江戸小咄を「新年」「春」「夏」「秋」「冬」の、五つの季節にふさわしい129の話題にそって分類。小咄、川柳を中心にすえ、季節の風物・事物・場所・言葉にまつわる来歴をまじえて、親しみやすく書き下ろした歳時記ふうの好読み物。艶笑ばなしあり、軽口あり。

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  • 新ハムレット
    -
    1巻242円 (税込)
    「人物の名前と、だいたいの環境だけを、シェイクスピアの「ハムレット」から拝借して、一つの不幸な家庭を書いた」。原作のドラマ形式を生かしながら、現代の悪と心理的な葛藤を盛り込んだ、太宰の意欲作である。

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  • 大草原
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    一見なんの奇もない旅行記。九歳の男の子が遠い町の学校へはいるために、知合いの僧侶と伯父にともなわれて、はてしもない草原を何日も馬車に揺られて行く、ただそれきりの話……しかし渋い興味と清らかな詩情にあふれた1編。

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  • 江戸小咄商売往来(上)
    -
    好評の「江戸小咄春夏秋冬」の続編。この上巻は《季節を売る》で、江戸の名物でもあったさまざまな行商人を正月の「扇売り」「宝船売り」から年末の「ふぐ売り」まで21編を収める。
  • 地獄での一季節
    -
    1巻275円 (税込)
    従来もっぱら「地獄の季節」という訳書名で通用してきたフランス象徴派の代表的詩人ランボーの最も有名な散文詩集。この篠沢秀夫訳は、新しい観点から「より真実の意味を掘り起こそうとする」意欲的試みになっている。

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  • サロメ
    -
    ユダヤの副王ヘロデは後妻の娘サロメの怪しい魅力のとりことなって、みずからの誕生日の宴席でしつこく踊りをせがむ。何でも希望のものをとらせるというヘロデの約束に対して、踊り終わったサロメの望んだものは予言者ヨカナーンの生首であった。世紀末の怪奇幻想趣味あふれる一幕悲劇。

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  • 杜子春
    -
    1巻275円 (税込)
    童話風な作「杜子春(とししゅん)」「魔術」「蜜柑」のほか、「妖婆」「鼠小僧次郎吉」「舞踏会」「南京の基督(きりすと)」の7編を収録した短編第四集。

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  • 蜘蛛の糸
    -
    1巻275円 (税込)
    異常な天才絵師の執念を描いた「地獄変」、切支丹ものの代表作「奉教人の死」「きりしとほろ上人伝」のほか、「蜘蛛の糸」「開化の殺人」「枯野抄」の6編からなる短編第三集。

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  • 戯作三昧
    -
    1巻275円 (税込)
    馬琴に託して自分を語った「戯作三昧」のほか、「偸盗(ちゅうとう)」「或日の大石内蔵助」「首が落ちた話」「世之助の話」「袈裟(けさ)と盛遠(もりとお)」の6編を収録した短編第二集。

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  • 羅生門・鼻
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    1巻275円 (税込)
    処女作「老年」にはじまり、今昔物語に想をえた「羅生門」「鼻」「芋粥(いもがゆ)」などのほか、「手巾(ハンケチ)」「煙草(たばこ)と悪魔」「煙管(きせる)」「運」「忠義」の9編を収録した短編第一集。

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  • バッコスの狂信女たち
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    バッコスはディオニュソスとも呼ばれ、人間に葡萄から酒を造ることを教えた神、すなわち酒の神として知られている。劇は、この神が、初め小アジアからペルシア方面で多くの信徒を得た後、みずからは人間の若者の姿となり、多くの東方の信女たちを率いてテーバイに現われたところから始まる。テーバイでは、老齢のカドモスがディオニュソスを信奉するが、娘たちは、ディオニュソスが神であることを認めようとしない。とくにカドモスの孫で、現在のテーバイの支配者であるペンテウスは、人間の姿をしたディオニュソスを、神とは知らずにこれを捕え、鎖でつなぐ。そのために、彼は神罰によって恐ろしい最期を遂げる。ペンテウスの母およびその姉妹たちも、神を嘲(あざけ)った罪を罰せられ、一家ことごとく国を追われる。この作は、エウリピデスの死後始めて上演されたが、彼の傑作のひとつで、この劇ほど舞台で歓迎され、また多く引用され模倣された劇は他にないくらいであるという。
  • タウリケのイピゲネイア
    -
    「アウリスのイピゲネイア」の後日譚。アウリス港で、アガメムノンは娘のイピゲネイアを女神アルテミスに生贄(いけにえ)として捧げざるを得なかった。しかし、人々の眼には儀牲となったようにみえたけれど、実は女神は牝鹿を代りに生贄としてイピゲネイアを助け、彼女をタウロイ人の国タウリケに連れて行って、そこのアルテミス神殿の女祭司にしたのだった。黒海の奥のこの辺地では、他国人を捕えるとこれを人身御供(ひとみごくう)として女神に捧げることが掟となっており、イピゲネイアは、女神の女祭司として、その生贄の儀式の最初の浄めの式を務めねばならなかった。それが、自分の血を分けた弟オレステスの浄めの式をやらねばならなくなったのだから皮肉である。オレステスはアポロンの指示にしたがって、タウリケにアルテミスの神像を取りに来たのであった。彼は親友ピュラデスと共に、黒海入り口の難所、シュムプレガデスの岩を越えてはるばるタウリケまで辿り着くが、海岸で土地の者に見つかって捕えられる。かくしてイピゲネイアが、知らずして弟に生贄の浄めをすることになる。いよいよとなったとき、イピゲネイアは妙案を考え出し、姉弟とピュラデスは神像を携えて乗って来た船で遁れる。
  • ヒッポリュトス
    -
    テーセウスの若妻パイドラーは自分の継子ヒッポリュトスに恋し、そのことに思い悩む。彼女は誰にもうちあける気はなかったのだが、乳母のお節介によって、ヒッポリュトスに知られてしまう。ヒッポリュトスに罵倒されるに及んで、彼女は愛する男を死に陥れるような遺書を残して自殺する……エウリピデスの代表作の一つ
  • メデイア
    5.0
    メデイアは敵将イアソンと恋に落ち、父にそむき、弟を殺し、故国コルキスを離れてイアソンの故国テッサリアに逃れる。だがイアソンに王位を譲らない弟ペリアスがあるのを知ると、陰謀によってペリアスの娘たちに父を殺させる。テッサリアにいられなくなった二人はコリントスへと亡命し、二人の子供をもうける。しかしイアソンはコリントス王の娘を妻に迎える。メデイアは激しい憎悪のとりこになって……
  • コロノスのオイディプス
    -
    みずから両眼をえぐって盲目となったオイディプスは、しばらくはテーバイに止まることを許されたが、のち追放されて、姉娘アンティゴネーに助けられつつ、諸国を流浪し、結局アテナイの郊外コロノスに辿りつく。このコロノスで、オイディプスはその最初に足を止めた所がエウメニデス女神達(復讐の魔女)の聖域であることを知って、神託による自己の終焉の地に来たことを悟る。ソポクレス最晩年の作。
  • オイディプス
    -
    テーバイ王の子オイディプスは、スピンクスを退治してテーバイの王位に即く。初めのうちはきわめて幸福に暮らし、先王の妃イオカステーとの間に二男二女を儲け十数年を経る。ところが突然市に悪疫が流行(はや)り出し、作物は実らず、家畜は倒れ、女は子供を産むことができなくなる。そこで、市の司祭は市民達を引き連れて王に嘆願に来る。先きのスピンクス退治同様、なんらかの方法で今度も市を救ってもらいたいというのである。王自身も前から心配していて、デルポイの神託を伺わせに使いを派遣していた。その報告によれば、「先きに非業の死をとげた先王の仇を打たないかぎり禍(わざわい)はやまない」という。オイディプスはあらゆる手段を尽くしてその犯人を探し出してみせると誓う…自らがその犯人であることを知らずして。
  • アンティゴネー
    -
    「人間の作った規則」よりも「神の定め給うた掟」のほうが大切だと言い張って死を覚悟で兄の埋葬をおこなうアンティゴネー。彼女を岩屋に閉じこめた叔父でテーバイ王のクレオーンは取り返しのつかない悲劇を招く。ソポクレス円熟期の傑作のひとつ。
  • 縛られたプロメテウス
    -
    人間に火を与えて大神ゼウスの怒りを招いたプロメテウスは、スキュティアの岩山に鎖でくくりつけられる。海神オケアノスはゼウスとの和解を勧めるが、プロメテウスは承知しない。ついで現われた乙女イーオーの物語によって、プロメテウスはゼウスの没落すべき運命を知る。ゼウスはヘルメスを派遣して自分の運命を聞きだそうとするが、プロメテウスは頑として聞きいれない。突如、雷鳴と地響きとともに岩山は崩壊し、プロメテウスは岩石に巻き込まれて姿が見えなくなる。
  • テーバイを攻める七将
    -
    「テーバイ」はテーバイ王オイディプスの二人の息子、エテオクレスとポリェネイケースの、父の呪咀(じゅそ)を受けた権力争いを描く。この争いは後者がアルゴスの同盟軍を率いてテーバイの七つの門に押し寄せることによってクライマックスを迎える。攻撃側が七つの門に各一人の将を配したのを受けて、防御側も七人の将がこれに立ち向かう。兄弟は一騎打ちの勝負を交え、ついに相打ちで二人とも同時に倒れる。
  • アガメムノン
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    アガメムノンは弟メネラオスとともにギリシアの大軍を率いてトロイアに遠征し、十年の苦闘ののちにようやくこれを征服して凱旋する。しかし、その留守中に妻のクリュタイメストラは、夫の従兄弟にあたるアイギストスと密通し、夫が帰ってきたら殺そうと企らんでいる。彼女はアガメムノンが、二人のあいだの長女イピゲネイアを、女神アルテミスに生贄(いけにえ)として捧げたことを怨(うら)み、娘の復讐をするつもりなのだ。それはギリシア勢が遠征に出る際に、アルテミスの怒りのために船出することができず、それで女神を宥(なだ)めるためにやむなく取られた処置であったが、クリュタイメストラはひたすら娘が犠牲にされたことを怨(うら)んでいた。
  • 事故…クリスティ犯罪・怪奇傑作選
    -
    アガサ・クリスティは犯罪もの、怪奇サスペンスものでも見事な作品を残した。この短編集には犯罪もの「うぐいす荘」「事故」、怪奇もの「最後の降霊会」「第四の男」の、代表作4編を収録した。

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  • 侏儒の言葉
    -
    1巻308円 (税込)
    生来の警句好きを縦横に活かして、最晩年にまとめたアフォリズムの快作「侏儒の言葉」と、生涯の総決算と目される「西方の人」「続西方の人」を収録した短編第六集。

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  • 或阿呆の一生
    -
    1巻308円 (税込)
    生涯のさまざまな出来事と心情を印象記ふうにつづった芥川晩年の代表作「或阿呆の一生」のほか、同じく晩年の風刺詩といってもよい「河童」「歯車」を収録した短編第五集。

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  • 武将の運命
    -
    多数の逸話や伝説を基礎にして歴史上の人物の性格を定めるという、独自の方法を確立した、海音寺氏の手になる「史伝」。本書で取り上げられた人物やエピソードは、平将門、藤原純友、平清盛、信濃川、鉄砲伝来記、上杉謙信、西郷隆盛、桐野利秋などであり、そこでは新しい見方と性格描写がみられ、不当な評価を受けてきた人物たちの復権がうたわれている。
  • 火星のオデッセイ
    -
    「火星のオデッセイ」は1970年、アメリカSFファンタジー作家協会が実施したSF短編のオール・タイム・ベストの選出で、アシモフの「夜来たる」に次いで第2位に入った。作者ワインボウムの描いた異星の生物は、他の想像を超えた存在で、地球外の環境の描写とともに、まったくの独創だった。人間とのコミュニケーションを成立させたかに見える「トゥイール」は、その後の異星人の先駆となった。ワインボウムは32歳で一躍SF界の寵児となったが、続編を残しただけで翌年夭逝した。
  • 表面張力
    -
    他の恒星系への飛行は実現したが、植民星を作るにはヒトが地球適応型でなくなるしかない。それにはDNAレベルでの「播種計画」が必須である。この計画がうまく運んだ星の一つでは、ヒトは樹上生活をする小人になっていた(「屋根裏の物」)。また別の星ではヒトは水中生活をする微小な知的生物として設計された。彼らは水溜りの支配権を握り、隣の水溜りめざして遠征を企画するが、その最大の障害は途方もない表面張力だった(「表面張力」)。鬼才ブリッシュのハードSF。
  • 日本の名匠
    -
    歴史小説の巨匠海音寺潮五郎がそれぞれの匠の活躍した現地を訪れながら、独特の史観を通して、刀匠、陶工の謎多き生涯を推理し、自説を披露する。刀匠では虎徹、清麿、国広、助広など、陶工では藤四郎、織部正、長次郎、光悦、乾山、仁清などの、日本の代表的名匠が取り上げられている。
  • 少将滋幹の母
    3.0
    1巻330円 (税込)
    高齢の大納言藤原国経は、その美しい北の方(妻)を、左大臣藤原時平に奪われる。「少将滋幹(しげもと)の母」とはこの北の方のことで、「少将滋幹」とはその北の方が国経との間にもうけた一子のことです。この王朝物語は、母を奪われた滋幹の悲しみを中心にして、北の方をめぐるさまざまな男たちの生態を絵巻物のように活写し、成長した滋幹が幼い頃に別れたきりになっていた母と、月夜の桜の樹の下で再会するところで終わる。
  • 春琴抄
    -
    1巻330円 (税込)
    盲目の三味線師匠に仕える佐助の、愛と献身を描いた物語。大阪の薬種問屋の娘琴は才があり美しかったが九歳で失明し、手代佐助に引かれて琴三絃の稽古に通ううち、たちまち頭角をあらわし衆にぬきん出る。二十一歳のとき春琴は弟子のひとりに熱湯をかけられ美貌が傷つけられたと思い込む。佐助は彼女の面影を脳裡に永遠に保持するため、自分で自分の目をつぶして盲目の世界に入る。
  • 柳沢騒動
    -
    俗説のなかに埋没している柳沢騒動をほりおこし、客観的な歴史の光をあてて再生したユニークな作品。作者は史実のなかにふかくふみこんで、丹念に素材を洗い出し、そこから当時の時代色をみごとに再現してくれる。将軍綱吉も、柳沢吉保も、牧野成貞も、また水戸光圀も、納得のゆく人物像として造型されている。海音寺の戦前の代表作の一つであり、戦後の「武将列伝」や「西郷隆盛」等に代表される歴史大作につながる作品。
  • 二百十日/野分
    -
    1巻330円 (税込)
    阿蘇山に登ろうとする二人の青年に託して、漱石自身の「慷慨」が披瀝される「二百十日」。元中学教師で文学を志す貧しい主人公が、「現代の青年に告ぐ」と題する講演をぶちあげ、その教え子に救われる「野分」。「草枕」以後の漱石の歩みを示唆する2編を収録。
  • ウィンダミア卿夫人の扇
    -
    ウィンダミア卿は評判のよくない年輩の女性、アーリン夫人に入れあげているという噂があり、妻は心穏やかでない。銀行の通帳を見ると、確かに大金が支出されている。妻の誕生日のパーティに、妻の反対を押し切って、卿はアーリン夫人を招待する。その夜、ダーリントン卿から口説かれたウィンダミア夫人の心は揺れ、決心の置き手紙をしてダーリントン邸へおもむく。その手紙を最初に発見したアーリン夫人は、いそぎ跡を追った。……「扇」が巧みな狂言まわしを演じるワイルドの喜劇の代表作。
  • 書物袋
    -
    本書には、短編集『阿慶(アー・キン)』に収められた、「書物袋」と「この世の果て」の2編を収めた。これらは「南海もの」と呼ばれるモームの一連の作品群にふくまれる。数回にわたる南海への旅行はモームに多様な人間と接する経験をさせ、文明社会ではなかなか期待できない赤裸々な人間の姿に接する体験を得させた。「ああした熱帯地方にあっては、人間はそれぞれの特異性癖を、他の土地にあっては想像できないほどの程度にまでたっぷり発展させる機会を与えられる」『阿慶』に添えた序文のなかで、モーム自身はこう説明している。
  • 悲しきカフェのうた
    -
    アメリカ南部のさびれた田舎町のカフェで起こるエピソード。カフェの女主人ミス・アメリアは、男のような力を持ちながら、ひどい斜視の持ち主だが、ふとしたきっかけから肉体的畸型児であるせむし男に愛情を抱く。だが、かつてつかのま夫にしたことのある無頼漢で前科者のマーヴィン・メイシーと肉弾相打つ決闘を試みて、あげくの果てには、愛するせむし男そのものに裏ぎられて敗北してゆく。象徴的なトーンは、今日の人間の心の孤独、現実の世界にとりつく島も容易に見出せぬ人間の悲しい状況である。
  • 誘惑
    -
    「読ませる小説」の技術と良心をもち、人間の魂を描きつづけたイギリス文学の巨匠の短編集。「昼食」「蟻とコオロギ」「約束」「ルイーズ」「物知りさん」「察しの悪い女」の6短編と、モームの短編のなかでは最も長いものの一つ「誘惑」を収めた。
  • 赤毛
    -
    星くずのように島々が散在する南太平洋はモームの好む舞台である。この文化果つるところで文明への郷愁に狂う西欧人「マッキントッシュ」、可憐な現地民の娘との美しい恋も、島を離れてみれば美しい自然が生んだ幻想でしかなかった「赤毛」、この2編の他に「エドワード・バーナードの堕落」を収めた。
  • オズの魔法使い
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    カンザス名物の大竜巻に家ごと運ばれたドロシーは、見知らぬ土地にたどりつき、頭にわらの入ったかかし、心臓がないブリキのきこり、臆病なライオンたちと出会う。故郷カンザスに帰りたい一心のドロシーは、変わった仲間たちと、どんな願いもかなえてくれるというオズの魔法使いに会うために、エメラルドの都をめざす……世界中で愛され続ける魔法と冒険がいっぱいの物語。
  • 小さき者の声
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    自分の目にうつる大人の生活を、子供たちは独特の判断にしたがって自分たちの世界に再現しようとする。その結果、古い遊戯やわらべ歌、日常なにげなく使っている言葉や、形式だけ残っている子供の行事には、遠い祖先の生活・思想を解明する鍵が数多く含まれている。本書は児童の言葉や遊戯を民俗学的にとりあげ、その果たしている役割について考える。
  • 雨

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    「雨」はモームの短編の代表作。魔窟から魔窟へ流れ歩く年増女のただれた魅力。情欲に狂う水夫と現地人の女たち。雨季のサモア島を舞台にくりひろげられた宣教師と娼婦との霊肉の闘争は、予想外な結末を告げた。他に心にくい短編の技巧を見せた「ホノルル」、《東南アジアの植民地もの》の「東洋航路」を収める。
  • 人間的要素
    -
    モームの短編集『一人称単数』First Person Singular, 1931 から選んだ「ジェーン」「人間的要素」「美徳」の3編を収録する。どれも男女関係、結婚を扱った作品で、「幸福」の質にもいろいろなレベルのものがあることがテーマになっている。
  • 十二人目の妻
    -
    モームの短編集『一人称単数』First Person Singular, 1931 から選んだ「創作衝動」「変り種」「十二人目の妻」の3編を収録する。どの作品にも、独自の人間観察眼が光っている。
  • ブラウン神父の醜聞1
    -
    チェスタートンが晩年に書いたブラウン神父もの最後の短篇集。特有のユーモラスな味が一層濃厚になってきて、神秘的な雰囲気がやや薄れ、なかには、純粋のユーモア小説といってもおかしくないような作品もある。だが、どれも、含蓄のあるユーモアたっぷりな書き出しでちょっと滑稽な人物紹介をやってゆきながら、いつか深い瞑想の世界へ読者を引きこんでゆく。これは探偵小説の根本になるトリックが他の追随を許さないほど独創的で巧妙だからだ。本編には「ブラウン神父の醜聞」「手早いやつ」「古書の呪い」「緑色の人」「青君の追跡」の5編をおさめた。
  • 怒りの器
    -
    「南海もの」といわれるモームの短編集の総決算『阿慶(アーキン)』から「密林の足跡」「機会の扉」「怒りの器」の3編を収録。「私の観察によると、いかなる場合でも、善人と悪人との間には、世の道学者流が私たちに信じさせようとしているほどの違いは、ないように思われる」と書いたモームの姿勢がよくうかがわれる。
  • 白夜
    -
    ロシアの都ペテルブルクに出てきて以来、友人が一人もできず、夢想的で孤独な生活を送る青年が、神秘的な白夜のある晩、橋のたもとで一人の少女とめぐりあう。青年は少女に淡い恋心を抱き、逢瀬のたびに気持ちは高まる。だが、その想いは蜃気楼のようにはかなく散ってしまう。ヴィスコンティによって映画にもなったドストエフスキーの初期短編名作。
  • フランダースの犬
    -
    みなし子となったネッロ少年には、忠実な老犬パトラッシェと一緒に、アントワープの町の人たちに牛乳を届けに行くのが残された唯一の暮らしの道だった。絵を描くことが好きだったネッロの夢は、町の教会堂にあるルーベンスの絵を見ることだった。ある日、放火の疑いを受け村を追われたネッロは凍てつくクリスマスの朝、教会堂までたどり着く。ルーベンスの絵は目の前にあった。だが……

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  • ポワロ登場! 1
    4.5
    ミステリの女王クリスティの創造したポワロものの面白さ、抜群の冴えは、短編でも遺憾なく発揮される。おなじみヘイスティングズとの絶妙なコンビのやり取りにも、各所でニヤリとさせられる。このシリーズには、6巻と7巻に重厚なポワロもの中編4編をくわえ、ポワロもの中短編全集といってもよいほど、ほとんどの作品を収めてある。
  • ミス・マープルのご意見は? 1
    4.0
    セント・メアリ・ミード村で静かな暮らしを送るミス・マープルは、人のうわさ好き。どんな出来事にも興味をもち、好奇心旺盛で記憶力も抜群。編物をしながら、じっと話に耳を傾けている。ガーデニングも好きで、通りかかる人物にも注意を怠らない。そして驚くべき洞察力で、事件の謎を解いてしまう。ミス・マープルは長編「牧師館殺人事件」で初めて顔をみせ、 その後、多くの短編・長編で活躍した。「ミス・マープルの物語は、書いていてとても楽しかった。わたしは、自分が作ったこのおだやかなおばあさんが大好きになってしまいました。読者のみなさんにも好きになってほしいと心から願っています」作者はこう書いた。

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  • こども風土記
    -
    すでになくなって久しい子供たちの「遊び」の淵源を幅広くたずねて、見すごされがちな小さい世界に大切な文化の歴史を探る好著。なにげない日常の諸相の中に多くの問題意識と解明の手段とをさぐりだす柳田民俗学の方法を知るための平易な入門書でもある。「鹿・鹿・角・何本」「あてもの遊び」「かごめ・かごめ」「中の中の小仏」「地蔵遊び」「鉤(かぎ)占いの話」「ベロベロの神」など40編からなる。

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  • 日本の祭
    4.0
    「まつり」と「おまつり」の使い分け、むずかしそうな「祭礼」、暮らしのなかで出会うこうした言葉の端々から、歴史のなかで生き残ってきた「祭」の姿が徐々に姿をあらわす。全国に残る数多くの事例から、著者は古来の信仰生活の移り変わりを提示する。これから社会へ出てゆく大学生をまえに行なわれた講義で、「祭りから祭礼へ」「祭場の標示」「物忌みと精進」「神幸(しんこう)と神態(かみわざ)」「供物と神主」「参詣と参拝」の6回からなっている。

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  • 老人と海
    5.0
    舞台はキューバの港町とメキシコ湾流の広大な海、84日間も魚を釣り上げることができなかったサンチャゴ老人は、いままた使い慣れた舟の帆を張り、ひとり外海へと出かけてゆく。目指すは《まかじき》だ。…ついに大物がかかる、二日にわたる死闘のあと、老人はとうとう「わしの大きな魚」を引き寄せ、その姿を目にする。ヘミングウェイの代表作。

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  • 狭き門
    5.0
    ジェロームのアリサへの愛は、「頭脳の恋」であった。相手のなかに自己の理想の反映を見出し、偶像として祭り上げてしまったとき、それを知った相手は「あるべき姿」を負担に思うようになる。アリサの死後、ジェロームに贈られた遺書「アリサの日記」はその心の葛藤を生々しく語る。「この作品はまことに平易な文章で綴られている。それなのに、その行間がもたらす緊張感とこの作品を読みながら促される思索の一貫性については、まったく類がないほどの質になっている。まさにアンドレ・ジッドの彫琢だ」…松岡正剛。

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  • 夜来たる
    3.0
    もし2000年に一度しか夜が訪れないとしたら、そんなことが本当になるとしたら、人々はどう反応するだろうか…6つの太陽に囲まれた惑星ラガッシュでは、それが現実となった。「夜の到来」は長年にわたって育んできた宇宙像を崩壊させ、人々は恐慌におちいった。このSF史上に名高い表題作のほか、本書にはアシモフ初期の多様性を示唆する「ガニメデ星のクリスマス」「赤い女王のレース」の2編をおさめた。

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  • 音なし源捕物帳(巻一)
    -
    左腕がなく、顔一面、濃い無精髭(ぶしょうひげ)におおわれている男が、颯爽たる男前の左右両腕利きの《音なし源》に変身!…冴えわたるプロットと小気味よい殺陣で読ませる笹沢左保ならではの「ハードボイルド捕物帳」。全10巻。本巻には「光る闇」「夜桜の涙」「暗夜の花道」「鶴の八番」「《さ》の字殺し」の5編を収めた。

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  • 好色五人女
    -
    1巻330円 (税込)
    当時、親の目を盗んでの恋愛は不義密通の名で呼ばれ、これを犯した者は勘当され、それが自分の娘であった場合は、親はお上に訴えて打首、あるいは島流しにすべしという法令までできていた。まして人妻の恋愛となれば、現場で討ち果たすべしという法令があり、逃げても捕まれば磔刑(はりつけ)であった。五人女は、そういう道徳や制度と対決して、愛に生き、かつ死んだ。

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  • にごりえ・たけくらべ
    -
    1巻330円 (税込)
    菊の井という曖昧屋の酌婦に身をおとしたお力(りき)の精一杯の生きざまを見事に浮き彫りにした「にごりえ」、吉原遊廓の四季のうつりかわりと暮らしのなかに、美登利、信如、正太郎ら少年少女たちの初々しく幼き恋を、きめ細かな観察と流麗な筆致で描きあげた「たけくらべ」…一葉の代表作2編。

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  • 一握の砂・悲しき玩具
    -
    1巻330円 (税込)
    東海の小島の磯の白砂に われ泣きぬれて蟹とたはむる…処女歌集「一握の砂」の第一句。「呼吸(いき)すれば、胸の中(うち)にて鳴る音あり。凩(こがらし)よりもさびしきその音!」…第二歌集「悲しき玩具」の第一句。孤独と貧しさのなかで歌への志を失わず、27歳で逝った啄木の代表作。

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  • ロータス・イーター
    -
    「三人の肥った女」「良心的な男」「掘りだしもの」「ロータス・イーター」「ジゴロとジゴレット」の5編は、「世の中には、いつになっても、これはと驚くようなことが決してなくならない」という作者の信条の結晶である。
  • 幸福
    -
    「獅子の皮」「山鳩の声」「人生の実相」「マウントドレイゴ卿の死」「幸福」の5編を収めた短編集。人生の驚くべき諸相に強烈な関心をいだきつづけた作家の到達点。
  • 自転車日記
    -
    1巻330円 (税込)
    漱石は折に触れて身辺の随想・感想・旅行記ふうの読み物などを書いた。本書はこうした「雑文集」であるが、漱石のまた別の面が明らかになる面白さにあふれている。ここには、「倫敦消息」「自転車日記」「京に着ける夕」「入社の辞」「満韓ところどころ」「元日」「余と万年筆」「博士問題とマードック先生と余」「マードック先生の『日本歴史』」「博士問題の成行」「ケーベル先生」「ケーベル先生の告別」「文士の生活」の13編を、ほぼ発表された年代順に収録してある。

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  • ランボーの手紙
    -
    「地獄の季節」破棄説の真相、アラビアヘの逃亡、ブリュッセル事件の前夜など、その時々に書かれた手紙は、ランボーの文学思想と人となりを垣間見るまたとない資料を提供している。

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  • ランボー詩集
    -
    描きようのないものを描き、刹那に永遠の輝きをあたえた早熟な天才少年の詩の全貌を示す訳詩集。「第一詩集」「イリュミナシオン 」「拾遺」「解説」「年譜」からなり、ランボーの韻文詩のほとんどを収めている。長年、これらに親しんだ詩人金子光晴の苦心の訳でおくる。

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  • 銭形平次捕物控 巻一
    -
    1~20巻330~440円 (税込)
    「親分、た、たいへん」と鉄砲玉のように飛び込んでくるお馴染みガラッ八、悠然とかまえる平次……岡本綺堂の「半七捕物帳」、横溝正史の「人形佐七捕物帳」とならぶ三大捕物帳のひとつ、野村胡堂作の「銭形平次捕物控」登場! 平次とガラッ八との絶妙なコンビが織りなす江戸の風物詩。本巻には「赤い紐」「傀儡《かいらい》名臣」「お藤は解く」「玉の輿《こし》の呪」「金の鯉」の5編を収録。

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  • 私の個人主義―漱石講演集
    -
    1巻330円 (税込)
    漱石は、座談や講演の名手として定評があった。身近なことがらを糸口に、深い識見や主張を盛り込み、やがて独創的な思想を展開する。その語り口は機知と諧謔に富み、聴く者を決してあきさせない。本書に収めた五つの講演も、そのような魅力にあふれたものばかりである。漱石の根本思想である近代個人主義の考え方を論じた「私の個人主義」、先見に富む優れた文明批評「現代日本の開化」、他に「道楽と職業」「中味と形式」「文芸と道徳」を収録した。

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  • 旅の日のモーツァルト
    -
    1巻330円 (税込)
    1787年の秋、ウィーンに滞在していたモーツァルトはようやく完成した「ドン・ジョバンニ」の初演のために、妻コンスタンツェとともにプラハへと旅した。同年5月には父の死に見舞われ、経済的にはきわめて逼迫した状況にもあったから、プラハにかける夢は大きかった。メーリケのこの作品は、このときの旅を描いた心のこもった佳品である。

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  • 孤独な散歩者の夢想
    -
    「黙想なさい。孤独を求めなさい……哲理を考えるにはなによりも自省することが必要です……一人でいても退屈しないことを学びなさい。人は孤独に生きると、ますます人間がすきになるものです」と書いたルソー晩年の自我探求の書。

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