グーテンベルク21作品一覧

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  • 墨東綺譚
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    1巻330円 (税込)
    隅田川の川向こう(墨東の地)向島の私娼屈「玉の井」を舞台に、小説家大江とお雪との出会いと別れを描き、荷風の代表作となった作品。それは梅雨明けから秋の彼岸までのわずか半年間の出来事だった。新聞連載当時の木村荘八の挿画をいれてある。

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  • 氷海越冬譚
    -
    ダンケルク港に帰ってきた船に若き船長の姿はなかった。父と、許嫁のマリはすぐさま捜索におもむく決意を固める。航海日誌と航海士ヴァスランの言葉によれば、若き船長はメールストロム(大渦)に呑み込まれそうになった別の船を助けようと一人の水夫と舵手とともにボートで向かい、そのまま消息を断ってしまったという。

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  • 日本の民話(九州編)
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    1巻330円 (税込)
    九州と沖縄地方に伝わる代表的な昔ばなし23編を集めました。長崎2編、佐賀3編、福岡3編、熊本3編、大分3編、宮崎2編、鹿児島5編、沖縄2編の全部で23編の、地方色のよく出た昔ばなしばかりです。「彦一」や「吉四六(きっちょむ)」も、もちろん含まれています。

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  • 日本の民話(四国編)
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    1巻330円 (税込)
    四国地方に伝わる代表的な昔ばなしを集めました。徳島8編、香川4編、愛媛3編、高知5編の全部で20編の、バラエティ豊かな昔ばなしを収録しています。

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  • 日本の民話(全国編)
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    1巻330円 (税込)
    この全国編には、日本全国どこに住んでいる人でも知っているような「かぐや姫」「浦島太郎」「「瘤(こぶ)とりじいさん」「桃太郎」「金太郎」「はちかつぎ姫」「一寸法師」「花咲(はなさか)じじい」「舌きり雀」などの有名な昔ばなし12編を集めています。

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  • 日本の民話(神話編)
    -
    1巻330円 (税込)
    この「日本の民話」は「日本の神話と昔ばなし」のシリーズで、日本の伝説・童話の研究に一生を捧げた著者による「日本伝承民俗童話全集」の電子ブックです。神話編、全国編、四国編、九州編、近畿・中国地方編、中部編、関東編、東北・北海道編の8巻からなります。この神話編には、「天の岩戸」「八岐(やまた)のオロチ」「因幡(いなば)の白兎」など、「古事記」や「風土記」など古い書物のなかの神話を集めました。

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  • ヴェニスに死す
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    体力の衰えを感じ仕事に疲れた高名な作家アッシェンバッハは、静養のため地中海への旅を思い立つ。ヴェニスに近いリドで足止めを食った彼は、そこに避暑に来ていたポーランド人家族のなかのひときわ優美な美少年の虜となる。エロスと死をテーマにした佳品。ヴィスコンティの手になる映画も有名である。

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  • トーニオ・クレーガー
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    詩的世界に興味をいだく多感な少年トーニオは美少年ハンスにあこがれ、ブロンドのインゲに淡い恋心を抱くが報われない。トーニオは町を棄てて自立したあと、ふたたび二人の姿を目にするが……「芸術家気質」と「市民的気質」、「知性」と「感性」の対立と分裂をテーマにした本書は、マンの自伝的青春の書でもある。

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  • ブラウン神父の秘密1
    -
    チェスタートンによるブラウン神父ものミステリー第4巻。冒頭の「ブラウン神父の秘密」と末尾の「フランボウの秘密」によって神父の探偵方法が明かされ、その実例を8編あいだに挟んで紹介するという新しい趣向の傑作短編集。本巻には「ブラウン神父の秘密」「判事の鏡」「顎ひげを二つもつ男」「飛ぶ金魚の歌」「俳優とアリバイ」の5編を収録。

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  • ブラウン神父の懐疑1
    -
    「懐疑」は短編ミステリーの名手チェスタートンが第一次世界大戦をはさんで十年あまりの休止の後に著わしたブラウン神父物短編集の第3巻。この巻には「ブラウン神父の復活」「天の矢」「犬のお告げ」「ムーン・クレセントの奇蹟」の名作4編を収めた。意表をつく推理はますます健在!

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  • ブラウン神父の純智1
    4.0
    「純智」は、ホームズ物とは一味ちがう、短編ミステリーの名手チェスタートンのブラウン神父物第一巻。黒い大きな帽子とこうもり傘、丸顔でずんぐりした体型の神父が、どことなくユーモラスな雰囲気を漂わせながら意表をつく推理を披露する。本編には「青い十字架」「密閉された庭」「奇妙な足音」「飛ぶ星」「見えない人間」「イズラエル・ガウの厳正さ」の6編をおさめた。

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  • ブラウン神父の知恵1
    -
    「知恵」は短編ミステリーの名手チェスタートンのブラウン神父物第2巻。「消えうせたミスタ・グラス」「盗賊の楽園」「ヒルシュ博士の決闘」「通路の人影」「器械の間違い」「シーザーの顔」の、奇抜なトリック、ユーモアと逆説にあふれた6編を収録。

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  • 退屈な話
    -
    この巻にはチェーホフの代表的な中編「退屈な話」と、最晩年の作品「いいなずけ」を収めた。「退屈な話」は、立派な経歴をもちながら退職後の生き方に自信をもてない絶望的な老教授の心境をえぐった中期の代表作品、「いいなずけ」はこれと対照的に、新しい生活への意欲を燃やして進んでいく娘を描いたチェーホフ43歳のときの最後の小説である。このときチェーホフは戯曲「桜の園」を執筆中で、翌年1月に初演にまでこぎつけたが、結核の症状が悪化し、7月には帰らぬ人となった。

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  • 六号室
    -
    この巻にはチェーホフの代表的な中編「六号室」と「中二階のある家」を収めた。「六号室」は「鉄格子の中も暖かい書斎も本質的にはなにも変わらない」と精神病患者に説教する医師が、周囲の人たちから狂人とみなされて鉄格子の中に閉じ込められ、はじめて現実を知るという話、「中二階のある家」は小さな積みかさねで地道に生活向上をめざす娘と、一挙に現実を改革すべきだといいながら何もしない画家との議論を通して進歩とは何かを問う話。どちらも中期の代表作である。

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  • はつかねずみと人間たち
    4.0
    目はしのきく小男ジョージと、うすのろで馬鹿力の持ち主の大男レニーとの奇妙な友情。飯場から飯場へと移りながらも、二人はひそかに、いつかは農場を持ちたいという夢をもっていた。不思議な緊迫感と寓話にみちた物語。

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  • 魔の沼
    4.0
    サンドは郷里ノアン付近の平和な農村を舞台とする、のどかな牧歌風の小説を4編書いた。これが「田園小説」と呼ばれているもので、『魔の沼』はその第一作にあたる。物語の筋立ての巧みさにおいて無比と称せられる彼女が、幼時の豊富な思い出と親しい観察とを駆使しつつ、簡素な心の美しさと安らかさとを描き出したこれらの作品は、彼女の才能が初めてその本領を発揮したものとして、今日でも広く愛読されている。

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  • 園遊会まで
    -
    短編「手紙」「環境の力」とともに、「カジュアライナ樹」と題された短編集に収められた、モームのいわゆる「南海もの」に属する作品。「奥地駐屯所」「臆病者」「園遊会まで」の3編を収録。どれもマレー半島やボルネオの旧英領植民地に住む英国人たちをとりあげ、その生態をモームならではの視点から浮き彫りにしている。

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  • 手紙
    -
    「手紙」はモームの数多い短編小説のなかでも最もよく知られる名作。完全な正当防衛とみられた殺人事件が、一通の手紙の発見から崩れ去り、驚くような結末が。あわせてもう一編の短編「環境の力」を収めてある。どちらも舞台はマレー半島の奥地であり、植民地に住むイギリス人の心理と暮らしが鮮明に浮かび上がる。

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  • 牝猫
    -
    1巻330円 (税込)
    甘い新婚生活のはずだった若い二人の暮らし…だが、自己中心的な男と、がさつな女の組み合わせ。男は自分が前から飼っている猫が大好きで、女には同等の愛情をそそぐことができない。そして遂には破局が…動物、なかでも猫が特別に好きだったコレットならではの技巧の円熟を感じさせる名作。

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  • 青い麦
    -
    ブルターニュの海辺の避暑地で何度目かの夏の休暇をともに過ごす十六歳のフィリップと一つ下のヴァンカ。輝く陽光、きらめく海、とりどりの花々と木々と鳥、渡る風……網をもって一緒に海の獲物をあさる嬉々とした遊びのなかにも、二人ははっきりと異性を意識する。二人の揺れ動く心のひだのあいだに、「白服の夫人」ダルレー夫人が登場する。フィリップはその怪しい魅力のとりことなる。現代版ダフニスとクロエの物語。

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  • ルバイヤート
    -
    12世紀のペルシアの詩人オマル・ハイヤームの、とくに「酒呑みをたたえた」作品として有名な詩集。1859年、英国の詩人フィッツジェラルドによって英訳されて非常に有名になったが、この日本語訳は、第二次大戦以後の研究の進展にともなってまとめられた、より信頼のおける詩集にもとづいている。

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  • ポー/怪奇傑作集「アッシャー家の崩壊」
    -
    「雲がおもくるしく空に低くかかった、もの憂い、暗い秋の日に」アッシャー家を訪れた主人公を襲う恐怖…エドガー・アラン・ポーの怪奇小説の名作「アッシャー家の崩壊」のほか、「早すぎる埋葬」「落し穴と振子」「罎の中から出た手記」「奇態の天使」の計5編の怪奇ものを集めた傑作集。

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  • 人形の家
    -
    1巻330円 (税込)
    銀行の頭取に出世した堅気な弁護士ヘルメルと妻ノーラとは、仲むつまじい夫婦であった。だがノーラには、夫が病に冒されたときに、借用証書に偽りの署名までして内緒で工面した借金があった。その借金の相手はヘルメルによって職場をくびにされると、秘密の暴露とひきかえにノーラに、復職を夫に働きかけるよう迫る。スキャンダルは危うく未然に回避されるが……ノーラは決然として子どもと家を捨てて出ていく。人間の心のうちを描く近代劇の出発点となった記念碑的作品。

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  • 幸福手配師パーカー・パイン1
    -
    「あなたは幸福ですか? 幸福でないかたは、 パーカー・パイン氏にご相談ください」と新聞に広告を出し、この通りの文句を入れた名刺を持ち歩くパーカー・パイン氏。だがこれは慈善事業ではなく、正真正銘のビジネスなのだ。さまざまな悩みを抱えた人物が訪れる。氏はたちどころに核心をつく質問をして、直ちに処方箋を見つけて提案する。これこれの金額でいついつまでにあなたを幸福にしてあげますと言い切るのである。むろん前金でいただく。だがもし失敗すれば返金しますと申し添える。氏は有能な専属スタッフを使って、直ちに「幸福を手配する」…氏は有能な素人探偵でもある。

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  • 郵便配達はいつも二度ベルを鳴らす
    -
    町から町へと放浪の暮らしを送るフランクは、ほとんど金もない状態でカリフォルニアの街道筋の安レストランにたどり着く。気のいいギリシア人店主はフランクを雇いたいともちかけ、フランクはそれに同意する。だが、フランクの目は店主のセクシーな女房を見逃しはしなかった。二人はほどなく共謀して店主殺害を企てる……アメリカン・ハードボイルドの代表傑作。

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  • タイム・マシン
    -
    ヴェルヌとならぶSFの開拓者H・G・ウェルズが「タイムトラベル」をテーマに書き上げた出世作であり、その代表作。タイム・マシンはその製作者を一気に八十万年後の人類社会に到達させる。そこで見たものは……「明」であったか「暗」であったのか。2002年には、ウェルズの曾孫(ひまご)にあたるサイモン・ウェルズが監督した映画が公開されて話題になった。

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  • 大和路・信濃路
    -
    1巻330円 (税込)
    古典的な美へのあこがれと、近代的な感覚を研ぎすまして、「大和路」を歩いた際の小品集・随想集と、同じく旅の記録「信濃路」をまとめて1巻とした。堀辰雄の資質を知るための鍵となる作品。

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  • 風立ちぬ
    -
    1巻330円 (税込)
    「それらの夏の日々、一面に薄(すすき)の生い茂った草原の中で、お前が立ったまま熱心に絵を描いていると、私はいつもその傍らの一本の白樺の木蔭に身を横たえていたものだった」…散文で描かれた最も純粋な詩と称えられた「風立ちぬ」と、精神的危機からの脱皮を描いた「美しい村」の堀辰雄の代表作2編。

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  • グッド・バイ
    -
    1巻330円 (税込)
    敗戦の経験は太宰をどう変えたのか…未曾有の変転のなかで最後の炎を燃やしつくして未完成に終わった「グッド・バイ」のほか、最後期の作品14編を収録。

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  • 晩年
    -
    1巻330円 (税込)
    遺書のつもりで自ら「晩年」と名づけたという最初の作品集から、「葉」「魚服記」「列車」「猿面冠者」「彼は昔の彼ならず」など13編を収録。

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  • 明治の怪物経営者たち(1)
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    日本資本主義の創成期、大きな仕事をなしとげた男たちの苦闘と自負。本巻では、財界の演出家、渋沢栄一と、明治の新人類経営者、中上川(なかみがわ)彦次郎を切る! 昭和を駆け抜けた作家、小堺昭三の「男論」第2弾!

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  • 男の切れ味(上)
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    先の見えない時代に、男はいつ、どこで、どんな形で、自分の「切れ味」を発揮すればいいのか。時代と四つに組んだ稀代の切れ者たちの生きざまを描いたノンフィクション。昭和を駆け抜けた作家、小堺昭三の「男論…先見力・着眼力・行動力の研究」。
  • 柴錬捕物帖 岡っ引どぶ 巻一
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    1~3巻330~660円 (税込)
    柴錬痛快捕物帖登場! 岡っ引「どぶ」は、《まずい面である。極端に目が小さい。鼻孔がひらいているし、口も大きかった。頤(おとがい)が張り出していて、ちょうど将棋の駒のかたちをしている。よれよれの唐桟留(とうざんどめ)は、冬でも夏でも、これ一枚の着たきり雀の無精さで、入る金は、ことごとく酒と女に費されてしまっているあんばい》…こんな「どぶ」が、奇怪な事件を見事に解決していく。

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  • ラサリーリョ・デ・トルメスの生涯
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    1巻330円 (税込)
    本書は16世紀半ばにスペインで書かれ、当時大人気を博すとともに、その後のピカレスク小説の模範とされた。貧しい主人公ラーサロ少年は7人の俗人・聖人につぎつぎに仕えるが、だれひとり偽善の仮面の下に疑わしい品性を隠していない者はなかった。ピカレスク小説の主人公は、社会の下層にうごめき、あちこちと放浪に近い暮らしを送りながら自らの知恵と才覚で(ときに大いに反社会的な手まで使って)生きのびようと努力する人物である。

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  • 夢十夜
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    1巻330円 (税込)
    「大阪朝日新聞」の依頼を受けて書かれた小品集。「こんな夢を見た…」で始まる十のファンタジックな夢を語る「夢十夜」、小鳥の死を淡々と描いて名作といわれる「文鳥」、日常雑記といってよいエッセイ「永日小品」の3編からなる。

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  • 倫敦塔
    -
    1巻330円 (税込)
    処女作「我輩は猫である」を執筆中、他の雑誌に発表された漱石初期のロマンティシズムあふれる短編。「倫敦(ロンドン)塔」「カーライル博物館」「幻影(まぼろし)の盾」「一夜(いちや)」「琴のそら音」の5編を収録してある。

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  • 硝子戸の中
    -
    1巻330円 (税込)
    一日中、書斎の硝子戸の内にこもり、頭にうかぶあれこれを、そのつど気分の変わるままに綴ったエッセイ。話題は身辺のなんでもない出来事、人生と社会に関するものなどバラエティに富む。漱石の日常をうかがい知る好編。

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  • 半七捕物帳 【分冊版】巻一
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    作者の岡本綺堂は半七老人のことを「江戸時代における隠れたシャーロック・ホームズであった」と書いた。本巻には「お文の魂」「石燈籠」「勘平の死」「湯屋の二階」「お化け師匠」「半鐘の怪」の6編を収録。この電子ブックシリーズでは、全68作品を各巻5編くらいずつ、読みやすい形にして提供の予定。全14巻。

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  • 肉体の悪魔
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    1巻330円 (税込)
    第一次大戦中の混乱期の世相をバックに、一少年の人妻によせる恋愛心理をえぐった小説。早熟夭折の天才ラディゲ17歳のときの処女作品。その透徹した知性と感性、心理解剖とによって、いまなお多くの共感を得ている名作。

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  • くびかざり モーパッサン短編集
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    親しい友だちから首飾りを借りて舞踏会に出かけたマチルドは、帰り道に首飾りを落としてしまい、同じ首飾りを買って返すために借金を背負う。十年後ようやく借金を返すことができたが…意外な結末が印象的な「くびかざり」ほか、フランス社会の様々な階級の生活を活写した珠玉の短編集。この集には表題作のほか、「ジュール叔父」「ひも」「老人」「雨がさ」「酒樽」「帰村」「あな」「クロシェット」「港」の全部で10編を収めてある。

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  • シモンのパパ モーパッサン短編集
    -
    モーパッサンはたぐいまれな人間観察家だったが、それはフランス社会の様々な階級の暮らしの機微を活写する多くの短編として結実した。この巻には名編のほまれ高い「シモンのパパ」と「わら椅子直しの女」のほか、「山小屋」「ペルル嬢」「オリーブ畑」「狂女」「海の上のこと」の全部で7編を収めた。

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  • 危険な夏
    -
    「危険な夏」は二人の闘牛士の命をかけた宿命的な対決を描いたヘミングウェー最晩年の作品。迫真のスポーツライティングであるが、そこには「生のさなかの死」が濃厚に浮かびあがる。本書には、このほかに、スペイン戦争に材をとった短編四つ…「密告」「蝶々と戦車」「戦いの前夜」「尾根の下で」…を収めてある。

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  • 日はまた昇る
    2.0
    「ロスト・ジェネレーション(失われた世代)の聖書」とみなされ、独特の「乾いた文体」でヘミングウェーが一躍作家としての名声を確立した処女長編。「武器よさらば」とならぶ生涯の代表作。戦争で性的不能におちいった青年ジェイクはパリ暮らしで知り合った仲間とともにスペインを旅し、釣りを愉しみ闘牛見物に興じるが……虚無のまぼろしはいつまでつづくのか。

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  • ソクラテスの弁明
    3.0
    「無知」の自覚にもとづき自他を吟味しつつ生きたソクラテスは、「不敬」の罪で告発されて法廷に立った。そのときの「死をまえにしての弁明」を記した古典期ギリシアの哲学者プラトンの代表作。

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  • 饗宴
    -
    ギリシアの哲学者プラトンの、ソクラテスを主人公にした対話編の代表作。酒を酌み交わす饗宴のなかでエロスの神を順番に讃えようではないかという提案がなされ、面白おかしいさまざまな神話的・歴史的逸話を盛り込んだ演説が披露される。最後が酒豪ソクラテスの番であった。ソクラテスはエロスを美そのものへの渇望ではないかと説いて、イデア的な美学を展開する。

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  • チェーホフ四大戯曲(分冊版) 桜の園
    -
    南ロシアの地主であるラネーフスカヤ夫人は夫と死別後、愛人とパリで暮らしていたが、愛人に裏切られ、経済的にもいきづまって、古い領地に帰ってくる。だが、その領地も抵当に入っており、破産は目前……美しい「桜の園」を舞台に、旧地主・貴族階級の没落とそれに取ってかわる新興ブルジョワジーの台頭を描く。チェーホフ四大戯曲の中でももっとも完璧な作品としてしばしば上演される名作。2004年はチェーホフ没後100年にもあたる。

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  • クリスマス・カロル
    -
    クリスマスの前夜、守銭奴で強欲な商人スクルージの前にあらわれた三人の「幽霊(精霊)」たち。第一の幽霊はスクルージをしんみりとさせ、第二の幽霊は心ゆくまで楽しませ、最後の幽霊は恐怖のどん底に突き落とす……。長いあいだ親しまれてきた「クリスマス・ストーリー」の最高の名作。

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  • ポー/ミステリ傑作集「モルグ街殺人事件」
    -
    シャーロック・ホームズもルパンも、ポーの作り出した主人公デュパンから生まれたとさえ言われている。この巻にはデュパンが活躍するポーの推理小説の代表作「モルグ街殺人事件」、姉妹編「マリー・ロジェー事件の謎」、同じくデュパンものの「盗まれた手紙」の3編を収めた。

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  • 変身
    -
    「ある朝のこと、落ちつけぬまどろみの夢からさめたとき、グレゴール・ザムザは寝床のなかで一匹のばかでかい毒虫に変わった自分に気がついた。かたい甲羅(こうら)のせなかを下にした寝姿だった。ちょっと頭をもたげてみると、せりあがったアーチ型の腹部が見えた。鳶(とび)色の、固い環節(かんせつ)でいく重にも仕切られている。そのお腹(なか)のてっぺんには、掛けた布団がいまにもずり落ちそうなかっこうで、やっとこふみとどまっているしまつ」……セールスマン、グレゴール・ザムザのへんてこりんな「変身」を通じて家族に引き起こされる悲喜劇。奇才カフカの面目躍如たる短編。

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  • 透明人間
    -
    二月の吹雪の朝、イギリスの田舎町の宿屋に一人の男があらわれる。宿のおかみは客の途絶えがちな季節にとびこんで来てくれたこの客に内心喜び、なにかと張り切ってサービスに努めようとする。だが、客の愛想はよくない。そして、予想外の出来事が起こり始める……ヴェルヌとならぶSFの開拓者H・G・ウェルズの代表作。

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  • ポー/ホラー・ミステリ傑作集「黒猫・黄金虫」
    -
    不気味な雰囲気をたたえた殺害と復讐の物語「黒猫」と「おしゃべり心臓」、ホームズとルパンの生みの親デュパンが数学と心理を駆使して謎を解く典型的なミステリーの名編「黄金虫」、鬼気せまる恐怖の物語「メールストロムの渦」ほかを収めるポーの怪奇ミステリ傑作集。

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  • 罪と罰(上)
    -
    「非凡人はあらゆる犯罪をなし、あらゆる方法で法律を犯す権利を持つ」――貧しい大学中退生ラスコーリニコフは、こんな犯罪哲学にもとづいて、金貸しの老婆を殺し、行きがかりから、その義理の妹まで殺してしまう……。なみの犯罪小説や推理小説には及びもつかない迫真性と迫力で、ぐいぐいと読者を引っ張っていく、ドストエフスキー、ロシア文学、世界文学の代表作。

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  • 千曲川のスケッチ
    -
    藤村は1899年(明治32年)、長野県小諸町にあった小諸義塾の教師として赴任し、以後6年をそこに暮らした。「千曲川のスケッチ」はこのときの見聞・観察が生んだ写生文で、自然と人生への澄んだ目がひかる散文である。

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  • ヴィヨンの妻
    -
    1巻330円 (税込)
    表題作のほか、「親友交歓」「トカトントン」「父」「母」「おさん」「家庭の幸福」、絶筆となった「桜桃」を収録。太宰をしのぶ「桜桃忌」は6月19日。

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  • お伽草紙
    -
    1巻330円 (税込)
    民話「瘤(こぶ)取り」「浦島」「カチカチ山」「舌切雀」が見事な風刺文学に変身! 面白さ折り紙つきの「日本文学の傑作」!

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  • ダス・ゲマイネ
    -
    1巻330円 (税込)
    最も初期の作品であるが、太宰の特色がよく発揮され今日でも前衛的な「ダス・ゲマイネ」、聖書のユダの心情をえぐった異色作「駈込み訴え」の2編と、作者の自伝的小説「東京八景」を収録。

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  • 走れメロス
    -
    1巻330円 (税込)
    力強く簡潔な文体で友情をうたいあげた「走れメロス」、女性独白体形式の傑作「女生徒」、「富士には、月見草がよく似合う」という名文句で名高い「富嶽百景」の3編を収めた太宰治の珠玉の短編集。

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  • 人間失格
    -
    1巻330円 (税込)
    「恥の多い生涯を送って来ました。自分には、人間の生活というものが、見当つかないのです」…ありのままの自分をさらけ出すことができず、廃人みたいな暮らしを送る男を描いた太宰の代表作。太宰治の自伝的作品とも見られている。

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  • 牛肉と馬鈴薯
    -
    1巻330円 (税込)
    牛肉(現実)か馬鈴薯(理想)か、どちらを食うのがいいのか、という問題を提出する「牛肉と馬鈴薯」、人間の孤独を探求した「酒中日記」ほか、「富岡先生」「少年の悲哀」「空知川の岸辺」「運命論者」「春の鳥」「号外」「窮死」「竹の木戸」「二老人」…独歩中期の代表作11編を収めた。

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  • 武蔵野
    -
    武蔵野の雑木林の美をはじめて世にしらせた不朽の名作「武蔵野」ほか、「たき火」「星」「源叔父」「忘れえぬ人々」「河霧」「郊外」「初恋」の、抒情美あふれる独歩初期の名作8編を収めた。

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  • 注文の多い料理店
    -
    1巻330円 (税込)
    賢治がみずからの手で編集し出版した生前唯一の童話集。表題作のほか、「どんぐりと山猫」「烏の北斗七星」「月夜のでんしんばしら」「鹿(しし)踊りのはじまり」など9編に、賢治自身の手になる「序」がついている。

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  • 檸檬 梶井基次郎傑作集
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    1巻330円 (税込)
    病魔と闘いながら、鋭敏な感受性を駆使してすくい取られた小品の数々。梶井基次郎の作品は日本近代文学史上に異彩をはなっている。ここには、「檸檬」「城のある町にて」「泥濘(でいねい)」「路上」ほか、15編の代表作を収めた。

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  • 草枕
    -
    1巻330円 (税込)
    智に働けば角(かど)が立つ。情に棹(さお)させば流される…青年画家の前にあらわれる謎めいた美女。「非人情の美学」を具象化した初期の名作。

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  • こころ
    -
    1巻330円 (税込)
    親友を裏切っての恋の勝利は、親友の自殺によって、主人公の「先生」に極度の罪悪感をもたらす。そうして「先生」が行き着いた先は? 漱石のひとつの到達点をしめす代表作。

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  • 門

    -
    1巻330円 (税込)
    「三四郎」「それから」につづく3部作の最終編。「それから」で親友を裏切りその妻と結ばれた二人は、この作では宗助とお米という名に変わっている。罪を意識する宗助は宗教に救いを求めるが…

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  • それから
    -
    1巻330円 (税込)
    主人公代助は友人の妻に懸想し、社会を相手に戦わざるをえなくなる。前作「三四郎」の続編で、次作「門」へとつづく漱石の三部作の第二編。

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  • 吾輩は猫である(上)
    -
    1~2巻330円 (税込)
    苦沙弥(くしゃみ)先生の家に迷いこみ飼われるようになった猫が、人間社会を観察し、その不可思議さをかいまみて記録するという筋立てからなる、諷刺文学の傑作。全編にみなぎる洒脱さが爽快感を呼び起こす漱石の処女作。

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  • 坊っちゃん
    -
    1巻330円 (税込)
    東京の学校を出て四国松山の中学校に数学教師として赴任した江戸っ子の「坊っちゃん」は、同僚の教師たち、教え子の生徒たちの愚劣さに憤り、まどわされ、敢然と反抗する。ユーモアと情が巧みにないあわされた不滅の名作。

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  • 斜陽
    -
    1巻352円 (税込)
    人間は、恋と革命のために生まれて来たのだ…貴族的雰囲気の家庭を舞台に没落していく人間像を描いて、雑誌連載時から大反響を呼び、「斜陽族」という流行語まで生んだ太宰治の代表作。

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  • 三四郎
    -
    1巻352円 (税込)
    田舎(熊本)出身の大学生三四郎は、東京育ちの美禰子(みねこ)に思慕の情をおぼえるが、なかなか本気にしてもらえない。明治の青春を鮮やかに描いた傑作。三四郎と美禰子が出会った東京大学の心字池は、のちに「三四郎池」と呼ばれるようになった。

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  • 津軽
    -
    1巻374円 (税込)
    1944年、太宰治は初めて故郷の津軽地方を一周する旅に出た。本書は紀行文でもあり、ユーモアをまじえた自伝的な小説ともとれる異色の代表作。

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  • おしどり探偵(1)
    5.0
    トミーとタペンスという若夫婦が〈国際探偵事務所〉という素人探偵事務所を開設する。二人の唯一の強みは、これまでの探偵小説を全部読破していて、各探偵の探偵術を記憶していることだ。彼らは名探偵の誰かのやり方を頭に浮かべながら、事件の解決に乗り出す。茶目っ気たっぷりのクリスティの面目躍如。ここには8編をおさめた。

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  • 風の又三郎
    -
    1巻396円 (税込)
    どっどど どどうど どどうど どどう…青いくるみも吹きとばせ…山村の小学校に風のように現われた転校生が巻き起こす騒動を描く表題作のほか、賢治の童話10編。

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  • セロ弾きのゴーシュ
    -
    1巻396円 (税込)
    未熟な少年音楽家セロ弾きのゴーシュのもとに動物たちが訪れ、ゴーシュは突然、芸術に開眼する。感動的なこの表題作のほか、詩でも大人の読む童話でもある賢治の名編8編を収録。

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  • 道草
    -
    1巻407円 (税込)
    自伝的色彩の濃い漱石作品といわれる。健三と、お住の夫婦生活を中心に展開されるエゴイズムの葛藤。「世の中に片付くなんてものは殆どありはしない。一遍起ったことは何時までも続くのさ」健三はお住に向かって最後にこう吐き捨てる。
  • 彼岸過迄
    -
    1巻407円 (税込)
    自意識をもてあます内省的な須永と、その従妹千代子との恋愛問題を主軸として展開されるエゴイズムの葛藤。それは高木に対する須永の並外れた嫉妬となってクライマックスに達する。「行人」「こころ」とつづく後期三部作の序曲。
  • 銀河鉄道の夜
    -
    1巻418円 (税込)
    孤独な少年ジョバンニと親友カムパネラの夜空の旅を描いた未刊の最長編「銀河鉄道の夜」ほか、「よだかの星」「いちょうの実」「おきなぐさ」、異色作「雁の童子」など広大な賢治童話の世界にふれる9編を収録。

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  • ウィーンの辻音楽師
    -
    ウィーンの祭で私はヴァイオリンを演奏するみすぼらしい老人に出会い、生い立ちを聞き出すことに…流しの芸人や作曲家のシューベルトなどに触発されて書かれたとみられるこの作品は、それら外面的な装いを借りて、内面的な自画像を描き、自己告白的な作品となった。同時に、本作は滅び行くウィーンへの挽歌でもあった。あわせて不倫の恋の行く末を描いた「ゼンドミールの僧院」を収めたが、こちらではグリルパルツァーの劇作家としての本領がうかがいしれる。
  • いやいやながら医者にされ
    -
    飲んだくれの木こりスガナレルは、若いとき医者の家で働いたことがあるが、たったそれだけのことから「名医」にされてしまう。モリエール笑劇の真骨頂。作者の同時代人の一人はこう述べている。「すばらしい傑作で、誰だってつい見たくなってしまいます。世の中にこれほど面白く、人を笑わせる作品はありますまい。いま、こうしてペンをとっていても、思わずおかしくなってきて、笑いがこみあげてきます」
  • 病は気から
    3.0
    医者や薬剤師によって「自分は病気だと思いこまされている男」アルガンが主人公。若い後妻は財産目当てで、夫のすみやかな死を待っている。医者への痛烈な風刺をたっぷりと盛り込み、陽気な歌と踊りでふんだんに味付けした喜劇。国立劇場コメディ・フランセーズの上演回数は記録的で、見て面白いという点では、モリエール劇のなかでも屈指の芝居との評価が定まった傑作。
  • 幻想と怪奇①
    -
    編者仁賀克雄氏はこう述べる。「第一のポイントは、1950年代を中心として、既訳の作品のなかから、これはと思われる[幻想味]や[怪奇色]のあるものを選んだ。もう一つのポイントは、読者にとって面白い作品を提供しようと努めたことである。本書はマニアを対象としたものではない。私が考える面白さというのは、昔の見世物にあった「お化け屋敷」の面白さである」本巻①にはハイスミスの「すっぽん」ほか5編を収めた。
  • エンパイア・スター
    -
    独創的な展開とリズムにこだわるニュー・ウェーブSFの旗手であり、アメリカ黒人思索小説の先覚者の、初期の代表作。『エンパイア・スター』は少年が銀河文明の中心に向けた旅において、無知なるシンプレックスからマルチプレックスへと成長していく過程を言葉の魔術を駆使してつづっている。この作品に登場する「マルチプレックス」という考えは、多面的な世界を包むとともに、作品そのものを多面的に読むことを示唆する。「本格派、気楽な読者、文学的ファン、ニューウェーブ派…彼はすべての読者にとってすべてのものだ」これはジュディス・メリルの言葉だ。
  • 点子ちゃんとアントン
    -
    点子ちゃんはベルリンに暮らす小学生、幼いときすごく小さかったので点子ちゃんというあだ名がついた。家は裕福だが、両親は点子ちゃんをほったらかにして、世話は養育係にまかせている。アントンは男の子の友達だが、病気がちの母親との二人暮らし、そのためアントンは家事までこなして、街角でひそかに靴ひもを売っている。この二人を中心に、学校で、家庭で、街角で起こるさまざまな出来事に、点子ちゃんの家の家政婦、飼い犬、学校の先生らが試行錯誤の大奮闘。さまざまな困難を乗り越えていく。
  • 動物会議
    -
    主人公は動物たち。いつまでたっても戦争をやめない人間たちを嘆き、「子どもたちのために」大会議を開く。刊行されたのは、第二次世界大戦後の1949年。動物たちは世界中にすむ仲間に向かって参加を呼びかけ、ありとあらゆる動物たちが「動物ビル」に集まり、人間に対する要求をまとめあげる。これは人間に拒否されるが、動物たちは地上からすべての子供たちを隠してしまうという行動にでる。人間はついに折れて、国家の代表たちは恒久平和を実現するための条約に署名する。本書には、この作品のあとに、2編の教訓詩を収録した。
  • 五月三十五日
    -
    タイトルの日付は存在しないので、「何が起きてもおかしくない日」という意味だ。学校で行ったこともない「南洋」についての作文を書かされることになったコンラート少年は、35日の木曜日に、学校に迎えに来てくれた叔父さんに相談した。すると叔父さんは名案を考えついた。二人はローラースケートをはいた言葉のわかる黒馬に乗って、「南洋」をめざす。「なまけものの国」「過去の国」「さかさの国」「電気の国」などの珍しい国をめぐったあと、コンラートはぶじ宿題を書き上げることができたのだろうか。
  • 飛ぶ教室
    -
    「飛ぶ教室」とはそもそもなにか。これは作品中で、生徒たちがクリスマスに演じる予定の劇の題名だ。ドイツの寄宿学校(ギムナジウム)で、五人の少年たちが織りなすクリスマス前の数日間の物語。実業高校生たちとの決闘、上級生との確執、友情で結ばれながらもそれぞれが抱える悩みの数々。信頼できる大人「正義さん」「禁煙さん」がよりそい、涙と笑いが交錯する。物語の象徴としてクリスマス劇「飛ぶ教室」が登場するが、はたして劇の結果は? 「五年生」と呼ばれるジョニーやマルティンたちは、日本でいう中学三年生にあたる。ワルター・トリアーの表紙絵と挿絵入り。
  • 一杯の珈琲から
    -
    夏をオーストリアのザルツブルクで過ごそうと、ゲオルクは国境をはさんで目と鼻の先にあるドイツの町に宿をとった。為替管理のからくりで、毎日オーストリアに無一文で行っては友人にたかり、夜になるとドイツ側に帰ってきて豪遊するという喜劇的な生活を送ることができた。ところがある日、待ち合わせたカフェに友人がやってこない。コーヒー代が払えなくてどうしようかと思っていると、カフェにいた美女が立て替えてくれて、しかもその美女(実は伯爵令嬢)と恋におちた!「消え失せた密画」「雪の中の三人男」につづくケストナーのユーモア三部作。
  • 三つの物語
    -
    純粋であるがゆえに薄幸な人生を送らざるをえなかった一人の女を描いた「純な心」、「無上の栄光を手にするかわり、自らの両親を殺めることになるだろう」という不吉な予言に翻弄された男の物語(「聖ジュリアン伝」)、サロメの首をモチーフにした「ヘロディア」を収録。この3作は順に「ボヴァリー夫人」「聖アントワーヌの誘惑」「サラムボー」の3長編を連想させるフローベール最晩年の遺言の書だ。
  • アントニーとクレオパトラ
    -
    アントニーはすぐれた武将であり、勇敢で偉大な人間であったが、クレオパトラに恋していた。恋に酔いしれたアントニーは公事を忘れ、ローマに残した妻を忘れて日を過ごす。彼に対する非難の声は高まるばかり。妻ファルヴィアの死の報にもエジプトをはなれない彼は、完全に武将としての生活をすてて、恋のとりこになり終わってしまったかのようにみえた……シェイクスピアの最も油の乗り切った時期の作品の一つ。
  • 美しい夏
    -
    一人の少女が大人へと成長していく青春のひとこまを、鮮やかに描く。ジーニアは兄と二人暮らし、洋裁店で働いている。もうすぐ17歳になる夏、三つほど年上のアメーリアと出会う。アメーリアは画家のモデルをしているという。成熟した雰囲気を漂わせるアメーリアに、ジーニアは反発しつつも憧れを抱く。昼間は働き、夜はカフェやダンスホールで遊び、日曜は散歩に出かけたり湖でボートに乗ったり映画をみたり、あるときアメーリアは、モデルの仕事をしている画家のもとへジーニアを連れていく。ジーニアはその画家に恋するが……燦めくような夏はあっという間に過ぎ去る。パヴェーゼに惚れ込んだ訳者による名訳。
  • ねじれたスカーフ
    -
    マンハッタンの花同好会員200人以上がウルフの蘭を見にきた際、来客の一人の女性が絞殺される。彼女は以前に起きた殺人事件現場で見かけた顔の男をきょう見たこと、そのことを男に悟られたことをアーチーに打ち明けておびえていた(「ねじれたスカーフ」)。アーチー宛に血と思われるしみの付いたネクタイが送られてくる。送り主の男をアーチーが訪ねたとき、男が貸している同じ建物の一室で、女が死んでいるのが発見される。男は関係があるのか、そしてネクタイが意味するのは?(「血は語る」)…ネロ・ウルフ中編傑作2編。
  • 殺人免除
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    アーチー顔見知りの理髪店のクローク係と女のマニキュア師が訪ねてくる。二人は夫婦で、その朝警官が店を訪れ、二人の身元や昨晩の行動を聞かれたとき、不法入国を問われる危険を察知して、すぐさま逃げ出してアーチーを頼ったのだった。アーチーが店を訪ねると、なんとそのときの警官がマニキュア室で背中に鋏を突き立てられて死んでいた!(「警官殺し」)。新任の某国大使の希望で、石油王の山荘にコックとして雇われたウルフ。みんなで釣った名物の鱒の調理を頼まれたのだ。釣師5人はそれぞれが割り当てられた釣り場で腕を競ったが、国務長官補佐リースンの帰りが遅い。遅れて釣りに出たアーチーはリースンの死体を発見した(「殺人免除」)。…ネロ・ウルフ中編傑作2編。
  • 宮本武蔵(巻一)
    -
    関ケ原の戦いを命からがら落ち延びた武蔵(たけぞう)と又八は、お甲・朱実母娘の世話になる。その一年後、武蔵はひとり故郷に帰るが、そこは安住の場所ではなかった。憎しみに任せ野獣のごとく敵を倒すなかで、武蔵は沢庵にめぐり合う。沢庵は殺すためではない護るための剣があることを教える。孤剣をみがき、求道を通して二天一流の開祖となるまでの長い道のりを描く吉川英治の畢生の大作。
  • 吉野葛・蘆刈
    -
    1巻440円 (税込)
    吉野の紀行文と思わせる出だしから、同級生の男の早くに失った母親の生家探しが語られ、母の面影を思うあまり、生家の姪を許婚(いいなずけ)にするという展開が一気に語られる「吉野葛」。『蘆刈』も、紀行文から夢ともうつつともつかない物語に変容し、出会った男から語られる父のせつない恋愛話がテーマである。未亡人に恋し、その妹をめとり、姉思いの妹との関係が語られてゆく。その息子であるこの男はいったいだれの子供なのか、未亡人はもうすでに高齢になっているのではないかという疑問をのこしながら、男は消えてゆく。大阪移住以来、谷崎潤一郎の作風がだんだん純日本的なものに移行していった時期の代表作。
  • 盲目物語
    -
    1巻440円 (税込)
    三味線の腕も達者な弥市という盲目のあんま師が、かつて仕えたお市の方の悲劇的な後半生を物語る。信長の妹で美人と名高いお市の方は、嫁いだ浅井長政を信長に攻め滅ぼされ、再婚した柴田勝家を秀吉に攻められ、ここで夫と運命を共にする。そんなお市に弥市は深い憐憫の情を寄せるが、それはまた恋慕そのものでもあった。お市にどこまでもついていきたい、地獄までお供したいという気持ちが平仮名を多用した文体で連綿とつづられる。
  • 刺青・秘密
    -
    1巻440円 (税込)
    「刺青」「少年」「幇間」「秘密」「恐怖」の五編を収録した初期短編集。処女作「刺青」は性的錯倒の世界を描き、世紀末的な耽美主義が存分に発揮されているが、頽廃感はまったくない。「少年」以下の諸作も、当時の自然主義文学に対する強力なアンチテーゼであった。
  • 飛行士たちの話
    -
    作者ダールはシェル石油会社の外国駐在員となってタンザニアへ赴任中、第二次世界大戦が勃発。訓練を受けたのち戦闘機中隊に加わり、数々の実戦を体験した。たまたま「サタデー・イブニング・ポスト」誌から空中戦の体験を語ってほしいという依頼があったが、ダールは談話では不足と思い、体験の一部を手記にして渡した。この出来栄えが素晴らしかったので、そのまま記事になり、続編を書くことになる。その最初の原稿が本書の中の「簡単な任務」であり、続編が本書となった。戦記文学としても優れた飛行機乗りの物語10編を収録したダールの最初の短編集。
  • 武道伝来記
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    臆病者とさげすまれた間宮織部は、息子・和三郎に「武士」の心を打ち明けて死ぬ。後日、若殿のお供をした和三郎は、父の汚名を晴らす…「武道伝来記」。秀吉の妻妾たちの二派に分かれた争いに巻き込まれた千利休の娘お吟(ぎん)の悲劇と、芸術界の雄、千利休と俗界の雄秀吉とを対比させて描いた「天正女合戦」。海音寺潮五郎の直木賞受賞作2編を収めた。
  • 探偵が多すぎる
    -
    電話盗聴事件の事情聴取という用件で、ウルフら6人のニューヨークの探偵がオールバニー市に呼び出される。その最中、かつてウルフに盗聴を依頼したことのある男が同じビルの別室で絞殺されて見つかる。なぜ? どうして? ウルフはニューヨークの48人の探偵を動員する空前の企てを実施する……この表題作のほか、「ゼロの手がかり」を収めた。
  • 坑夫
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    1巻440円 (税込)
    著者のもとに寄せられた、ある青年が家出をして坑夫になるまでの告白を素材として書かれた。漱石が意図したものは、人間の言行の下に潜む意識の暗闇の中に隠されたものをとらえ、分析することだった。「人の性格は一時間ごとに変わる」と漱石は語る。

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