最初の3作品はAIの問題。50年代の終わりから60年代の初めに書かれたものなのに全然古さを感じない。むしろ今だから、こういう不安や恐怖をひしと感じるのではないか。
『アルジャーノンに花束を』の短編が収録されている。本書の中でこれだけが稲葉明雄訳。長編の小尾さんの訳では、チャーリーの一人称が「ぼく」
...続きを読むで純粋さがクローズアップされている。稲葉訳のこちらの短編は、始終「おれ」と語っている。長編と比べるとチャーリーが若干ふてぶてしいけど、それだけに彼の苦悩が伝わってくる。
後半の3作品は不思議な能力を持った人達の物語。表題になった『心の鏡』が良かった。