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  • 影絵の街にて
    5.0
    不思議に、ぎゅっと、掴まれる * * * * * * * * 時間に追われる久子に老人が渡したのは、時間を操れる時計。時を止めておおいに自由を満喫する久子だったが……。 影絵の街に囚われた大学生を描く表題作ほか、文庫初収録となる『季節のお話』『ちいさなおはなし』全話に加え、「センチメンタル・ジャーニイ」、<チグリスとユーフラテス>外伝「馬場さゆり」「あした」、野球SF「阪神が、勝ってしまった。」などの未収録短篇もふくめた、楽しくて、たまにドキッとさせられる作品集。
  • 日本SF傑作選3 眉村卓 下級アイデアマン/還らざる空
    5.0
    現代日本SF誕生から60周年を記念して、第一世代作家6人の傑作選を日下三蔵の編集により刊行するシリーズ。第3弾は眉村卓。収録作は「下級アイデアマン」「悪夢と移民」「正接曲線」「使節」ほか。
  • 海王星市から来た男/縹渺譚
    5.0
    現代日本SFの黎明期に、いちはやく長編『光の塔』を発表し、その後も無尽の博識と自在な語り口でSF界に存在感を示した天才作家・今日泊亜蘭。奇妙な発端が思いもよらぬスケールの展開を見せる中・短品群の中でも、「縹渺譚(へをべをたむ)」「深森譚(しむしむたむ)」の連作は白眉である。片田舎の孤児が思い出の女性との再会を求めさすらう物語は、今日泊の空前の演出のもと、読者に忘れがたい余韻と感動をもたらすだろう。代表的な作品集2冊を合冊し、さらに書籍初収録となる2編を加えて贈る。【収録作】「ムムシュ王の墓」「奇妙な戦争」「海王星市から来た男」「綺幻燈玻璃繪噺」「縹渺譚――大利根絮二郎の奇妙な身ノ上話――」「深森譚――流山霧太郎の妖しき伝説――」「浮間の桜 怪賊緋の鷹物語」「笑わぬ目」「いはゆる「あとがき」について(『縹渺譚』あとがき=今日泊亜蘭)」「今日泊さんのこと(巻末エッセイ=山田正紀)」/編者解説=日下三蔵
  • 悪魔岬
    5.0
    不倫の恋の清算のための心中で生き残ってしまった女――。自殺関与、死体遺棄の罪で懲役三年執行猶与二年。三条雄介と群馬・浅間隠山で心中をはかった小此木美紗に科せられた罰だ。美紗に捨てられた元婚約者の松平は、この心中事件に疑問をもち、三条の妻・八千代とともにその真相を追う。だが、美紗もまた三条の命日に十和田湖で「海で死ぬ」との手紙を遺し不審な死をとげた……。大人気、長編官能推理の大作。
  • 見られる女
    5.0
    魔が差して洋服を盗んだ女と、それを見ていた男。捕(つか)まりたくない……その一心で女は男の奴隷(どれい)になり、屈辱(くつじょく)の一年を送った。そして女が自分に出した結論は「殺すしかない……」だった。だが悪魔からの解放を願う女を待っていたものは?(表題作)。愛が生みだす悲劇を描いた笹沢作品群は、その意外な結末で、宿命に踊らされた人間の儚(はかな)さを見事に浮かび上がらせる。
  • 木枯し紋次郎(十五)~さらば峠の紋次郎~
    5.0
    木枯し紋次郎は歩きながら、長脇差(ながどす)の下げ緒を結び直した。錆(さび)朱色の鞘を、鉄環と鉄鐺(てつこじり)で固めた長脇差は、かなり重い。足早に歩くときしっかり固定されていないと邪魔になるのであった。夕闇の中に、菜の花畑が広がっている。……最強のライバル・峠花の小文太との死闘。その行方は?……。シリーズ遂に堂々の完結。紋次郎はしかし、街道を急ぐ。今日も、そして明日も。
  • 木枯し紋次郎(十)~虚空に賭けた賽一つ~
    5.0
    上州の亀穴峠を行く木枯し紋次郎は突如襲われた。相手は山で育った八人兄弟。山刀、槍、弓矢、それぞれ独自の武器を使い、鍛錬を積んでいる。……行く手には「無」、引き返してもやはり「無」。無宿の流れ者、渡世人はそれでも、命を狙う者たちへ向かって前へ進むほかはない。――非情な紋次郎と哀しい女たちのドラマを描いて、股旅小説に斬新な世界を拓いた伝説のシリーズ。
  • 木枯し紋次郎(七)~木枯しは三度吹く~
    5.0
    紋次郎は、死を直視していた。非情冷徹な彼が、狂女の言葉を信じ、あざむかれたのだ。追っ手は二十四人。助かる見込みは万に一つもない。紋次郎の意識は朦朧とした。またある日、紋次郎は六人の大男を相手に決然と立ち向かった。全員を泥田の中に倒し去って行く。「あっしには、今日しかございませんよ」現代的な放浪感覚と、ミステリー仕掛けのどんでん返しが圧巻。
  • 木枯し紋次郎(二)~女人講の闇を裂く~
    5.0
    貧しい農家の六番目に生まれた紋次郎は、母親の手で間引きされる運命だった。姉のお光の機転で救われた幼い命は、しかし孤独と虚無を育んでいった。……人を頼るから裏切られる。頼られてしまえば裏切ることもある。ならばいっそ何事にも関わりを持たず独りのほうがいい。くわえた楊枝が木枯しに似た音を出す。木枯し紋次郎の孤独な旅は、まだ始まったばかりだ。
  • 過去は雨の中に佇む(電子復刻版)
    5.0
    古瓶問屋・三橋商会に勤める小田切は、社長以下首脳陣に呼び出され、こともあろうに恋人の容子を殺せと命じられる。先代社長の娘である容子は、会社を卑劣な手段で乗っ取った現社長たちにとって邪魔な存在であり、それに彼らがひそやかにすすめている陰謀を容子が嗅ぎつけたらしいのだ。きらびやかな企業戦争を、因習と旧弊で裏からささえる古瓶業界――そこに展開する男女の妖かしの愛を追求した長篇推理。

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  • 日本SF傑作選5 光瀬龍 スペースマン/東キャナル文書
    4.8
    「無の障壁」「勇者還る」など初期宇宙SFの傑作から「アマゾン砂漠」「火星人の道」など東キャナル市連作まで全15篇を収録。
  • 岡本綺堂集 青蛙堂鬼談 ―怪奇探偵小説傑作選1
    4.7
    絶妙な筆致で読者を魅了する岡本綺堂。その代表作「青蛙堂鬼談」シリーズをはじめとする怪談の数々を収録する。綺堂が愛した江戸情緒や、農村、湯治場、戦場など、今や失われた風景のなかで、この世に残る未練・愛憎・因縁が引き起こす、恐しい出来事が、人びとの心に哀しくひびく――。
  • 木枯し紋次郎(一)~赦免花は散った~
    4.7
    「人間には一生に一度や二度、計算に合わなくてもやらなければならねえことがあるもんだ」三度笠に汚れた道中合羽、手甲脚絆。頑丈一辺倒の長脇差とトレードマークの長い楊枝。……幼馴染みの兄弟分に裏切られ、罠におちた紋次郎の頬の刀傷がひきつった。くわえ楊枝が震えて、木枯しに似た乾いた音が、高く鋭く鳴った。時代小説のスーパー・ヒーロー、待望の登場。
  • 霧に溶ける
    4.5
    ミス・コンテストの最終予選に残った5人の美女が、最終審査を前にして、脅迫、交通事故、怪死……次々と謎の事件に巻き込まれてゆく。警視庁特捜班の追及が開始されるが、巧妙なアリバイ工作、鉄壁の密室など、複雑に絡み合った“犯罪連立方程式”が立ちはだかった。周到な伏線が、読者を不可能犯罪の迷宮へと誘う、笹沢本格推理ワールド決定版。
  • 堕地獄仏法/公共伏魔殿
    4.5
    蠱毒(こどく)の小説集 開けば毒に包まれ 読めば笑いと戦慄で震え…… 筒井康隆の小説は蠱毒である。 読めば強烈なショックを受け、その面白さに侵される。 巨大な権力を握った某国営放送の腐敗と恐怖を描き、 一読すれば受信料を払わずにはいられない「公共伏魔殿」、 諸事情によりここにはあらすじを書けないもうひとつの表題作「堕地獄仏法」、 ロボット記者たちに理路整然と問い詰められた政治家がパニックになり、 無茶苦茶な答弁をしてしまう「やぶれかぶれのオロ氏」、 大学生と予備校生の喧嘩が殺し合いにまで発展してしまう「慶安大変記」など初期傑作短篇16作を収録。 ひとの愚かさが変わらないかぎり、筒井康隆の小説は面白い。 つまり、筒井康隆の小説は永遠に面白いのである。 編者解説:日下三蔵 【収録作品一覧】 「いじめないで」(「NULL」10号/1964年1月) 「しゃっくり」(「SFマガジン」1965年1月号) 「群猫」(「別冊宝石」1963年9月号) 「チューリップ・チューリップ」(『東海道戦争』早川書房/1965年10月) 「うるさがた」(「SFマガジン」1965年5月号) 「やぶれかぶれのオロ氏」(「NULL」7号/1962年7月) 「堕地獄仏法」(「SFマガジン」1965年8月増刊号) 「時越半四郎」(「話の特集」1966年11月号) 「血と肉の愛情」(「メンズクラブ」1966年7月号) 「お玉熱演」(「話の特集」1966年6月号) 「慶安大変記」(「SFマガジン」1967年10月号) 「公共伏魔殿」(「SFマガジン」1967年6月号) 「旅」(「SFマガジン」1968年2月号) 「一万二千粒の錠剤」(「週刊プレイボーイ」1967年8月15日号) 「懲戒の部屋」(「小説現代」68年6月号) 「色眼鏡の狂詩曲」(「小説現代」1968年4月号) あとがき(『東海道戦争』ハヤカワ・SF・シリーズ)
  • 幕末妖人伝 時代短篇選集1
    値引きあり
    4.4
    時代を超えた衝撃の名作短編を収録。 幕末から明治を舞台に描いた山田風太郎の名短編を、文芸評論家・日下三蔵氏の編により収録した短編集。大きく変わっていく激動期に、あるものは自らの意志を貫き、あるものは時代に翻弄される人生を送った。  無念流の免許皆伝の腕をもち、佐久間象山の下では、勝麟太郎とならぶ俊才と目されていた、立花久米蔵。蘭方の医者でもあり、妻は外国人の血を受け継いでいた。そんな彼が、黒船渡来で攘夷を唱える声に、異論を述べたことから悲劇が始まる、「ヤマトフの逃亡」。  火事のため、伝馬町の牢屋敷から囚人の切り放しがあり逃げてきた、高野長英の最後までを描く、「伝馬町から今晩は」。  ほか全七編。

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  • 見習い天使 完全版
    4.3
    小説の面白さを追求し続けた作家・佐野洋。人間の尽きることのない欲望を無駄のない描写とテンポのよい運びで読ませる物語は、古びることのない魅力を持つ。さらに、その全てには予想を裏切る結末も――。人間世界を見つめる“見習い天使”が全23篇の案内役を務める構成も洒落た連作ミステリが完全版で甦る。巻末には編者日下三蔵の詳細な解説に加え、星新一による解説も特別収録する。
  • 大人になる時
    4.3
    世界が一変する短篇集――。 ひとつの言葉で、たった一行で、世界が変わる。 怖さと楽しさが詰まった初収録+新作2篇のSF&ホラー短篇集。 * * * * * * * * 「誰でも、大人になるんだよね」――息子のなにげないひと言が少年時代の不可思議な記憶の扉を開く表題作、死ぬ快感を味わうために高層ビルから飛び降りる若者たちを描いた「スカイダイブ」、辞書に載っていない言葉を発すると捕まるディストピアが舞台の「ハパンサペナ」、料理の味でしかコミュニケーションを取れなくなった妻とその身勝手な夫の物語「妻の味」などの未収録短篇に加え、「バディ」「ワクチン」の新作2篇を収録した、キレた発想とキレた結末満載のキレキレのSF&ホラー短篇集。 【収録内容】 「スタート・ピストル」 「スカイダイブ」 「大酋長」 「ハパンサペナ」 「顔」 「大人になる時」 「犬のプレゼント」 「自分殺し」 「妻の味」 「皮まで愛して」 「バディ」(新作書き下ろし) 「ワクチン」(新作書き下ろし)
  • くらげ色の蜜月
    4.3
    倫理もなく、理屈もない。奇妙な出来事が、ただそこにある――。 初々しい新婚夫婦。しかしふたりは、たがいに秘密を抱えていた。そして男はなぜ新婚旅行先に忌まわしい思い出が残る旅館を選んだのか。旧い結婚観が招いた悲哀劇(表題作)。 新発見の感染症の手がかりを追う保健所の職員は歪んだ虹色の世界を覗き見る(「蟻の塔」)。 アメリカで妊娠した修道女は、日本で病床にある教主とのあいだにできた御子だと主張するが……。果たして、彼女が語るのは奇蹟か幻想か(「聖女」)。 女の生涯には、常に蟻が這い回っていた(「蟻の声」)。 光に眩み、闇に溺れる。罪を犯して贖いて、果てに待つのはおぞましくも美しき混沌の世界。地獄極楽板一枚。ただひたすらに、酔え、惑え。 文庫初収録三篇を含む、江戸川乱歩賞作家円熟期の短篇集。
  • キスギショウジ氏の生活と意見
    4.3
    移動する都市、呪いを飼う男、新聞蝶、裁判にかけられる神、駅のトイレの秘密―― 意外な結末満載。短篇SFの匠(たくみ)の全篇初収録+書き下ろし作品集 あらゆるジャンルの面白い短篇が入っている本。 移動し続ける都市で家を見失った男「十五パズル」などのSF。 別れさせる呪いを“飼った”男が味わう恐怖「お別れ」などのホラー。 神が人間たちに裁判にかけられる「公聴会」、 駅のトイレの開かずの扉の秘密「キスギショウジ氏の生活と意見」などの奇妙な味の話。 “新聞蝶”を探す少年が早朝に不思議な冒険をする「お父さんの新聞」などのファンタジー。 愕然とするダイイングメッセージの真実「OEの謎」はミステリ。 最初のページから最後のページまで、 奇想天外なアイデアと意外な結末が詰まった全篇初収録+書き下ろしの十九篇。 SFを知らないひとにもマニアにも絶対おすすめの一冊。
  • 筒井康隆、自作を語る
    4.3
    日本SFの黎明期における同人誌〈NULL〉の創刊と、その掲載作「お助け」が江戸川乱歩に発見されての商業デビュー。『時をかける少女』などのヒットや「浸透と拡散の時代」を経て、エンタメ小説黄金期における大活躍と断筆宣言。そして日本文学界の大家となり「最後の長篇」の執筆に至るまで――半世紀を超える作家生活を自ら語り明かして第50回星雲賞を受賞した豪華インタビュー集、新規対談を加えて待望の文庫化。
  • 劇場の迷子
    4.3
    「千駄ケ谷の小父さん」と、敬愛の念を抱いて訪ねてくる後輩役者や竹野記者が持ち込む、様々な謎を解いてみせる老歌舞伎俳優・中村雅楽。長い人生経験、舞台経験に裏打ちされた老優の推理力は、その芸に劣らず一流で、歌舞伎の世界で起る難問を芸道指南よろしく、鮮やかにそして優雅に解決していく。歌舞伎座で迷子になった、能楽師の一人息子が巻き込まれた事件を描く「劇場の迷子」をはじめ、女形と舞踊家の弟子との恋模様にまつわる「家元の女弟子」、著者最晩年の作品「演劇史異聞」に加え、単行本未収録作「元天才少女」「留め男」「むかしの弟子」など滋味ある謎解き全28編。【収録作】「日曜日のアリバイ」/「灰」/「元天才少女」/「なつかしい旧悪」/「祖母の秘密」/「弁当の照焼」/「銀ブラ」/「不正行為」/「写真の若武者」/「機嫌の悪い役」/「いつものボックス」/「劇場の迷子」/「必死の声」/「芸談の実験」/「かなしい御曹司」/「家元の女弟子」/「京美人の顔」/「女形の愛人」/「一日がわり」/「荒療治」/「市松の絆纏」/「二つの縁談」/「おとむじり」/「油絵の美少女」/「赤いネクタイ」/「留め男」/「むかしの弟子」/「演劇史異聞」/講談社版『劇場の迷子』 後記=戸板康二/創元推理文庫版編者解題=日下三蔵
  • 流れ舟は帰らず 木枯し紋次郎ミステリ傑作選
    4.3
    三度笠を被り長い楊枝をくわえた姿で、無宿渡世の旅を続ける木枯し紋次郎。己の腕だけを頼りに、人との関わりを避けて孤独に生きる紋次郎だが、否応なしに旅先で事件に巻き込まれてゆく。兄弟分の身代わりとして島送りになった紋次郎が、ある噂を聞きつけ島抜けして事の真相を追う「赦免花は散った」。瀕死の老商人の依頼で家出した息子を捜す「流れ舟は帰らず」。脱走した女郎たちとの逃避行の意外な顛末を綴る「笛が流れた雁坂峠」。ミステリと時代小説、両ジャンルにおける名手が描く、凄腕の旅人にして名探偵が活躍する珠玉の10編を収録。【収録作】「赦免花は散った」「流れ舟は帰らず」「女人講の闇を裂く」「大江戸の夜を走れ」「笛が流れた雁坂峠」「霧雨に二度哭いた」「鬼が一匹関わった」「旅立ちは三日後に」「桜が隠す嘘二つ」「明日も無宿の次男坊」/編者解説=末國善己
  • 久生十蘭集 ハムレット ―怪奇探偵小説傑作選3
    4.2
    現実と非現実のあわいの世界と人間の狂おしい心情を描く久生十蘭。その該博な知識と彫琢を凝らした世界の魅力を網羅した1冊。高等遊民の男と、非常な美しさをたたえた女性との数奇な運命を描いた「湖畔」「墓地展望亭」、戦後間もなく発表され代表作とされる「ハムレット」と、その原型となった「刺客」等14作品収録。
  • 江戸川乱歩全短篇(1)――本格推理(1)
    4.1
    1~3巻1,155~1,375円 (税込)
    日本のミステリーの基礎を築いた巨人、江戸川乱歩のすべての短編を網羅する全3冊。エンターテイメントとしては異例の、数10年という長きにわたって読み継がれてきた名作が一気に愉しめる。各巻に著者自身による作品解説つき。本巻は処女作『二銭銅貨』や明智小五郎の初登場作品『D坂の殺人事件』など、謎解き・本格もののなかから100枚以内のものを中心に収録した。
  • 合作探偵小説コレクション1五階の窓/江川蘭子
    4.0
    1~3巻2,750円 (税込)
    昭和のミステリ黄金期を彩った豪華執筆陣・約80名による60作品以上を網羅、全8巻。入手困難な作品、対談資料も収録。
  • 日露戦争秘話 西郷隆盛を救出せよ
    4.0
    西郷隆盛、生存確認! 勅命を受けた中村春吉はシベリアへ向かう!! 極寒の地で快男児を待ち受けるは恐ろしき猛獣共と骸骨監獄、幽霊監獄! 西郷隆盛、生存確認! その吉報を受けた明治天皇は、すぐさま西郷救出の勅命を下す。シベリアの奥深くに囚われているという、かの豪傑を助け出すのは常人には不可能である。そこで白羽の矢が立ったのがバンカラの権化のような男、我らが中村春吉である。しかし、シベリアで彼を待ち受けるのは、恐ろしき猛獣たちと骸骨監獄、幽霊監獄――。果たして中村春吉は、幽閉の身となっている西郷隆盛を救出できるのか!? シリーズ最終作、ここに文庫化。 エッセイ「中村春吉波瀾の人生」、未収録短篇4篇を併録。
  • 怪奇小説集 蜘蛛
    4.0
    1~3巻792~858円 (税込)
    深夜胸をしめつけられるような息苦しさに襲われたルーアンのホテル、真夜中の階段を登っていく何者かの足音が聞こえるリヨンの学生寮、三浦朱門とともにうなだれた人影を見てしまった熱海の旅館――3つの怪現象をつづる「三つの幽霊」。6月の雨の中、夜道を疾走するタクシーで、どこか違和感のある運転手が突然話し始めた奇妙な話とラストに震撼する「蜘蛛」、夫に殺される予知夢におびえる女性を襲う、ある恐ろしい出来事を描く「霧の中の声」など。「人一番怖がりだった」ことで有名な著者が贈る、世にも不思議な、背筋が凍り付く14話の恐怖譚。
  • 地獄の辰 犯科帳
    4.0
    「水、水だよ…」袈裟掛けに斬られた夜鷹が遺した謎の言葉。両替屋の娘殺害の最後の目撃者だった。口封じめのためか。「水」の意味するものは?蛇蠍の如く嫌われる深川堀川町の岡っ引き辰造・通称“地獄の辰”。めっぽう切れる頭脳と二尺一寸の長十手が江戸の悪を抉り出し、断つ!

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  • 大聖神
    4.0
    中村春吉は、みずからを五賃将軍と呼ぶ。 五賃将軍とは、汽車賃、船賃、宿賃、家賃、地賃を一切払わず旅を続ける者のことである 。 自転車世界一周無銭旅行を続ける中村春吉は、独逸を訪れた際に陸軍中佐から奇妙な依頼 を受ける。 大興安嶺の奥地へ向かった露西亜(ロシヤ)軍の目的を探ってほしいというのだ。 どうやら目的地は、黄金神像が眠り白い巨大な守護神がいると原住民から言われている山 らしいのだが……。 果たして今回、石峰省吾、雨宮志保と中村春吉をいかなる怪異が待ち受けるのか。 謎多きバンカラ快人の生涯を貴重な資料から読み解いた「自転車世界無銭旅行者 中村春 吉」を併録。
  • 傷だらけの放浪
    4.0
    大富豪の殺害を巡り、逃げる美貌の養女と追う若き刑事。笹沢ロマン・ミステリーの会心作! ――殺人容疑の汚名を晴らす、人間の執念と愛の葛藤。……大学の理事長で億万長者の江口正次郎が殺され、捜査の手は一族にのびる。だが、それぞれに不審な点のある、近親者たちのアリバイ捜査の結果は、二転三転する。一方、担当刑事の一人である若き矢代は、被害者の養女で美貌の千秋を、ぴったりとマークしていた……。
  • 夜のリフレーン
    4.0
    秘めた熱情、封印された記憶、日常に忍び寄る虚無感――。福田隆義氏のイラスト、中川多理氏の人形と小説とのコラボレーションも収録。著者の物語世界の凄みと奥深さを堪能できる選り抜きの24編を収録。
  • 沈黙の追跡者〈新装版〉
    4.0
    大手観光会社社長の自家用機のお抱えパイロットをしている朝日奈順は、 九州から東京に一人で戻る途中、燃料洩れのため、海上に墜落してしまう。 運良く離島の漁師に救われ、助かるが、事故のショックから失語症になってしまった。 一カ月後、東京に戻った朝日奈は、衝撃の事実を知る。 すでに死亡届が出されており、 しかも同乗していなかったはずの社長が墜落死したことになっていた。 暗殺計画 近づく三人の女。 そこに隠された真実。 傑作サスペンス。 第一章  背を向けられた男 第二章  笑わない女 第三章  女たちの告白 第四章  影の気配 第五章  空と海に燃ゆ
  • その朝お前は何を見たか<新装版>
    4.0
    妻の隠された 真実を 知る勇気が あなたには ありますか? 最悪の妻をめぐる 物語のラストは、 あなたの心をきっと 救ってくれる。 休日は必ず息子の友彦を連れ、調布飛行場へ行き、ぼんやりと過ごす三井田久志。 実は彼はジェット旅客機のパイロットだったのだが、ある事情から乗れなくなり、今は長距離トラックの運転手をしている。 ある日、関西で起きた女子大生誘拐事件の犯人の声をラジオで聞いて、愕然とする。 それは、息子を置いたまま、蒸発した妻の声だった。 彼は、息子を隣人に預け、妻の行方を捜すそうとする。 第一章 誘拐の声 第二章 追跡の眼 第三章 暗黒の血 第四章 着陸の顔
  • 夜のアポロン
    4.0
    ――八時三〇分。俺の炎でお前を焼き尽くす時刻だ……サーカス団の少年は恋人の胸に電極を繋いだ。高慢な太陽神に喩えられた美少年に何が起きたのか。青春の残酷なまでの輝きを映した表題作他、書籍未収録のミステリ中短篇全16篇をセレクトした傑作短篇集。
  • 丹夫人の化粧台 横溝正史怪奇探偵小説傑作選
    4.0
    美貌の丹夫人をめぐる決闘に敗れた初山は、「丹夫人の化粧台に気をつけろ」という言葉を残してこと切れる。勝者の高見は、丹夫人の化粧台の秘密を探り、恐るべき真相に辿り着き――。表題作他13篇を所収。
  • 松風の記憶
    4.0
    巡業先の広島の古刹で変死した、歌舞伎俳優・浅尾当次。その報を竹野記者から受けた雅楽は、親友である当次の死に疑問を持つ。一方、女子高校生の仲宮ふみ子は、修学旅行で当次の亡くなった古刹を訪れていた。数年後、ふみ子は、当次の長男・当太郎と運命的に出会う――著者の初長編『松風の記憶』。美しい演出家未亡人と若き劇団員が絡み合う、劇団ツバメ座で起こったふしぎな事件の真相を、竹野記者の手記のみから雅楽が推理する『第三の演出者』。戸板康二が遺した雅楽もの長編を完全収録。資料も充実の《中村雅楽探偵全集》シリーズ最終巻。【収録作】「松風の記憶」/「第三の演出者」/中村雅楽エッセイ=戸板康二/徳間ノベルズ版『松風の記憶』 あとがき=戸板康二/講談社文庫版『松風の記憶』 後記=戸板康二/創元推理文庫版編者解題=日下三蔵
  • P+D BOOKS 人喰い
    値引きあり
    4.0
    心中現場から、何故か一人だけ姿を消した姉。 ワンマン社長の横暴に不満を募らせる社員達が、それに対抗しようと組合闘争に明け暮れる本多銃砲火薬店。 その工場に勤める花城由記子が、妹の佐紀子に遺書を残して失踪した。社長の一人息子・本多昭一と心中するという書き置きを残して姿を消したのだが、山梨の昇仙峡で昭一の遺体が発見されたにもかかわらず、由記子の遺体は発見されないままだった。ついには殺人犯人として指名手配を受けてしまう由記子――。 姿を消した姉を追って、一人残された妹・佐紀子は必死の捜索を続けるが、そこには思わぬ結末が待ち受けていた。 卓抜したトリックに、人間の底知れぬ業を描いた笹沢左保、会心のミステリー。第14回日本推理作家協会賞受賞作品。
  • P+D BOOKS 剣士燃え尽きて死す
    値引きあり
    4.0
    青年剣士・沖田総司の数奇な一生を描く。 不運な出会いを持たねばならなかった武家の娘・千鶴。その形見の懐中鏡に、新選組副長助勤・沖田総司はつぶやく。 「また、ひとり斬った」、命令のまま人を斬る! 組織に属し、その命に服しながら……。 だが、人斬りの空しさ、新選組への絶望、局長・近藤勇への不信、そして労咳に冒された肉体。幕末の青春とは、そして死とは? 筆者の美意識が投影された終章。多くの作品のテーマとなっている新選組を、沖田総司の視点から、組織に属しながらも“一匹狼”として厭世的な目で見つめた青年剣士の数奇な一生を描く異色の時代小説。
  • 獏鸚
    4.0
    科学知識を駆使した奇想天外なミステリを描き、日本SFの先駆者と称される海野十三。鬼才が産み出した名探偵・帆村荘六が活躍する推理譚から、精選した傑作を贈る。麻雀倶楽部での競技の最中、はからずも帆村の面前で仕掛けられた毒殺トリックに挑む「麻雀殺人事件」。身元不明の美女の轢死事件に端を発した、神出鬼没の怪人“赤外線男”との対決を描く「赤外線男」。異様な研究に没頭する夫の殺害を企てた、妻とその愛人に降りかかる悲劇を綴る怪作「俘囚」。密書の断片に記された暗号と、金満家の財産を巡って発生した殺人事件の謎を解く「獏鸚」など、10編を収録した決定版。
  • 海野十三集 三人の双生児 ―怪奇探偵小説傑作選5
    4.0
    日本SFの元祖・海野十三。理科系作家がその新しい知識を駆使して生み出す奇ッ怪で新鮮な物語に、昭和の科学少年たちは胸を躍らせた。赤外線、テレヴィジョン、超音波に電気風呂―。エログロ・ナンセンスにみちた初期の作品から戦時下の緊迫した空気を伝える異色作まで、鬼才が遺した多彩な推理小説を収める。
  • 横溝正史集 面影双紙 ―怪奇探偵小説傑作選2
    4.0
    恐しくも美しい怪事件の数々――。蔵の中に隠された秘密、美少年が彩る妖しき世界、人形を愛する女、貴婦人の化粧台に棲むもの、名家にまつわる血ぬられた過去……。横溝正史の膨大な作品のなかから、怪奇探偵小説の名にふさわしい傑作を厳選! 怪異・倒錯・耽美・官能にあふれる横溝ワールドをお楽しみください。
  • 逃 亡 岬
    4.0
    東西薬品の九門愛一郎はTVニュースを見て愕然とした。早暁、喧嘩別れしたばかりの愛人・高見沢ミサが刺殺され、自分が手配されているのだ。無実を晴らせるのは、事件直前に遇った女性と一枚の写真だけである。九門は一億数千万人のなかの〃たった一人〃の証人を追い求めるのだが……。迫真のサスペンス・ミステリー。
  • 明日に別れの接吻を(電子復刻版)
    4.0
    須賀原は将来を嘱望された若手官吏だったが、愛妻を犯した不良学生を殺すという過去を持っていた。情状酌量され、5年の執行猶予をうけた彼は、いまは晴れて自由の身になる時を待つ日々だった。その忍従もあと11日となった夜、友人が訪れ、「人を殺したのでアリバイ作りに協力してくれ」と哀願する。わが身の自由を選ぶべきか、友情をとるべきか?生きることの大命題を追求した長篇推理。

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  • グリーン車の子供
    3.9
    7年ぶりに、「盛綱陣屋」の微妙役への出演依頼があった老歌舞伎俳優・中村雅楽。しかし、雅楽は子役の配役が気にいらず、出演をなかなか快諾しない。そんな中、法要のため大阪を訪れた雅楽は、友人の竹野記者とともに帰京する新幹線のグリーン車で、一人の幼い少女と隣同士になる。東京へ到着する直前に「陣屋」への出演を決意した理由とは? 《中村雅楽探偵全集》第二巻は、第29回日本推理作家協会賞を受賞した「グリーン車の子供」を含む全18編。日本推理作家協会賞受賞時の著者の言葉など、資料も併録。【収録作】「ラッキー・シート」/「写真のすすめ」/「密室の鎧」/「一人二役」/「ラスト・シーン」/「臨時停留所」/「隣家の消息」/「美少年の死」/「八人目の寺子」/「句会の短冊」/「虎の巻紛失」/「三人目の権八」/「西の桟敷」/「光源氏の醜聞」/「襲名の扇子」/「グリーン車の子供」/「日本のミミ」/「妹の縁談」/徳間ノベルズ版『グリーン車の子供』 あとがき=戸板康二/受賞の言葉=戸板康二/創元推理文庫版解題=日下三蔵
  • 團十郎切腹事件
    3.9
    江戸川乱歩に見いだされ、旧「宝石」誌に掲載された「車引殺人事件」にはじまる、老歌舞伎役者・中村雅楽の推理譚。複雑な人間模様の歌舞伎界、芸能界を中心に起こる様々な事件や謎を竹野記者が持ち込むや、鮮やかに解き明かす。美しい立女形の失踪事件を解決する「立女形失踪事件」。旅先の旅館で自刃を遂げた八代目市川團十郎の謎を読み解く、第42回直木賞受賞作「團十郎切腹事件」など全18編。立風書房版作品ノートをはじめ、講談社文庫版後記なども併録。ミステリ史に燦然と輝く、中村雅楽の名推理の数々を完全収録する《中村雅楽探偵全集》堂々開幕!【収録作】「車引殺人事件」/「尊像紛失事件」/「立女形失踪事件」/「等々力座殺人事件」/「松王丸変死事件」/「盲女殺人事件」/「ノラ失踪事件」/「團十郎切腹事件」/「六スタ殺人事件」/「不当な解雇」/「奈落殺人事件」/「八重歯の女」/「死んでもCM」/「ほくろの男」/「ある絵解き」/「滝に誘う女」/「加納座実説」/「文士劇と蠅の話」/河出書房新社版『車引殺人事件』 序=江戸川乱歩/旧「宝石」所収各編解説=江戸川乱歩/立風書房版『團十郎切腹事件』 作品ノート=戸板康二/立風書房版『奈落殺人事件』 作品ノート=戸板康二/講談社文庫版『團十郎切腹事件』 後記=戸板康二/創元推理文庫版編者解題=日下三蔵
  • マインド・イーター[完全版]
    3.9
    宇宙へ進出した人類に襲いかかったもの、それがマインド・イーター。ビッグ・バンの起こる前の宇宙の残滓であり、人間に対し悪意をもつ、数千の小天体の姿をした鉱物的存在である。M・E(マインド・イーター)は精神を食いちぎり、人間を完全に異質なものに変えてしまう。これをM・E症と呼ぶ。M・Eを破壊するため、連合はハンターと呼ばれるエリートを育成し宇宙へ送りつづけるが、その戦いは絶望的なものだった。そしてハンターがM・Eの顎(あぎと)に倒れると、いかに空間的に離れていようと、ハンターと精神的な結びつきの強い恋人や肉親までがM・E症を発症するのだ。日本SFの里程標的傑作を、シリーズ短篇を全作収録した完全版で贈る。

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  • 軍師 竹中半兵衛 上 新装版
    値引きあり
    3.8
    美濃の斎藤家から織田家への使者に抜擢された竹中半兵衛は、信長のもとで運命の人・お市の方と出会った。やがて家督を弟に譲り、研究を重ねついに半兵衛流兵法を完成させる。戦国の世が半兵衛を求めていた!
  • 火葬国風景
    3.7
    銭湯で起きた殺人事件の謎を解く、デビュー作の本格ミステリ「電気風呂の怪死事件」。夜の新宿で男が死んだはずの友人とすれ違ったことに端を発する、幻想的な冒険譚「火葬国風景」。“音楽浴”によって国民を洗脳・支配する独裁国が辿った、皮肉な末路を描く歴史的名作「十八時の音楽浴」。幼少時に離れ離れになった同胞を探す娘の、数奇な探偵行を綴る「三人の双生児」など、唯一無二の奇想に彩られた11編と、作品の背景が語られる珠玉のエッセイを収録。日本SFの先駆者にして、科学知識に基づいた作品を描いた著者の真髄を示す傑作短編集。
  • 悪魔の部屋
    3.7
    「やめて! 堪忍して!」ホテルの一室で、新婚早々の伏島世志子は必死に抵抗するが、中戸川不時は平然と彼女の下着をはぎ取った。誘拐監禁された世志子を襲う、荒々しい凌辱の日々……中戸川の常軌を逸した犯行の目的は、いったい何か!? 驚くべき事実が……。憎悪に満ちた愛欲と魔性を秘めた女心を描くサスペンス長編傑作!
  • アリバイ奪取 笹沢左保ミステリ短篇選
    3.5
    アリバイが消えたとき、笑うのは誰だ? 没後20年。「木枯し紋次郎」だけじゃない、ミステリ作家の面目躍如。本格推理から、サスペンス、そして著者の真骨頂たる宿命小説まで、バラエティに富んだ作品8篇をセレクトする。 *収録作品 殺してやりたい 十五年は長すぎる お嫁にゆけない 第三の被害者 不安な証言 鏡のない部屋 アリバイ奪取 「笹沢左保君の活動ぶりはまことに驚異である。ここに集録されている作品などは笹沢君の実力を示すものであろう。「鏡のない部屋」は醜女の悲劇を扱った傑作だ(中略)。それにしても笹沢君の力量は、はかり知れないものがある。現在、推理作家中、最も多作をしているようだが、それでいて、駄作が見当らないから敬服のほかはない。」(『鏡のない部屋』〈宝石社、1963年〉に寄せた江戸川乱歩のコメント)
  • ビショップ氏殺人事件 曽野綾子ミステリ傑作選
    3.5
    作家・曽野綾子の知られざる真価を示す、ミステリ作品集。殺人、犯罪、事件を題材とし、謎解き、犯人捜しの要素を含みつつも、人間心理、人生や運命の綾、明暗、日常に潜む恐怖を描く。いずれも1960年前後に集中的に書かれた作品群である。表題作は、『宝石』誌の編集に携わった江戸川乱歩がみずから依頼した経緯があり、しかも本格物。乱歩は本作を掲載できたことを「いささか自慢していいのではないかと思っている」と自讃している。 (収録作品) ビショップ氏殺人事件 華やかな手 消えない航跡 競売 人生の定年 佳人薄命
  • アリバイの唄
    3.5
    元刑事の夜明日出夫が車を駆って犯人を推理――孫悟空タクシーのドライバー・夜明日出夫は、38歳。3年前まで、警視庁捜査一課の警部補だった。ある晩、夜明が乗せたカップル客の女の方が、3週間後に殺された。容疑の濃い美貌の女は、夜明の幼なじみで、逗子の豪邸にいたという鉄壁のアリバイがある。最後に夜明が解く、前代未聞の大トリックとは、いったい何か?
  • 蠅男
    3.5
    名探偵帆村荘六、再び帰還! 科学知識を駆使した奇想天外なミステリを描いた、日本SFの先駆者と称される海野十三。鬼才が生み出した名探偵が活躍する推理譚から、傑作集第二弾を精選して贈る。密室を自由に出入りし残虐な殺人を繰り返す、稀代の怪人・蠅男との対決を描く、代表作「蠅男」。行方不明者を捜すために訪れた、奇妙な形の洋館。在原業平の句にちなんだ館に秘められた、恐るべき秘密を暴く「千早館の迷路」。三十年後の近未来を舞台に、謎の男につきまとわれる婦人の依頼から、ある犯罪を突き止める「断層顔」など、5編を収録する。
  • 招かれざる客
    3.5
    事件は、商産省の組合の秘密闘争計画が、省側に筒抜けになっていて、スパイが発見されたことが発端だった。裏切り者の組合員と、彼の内縁の妻と誤認された女性が殺された。二つの事件の容疑者も事故で死んだ。事件全体に釈然としないものを感じた警部補。鉄壁のアリバイ。密室で姿を消した凶器。乱歩賞次席ながら世に出た、笹沢推理文学の輝ける出発点。
  • どんでん返し
    3.5
    大学で心理学を講じる公次のマンションヘ、深夜、思いもかけぬ訪問者があった。一年半前、彼を捨てて親友山根不二夫のもとへ走った悦子だった。外は雨だというのに、傘もささずに濡れそぼっている。そんな挙動不審の悦子に、公次は「きみは仲がこじれた山根を殺して、逃げてきたのだろう」と断じるのだが……。(「影の訪問者」)全篇を会話だけで構築した異色ミステリー六篇を収録。

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  • フェイス・ゼロ
    3.4
    内相紹介 ロボット学の表情工学(エクスプレツシヨン・エンジニアリング)を専攻する教授に、文楽の人形遣いであり人間国宝の吉田(よしだ)左衛門(さえもん)が依頼したのは、“無表情の表情”の首(かしら)の制作。 しかし、それはひとが目にしてはならない“顔(フエイス)”だったのだ――。 文楽を題材にしたSFミステリの表題作ほか、すべてがマニュアル化された巨大ハンバーガーチェーンの歯車が静かに狂いだす「メタロジカル・バーガー」など、 ジャンルの壁を超え、悠然と佇(たたず)む傑作短篇群がここに集結。全篇初収録。
  • 有栖川有栖選 必読! Selection1 招かれざる客
    3.3
    あなたはまだ“新本格作家”笹沢左保の恐るべき実力を知らない! 有栖川有栖がセレクトした、笹沢左保のベストミステリ。 多重トリックで翻弄する記念すべき長篇第一作。 【有栖川有栖さん、大推薦!】 密室×アリバイ×暗号×? いくつものトリックと罠を埋め込んだ1960年代の華麗な〈新本格推理〉。 この面白さは決して古びない! 裏切り者を消せ!――組合を崩壊に追い込んだスパイとさらにその恋人に誤認された女性が相次いで殺され、事件は容疑者の事故死で幕を閉じる。 納得の行かない結末に、倉田警部補は単独捜査に乗り出すが……。 アリバイ崩し、密室、暗号とミステリの醍醐味をぎっしり詰め込んだ、著者渾身のデビュー作。 虚無と生きる悲しさに満ちたラストに魂が震える。 〈トクマの特選!〉第一回配本。 〈目次〉 Introduction 有栖川有栖 招かれざる客 Closing 有栖川有栖
  • 仕事ください
    3.3
    あれ、なんか変だな……。 気づいたとき、あなたはすでに別世界。 奴隷を求めた男の前に現れた“奴”、哀切なる猫SFなど、現実と幻想の狭間に迷い込む傑作短篇集。 仕事仕事仕事ください……。意のままになる奴隷を求めた男の前に現れた“やつ”は仕事を求め続ける……。表題作ほか、不思議で哀切なる猫SF「ピーや」、恋人との会話がどんどん食い違ってゆく「信じていたい」、戦争の傷痕を異様な迫力で描く「酔えば戦場」などに加え、第一長篇『燃える傾斜』の原型となった「文明考」などの初期未収録作3篇を収録。 読めば世界がずれてくる、ぶれてくる。気づいたとき、あなたはすでに別世界。現実と幻想の狭間に迷い込む傑作短篇集。まずは一篇、踏み出してみませんか?
  • 静かな終末
    3.3
    やさしい口当たりと驚きの後味 最後に一篇、いかがですか? 初収録作品多数、日本SFの巨匠の知られざる傑作集 大きな戦争が起きて、どうやら世界は終わるらしい。 しかし、そんなニュースは流れない。戦争の噂はデマだったのだろうか……。 不気味な“日常”を描いた表題作ほか、 ムダをはぶき効率化を突きつめた企業の行く末「ムダを消せ!」、 クイズ番組に人生を賭けるクイズのプロたちの熱き戦い「テレビの人気者・クイズマン(人間百科事典)」など、未収録作品と未文庫化作品を多数収録。 いまなお突き刺さるアイデアと警鐘。 SF第一世代の巨匠による、やわらかな口当たりと驚きのコクが味わえる全五十篇。 お目覚めに、あるいは最後に一篇いかが? 作家活動最初期の十年間に眉村卓が発表したショートショートのうち、これまで著者の単行本または文庫本に一度も入ったことのない作品を中心に五十篇をまとめたのが、本書ということになる。未知のジャンル「SF」に賭けて若き日の作者が傾けた情熱の一端を、この一冊から感じていただけたなら、これに勝る喜びはない。 ――日下三蔵「編者解説」より 【収録作品一覧】 いやな話 名優たち われら人間家族 廃墟を見ました 大当り 誰か来て 行かないでくれ 応待マナー ムダを消せ! 委託訓練 面接テスト 忠実な社員 特権 夜中の仕事 のんびりしたい 土星のドライブ 家庭管理士頑張る 自動車強盗 ミス新年コンテスト 物質複製機 獲物 はねられた男 落武者 安物買い よくある話 動機 酔っちゃいなかった 晩秋 怨霊(おんりょう)地帯 敵は地球だ 虚空の花 最初の戦闘 最後の火星基地 防衛戦闘員 最終作戦 敵と味方と すれ違い 古都で 雑種 墓地 傾斜の中で あなたはまだ? 静かな終末 錆びた温室 タイミング テレビの人気者・クイズマン(人間百科事典) 100の顔を持つ男・デストロイヤー(破壊者) 電話 店 EXPO2000 『ながいながい午睡』あとがき(さんいち・ぶっくす)
  • 目黒の狂女
    3.3
    日常の謎ミステリの元祖ともよばれる、老歌舞伎俳優・中村雅楽探偵譚。歌舞伎界で起こった様々な事件や謎が持ち込まれると、雅楽は経験に裏打ちされた鋭い洞察力で鮮やかに絵解きをしてみせる。竹野記者の手記によって、雅楽が遭遇したあまたの事件の顛末が明かされていくシリーズ第3巻は、昭和50年代を中心とした作品群。竹野記者が目黒のバス停でつづけざまに出会った狂女にまつわる表題作「目黒の狂女」。なぜ淀君は逃げ延びなかったのかという、歴史に埋もれた謎を雅楽なりの解釈で解明していく「淀君の謎」など粒ぞろいの全23編を収録。【収録作】「かんざしの紋」/「淀君の謎」/「目黒の狂女」/「女友達」/「女形の災難」/「先代の鏡台」/「楽屋の蟹」/「お初さんの逮夜」/「むかしの写真」/「砂浜と少年」/「大使夫人の指輪」/「俳優祭」/「玄関の菊」/「梅の小枝」/「女形と香水」/「子役の病気」/「二枚目の虫歯」/「コロンボという犬」/「神かくし」/「芸養子」/「四番目の箱」/「窓際の支配人」/「木戸御免」/講談社版『目黒の狂女』 あとがき=戸板康二/講談社版『淀君の謎』 後記=戸板康二/創元推理文庫版編者解題=日下三蔵
  • セブン殺人事件
    3.3
    新宿淀橋署の宮本刑事部長と、本庁から来た佐々木警部補。年齢も容姿も経歴も好対照の2人は、その名前から「宮本武蔵と佐々木小次郎」にたとえられるライバル同士だ。そんな異色の凸凹コンビが7つの難事件に挑む。どんなときも、2人の推理は真っ向から対立、はたして正しいのはどちらか?息もつかせぬ展開、綿密なトリック、思いもよらない結末と、推理小説の神髄が味わえる7編を収録。
  • 真田十勇士 巻の一
    3.3
    時は慶長十六年、豊臣家の滅亡を謀る徳川家康は、九度山に隠遁する真田幸村に警戒を怠らなかった。猿飛佐助は幸村の命を受けひそかに旅立った。来るべき戦いに備えて、諸国を回り十人の勇士を探すため。
  • どんでん返し
    3.1
    「思いきって、やったらどうなの」「何をだ」「わたしを殺すのよ」――社の常務の姪と不倫した挙げ句、妊娠させ、結婚を迫られてしまった夫。“玉の輿”を目論む夫に、妻は離婚を絶対拒否することで対抗する。はたして、夫婦の運命は……(「霧」)。ほか、全編会話だけで構成された異色の短編を6篇収録。
  • 山田風太郎時代小説コレクション 地の巻 南無殺生三万人
    3.0
    戦後日本を代表する小説家・山田風太郎生誕100周年を記念した、時代小説ベストコレクションです。『慶長大食漢』『死なない剣豪』『嗚呼益羅男』『妖剣林田左文』『姦臣今川状』『南無殺生三万人』『売色奴刑』の7編を収録。
  • 山田風太郎時代小説コレクション 天の巻 元禄おさめの方
    3.0
    戦後日本を代表する小説家・山田風太郎の生誕100周年を記念した、時代小説ベストコレクションです。 山田風太郎の作品は、現代もののミステリ、忍法帖、明治もの、室町もの、エッセイ・ノンフィクションなどに大別されますが、代表作のひとつ『妖説太閤記』のように、忍法帖や明治ものに属さない時代小説も少なくないです。 没後20年に当たる2021年から生誕100年に当たる2022年にかけて、各社から風太郎作品が次々と復刊されていますが、ミステリーと忍法帖がほとんどであり、時代物の短篇は二十年以上も新刊で手に入らないものばかりです。 今回はそれらのうち、8作品を収録しました。
  • 悪魔の剃刀
    3.0
    「故萬田氏よ、お前を許さん」不気味な言葉を残し、失踪中の日本WHM社課長代理・安芸一弘が、死体で発見された。事件の真相を探る海老沢四郎。さらに安芸を慕う女性の白骨死体。苦闘する海老沢の前に、「萬田」と名乗る美貌の女性が現われた! 衝撃の真相! 非情な企業の論理! 先端企業の暗部に潜む病巣に、鋭いメスを入れた長編推理、野心作。
  • 時計の針がナイフに変わるとき
    3.0
    「お前が48時間以内に自殺すれば娘は解放する」……刻一刻と迫る時間が、ナイフのように光る! 一人娘を誘拐犯から救う手段は……。――一人娘の香織(3歳)が誘拐され、父親の夏八木鉄人に「お前が自殺すれば娘を解放する」という脅迫状が届いた。誘拐犯は、自分の妻が夏八木に殺されたと誤解し、彼の生命と引替えに娘を返すという。香織を救うには、48時間以内に真犯人を突きとめるしかない。刻一刻迫る娘の危機。息づまる長編推理小説。
  • 死の追走 次は誰か
    3.0
    連鎖する「死」と心の闇を描く傑作。レイプ殺人を皮切りに次々と……――一人娘をレイプ殺人で失った老夫婦宅に、事件が時効を迎えたあと、毎月送られる10万円。贈り主は、いったい誰なのか……。次々と連鎖するように起こる人の死と、それにまつわる謎を解き明かしながら、人間の心に宿る悲しみを描いたミステリー連作。鋭い文章が冴えわたる、笹沢文学の新傑作!
  • 遅すぎた雨の火曜日
    3.0
    亡くなった養父と無念な思いを抱えたまま死んだ養母の復讐のため、彼の息子を誘拐した女。それは意外な展開に……。 雨の降る火曜日、二十三歳の花村理絵は二年前から続いていた上司との関係に終止符を打った。会社にも退職願を出した。長年住みなれた家も出た。それもこれも過去を消して、死んだ養父母の復讐を果たすためだった。医は算術を地で行く小田切病院の長男・哲也を誘拐し、身代金を要求するのだ。哲也は二十一歳。女の理絵に果たして誘拐は可能か?
  • 死にたがる女
    3.0
    井戸警部の夢の中に、六年前に自殺した身元不明の女性が現れた。その直後に起きた殺人事件の被害者は、夢に出てきた女性にそっくりだった(「死者は瓜二つ」)。 直美は、何度も自殺を繰り返すが、偶然に救われていた。そんなとき、彼女の娘がひき逃げに遭い、死亡する。捜査に乗り出した久我山署の刑事たちは……(「死にたがる女」)。 忍耐と根気、そして巧まざるペーソス、刑事たちの知られざる生態を生き生きと描く傑作警察小説、五篇を収録。 (「真犯人(ホンボシ)」改題) 死者は瓜二つ 花の咲く遺言 尻を叩く女 アリバイ成立 死にたがる女
  • 法水麟太郎全短篇
    3.0
    日本探偵小説界の鬼才・小栗虫太郎が生んだ、あの『黒死館殺人事件』で活躍する名探偵・法水麟太郎。老住職の奇怪な死の謎を鮮やかに解決する初登場作「後光殺人事件」より全短篇を収録。
  • 白い悲鳴 新装版
    3.0
    陸進不動産の金庫から七百万円が忽然と消えた。責任を問われ、経理課の酒巻伸次と御木本平吉が解雇される。金を盗むことができたのは、酒巻含め経理課の六人のみ。納得いかない酒巻は真犯人を突き止めるべく、巧妙な罠を仕掛けるが―(「白い悲鳴」)。事件の陰に潜む哀しい人間模様を描いた四篇を収録。殺人、愛憎、裏切り、復讐…意表を突くどんでん返しのミステリー集。
  • 金曜日の女 新装版
    3.0
    就職もせず、虚無な毎日を過ごしていた波多野卓也は、偶然訪ねた旧友・岸部桜子の家で、桜子姉弟が愛し合う衝撃の光景を目にする。数日後、卓也が再び目撃したのは姉弟の血まみれの死体だった。事件の鍵を握る謎の美女・鬼頭美千子と接触を図った卓也だが、二人の周辺で次々と不可解な殺人事件が―。驚愕のどんでん返しと残酷な結末が待ち受ける傑作ミステリー!
  • 月下の蘭/殺人はちょっと面倒
    3.0
    温室での洋蘭の栽培に全身全霊を捧げる美しい義姉。彼女が育てる人面花を巡る悲劇と戦慄の真相を描いた表題作ほか、花・星・蟲・鳥を題材として、幽玄の世界のうちに技巧を尽くした傑作ミステリ短篇集『月下の蘭』。かつて公安警察の鬼と呼ばれた盲目の老人と、彼の愛娘が伴った謎の客との会話が思わぬ過去を暴き出す「夜のジャスミン」ほか、男女の愛憎を中心に据え、鮮やかなツイストで読者を唸らせる『殺人はちょっと面倒』。幻の2冊を合本にて贈る。『血の季節』『弁護側の証人』など大胆な仕掛けで世を驚倒せしめた著者が、歌舞伎、能楽などの古典芸能をモチーフとした8篇を収録。【収録作】『月下の蘭』「月下の蘭――春は花」「残酷なオルフェ――夏は星」「宵闇の彼方より――秋は蟲」「ロドルフ大公の恋人――冬は鳥」/『殺人はちょっと面倒』「ラヴ・ホテル〈瀧〉にて」「殺人はちょっと面倒」「夜のジャスミン」「空白の研究 A Study in Blank」/『月下の蘭』初刊本あとがき/編者解題=日下三蔵
  • 死人狩り
    3.0
    西伊豆海岸を北上中のバスが、突然、凶弾を撃ち込まれ、乗客27人もろとも海中に没した。県警警部補・浦上の妻子も、そのバスの乗客だった。犯人は一体、27人のうちの誰を、何の目的で狙ったのか? 犯人をいぶりだすには犠牲者を1人ずつ洗う“死人狩り”しか手段はない。愛する者を奪われた、たぎるような怨念が、浦上を執拗な捜査行に駈りたてるのだった……。大量殺人の謎に挑む本格長篇推理!
  • 魔性の誘惑
    3.0
    男を飽きさせない肉体をもつ亜衣子は、事業家の夫に愛され、幸せな日々を送っていたが、それもうたかたに過ぎなかった。ある日、未知の男が訪れ、半年後に須佐原が出所するという凶報をもたらしたのだ。須佐原──過去に亜衣子が同棲したことのあるヤクザで、殺人傷害を起こし、当分は服役中のはずだった。彼女にとって、まさに忌まわしい過去を白日にさらすパンドラの箱というべき男が出現したのだ……。
  • 日本SF傑作選2 小松左京 神への長い道/継ぐのは誰か?
    3.0
    「地には平和を」「時の顔」「紙か髪か」「御先祖様万歳」「お召し」「物体O」「神への長い道」『継ぐのは誰か?』の全8篇を収録する作品集。
  • 深夜の市長
    3.0
    昼とは全く別の姿を見せる真夜中の東京“大都市T”。奇怪な人々が闇に潜む不思議な都市を支配するのが、謎の老人・深夜の市長である。ある晩の殺人事件をきっかけに、彼の存在を知った僕。果たして深夜の市長の正体は? 傑作都市ミステリ「深夜の市長」。祖父とも思う資産家の老人が亡くなった後、少年が取った行動が予想外の事態を招く「仲々死なぬ彼奴」。人間の興奮をグラフにした“興奮曲線”によって、殺人犯を特定した博士が陥った悲劇を描く「キド効果」など珠玉の11編を収録。日本SFの先駆者にして唯一無二の奇想で彩る作品を描いた著者の真髄を示す、傑作ミステリ短編集。
  • 真田十勇士 巻の四
    3.0
    真田幸村の築いた出城「真田丸」での奮戦も空しく、家康のいつわりの和睦によって冬の陣は終わった。濠は埋めつくされ、負けいくさ覚悟の夏の陣に、幸村の抱く最後の秘策とは? 猿飛佐助は宿敵と死闘を――。
  • 真田十勇士 巻の三
    3.0
    ついに十番目の勇士望月六郎もそろい、十勇士の大活躍が始まった。密命を帯びて薩摩へ向かう猿飛佐助の行く手をさえぎる甲賀流忍者群。一方、家康は方広寺の鐘銘を種に、豊臣方に圧力をかける。物語白熱。
  • 俳人一茶捕物帳~痩蛙の巻~
    3.0
    〈痩蛙まけるな一茶是にあり〉信州野尻湖に近い農家で生まれ、継母との折り合い悪く十五歳のとき江戸へ奉公に出た弥次郎兵衛、後の俳人一茶。以来奉公先を転々、いまは深川の本行寺に寄食の身である。――北町奉行定回り同心・片山九十郎は、難事件が起こるたび、彼に助けを求める。その目に涙が浮かぶとき、事件の真相が明らかになる。小林一茶の推理が冴える!
  • 城昌幸集 みすてりい ―怪奇探偵小説傑作選4
    3.0
    ショートショートの先駆者であり、怪奇探偵小説の分野で多くの掌編小説を残した城昌幸。小さな作品ひとつひとつに見られる驚くべき発想の奇抜さ、ときに詩的な雰囲気を漂わせる文章の流麗さから、江戸川乱歩をして「人生の怪奇を宝石のように拾い歩く詩人」と言わしめた作家の、自選傑作集「みすてりい」を中心に、魅力を網羅した一冊。
  • 薄氷の沼
    3.0
    はてしない悦楽、歓喜。美人妻・大花(おおはな)麻奈加は不倫相手の野球選手・三井田(みいだ)光司との情事にのめり込んだ……。夫の公二郎にはまだ確証を握られていない。だが疑惑を抱いた夫は、妻に激しい暴力を振るった。殴られ蹴られているうちに、夫への憎しみが深まる。三井田との愛を守るために、夫を殺そう、そう決意したとき、交換殺人の計画が始まった……。
  • 残 照 岬
    3.0
    都下、国分寺市の水谷家が不審火で全焼、焼け跡から新婚まもない水谷夫人の絞殺死体が発見された。夫が殺人容疑で逮捕された翌日、隣家に住む日比野蓉子の義妹・川添真紀が失踪。さらに千葉の殺人事件現場に真紀の定期券が! 真紀の残した言葉「三日月」の謎を解くべく、蓉子は恋人・瀬戸とともに九州へ飛んだが!? 平穏な家族の裏に隠された恐るべき真実とは?
  • ささやかな復讐
    3.0
    南伊豆今井浜温泉の、とあるホテル。静養に来た週刊誌の記者が、そこで妖艶な美女と意気投合し、彼女の部屋でひと夜の情事を楽しもうとした。しかし、いざという前に彼女は不可解な失踪を。彼は警察から疑われる羽目に。(表題作)魅力的な謎の設定、論理的推理、そして結末の意外性。本格推理の醍醐味を伝える推理小説集。
  • 悪 魔 岬
    3.0
    自殺関与、死体遺棄の罪により懲役三年執行猶予二年――不倫の恋を清算するため、三条雄介と心中をはかり、生き残った小此木美紗に科せられた罰だ。美紗に捨てられた元婚約者松平大二郎は、心中事件に疑問をもち、三条の妻八千代とともにその真相を追う。が、美紗もまた三条の命日に不審な死をとげる。意表をつくどんでん返し!
  • 悪魔の処刑
    3.0
    四匹の野獣が奈緒美たちに襲いかかった。集団レイプ。女性たちは今も、悪夢から醒めることがない。さらに脅迫者が! 妻と娘を凌辱され殺された元刑事の赤坂勇一郎。犯人は証拠不十分で無罪になった。復讐の炎が燃えさかる……。そして悪魔が処刑された。警察の捜査で、二つの事件は交差するが……!?
  • 他 殺 岬
    3.0
    美容界の大御所・環千之介は、ルポ・ライター天知昌二郎に、その過去を暴かれて自殺! その娘ユキヨも父の後を追い、足摺岬から投身自殺した。――天知の一人息子が誘拐され、犯人はユキヨの夫だと名乗る。天知が息子を取り戻すには、ユキヨの死が他殺だと証明するしかない! サスペンス・ミステリーの傑作!
  • 真田十勇士 巻の五
    3.0
    真田幸村など大坂方の凄まじい戦いぶりに、一時は東軍の本陣も総くずれとみえた。しかし老獪な家康は、淀君をまどわして城内の結束をみだす。落城に臨んだ猿飛佐助は、ある秘密を抱いて脱出を試みた。完結編!
  • 真田十勇士 巻の二
    3.0
    猿飛佐助と穴山小助、由利鎌之助たちは、駿府へ向かう家康を東海道で襲撃しようと計画を練る。いざ、と身構えたとき、思わぬ邪魔が入った。三好清海入道、伊三入道の二人が、行列に殴り込みをかけたのだ。
  • 八丁堀お助け同心秘聞 不義密通編
    3.0
    北町奉行同心・尾形左門次は荷の積み方を取り締まる高積見廻りといういわゆる閑職に就いている。が、直心影流の達人であり、しかも冤罪に泣く人々を陰で救うという顔を持っていた。そんな彼のもとに少女姦淫事件の報が。「お助け同心」の目がキラリと光った。

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  • 誠実な裏切り(電子復刻版)
    3.0
    二つの死が、大丸製薬宣伝課員・海老原の運命を大きく変えた。一つは、彼とともに京都へ出張し、某医科大の有名教授をTVコマーシャルに出演させようとして失策を犯した先輩社員・印南の怪死。もう一つは、新薬を試飲した混血CMガールの怪死だった。この二つの死が調合されたとき、海老原にとっては企業の非情の論理が浮き上り、愛欲の罠を呼ぶ、魔の誘引剤となった……。長篇ロマン・サスペンスの秀篇!!。

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  • 霧に溶ける(電子復刻版)
    3.0
    ミス・コンテストの最終予選に残った5人の美女が、旬日に迫った発表日を前にして、脅迫・交通事故・怪死と次々と謎の事件に巻き込まれてゆく。時を移さず警視庁特捜班の執拗な追求が開始されるが、彼らの行く手には、巧妙なアリバイ工作、鉄壁の密室などが複雑に絡み合った“犯罪連立方程式”が立ちはだかるのだった……。果して、その解答はあるのだろうか? 著者の代表的本格推理小説!

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  • 静かなる刑事(電子復刻版)
    3.0
    杉並に五百坪の土地と家を持ち、中野でマンションを経営する未亡人が自宅で首を吊った。主治医によると鉄欠乏症貧血を苦に「死んだほうがいい」とまで言っていたという。自殺か他殺か?そこで登場するのが酒歴二十年、毎晩ボトルを空ける十和田定雄巡査部長。肝硬変寸前の真っ赤な自分の両掌をヒントに難問を描く(「肝臓の不安」)。ユニークな刑事たちがその特技を生かして事件に挑む傑作警察ノベル短篇集。

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  • タクシードライバーの推理日誌 生存する幽霊(電子復刻版)
    3.0
    元警視庁捜査一課の刑事で孫悟空タクシーの運転手・夜明日出夫は、世田谷で冬坂圭一郎・安紀子という老大婦を乗せ、群馬の温泉へ向かった。長道中、孫娘の車BMWが「バカ、ブタマン」と傷を付けられたことで不安に陥っていることなどを聞く。翌日、その孫娘志くらが奥多摩で絞殺されたことを知った夜明は、捜査一課のかつての後輩・東馬秀作と真相究明に乗り出すが――。会心の傑作長篇推理。

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  • セブン殺人事件(電子復刻版)
    3.0
    新宿淀橋署の宮本部長刑事と本庁の佐々木警部補は、剣豪武蔵と小次郎になぞらえられるほどのライバル同士。一方が老練さが売り物なら、片方は論理の冴えが身上。この異色のコンビが、新興成金・二本柳重蔵の秘書が殺された事件を皮切りに、七つの難事件に挑む。二人の読みは真っ向うから対立し、激しく推理の火花を散らす。「日本刀殺人事件」「日曜日殺人事件」「美容師殺人事件」「結婚式殺人事件」「山百合殺人事件」「用心棒殺人事件」「放火魔殺人事件」の7編を収録。

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  • 女人切腹
    2.5
    町方の女とお武家さまの恋は、成就しにくいのだが、お雪は長七郎と恋に陥ってしまう。そして、不祥事からやむをえず恋人を裏切ってしまうお雪。その哀れな末路とは……。(表題作より) 江戸の女性の恋心を描いた異色作、怪談仕立てで謎解きの趣きもある作品など、バラエティに富んだ物語(ストーリー)展開の8作品を収録。著者独特の語り口をたっぷり堪能できる傑作時代小説集!
  • 悪魔の関係
    2.5
    「駄目よ、駄目……」魔性の美青年・乙矢の執拗な愛撫に長い間の禁欲がようやくとけ、痺れるような甘美感が全身に湧き上がってきた香代。それは諏訪湖に浮かんだボートの上で夫が十六歳年下の女と服毒心中した数日後の通夜の晩のことだった。そして、乙矢は夫と心中した女の最愛の恋人なのだ……。だが、何度となく、乙矢に抱かれている香代の脳裏には“黒い疑惑”がだんだん芽生え始めていた――。魔性を秘めた男女の愛憎を描いた長編官能ミステリーの傑作。
  • 愛  人
    1.0
    ●愛する人と愛される人、だから愛人って素敵だと思わない? 三千代は、こう決意した。(表題作)●大邸宅に囲う美女七人、今夜もその一人の部屋へ行く。華麗な生活に浸る男の隠された一面。●相手がよければいくらでも失神くらいするわよ。平然と言ってのけるハイティーンの思わぬ誤算。――愛と欲望をめぐる傑作小説集。

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