【感想・ネタバレ】中国の歴史11 巨龍の胎動 毛沢東vs.鄧小平のレビュー

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Posted by ブクログ

 中国がGDPでアメリカを抜き去るのは時間の問題となっています。日本が抜かれたのは2010年ですが、現在では日本が500兆円で中国は1400兆円なのです。
 この本はそんな中国がどうしてできたのか教えてくれるすごい本でした。500頁もある本ですが面白いのでノートをとりながら一週間で読み終えました。中国を知らないと日本もわからない。そして何よりも現在の世界の動きが分からない。
 この本は「中国の歴史 全12巻」の11巻目なのですが、私は12巻の「日本にとっての中国とは何か」という本が気になってこれから読み始めました。そうしたら11巻が気になって、読んだというわけです♪
 もともと2004年に発刊された本ですが、2021年の文庫化にあたり加筆されたので習近平のことも載っているし、コロナ禍にも触れています。価値ある1650円でした。

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2021年06月20日

Posted by ブクログ

文庫化にあたり、原著刊行後から現在にいたる時期が大幅に加筆されている。今後の中国を考える上で非常に示唆に富む一冊。しかし、文革期までの中国現代史は近代史以上の混迷を見せていたように感じる。

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2021年05月22日

Posted by ブクログ

 毛沢東と鄧小平の2大巨頭の台頭、権力掌握そしてその後の基盤強化、後継者への移譲という動きを中心に記載しており、かなり詳細な100年近い中国共産党史ともいうべき内容。1949年の建国後の反右派闘争、大躍進政策、文化大革命という大きな歴史がいずれも毛沢東のリーダーシップのもとに発動され、鄧小平はその中で尖兵を務めさせられたり、その後は修復に当たったという歴史。国共内戦の勝利、中ソ論争から中ソ対決、ニクソン訪中から米中国交までの流れなど、これまで今一つ私には理由不明だった点が極めてクリアに納得できたように思う。毛の個性、中華ナショナリズム、そしてプライドから出てきたことが良く理解できる。鄧小平の時代の毛時代から、華国鋒時代を経ての権力移行過程が実に面白かった。毛自身が語っていたという「実事求是」が華を退ける上でのキーワードだったのだ!ただし、鄧小平は経済の民主化による改革を進めたが、政治改革には冷淡だったことが、反右派闘争時代に遡って説明され、天安門事件への対応も納得できるものだった。
そして今の習近平時代と鄧時代の違いの説明までが書き足されている。毛・鄧・習の3人を中国史の王朝の皇帝に例える最終章の説明は全くその通りだと思った。そして著者は習が最後の皇帝になることを期待を込めて予想するのだが…。台湾、そして香港の最近の動きまで詳細に書き足している充実した現代史だった。

最後にP378から引用する。中国を理解する上で実に的確な説明である。
「一党体制」といっても、かつてのような階級、 イデオロギーを前面に押し出した「革命政党」としてではなく、「政治的統合と安定の役割」、「社会の多様な利害の調整」などを果たす「執政政党」へと変化したのである。言い換 えるなら、近代化を推進する牽引車、政治安定の保証者としての「権威主義的政治体制」 こそが、現在の「一党体制」の本質なのである。

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2022年08月02日

Posted by ブクログ

中国史を通史で駆け足で学んだものの、三体でも言及されていた文革など近現代の歴史でまだまだ理解できていないことも多かった。そんな中、毛沢東、鄧小平らを中心とするここ100年以内の歴史の流れがわかりやすくまとまっていてとても理解しやすかった。今の習近平体制に変わってからの解説も読みたいと思っていたので、コロナ禍の状況まで追記されアップデートされたこの本がぴったりだった。

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2022年05月03日

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2021/8/7
中華人民共和国の成立~現在まで。
格差不平等、特権階級を無くすことを目指した筈の社会主義国家が、結局一部の特権階級によって運営されているという事実。中華人民共和国の歴史は、お偉方が思想を都合良く解釈して国民に押しつけてきた歴史に思えてきた。

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2023年10月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

近現代中国を作り上げ牽引した毛沢東と鄧小平を反逆者と逆境者として表現している。毛沢東はその人生において常に反逆を志向していた、またその類まれな戦略家軍事指揮官としての才能は常に迫る具体的な現実の敵を打ち倒す際にはいかんなく効果を発揮したが、建国後の富国強兵と行った抽象的な建設事業においては権威の壁により現実を把握できずに大躍進政策の失敗につながった。鄧小平は長い逆境生活の中で常に現実を見つめ、長い間毛沢東の忠実な部下だったが建国後の失政を受けて徐々に距離を置き、政権の安定を常に志向していく。
建国時からの最高指導者毛沢東は、理想的ユートピアな社会主義国家中国を志向し、ソ連とも対立を辞さず、第三世界の先兵を自負していった。大躍進政策の失敗により、劉少奇・鄧小平ら実権派が資本主義的経済の立て直しを図っていると、文化大革命によって権力を奪い返した。その際に利用した紅衛兵や林彪も切り捨てることで絶対的権力を確立する。中央集権の皇帝として振る舞った。
毛沢東の忠実な部下としてキャリアを積んできた後継者鄧小平だが、毛沢東死亡後には政権に舞い戻り最高指導者としての皇帝的地位を確立する。先富論や黒猫白猫論によって地方分権を推し進め、改革開放政策によって政治より経済優先の政策を摂った。また対外的には韜光養晦政策により極力摩擦を避けた。しかし、国内においては第二次天安門事件では武力で民衆弾圧を行い、政治の安定性を何より重視した。
二人の後を襲った習近平も、自己の皇帝化を図っている。経済成長とともに噴出してきた格差や腐敗に対して、対応を迫られている。米国覇権体制に対して挑戦し、一帯一路で違う覇権を確立しようとしているが、周辺国からの警戒は強い。

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2022年01月03日

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