【感想・ネタバレ】中国の歴史2 都市国家から中華へ 殷周 春秋戦国のレビュー

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Posted by ブクログ

中国の周建国から春秋戦国時代までというと、史記に書かれている諸国・人物の動向のみが歴史として語られてきたように感じる。確かに重要なことかも知れないが、司馬遷の書いた「物語り」をそのまま中国の古代史と考えて良いのか?まさに司馬遼の日本史をそのまま歴史で紹介しているようなものではなかったのか!全く想像もしなかった世界を紹介してくれた読書となった。著者は夏・殷・周の3代がいかに春秋戦国時代の人々の間で確立していた歴史であったかを力説。夏が本当に存在していたかどうかは別として、この時代には「夏王朝」が事実として考えられていた!それも殷のやや西よりに存在したと!そのことの重みを感じさせられた。夏の遺跡は見つかっているとは言えない中で、殷・周ともに中国の一部の地域を支配していた国に過ぎず、それ以外にも漢字を使っていない文化圏が周辺にあったとして、殷の前に何らかの権力が存在したことは、間違いないだろうし、それの一つが夏であったと考えるのはむしろ自然なことだと納得できた。漢字が発明され広がっていく歴史の中で、「中国」「中華」とは何か、「華」は「夏」から来ている?などの説明は知的興奮を覚えた。
「春秋の五覇」と呼ぶときに、だれを選ぶのか、「左伝」「孟子」「荀子」による違いが、それぞれ書いた人の価値観の違いから来ているということも、歴史の客観性が?というところが面白いところだと感じた。

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2022年05月24日

Posted by ブクログ

後代に編纂された史料をもって過去の実像を見ることが、いかに困難であるかがよく分かる。戦国時代の領域国家形成に伴い、自己正当化のための歴史利用が国家毎にどう行われたかの比較は興味深かった。

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2021年03月19日

Posted by ブクログ

史記の著述をまず疑うことから、この本は始まる。
これは入門書ではない。史記の内容を一通り把握した人達向けの本。
しかし、春秋と戦国時代の大きな違い、今でいう天下の概念で夏殷周を語るべきではない、という著書の主張は理解できた。

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2020年12月01日

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