後宮の奥深くに住みながらも夜伽をしない特別な妃、「烏妃」。彼女は不思議な術の使い手で、頼まれれば依頼者の差し出す代償と引き換えに、呪殺、祈祷、失せ物探しと何でも引き受けてくれるという。そんな彼女のもとへ、あるとき皇帝がやってくるところから始まる、中華風ファンタジー兼ライトミステリー小説。
コバルト文庫出身の作家だからなのか、少女小説のような雰囲気もあってとても読みやすいです。硬質な烏妃の姿と言葉が非常に印象的で、美しい表紙イラストと相まって、あっという間に本の世界に引き込まれます。また、どの巻も連作の短編で構成されており、いずれのお話も謎解き短編として充分楽しめますが、共通して描かれる烏妃と皇帝のささやかな交流が二人の孤独をかえって際立たせているようで、大きな伏線と思われる二人の関係とそれにまつわるさまざまな謎とともに、先が気になってつい読み進めてしまいます。個人的には、衣装や風景を表現する作家の文章力を強くアピールしたい! ぜひ読んでみてください。
感情タグBEST3
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ずっと前から本屋さんで平積みされていたのが気になっていた。でもシリーズものは当たり外れがあるし、、と思いしばらくは手に取らなかったけれどアニメ化もしたとのことで今更ながら読み始めた。
ここからは完全に個人的な好みになるけれど、かなり好きな雰囲気。寿雪や高峻をはじめとする登場人物達も人間味があっていいなと思えるし、根本の夏の王冬の王の謎も先が気になる。
中華風ファンタジー(というのか?)によく出てくる宦官だけど、私が宦官という言葉やその意味を知ったのが浅田次郎さんの『蒼穹の昴』だった。学生時代初めて読んで物凄く面白くて記憶に残っている。主人公が宦官となるシーンなども割と鮮明に覚えている為、アニメや小説などで宦官が出てくる際にその扱いの軽さに自分の中で捉え方との差があり、登場人物として生きてないというか、実はあまり楽しめなかったりしていた。(『顔はいいのに○無しか〜』みたいな台詞とかあると、なんかそんな感じだっけ、、、?となったり。)勿論その物語において大事な意味を持つわけじゃないからかもしれないけれど、とにかく私は蒼穹の昴をずっと引きずっていたので(笑)だから衣斯哈の処遇を巡った温螢と寿雪の会話シーンがすごく良くって、こうゆう主要に近いキャラクターに奥行きがあるのいいなと感じた。
調べたら7巻完結で全部販売されているので一気読みしたいと思います。
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最終章で寿雪もこの時初めて高峻のためになにかしようと動いた…
お互いがなにか役に立とうと動く姿に心を動かされる…
世界観も好き
にしても高峻が寿雪を守ったところかっこよかったなぁ
感情をあらわにしない二人だけど内心では置かれる立場に思い苦しんでいることが文章に表現されている
温蛍無事でよかったぁー
Posted by ブクログ
高峻と寿雪の距離が近くなってきて嬉しい。でも近くなったことによる弊害が今後起こるかもしれないと考えると素直に喜びづらい…。梟また出てくるだろうなぁ。 温螢は寿雪と親しくなってるけど、衛青がどれほど寿雪に心許すあなはようになるか今後楽しみ(笑)
面白いです
深い内容で読みやめることができませんでした。恋愛感情がありそうでなさそうなところが気に入っています。次巻がどういう展開になるのか楽しみで当分寝不足になりそうです。
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はい、面白いー。謎は深まるし、切ない話もある。そういう本を読んだ後はしばらく続巻に手が伸びないのだけどそれ以上に物語を読み進みたくなる魅力がある。というわけで、3巻もマッハで手に取る。
Posted by ブクログ
気持ちを通わせていく高峻と寿雪の様子に心が温まる一方で、烏妃の秘密が次第に明らかになり、不穏な気配が物語を包み始める。
宮廷で起こる不可思議な事件を縦糸に、烏妃寿雪と皇帝高峻の運命を横糸にして、織り上げられる幻想譚。
2巻ですっかり虜に。
小説の舞台設定が凄いです
小説の舞台になる設定が凄いです。海の向こうにあるという神の棲む国、幽宮、その宮の葬者部である梟、梟の妹になる烏、梟と烏は海のあぶくが二つに分かれて生まれたもの、幽宮で流罪になった者が行き着く忌み島が宵、盛りだくさんで一度では理解できませんでした。香薔によって烏の器にされてしまった烏妃、悲しいですね。
そろそろ紙で読もうか
実は4巻を読んでまた読み返してる。
新巻が出れば、つい、勢いに任せて読んでしまうのだが、暫く経って、先にどう繋がっているのか、点を確認しつつ読んで行くと、忘れていることも気がついてなかったこともあり、これは何度でも楽しめる物語だと改めて実感する。
花の名前、鳥の名前、衣装の名前など漢字で紙に書いてみる。鳥の鳴き声、植物、衣装の色、形を調べてみる。想像する。世界が膨らむ。
今回は第三者を通して、高峻の擦り切れた心を救うという展開は何と素晴らしいんだろう。自分の感情に不器用な寿雪だが、その行動に今の世の中にも通じる人を動かすコツのようなものも教えられる。
早くも続きが読みたい
待ちに待った第2巻。烏妃の秘密が徐々に明かされ、寿雪と高俊の関係も進む事を読者としては期待しているがおいそれとは進まない。進まないどころか困難になってしまった。高俊の「寿雪」という呼びかけが寿雪を救うのだろうなぁきっと…と思い、早く続編が読みたい。
面白い!
前回も新刊もどちらも大変面白く読ませてもらいました。表紙絵もとても綺麗で物語の中身にピッタリだと思う。
早くも、続きが読みたいです。
私は、このお話が大好きです。
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深まっていく感じがいい
寿雪はらん家の生き残りとして身を隠し、母を殺され、烏妃に選ばれ、自分ではどうしようもないことばかりのなかで、それでも自分の足で立ち、生きのびてゆくしかないのだと、そう思いさだめて生きてきた。自分自身だけは、誰にも踏みこまれない、誰からも奪われない唯一のものだと思っていた。信じるまでもなく、当たり前のこととして、それを芯に寿雪は背を伸ばして立っていた。
いまのわたしは、わたしなのか?
わたしは、わたしを温めてくれるものに頼ることで、かろうじて立っている。が、それは、師との約束を違える、過ちなのかもしれない。それでも━━。
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無理( 帰ってこない語彙力 )
ただ孤独で居ようとする寿雪の周りがどんどん賑やかになっていくのは嬉しかったです。
あと高峻と少しずつ近づいていくのがとっても可愛らしい。
不穏な空気が怖いなと思いつつ烏漣娘娘( うれんにゃんにゃん )の読み方が可愛くて毎回癒されてます。笑
前作でわりと謎解けたかと思ってましたが、全然そんなこと無かったです。第2、第3の謎。謎が謎を呼ぶのがとっても大好きです!
この後どうなっていくのか…知りたいようで最後がどうなるか想像ついてしまうので、知りたくなくてモヤモヤします。笑
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皇帝であろうとする高峻と烏妃であろうとする寿雪、それぞれの心の内が少しずつ、少しずつ伝わってくる。
梟とは…?烏妃の秘密も少しづつ明かされていく中、まだまだ謎は多い。周りと関わればかかわるだけ、何かが変わっていく。それはいい方へなのか、悪い方へなのか。
Posted by ブクログ
辛いけれど、温かな思いが溢れている巻だと
読み終わって感じました。
悪い人だと思っても、元は優しい気持ちからだと
必死な想いだと…
次巻も楽しみです。
Posted by ブクログ
中華幻想譚である後宮の烏の第2巻
烏姫のライバル(?)も登場して、烏姫の謎に少しばかり迫り物語が進展
とは言え、物語の核心に至るまでは、まだまだ尽きぬ話がありそうな予感
次巻を早く読みたくなる。そんな感想を抱かせてくれる第2巻でした。
匿名
読み返して
最終巻を読んでから 改めて読み直しています。
初回に読み飛ばしていたり 記憶に残らなかった言葉など見つけて じっくり読みました。
ますます 好きになりました。
二人の心の繋がりがすてきです。
二人の幸せを願わずにはいられません。
Posted by ブクログ
おもしろかった。2巻続けて一気読み!!
2巻でこの展開とは…早くもシリーズの沼にどっぷり。
孤独な烏妃は、楽土に行けない幽鬼を救うことの出来る特別な存在。
夜伽をしない烏妃・寿雪と帝・高峻の永遠に秘されるはずだった過去の因縁。次々と明らかになる驚愕の事実に、これからの二人はどうなるの?
あー、切ない…。
言葉少なくぶっきらぼうだけど優しい寿雪は、幽鬼を救う過程で関わった人を放っておけず宮に置くことになる。
彼女を慕う侍女の九九も、食いしん坊で甘味の誘惑に弱い寿雪も違ったタイプで可愛い。
烏妃に興味を抱いて足げく通う高峻。
重い責を負う二人には幸せになってほしい。
久しぶりにファンタジーにどっぷり浸り、ドキドキハラハラ、ちょっとゾワゾワ。
策略・命の危機・恋・驚愕の新事実とますます目が離せない展開になりそう!
Posted by ブクログ
いや、おもしろい。
ハラハラ、どきどき、胸がチリチリと苦しくなったり、背筋がひんやり冷たくなったり。
まだ、2巻か。そうとは思えぬほどの満足感。世界観にも魅了されるし、烏妃を取り巻く人との繋がりにも引き込まれる。
類は友を呼ぶというけど、優しさにほろりとする場面が多い。優しさは連鎖して広がっていく。
氷が溶けていくように、孤独が薄れていく。
それを嬉しいと思う気持ちと、孤独であることを強いられていながら人と交わってしまったことへの後ろめたさと、後戻りできないところに来てしまったような心もとなさとが交じり合って、落ち着いた気持ちでは読めない。
どうか、彼女が進んでいる道の先に絶望がありませんように、と願うしかない。
今回のクライマックスである”梟”との出会い。
次々に謎のベールがはがされていくけれど、まだまだ全貌は見えない。この、一見正しいことをしているようで、まるでわかっていない、言葉が通じる気が全くしない相手、というのが恐ろしい。
続きが気になる!
Posted by ブクログ
寿雪と高峻のやり取りが面白い!って単純に言えなくなってきた
いや、ほっこりして面白いんだけど…なんとゆうかお互い闇が深い感じで少し苦しい
知らぬ間に支え合って助け合って、少なからず生きる糧になってる
どんどんお互いの存在が大きくなってる
烏妃がこんなに深い設定だと1巻では気づけなかったので、それも興味深い
そして寿雪の周りに侍女や宦官が増え、その一人一人がどんどん大きな話になって、繋がっていくところも面白い
最初に思ってたよりこれは長く楽しめそう!
3巻も楽しみっ
Posted by ブクログ
不穏な空気というか悪い事が起こりそうな予感というか、そういう雰囲気のまま物語が進んでいきドキドキします。
侍女をおかぬようにという先代烏妃の言いつけを破り、成り行きとはいえ侍女や宦官を置くことになってしまった寿雪。人との交わりを持ってしまったらもう孤独には戻れないと思います。寿雪のためにそれが良いことであればよいのですが…。
そして烏妃にはまだまだ秘密がありそうです。この巻では宵月が寿雪の命を狙います。その宵月を後宮に入れたのが冬官の魚泳でした。先代烏妃は独りだったのに何故寿雪だけが、という身勝手な理由で。後宮を去った魚泳の行く末を正直に寿雪に伝えられない高峻。そして、鵲妃が亡くなりその父に怨みをかったのでは、と心痛の高峻を慮り、鵲妃の父に哀悼の手紙を送った寿雪。お互いを思い合う二人に今後の希望を見た気がしました。
Posted by ブクログ
人気の中華風ファンタジー、2作目。
衣装や言葉などは昔の中国風ですが、国は大きな島で、後宮もそんなに大きくはない様子。
どこか寂しげなしっとりした雰囲気と、昏い背景の中で息づく人々の優しさが魅力です。
後宮の奥深くにある漆黒の館、夜明宮。
妃でありながら皇帝に侍らない、烏妃という存在がいた。
依頼を受けて祈祷や祓いを行うという噂を聞いて、ひそかに頼みごとをしに来る侍女らが後を絶たない。
皇帝の高峻その人も、ある意味ではその一人だった。
孤独を守るよう、先代に厳しく言われて育った寿雪だが、次第に周りに人が増えてきた。
事件を解決するたびに、慕われたり、誰かを引き取ったりしてしまうのだ、
世間を知らず、不器用で不愛想だが、心の柔らかさが垣間見える。人もそこに引き付けられ、こちらもほろっと来ます。
一つ一つの事件は連作短編風ですが、まさしく連なって山場へと。
寿雪の不安と苦しみ。
後宮にやってきた謎の存在「梟」は、寿雪の中に封じられている「烏」を屠りに来たという。神の住む国から罪を犯して流されてきたという「烏」…
寿雪には覚えのあるはずもないことだが、烏とは、烏妃とはそういうものだったのだ。
このあたりは、がっつりファンタジー。
先を期待させる読み応えでした。
Posted by ブクログ
話が動いてきましたね。少しホラー調(といっても怖くはない)のミステリー仕立ての連作短編なのもとても読みやすいです。何より高峻と烏妃の距離感がとてもいいです。どう変わっていくのかも注目したいです。
登場人物が増えていく
烏妃は一人でなければいけないという、前任者の教えを守ろうとするヒロインだけれど、幽鬼関係の人助けをするうちに、烏妃を慕う人たちが増えてきます。根は優しい寿雪としての自分と烏妃としての自分のあり方に悩む彼女の様子が描かれていて面白かったです。
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烏妃として生きるとは。
寿雪の元に人が増えてくる。烏妃は侍女も宦官も置いてはいけない。その教えを破ってしまうことに心は騒ぐが——。
アニメで一度観たけど小説で読むのもいいですね。人が人を想う気持ちは、いつも暖かい結果になるとは限らない。それでも人は人に手を伸ばす。寿雪も、高俊も。
皇帝が孤独な立場であることはさまざまな作品でよく言及されているが、烏妃も同様に孤独に生きることを求められている存在。大きな権力を持つ存在にはさまざまな人間が寄ってくる。利用されないために孤独を選ばざるを得ないのか。「人」としての心はどうなるのか。
敵のような存在も登場してますます続きが楽しみ。
Posted by ブクログ
アニメを見てから本を読んだけど、アニメの回想シーンで使われた切り絵タッチがすごくよかったから、アニメはアニメで好き。でも小説は人物の心情の描写が細やかで、アニメではわからなかったことがよく理解できてこれまたよかった。
ラストがアニメとちょっと違ってたけど、小説の方が高俊の心理がわかったけど、アニメの方が魚咏の去り方がよかった。。。
これ、ほんとにアニメも小説もどちらもいい味で面白かった。
Posted by ブクログ
1巻を読んでから時間が経ってしまったから色々忘れたけど、寿雪の周りはあたたかいな。寿雪が優しいからだろう。孤独だった寿雪が少しずつ周りの人間たちと交流を始めていく様は和む。特にイシハの存在は大きかったし、温螢もいいキャラだ。みんな幸せになれるといいな。
Posted by ブクログ
王宮内なのに生臭いなぁと
鳥妃の別の面を知る人物2名の登場で、本人が知らないことが浮かび上がってきました。
一名はもう鳥妃を会うこと叶わず残念です。
もう一回ぐらい絡んでほしかったな。
前鳥妃とのストーリーももっと絡めて別のストーリーを紡いでほしかった。
さて星星の正体も若干わかってきました。ただの鳥ではなかったのか・・・役に立つんだとも。
さいご皇帝の心がとぎほぐれるシーン。
心が動き出して出た涙だろうなと。
別の本で読んでいる、東日本大震災の被災者が、震災後時間を経て涙が急にあふれてくる人々を思い出させました。
皇帝もやっと動き出せたのだろうなと。
Posted by ブクログ
少しづつ物語が動き出す第2巻。
寿雪の周りに少しづつ人が増えて行く。
何故烏妃が、ひとりでなければならないのか。
分かるけど、それは権力者側の言い分かな。
定めだと言われても、誰とも交わらない一生は悲しい。
麗娘に寿雪がいたように、やはり寿雪にも誰かいて欲しい。
梟登場。
謎が次々出てきて、先が待ち遠しくなってきた。
Posted by ブクログ
シリーズ読み始め、許されざる恋愛とかそういうものを読みたいと思ってたんだけど、「これはバトルものなのでは?」とふと思う。敵が出てくるし仲間も増える。少年漫画の定石みたいな展開も感じられて面白い。