【感想・ネタバレ】後宮の烏のレビュー

後宮の奥深くに住みながらも夜伽をしない特別な妃、「烏妃」。彼女は不思議な術の使い手で、頼まれれば依頼者の差し出す代償と引き換えに、呪殺、祈祷、失せ物探しと何でも引き受けてくれるという。そんな彼女のもとへ、あるとき皇帝がやってくるところから始まる、中華風ファンタジー兼ライトミステリー小説。
コバルト文庫出身の作家だからなのか、少女小説のような雰囲気もあってとても読みやすいです。硬質な烏妃の姿と言葉が非常に印象的で、美しい表紙イラストと相まって、あっという間に本の世界に引き込まれます。また、どの巻も連作の短編で構成されており、いずれのお話も謎解き短編として充分楽しめますが、共通して描かれる烏妃と皇帝のささやかな交流が二人の孤独をかえって際立たせているようで、大きな伏線と思われる二人の関係とそれにまつわるさまざまな謎とともに、先が気になってつい読み進めてしまいます。個人的には、衣装や風景を表現する作家の文章力を強くアピールしたい! ぜひ読んでみてください。

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感情タグBEST3

購入済み

続編を求む

何となく、あらすじを読んだら「夜伽をしない妃」に惹かれて購入し読みました。
どちらかと言えば期待もそこまでなかったのですが、最初からガッツリ掴まれました。
読み進めていく中、情景が目に浮かび、言葉の使い方もとても美しかった。
内容もとても読み応えがあり、読むのがこんなに楽しかったのはいつ振りだろうか?というのがざっくりとした感想です。
本当に続編を書いて頂きたい。

5
2018年07月31日

Posted by ブクログ

◯では、私はいま、からっぽになったのだな(128p)

◯腰にさげた花笛が揺れる。それが、甲高くさえずるように鳴った。(163p)

◯「青は茶をいれるのがうまい。飲んでみるか?」
寿雪はすこし間をおいて、ただうなずいた。(318p)

★高峻と寿雪の関係が良い。ぶっきらぼうな態度ながらお互いをとても気にかけている。二人とも強いが、お互いを必要としている。

1
2023年06月11日

Posted by ブクログ

ファンタジー小説で、描写が細かい割に読み進めやすい。
人物も多いけど多すぎず漢字だから覚えやすい。
1巻で皇太后との争いがあっけなく終わってしまったけど、その後の話の膨らませかたも無理がなく引き込まれる設定。
続きが楽しみ。

0
2024年03月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

王宮ミステリー
古の中国文化を味わっているようで楽しめた。
話の中に出てくる花や物が素敵…
帝がなぜ烏妃にこだわるんだろうなと思ったら、一人を強いられている理由を知りたかったからだったんだ。
心根は優しいけれどちょっと不器用な寿雪、感情を表に出すことがないけれど思いやりのある高峻、ひょんなことから烏妃の侍女となった九九…人間性豊かな登場人物達の関係性が微笑ましかった。
一番印象に残っているのは高峻のあげた象牙の櫛を寿雪が侍女の九九にあげようとしたところかな(笑)その話を寿雪が高峻に話しているとこが面白かった(笑)
寿雪「象牙の櫛をやろうとしたら、怒ってしまった」
高峻「私がそなたにやったものではないか」
寿雪「いらなければ捨ててよいと言ったであろう。いらぬから、九九にやろうと思ったのだ」
一中略一
高峻「ひとの贈り物を、勝手にやるやつがあるか」
寿雪「捨ててもよいと言ったくせに」
高峻「捨ててよいとは言ったが、他人にやってもよいとは言っていない」

0
2023年11月13日

Posted by ブクログ

難読漢字も、馴染みの薄い固有名詞も多いので慣れるのに少し時間がかかったけれど、それが世界観を補強していて没入感が高かった気がする。
アニメ化しているようなので見てみようかな。

0
2023年10月04日

Posted by ブクログ

今はなきコバルト文庫の大賞を取った人らしい、という作者さんの情報を読んでから本編へ。
懐かしいコバルト感笑。女子中高生向けのラノベってこれこれ笑!!コバルトの中でも恋愛要素少なめの真面目系?なやつ寄りですね。
関係ないけど昔追ってて完結したシリーズも死ぬまでには読まないとなぁ

追)コバルト文庫もオレンジ文庫もパッケージが違うだけで中身は同じらしい。

0
2023年07月17日

Posted by ブクログ

ネタバレ

烏妃の役目、冬の王としての務め、独りで朽ちる定めを受け入れていた寿雪が、幽鬼を祓う仕事を請け負ううちに、独りではなくなっていくという流れが良かったです。後悔や未練を残して死んでいった幽鬼が紡ぐ人情に溢れた物語も良かったです。九九や高峻の不器用な優しさが滲みますね。心を知って変わっていく寿雪を追うことができて良かったです。

0
2023年06月25日

Posted by ブクログ

登場人物の名前、建物などの読み方が難しく
行ったり来たりしながら読んだためか
いまいちのめり込めない

そこがクリアされれば、個人的にはかなり好みの内容。
読み終わったら、アニメも見てみたい。

0
2023年04月15日

Posted by ブクログ

読み応え抜群。
これから先、恋愛に発展するのかな…
発展したらしたで面白そう。
推理ものかと思って読んだら、普通じゃないけど術使ってた。
それはそれでよかった。

0
2023年04月01日

Posted by ブクログ

切なさ、愛しさを兼ね備えた物語でした。とてもよかった…!!!正直泣いたし、ニヤニヤしたりほっこりしたり忙しかったな(笑)‬ ‪いや〜本当にいい本だった!!最初の数ページ読んで他の本に移ったこともあったけど、戻ってきてよかったよ〜〜!続き読もう!‬

0
2023年02月02日

Posted by ブクログ

ずっと積読だった本だが読み始めたら最後、夢中で呼んだ。
妃でありながら、夜伽をすることの無い烏妃。烏妃の謎気になって、烏妃である寿雪と帝である高峻との繋がりから少しずつ明らかになる過去。
連作4編から成り立っていて、ぽっと胸が熱くなるような話や、じんわり涙が浮かぶ話も。どれも読後感は良く、次も楽しみ

0
2022年12月04日

購入済み

読み応えがある

古い中国風の国家に似たようなシチュエーションで、背景がしっかりと作り込まれていて、簡単に作中に浸ることができました。程よい難しさの人間模様が気に入りました。

#泣ける #胸キュン #切ない

0
2022年10月17日

購入済み

面白い!

後宮物だと似通った内容のものが多いですが、この作品は独特の世界観と美しい文章で作品の世界観に惹きつけられます。次の巻もたのしみです!!

0
2022年10月03日

購入済み

言葉にならない静けさに心が揺れ

静かに時に激しい鎮魂歌の様な物語を肌で感じて、泣きながらしみじみと楽しみました。情緒溢れる語り口に魅せられ、何度も読み返して、この世界観に溺れてしまいそうです。とても素敵なお話でした。

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2021年03月23日

購入済み

情景がアニメのように浮かびます

文章が流麗というか綺麗です。文章を読むと次々と情景が浮かんできて、表紙のイラストのせいかアニメーションのように頭の中でストーリーが広がっていきます。烏妃寿雪と皇帝高峻がどのような物語を紡いでいくか楽しみです。

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2021年03月16日

購入済み

あっという間に読んでしまう

世界観が好みだったので購入しました。
漢字だったり役職だったりなかなか覚えられないですがとても面白く、するすると一日で読んでしまいました。
これからどう展開していくのか楽しみです。

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2020年07月01日

Posted by ブクログ

白川紺子さんの大人気ファンタジー。
華流の歴史ドラマにはまって、そういう世界の物がないか探していて、見つけました。

後宮の奥深く、夜伽はしない特殊な妃「烏妃」が住んでいる。
漆黒の宮には仕える者も少なく、ひそやかに訪れる人影は占いや呪いを願い出る…
ある日、若き皇帝の夏高峻が訪れ、近づこうとするが、それは歴史を覆すほどのことだった…!

老婆とも永遠の命を持つ少女とも噂される烏妃の正体は、代替わりして間もない少女・寿雪。
黒い衣に身を包み、結った髪には不思議な赤い花。
世の中を知らず、孤独にならざるを得ない過去を持ち、人を寄せ付けないが、根は優しい。
冷たい態度の神秘的な少女に、ひょうひょうとした皇帝も困惑するが、その特異な能力を頼りにするように。
そして、無邪気な一面にも惹かれていくのだが…

烏妃という運命的な設定と、麗しい宮廷の様子、孤独な心の細やかな描写。
とても素敵で、すぐ読み返しました。
心に染み入りました。

0
2022年10月24日

購入済み

不思議な世界

作者さんの他の作品が好きで購入しました。
独特の世界観がすごく丁寧に書かれていて引き込まれます。この先どうなるのかとても楽しみですすでに出ていた続きをまとめて購入してしまいました。

0
2020年03月15日

Posted by ブクログ

難しい漢字や読みずらい漢字が多かったように感じたが、内容はとても面白かった。後宮物語にはありきたりな展開ではあったが、烏妃という新たな位があることが他の後宮物語にはない面白さを生み出していたと感じた。

0
2023年09月18日

Posted by ブクログ

中国の読み方は中々なれないが、面白かった。
ここから、絡まっていくのかなと、続きも読みたい。
謎は解決されているので、一冊で読みごたえはよかった。

0
2023年08月20日

Posted by ブクログ

ネタバレ

大好きな中華幻想譚
アニメだけでは登場人物の背景や相関関係が理解できず原作を読むことにした。それで、アニメは原作に忠実に作られていることがわかった。

0
2023年07月24日

Posted by ブクログ

ひたすら泣けた。この本を読んでない人はこれから読めるのだから幸せだと思う。人の思いが泣けて仕方ないり

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2023年03月11日

Posted by ブクログ

会社の人からおすすめで貸して貰って読みました。

中華風のこの手のストーリーを読むのは初めてで、最初役職や登場人物の名前の読み方が難し過ぎて、フリガナを確かめるためにページを行ったり来たりしていました笑

烏妃の寿雪の少し意地っ張り?な性格や高俊のなんとも読めない性格が、後半になるにつれて相性の良い2人だなあと感じてきます。
ストーリー展開も面白かったです。

ファンタジーやキャラクター性の強い小説が好きな方は好まれる作品なのではと思います。
★5段階評価だと★3.7ぐらいの気持ちです。

0
2023年03月08日

Posted by ブクログ

アニメを見てから本を読んだのですが、寿雪と高峻の声を表す表現がアニメの声色とマッチしててよかった。声優さんも考えてこんな声になってるんだろうなー、すごいなぁ。
本の方が詳細な描写があって理解が深まったけど、アニメも面白かった。

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2023年03月03日

Posted by ブクログ

アニメで観てハマりました。
こういう世界観のしっかりしたファンタジー、大好きです!
十二国記も精霊の守り人も空色勾玉も。

アニメだと固有名詞が音だけではよくわからなかったのが、小説だとするする頭に入ってきました。漢字とルビの文化ってすごい。宦官たちもみんなイケボでかっこいいので誰が誰やらでしたが、原作ではしっかり描きわけられていました。
(アニメもすごく上手に原作を生かしていると思います)

基本一話完結ものですが、主人公寿雪と皇帝高峻の気持ちや互いの関係が少しずつ変化していく様子が丁寧に描かれていて、(他の登場人物もみんな)この先も応援したくなります。みんなそれぞれつらい思いを抱えていて、でもすごく一生懸命生きているから。烏や烏連娘娘の謎も気になる!

0
2023年02月02日

Posted by ブクログ

気になっていて、積読してあった1冊。アニメも始まりアニメをサラッと見てから読み始めたのですが面白かった〜。名前がなかなか読めないやら覚えにくいけど、内容は入ってくるので途中から気にならなくなりました。
すぐ、次巻以降買いに行ってきます。

0
2022年10月27日

購入済み

暗いような明るいような

後宮を舞台にした若い皇帝と主人公である幽鬼や呪いを祓う特殊な立場の十代のヒロインの話。よくある話の組み合わせですが、文章が読みやすく、話の内容もドロドロの権力争いから、身近な大切な誰かを思うほのぼのとした話が混ざっていて面白かったです。

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2020年03月11日

Posted by ブクログ

アニメで見ておもしろかったので、この後どうなっていくのかが気になり、本で読んでみることにしました。
アニメで見ていたので、キャラクターや世界観を把握した状態で読めたということもあって、とても読みやすかったです。読んでみて、アニメは小説にかなり忠実に作られていたんだなと思いました。
1巻はアニメで見たところまでだったので、2巻以降でどうなっていくのか、読むのがとても楽しみです。

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2024年03月14日

Posted by ブクログ

主な登場人物二人の恋愛に発展しそうでしない関係性が面白い。一話一話が完結していて少しずつ人間関係が変化する様が楽しみでもある。
言葉は難しめだけれど気楽に読める軽さがいい。

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2023年09月12日

Posted by ブクログ

完結してるのと話は好みだったので全巻読んでみたいが、漢字が割と難しく、頭では読み方振ってないのが途中で振られてたり、頭の方で振られてて道中なかなか読み方が分からなくて行ったり来たりが多いのがマイナス点。

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2023年05月16日

Posted by ブクログ

美味しいお菓子のように大変に読みやすい本。コミック感覚のストーリー。

健気な主人公と運命によって実らない恋。
テーマは違うけれど「みをつくし料理帖シリーズ」 髙田郁を思い出す。

中国ぽさと主人公への感情移入を味わうには良い本。優しい人たちが織りなす可愛らしい物語。本格的な歴史小説を期待するとちょっと違う。
軽く読むには楽しい本。

キャラクター設定がされているのだが、やっぱりどこがいい人で、みんな性格に共通感がある。同じ作者に書かれている感じが伝わってしまう。
その点でも「みをつくし料理帖シリーズ」 とかぶる。

0
2023年03月25日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アニメ前に買ったのに積み続けて、アニメが終わってしまったけれどやっと読みました!

後宮ファンタジーのお話で世界観がとても素敵です。そしてとっても面白い…!
個人的には人物名の馴染みがあまりない上に、皆漢字なので「誰…?」となることもしばしば。

少し不穏な空気と後宮ものでよくある少しピリピリした空気感の中、「娘娘( にゃんにゃん )」って出てくるのが可愛くて癒されました。笑

亡くなった後もあるものに執着する幽霊や、寿雪の孤独、高峻の気持ち、九九の寿雪の役立ちたいと思う気持ちに人間らしさを感じてとっても素敵です。

1巻でわりとほとんどの謎は解けたのかな?と思ってしまいましたが、まだまだ奥が深そうなので読むのが楽しみです!

0
2023年03月16日

Posted by ブクログ

ネタバレ

書店にてかなり山積みされていたので、読んでみました。
ライトノベルで、かつ最近流行りの中華風王朝ものですが、そこまで恋愛や安易なストーリー展開に頼らないのは良いと思いました。

雲雀公主が侍女のために薬草を積もうとして足を滑らし、池で溺れて…。愛されていた雲雀が公主を慕って、という逸話が好きでした。

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2023年02月06日

Posted by ブクログ

★おぬしは……馬鹿だな(p.318)

(1)後宮の奥で帝が渡ることのない不思議なチカラを持つ烏妃の存在にはどんな意味があるのか。
(2)銀の髪が忌み嫌われているわけは。(1)と(2)は同じことなのかもしれない?
(3)寿雪と高峻、ふたつの孤独な魂が出逢い、互いにおそるおそる歩み寄ろうとする物語(なのかもしれない)。

■夜明宮についての簡単なメモ(★は重要語)■

【一行目】後宮の奥深く、〈烏妃〉と呼ばれる妃が住んでいる。

【第一巻第一話】烏妃と高峻の出会い。幽鬼が憑いていると思われる翡翠の耳飾り。
【第一巻第二話】花娘の恋人だった欧玄有から贈られた木蓮の花笛が鳴らない。
【第一巻第三話】珍しい、雲雀の幽鬼。
【第一巻第四話】柳の下に出る幽鬼は白銀の髪だった。烏妃とはどういう存在かわかる。

【阿繍/あしゅう】内染司の女官。四十がらみで日焼けし皺も目立つが顔立ちは美しい。噂話が好き。
【夜游神/いえいうしぇん】夜になると出てきて子をさらったりするらしい。
【羽衣/うい】凝光殿の庫を管理する宦官。
【烏妃/うひ★】当代の烏妃は柳寿雪(りゅう・じゅせつ)。後宮の奥深くに暮らす妃だが夜伽をすることはない。さまざまな噂があり帝が渡ることはほぼない。不思議な術を使う巫婆(みこ)で王朝がその力を独占するためなのか隔離し特別な地位を与えたようだ。皇帝が代わっても烏妃は独立しており関わりを持たない。
【烏漣娘娘/うれんにゃんにゃん★】海の向こう(おそらく天上界とか冥府とか)からやって来た女神。夜と万物の生命をつかさどる。鳥たちが眷属。その絵姿が夜明宮の奥にまつられている。烏妃の力の源になっていると思われる。フクロウや花を厭う。
【雲家/うんけ】五姓七族といわれる名家のひとつ。明允の家なので高峻とは近しい。
【雲中書令/うんちゅうしょれい】→明允(めいいん)
【衛青/えいせい★】高峻が信頼しているようだ。不敬な態度をとる寿雪に対して当たりがキツい。
【鴛鴦宮/えんおうきゅう】二の妃、鴦妃(おうひ)、花娘が住まう。高峻にはまだ皇后がないので実質的に最上位の妃。
【炎帝/えんてい】先々代の皇帝。
【欧玄有/おう・げんゆう】花娘の恋人だったが派遣された歴州の暴動で三年前亡くなった。《そうですね、湯冷ましのようなひとでした》第一巻p.156
【温螢/おんけい★】若い宦官。青の部下。顔に傷がある。腕がたち護衛をつとめる。

【郭皓/かくこう】班鶯女が後宮に上がるまで婚約者だった男。秀才で今は秘書省の校書郎をしている。
【夏高峻/か・こうしゅん】→高峻
【花娘/かじょう★】現在の二の妃。雲家(うんけ)の娘。雲宰相の孫。後宮の者からは花娘娘(ふぁんにゃんにゃん)と呼ばれている。寿雪は彼女から清涼な風を感じた。高峻とは幼馴染みで気心は知れている。どちらかといえば花娘が姉という雰囲気で寿雪にとってもそうなので元来の姉属性保持者なのだろう。亡くなった欧玄有という恋人を忘れたくないようなのでそれを守るために高峻が後宮に引き入れた。男女の関係にはなっていないようだ。
【凝光殿/ぎょうこうでん】高峻が暮らす。
【凝光殿の庫】宝物庫。欒家の宝物や略奪品も収めている。献物帳(けんもつちょう)にすべて記録されている。帝と羽衣(うい)しか入れない決まり。
【魚藻宮/ぎょそうきゅう】かつて廃太子に追い込まれた高峻が暮らしていた打ち捨てられた宮。
【月下翁/げっかおう】月真教の教祖っぽい人物。凡庸な男に欒冰月が取り憑いていた。
【月真教】歴州で流行っている宗教。欧玄有が死亡する原因となった暴動が起こった。月下翁(げっかおう)という人物を生き神のように崇めた。
【玄有/げんゆう】→欧玄有
【紅翹/こうぎょう★】蘇紅翹。班鶯女の侍女だった。今は洗穢寮に追いやられしゃべれないよう舌を切られている。とあるできごとの後夜明宮の侍女となる。
【高峻/こうしゅん★】夏高峻。帝。ぼうようとして感情の起伏が小さく見える。大物なのか愚鈍なのか判別しにくい。母の謝氏は毒殺され侍女が犯人とされ処刑された。工芸品をつくるのが得意。《この者の心も欠けて、埋めるものがないのだ》第一巻p.94
【香薔/こうしょう】欒夕によって千年ぶりに復活した冬の王。当時十二歳だった。
【皇太后】一時後宮を支配していた。高峻を廃太子に追い込んだこともある。その後反撃され現在は汀泪宮に幽閉されている。
【心】《むごいことを言うが、誰かと心を通わせようとは思わぬことだ。それがほころびとなる。》第一巻p.143

【絲泡糖/しーぱおたん】たぶん綿菓子みたいな菓子。
【九九/じうじう】内膳司の官女。寿雪の侍女となる。明るく好奇心旺盛。
【謝妃】高峻の母。故人。
【鵲巣宮/じゃくそうきゅう】鵲妃が住まう宮。
【鵲妃】三の妃。殺された。
【十娘/じゅうじょう】雲雀公主に食事を運んでいた。公主と同じ年齢だった。今は鶴妃の侍女。姓は羊(よう)。
【寿雪/じゅせつ★】柳寿雪。主人公。当代の烏妃。十五、六歳の少女。ツン気質だが蓮の実の餡を包んだ包子(パオヅ)が好物で簡単に釣られてしまった。意外にせっかちで世話焼き。黒髪ロングだが本当の髪の色は銀。バレると命が危ない。《あのかたは心のやさしいかたですよ。何ものも切り捨てることのできないおかたです。》第一巻p.166。《そなたは無理を通せるほどには――情が薄くはない》第一巻p.236
【霄/しょう】舞台となっている国。
【淞/しょう】かつて冬の王、綏(すい)を殺した夏の王。
【少府監/しょうふかん】宮廷工房。玻璃の魚を作った鰛思院(おんしいん)がある。
【星星/しんしん★】夜明宮にいる金色の鶏。その鶏が次代の烏妃を見いだすようだ。
【綏/すい】かつて夏の王、淞に殺された冬の王。
【青/せい】→衛青
【星烏廟/せいうびょう】冬官が出仕している施設。烏漣娘娘の絵が祀られている。
【薛魚泳/せつ・ぎょえい】冬官。病がちの老人。飄々とした物言いをする。烏妃のことに詳しい。
【洗穢寮/せんえりょう】後宮のなかのスラム街みたいなとこ。ちょっと危険。
【雙通典/そうつてん】史書。ひとつには偽りの歴史が描かれており、ひとつのは真の歴史が描かれている。
【蘇紅翹/そ・こうぎょう★】→紅翹

【丁藍/ていらん】宦官。高峻の友人だったらしい。年齢的には父親に近かった。工芸の技などを教えてくれた。口がきけなかった。皇太后によって殺されたらしい。花娘は傷を開くことになるからその名前は口にしないほうがいいとアドバイスしてくれたが高峻のほうから口に出した。
【汀泪宮/ているいきゅう】皇太后を幽閉している離宮。
【冬官/とうかん】神祇官。閑職。もうずっと薛魚泳(せつ・ぎょえい)。
【毒】後宮での殺人は毒殺が多い。犯人は適当にでっち上げられケリとなることが多い。
【鳥】後宮の妃嬪(ひひん)には鳥の名前があてがわれることが多い。一般官女は侮蔑の意味をこめて「雀」とよばれたりする。また、鳥は魂を楽土に導いたりもする。

【夏の王】かつて五百年間二人いた王の一人。男王で政を司っていた。血族の男子によって受け継がれていった。

【灰色の衣】冬官や、羽衣など灰色の衣の者は烏漣娘娘に仕えており、烏妃の命を聞く。
【白煙/はくえん】烏漣娘娘に仕える者たち。
【泊鶴宮/はっかくきゅう】四の妃の宮。現皇帝の母が四の妃だった。
【花笛/はなふえ】死者を弔う丸い玉の笛。お盆的な時期に魂が戻ってきたら鳴るらしいが花娘の持つ花笛はなぜか鳴らない。成仏もできてないと思われ魂が行方不明になっているようだ。
【玻璃の魚】高峻が寿雪に贈った。二つあり高峻と寿雪のそれぞれが持つ誓いの印だという。高峻は寿雪を絶対に殺さない。高峻は寿雪と争わない。二人のとき高峻は寿雪を冬の王として遇する。高峻は寿雪のよき友になりたい(これは誓約ではなくまあ、望みってとこ)。
【班鶯女/はんおうじょ】鵲妃を殺したとされる。
【雲雀公主/ひばりひめ】先帝の御代にいた、雲雀を可愛がっていた公主。不遇のまま亡くなったが不満を漏らしたことはなかった。高峻にとっては異母妹。暮らしていた滄浪殿は池のそばに建っておりいまは廃墟状態。
【冰月/ひょうげつ】→欒冰月(らん・ひょうげつ)
【浮餾餅/ふーりゅうぴん】小麦粉をこねて焼いたものに白蜜をからめた菓子。
【夜猫子/ふくろう】後宮にはフクロウがいない。烏漣娘娘が厭うので放しても死んでしまう。後に出てくる「フクロウ」のせいで嫌われているのだろう。
【冬の王】かつて五百年間二人いた王の一人。女王で祭祀を司っており烏漣娘娘の言葉を伝えた。神託によって幼い少女が選ばれ次の冬の王となった。綏を最後に長く不在だったが香薔が千年ぶりに冬の王となった。しかし欒夕は彼女に冬の王を名乗らせず烏妃として後宮に封じた。
【牡丹★】寿雪が髪に差しているがただの花ではなく彼女の術を形にしたもの。その場で術を組み立てなくてもよいようにするための一種の汎用性の高いブログラム、アプリケーションみたいなものかな。

【明允/めいいん】雲中書令。白髭が見事。高峻が幼い頃よりの側近。
【明珠公主/めいじゅこうしゅ】欒王朝最後の帝の二番目の公主。享年二十四歳。
【物】《物が残れば、つながりも残る。》第一巻p.188

【夜明宮/やめいきゅう★】烏妃が暮らす宮。
【幽鬼】寿雪「ふしぎでもない。幽鬼となっていても会いたい者ほど、幽鬼になっておらぬものだ」第一巻p.196。

【欒氷月/らん・ひょうげつ】帝の末子の息子だった。欒氏の優れた巫術師。寿雪と同じ一族で美しい銀髪。帝や息子とともに首を刎ねられすでに亡くなっているがなにか心残りがあるようだ。
【欒夕/らん・ゆう】千年ぶりに冬の王を復活させた銀の髪の欒氏の男。夏の王となった。
【欒氏/らんし】なぜか忌み嫌われている一族。滅ぼされたと思われていたが寿雪が最後の一人。どうやら欒王朝というのがあったようなので滅ぼされた王族ということか。
【柳寿雪/りゅう・じゅせつ】→寿雪
【両声/りょうせい】幽鬼がとりつくなどして二つの声が合わさったような声になること。
【麗娘/れいじょう★】先代の烏妃。役目というだけでなく寿雪を慈しんでいたと思われる。あれこれ教えてくれた。

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2023年01月04日

Posted by ブクログ

※あまりいいこと書いてないです

十二国記を読んで異世界ファンタジーを読みたい!と思い、いろいろ調べておすすめのものを手当たり次第に読んでみることにした。

面白いのは面白いんだけど、十二国記を読んだ後に読むべきではなかった。ラノベ感が強くて全体的に軽く感じてしまう。もっと期間空けて読むか、先にこっちを読めばよかった。
もっと王宮のドロドロした感じを期待していたので、ティーン向けという軽さが否めない。(出版元がそもそもそうだし当たり前だけど)

烏妃は強めの性格か?と勝手に期待してたが、甘いもの好き+優しいという夢小説みたいな設定にちょっとガクッとした。そういうギャップいらないんだよなぁ…
小説というより恋愛に重きを置きすぎない、けどややハーレム感を感じる少女漫画という感じがした。

温螢だけが今のところ好きなキャラクターなので、彼の今後次第かなぁ。
アニメの方を全然チェックしてなかったけど、自分はCV島崎信長キャラを好きになりやすすぎるなと思った。

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2022年12月15日

Posted by ブクログ

アニメで知って読み始めた。
アニメで分かりにくかった後宮の仕組みや人物の関係性が補完されて、自分の中で物語の解像度が上がったのでその点読んでよかった。
一巻は幽鬼がいたら楽土に送るパターンが主で、ようやく縦軸が見え始めたかなと云うところ。これから面白くなるのか…?
華美に走らず、丁寧で柔らかい描写はとても好き。

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2022年11月29日

Posted by ブクログ

難しい
名前や食べ物、建物や背景等がやはり分かりづらい
でも内容的には面白いのかなと思いながら読んでます

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2022年10月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

この本が出た当初は続編は考えて無かったのか、(背表紙に①って書いてないし)烏妃の過去や烏妃の役割など秘密が一巻で次々と明かされるので、スピード感があった。

昔の言い回しや登場人物・宮の呼び名など、難しい言葉が結構飛び交う。
寿雪の性格が表紙のイメージと違って、ある種活発で優しすぎるところがある。

一番気になったのは宦官の衛青。宦官が仮にも妃にその態度はダメでは?と思ってしまった。裏で烏妃について探るのはいいけど、烏妃にバレるとは…。普通の宦官ならまだしも、皇帝付きとしては役不足な気がしてしまった。頑張れ衛青!

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2022年07月18日

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