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Posted by ブクログ
二巻では、ついに帰宅を果たしたアンジェリンらパーティとベルグリフのトルネラでの田舎暮らしが描かれた前半と、その帰路にて遭ったボルドー伯領内での一幕が描かれている。
この巻における白眉は、やはり前半におけるベルグリフの教導だろう。無敵に近い力を持ち、それがゆえに自然と驕慢さを持ちつつあったアンジェを叱咤し教導するシーンは、この物語らしい良いシーンだった。
邪教をもって扇動する少女シャルロッテと従者のビャク、若いながらもボルドー領を富ませる名君ヘルベチカとその姉妹のセレンとサーシャ。ボルドー伯爵に気に入られたベルグリフがどうにも気にくわない若き家令のアシュクロフト。
突飛ではないが、魅力的なキャラクターたちに彩られて、物語は起伏に富んで描かれている。良い一巻であった。
評価は星五つ。心を鬼にして教導した前半のベルグリフと、覚悟を決めて成長した後半のヘルベチカを主に評価している。
書籍版書き下ろしの「EX 姉妹」や初回版限定特典の「夜のともしび」もまた良かった。特に前者は、物語上ではその心情が詳らかにされていないセレンを描いた良短編である。
また、表紙からしてそうであるが、toi8 さんのイラストもまた味わい深く魅力的である。
良い書籍化が進んでいて、読者としては大変喜ばしいところである。
匿名
父性
おとーさんと娘。父親は娘の成長を安全を幸福を望むお話。
次々と父親のいない娘を落としていく"赤鬼"のベルグリフの父性は留まることを知らない。
Posted by ブクログ
いいねえ、心温まるシリーズだ。ちょびっとはらはらもする。アンジェリンが故郷に帰って来て、お父さんのベルグリフにベタベタ。ものすごく大好きなのだ。一緒についてきたパーティーのミリアムとアネッサも孤児院出身だけに、ベルグリフに甘える。ボルドー伯爵家の3姉妹もベルグリフに傾倒。ボルドーで起こった陰謀をアンジェリのパーティーとベルグリフで解決してしまう。ヘルベチカ、サーシャ、セレンのボルドー箔姉妹とも縁が深まりそうだ。ヴィエナ教への復讐のために騒動を引き起こしたシャルロッテもベルグリフの温かな手に惹かれてしまったよ。ベルグリフは魅力的なお父さんだ。
父娘の再開
ようやく父娘の再開。
バーティメンバーを連れて娘が帰郷する。
6年近く立っても父にべったりの娘に親として、嬉しくも有り、このままで良いのかとも思うベルクリフ。
前半はそんなベルクリフとアンジェリン達バーティとののんびりと時に厳しく交流する。
後半は街道整備の件の返事を持って、娘達バーティと共に短い旅を、そして領都にて歓迎されるも、別の貴族との間の陰謀に巻き込まれ…
個人的にはベルクリフが“赤鬼”なんて大層な二つ名を、広められていたのを知ってしまったシーンのベルクリフの反応が本当に…
そりゃそうなる…大変だね…