【感想・ネタバレ】クォンタムデビルサーガ アバタールチューナーVのレビュー

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mac

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アバタールチューナー

一部ご紹介します。
・「失敗作だろうがなんだろうが、俺たちは生きてんだよ。生きてる以上、誰が何を考えて作ったかなんて知ったこっちゃねえ。
俺たちは俺たちで、できるかぎりのことを、精いっぱいやっていくだけさ」
・「データであろうと、物質であろうと、その本質に変わりはない。因果の転輪は回り続ける」
・「俺たちは無力でちっぽけな人間にすぎない。だが、これくらいは言わせてくれ。あんたたちと知り合えてよかった。
ただの兵器じゃないことを、思い知らせてくれてよかった。できればもっと別なとき、平和な時代に、あんたたちと知り合ってみたかった」
・「もし、そこにいるのなら、私と一緒に来る気はないか。私はこれから旅に出る。長く、遠い旅に。
道連れがあるというのも、いいものかもしれない。長い間あなたは孤独だった。それは、あなたが周囲を見ようとせず、心を開こうとしなかったからだ。私もかつてはそうだった。しかし、いまは違う」
「私はあなたに世界を見せたい。あなたの娘が守った世界を。彼女が愛した、人間を」
・水の上に咲く蓮花は美しい、だが、泥水の中に伸びたその茎と根は、水底で腐れた生き物の死骸に根を張り、なお美しく咲き誇っているのだ。
ここにおびただしい屍肉の山がある、その頂上で自分もまた腐っていく、しかしその自分の胸から、また新しい花が咲く。
なかば透き通った茎がぐんぐんと養分を吸い取り、水上へと運んでいく。
それに従って体はしなび、細くなり、やがて塵となって消える。
しかし花は咲く。この先も、繰り返し、繰り返し、花は咲き続ける。
・「存在を脱した者は最早因果にとらわれることなく、時と空間を超越し、あらゆる時間、あらゆる場所に、無限に現れ偏在する。
だから、調律者はどんな場所にも、どんなときにも姿を現すことができる。どんな形でも、姿でも、人でも、猫でも、悪魔でも」
ビーズ玉を貫く糸が、どの玉であろうと玉の中心を通っているように、
どの時間、どの場所にも、様々な形で常に彼らは存在した。必要なのは、ただ、選択だけだった。
「全てはここに始まり、ここに終わる。しかし終わりは、次の始まりでもある」

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2022年09月30日

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それぞれの終末。

それぞれのエンディング。

幸福であったか、不幸であったか、
生きるものが死を迎えても永遠にわからない。
主観と客観、そして時代により変化するものだから。


僕はどこか希望が残されているものが好き。
中途でどんな絶望に襲われても、最後に未来が残っているお話が。

全5巻、長丁場だったけれど
ゲームとはまた違うお話になっていたけれど

僕はこの「クォンタムデビルサーガ」

好きです。

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2012年10月14日

Posted by ブクログ

最終巻。
思えば、〈修羅〉(戦闘神)と呼ばれていた存在がその語源である〈ASURA〉(サンスクリットで「asu」が「命」、「ra」が「与える」)となる所に、その意図が刻まれていたのかもしれない。

崩壊する世界の只中にあって、〈ASURA〉も人もそれぞれの生きることを問う。〈ASURA〉達は自らが兵器――人を喰らう存在であることを認めた上で、人との関わりを通して人の生きることも学ぶ。
存在する己を問い、それを認識する事で己を再び獲得する、弁証法の通過儀礼を行っていた。
己が存在する喜びと、存在を維持するために飢えを覚えること。
生への執念から他者を傷つける人間と、それでも他者に手を差し伸べる人間。
〈ASURA〉達が多くの経験を通して獲得した、生きることの祝福と呪いの言葉を〈神〉も人も獲得する。

巻を重ねる毎に内容が深く充実していたのではないだろうか。ライトノベル風からSF小説へ。冲方丁氏が1巻の帯を書いていたことに納得。

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2012年11月03日

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ネタバレ

2011年お気に入り2位

三人→シヴァ・ヴィシュヌ・(ブラフマン)→光の王→ミトラ(弥勒)→56億7千万年後。ここの流れが美し過ぎる。4巻まででは話はゲーム版の方が優れてるかもしれないと思ったが、最終盤で一気に盛り返したよな~。

アートマに使われた神魔の選び方がとてもよかった。ゲーム版の〈ハリ=ハラ〉や〈アルダー〉もイメージには合ってるんだろうけど、如何せんマイナー過ぎる。小説はちゃんとメジャーどころを上手くストーリーに採り入れられてた。更にミトラとヴァルナが表裏一体の神だと知って、感動した。
眞だけはビミョーだったけど。エンブリオンが〈ASURA-AI〉なんだから、阿修羅退治ってことで〈インドラ〉の方がしっくりくるのでは?

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2014年03月10日

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ネタバレ

ゲイルゲイルと叫び続けて読んできた全5巻。ついに終わってしまいました…。今はただただ寂しいです。
今までの4冊の積み重ねがこの1冊でまとまって、5巻は濃い~ぃ1冊でした。

エンジェルのところが印象的でした。そしてその後P260辺りからのフレッドの話がよかったなぁ。
(エンジェルのトコロはね、ドキドキしちゃって怖くて読み止めることができなくて2時間ほど夜ふかししちゃいました。次の日辛かったヨ…;)

エンディングも、納得というかアリアリ!な感じでした。穏やかで静かで柔らかで暖かなエンディングだったと思います。ゲイルとエンジェルのやり取りもっと見たかった…!メイン3人のやり取りも気になるし、エンブリオンメンバーはたまに集まったりしてるのかな~(それともあの後…?)。だったらいいなぁ~。

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2012年01月31日

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ネタバレ

元々ゲーム版が好きだったからという理由で読んだけど、これは本当に読んで良かった。ゲームとはまた違った壮大なストーリー。
キャラクターが納得のいく最後がハッピーエンド、という作者の言葉に納得です。希望に満ちた美しいエンディングでした。
まだ自分の中で消化できていない部分が多いので、また読み直したいなぁ

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2011年10月31日

kiz

購入済み

若い神々

人間が神に等しい高等生命に影響を与えるのに違和感を覚えたけど、そういえばこれメガテンだったなと納得。シンやエンジェル、マダムなど敵役はどれも描写が薄めなのが残念だけど、ヒートは仲間思いの所がゲームよりちゃんと書かれててよかったと思う。悪魔として生きるカルマと不自由さを抱えても、生きてるなら戦い抜くというサーフたちの強い意思を感じた。それが神にも届く可能性を秘めてるのもメガテンらしい。うーん、アバチュまたやりたくなってきたな。続編はまだですかね?

#アツい #深い

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2023年07月23日

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まさかの熱いゲイルっ!!

いやぁ全員が主人公だったなぁ。急に3巻で世界観が変わってちゃんと小説ならではの集結で終決。
私的には「ゲームのアバチュ」「ドグラ・マグラ」と同時に読んでた「三体」「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」が渾然一体となりすぎて混同してたけど、他人に説明するにしてもそれらの世界観でそこまでの乖離は無いと思う。

凄いなぁ。そう言う結末に持って行くのか。

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2023年07月05日

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原作をプレイしていないのでどこまでがオリジナルなのかわからないが、国内SF史に残していいくらいの出来であった。神、人類、進化、ディストピア、カニバリズムなどのガジェットを盛り込みつつ、どの要素もうまく絡み合っている。ファンタジー出身の作者による文章は格調高く、ロウ思想に近いラストながらも爽やかな読後感だった。後半で登場する猫には「ソウルハッカーズ」のレッドマンを思い出した。

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2015年12月22日

Posted by ブクログ

最終巻。面白かったですがちょっと最後の方精神世界に入り込んだ辺りは読む人を選ぶかも。
太古の昔から偉い人は涅槃から現世に戻ってきて人々を導いてくれるって思想はわかるんですけどね…。
そしてちょっとしたエピローグは嬉しいんですが… あの3人以外は離れ離れってのはちょっと寂しいかもしれない。

中々面白い世界観でした。
又この人の作品、読んでみようかなって思います。ちょっとイケメンが出張りすぎって気もしますけどね!

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2016年05月16日

Posted by ブクログ

うむ。こういう終わり方か。さすがにゲームとは違うな、と。

わりと日本人好みの終わり方だろうとは思うけど、なんだろ、あまり悲壮感はなかったなぁ。皆が皆、納得づくで動いてたり、ある意味ちゃんとした理由付けがなされていたせいだろうか。


ラストよりも、途中で展開されたラスボスの理屈がすごくて。

えーと、女神転生って欧米で展開されてたっけか。もともとけっこうヤバ目のネタのしこんであるゲームではあるけど。アレが中立シナリオのラスボスの真とか。

この小説ではもっとひどいことしてるしなぁ。
翻訳とかされたらすごいことになりそ。

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2011年10月26日

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