時は明治末期。傾きかけた老舗呉服屋を、英国帰りの三男・星乃虎三郎が立て直す!というお話ですが、これがめちゃくちゃ面白かった!
競合の呉服屋が近代化の波に乗り、どんどん先へ進んでいくのに、虎三郎の店「三つ星」は依然として旧体制のまま。客足も遠のき、これでは未来がないと、虎三郎は英国で知り合った実業家の青年・鷹頭と二人で「三つ星」の改革を始めます。
従業員たちは、最初こそ反発するものの、虎三郎の商才と人心掌握術の上手さにほだされていきます。
初めての女性店員、下足番の廃止など、改革の内容がまた「明治」という時代をよく表していて、「ああ~これが文明開化!」という気分にさせられます。
打算か、友情か、虎三郎と鷹頭の関係も気になるところ(このあたりの描写は、さすがBLで人気の日高ショーコ先生という感じ)。
お仕事漫画が好きな人には、ぜひ読んでいただきたい。丁寧に織り込まれた時代背景と、痛快なストーリー描写に引き込まれる良作です。
感情タグBEST3
失踪していた在寅の消息がわかり、どうして彼が店の金を持ち出していなくなったのかが明らかになります。今まで周囲の期待に応えようと自我を押さえていた人間が弾けるとこうなるという見本のようでした。どこか晴れやかな在寅の姿に寂しような嬉しいような複雑な気持ちです。
一方その頃虎三郎は平瀬男爵から娘との縁談を...続きを読む勧められ……。虎三郎と時子はものすごくポジティブなので安心して見ていられます。
存寅兄さんの洋書はそういうことだったのですね。
責任感では押し潰されてしまう、、、
家が立派ならそれだけ重く縛られて、立派だけど借金があったらもちろんそれにも縛られて、女は夫に付属していなければという価値観にも縛られて、ままならないけど、その中で生きている登場人物それぞれが鮮やかです。
存寅さん、そういう事だったんですね。
虎三郎なら許してくれると思うなぁ。
縁談もどうなるのか、相変わらず続きが気になる。
Posted by ブクログ 2023年12月28日
今回は話の展開としては大きなものはなく谷の回ではあるが
次回への布石が色々と打たれている。
存寅さんのともとても気にかかる。戻ってきて欲しいと思うが
それが必ずしも幸せにつながるのかと言うとよくわからない。
卯ノ原さんのお母さんは、自分の意見をきっちり言うし
娘のこともくれて考えてくれていてとても...続きを読む素敵だ。
卯ノ原さんが女だてらに良いところで働いているのに
鼻にかけることもなく幸運だと考えているところも好きだ。
ファッションショーだってそれはそれで良いと思うが
より一層素敵な企画は飛び出ることが楽しみである。
を
次の間で明治最後の年になるらしく楽しみな反面少し残念な気持ちもする。
カラーが透明感と柔らかさがあって綺麗だった。