時は明治末期。傾きかけた老舗呉服屋を、英国帰りの三男・星乃虎三郎が立て直す!というお話ですが、これがめちゃくちゃ面白かった!
競合の呉服屋が近代化の波に乗り、どんどん先へ進んでいくのに、虎三郎の店「三つ星」は依然として旧体制のまま。客足も遠のき、これでは未来がないと、虎三郎は英国で知り合った実業家の青年・鷹頭と二人で「三つ星」の改革を始めます。
従業員たちは、最初こそ反発するものの、虎三郎の商才と人心掌握術の上手さにほだされていきます。
初めての女性店員、下足番の廃止など、改革の内容がまた「明治」という時代をよく表していて、「ああ~これが文明開化!」という気分にさせられます。
打算か、友情か、虎三郎と鷹頭の関係も気になるところ(このあたりの描写は、さすがBLで人気の日高ショーコ先生という感じ)。
お仕事漫画が好きな人には、ぜひ読んでいただきたい。丁寧に織り込まれた時代背景と、痛快なストーリー描写に引き込まれる良作です。
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匿名
着物
和装と洋装が入り交じった御維新後の日本が舞台。老舗の呉服屋星乃家三男坊が英国での留学を終わらせて帰国。常に背中を押してくれていた長男が社長となり、取り仕切っているはずの家へ帰宅すると。。。絵が綺麗で時代背景も解りやすくく、ページをめくる手が止まらなかったです。
テンポよし
ずっと読みたいと思っていたのですが後回しになっていたこと
に後悔しました。絵もいいし、着物姿の男性らがイキイキ描かれてます。
ミステリー要素もあり今後楽しみです。
Posted by ブクログ
明治が舞台。
老舗の呉服屋だが経営難に陥っている三つ星を、
英国で色々学んで帰国した三男・星乃虎三郎が立て直しを図る物語。
絵も綺麗だし、単純にのし上がっていくのではなく苦労や人間関係の描写も丁寧でとても良い。
現代から見れば、折角の建物をなんでかんでも洋風にすれば良いわけではないので
建て直しはやめて欲しいと思ってしまうところではあるが。
初めは虎三郎よりで読んでいたが、確かに大変な時期にいなかった人間がいきなり帰ってきても
受け入れられないのはそれはそうだ。
だが「たかが手代が星乃家の者に軽口を叩くな」というのも正しい。
鷹頭が説明もしてくれないのは困るが
そうしてでもやりたいことをやる、迷う前に動く、
立ち止まらないというのは、ビジネスパートナーとしては有り難い存在だ。
必要な女性店員の候補を集めておいてくれる有能さは勿論のこと、
「選ぶのは俺で決めるのはお前だ」という台詞も痺れる。
そういう時代とは言え、卯ノ原さんが女学校を出ていて背も高くて
頭も小さくて、頭が良くスタイルも良いということだろうに、
着物が寸足らずで嫁の貰い手もない変な娘扱いされるのは心が痛む。
女の癖に役者をやったり店員をやったり出しゃばり、
と男性陣が休憩中話しているのもうんざりだ。
時代のせいかと言うと、現代でも目立つ女を生意気、でしゃばりという男はたくさんいる。
存寅さんがいなくなるという衝撃の事態にも
「手間が省けた」と言う鷹頭が流石だった。
どんな展開になっていくのか、非常に楽しみ。
匿名
面白い
主人公の星乃虎三郎は日本橋にある老舗呉服屋の『三つ星』の三男である。
虎三郎は三年前にイギリスへ本場のデパートメントについて学びに行き久しぶりに日本橋に帰ってきた。
三年前と違い街には西洋建築の建物が増えていることに驚いていた。
そうやって洋館に変えていかないと客が来ないからであるが実家である三つ星は相変わらず日本式の古い店舗で商いをしていた。
店舗に入ると何故かよどんだ空気が虎三郎を迎える。
番頭の五百雀が呆れた顔で嫌味を言うが虎三郎は頓挫した新店舗を完成させて新しい三つ星を作るという仕事をこれからすると言い放つ。
その後虎三郎は兄で現当主である存寅に会うが彼の様子がおかしい事に気づき始める。
そして虎三郎はイギリス時代の知り合いである鷹頭玲司に連れられて来たのは三階建ての洋館の新店舗の三つ星だった。
そこで新しく雇う女性従業員の面接をしてほしいと言われるが……。
展開が読めないけどとてもワクワクできるストーリーだった。