【感想・ネタバレ】ペリリュー ─楽園のゲルニカ─ 3巻のレビュー

第二次世界大戦時、ペリリュー島は日本軍にとって大切な軍事基地だったそう。「楽園のような南の島が昔は戦場であった」そのことは史実として知っていましたが…。
主人公は漫画家志望でありながら、兵士になってしまった気の弱い青年。 武田一義先生のホッコリとした絵柄はとても親しみやすいのですが、それが戦場という悲惨な場所とのコントラストを強めている感じがしました。
日を追うごとに減っていく食糧、日本とは違う温度と湿度。なんとしても敵を攻撃しようとする上官、そして戦友たち…極限の中での人間関係の描写が胸に刺さります。
読後は「あ~、現代日本に住んでてよかった…」と思うこと間違いなし!ホント平和が一番!!

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Posted by ブクログ

先の大戦におけるペリリュー島防衛戦を描いた作品の第3巻。すでに日本軍の守備隊は壊滅しており、生き残った兵士たちは、ただ生き延びるためだけの戦い(水と食料の確保)に明け暮れる。そして司令部は玉砕を決断し、トップ以下は自決。主人公たちはすでに本隊からはぐれているため、まだ「戦い」は終わらない…。
ちなみに表紙の桜は、電文で玉砕を表す隠語「サクラ」に由来している。

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2017年07月29日

無料版購入済み

太平洋戦争の漫画

かつて日本がアメリカやソビエト、中国などと戦争をしていた頃の話。
敗戦が濃厚となってもなお、戦い続けることを命令された日本兵のドキュメンタリー。
3頭身キャラで描かれた戦争にリアル感はないけど、
その表現された演出の数々にリアリティーを感じる。
降伏することも許されず、玉砕することさえ許されない狂気の世界。
南の美しい楽園の島で、何を守るために、何のために、何を敵と呼んで死んでいったのか。
学校の教科書では教えてくれない戦争の歴史が書かれている。

#泣ける #切ない #ドロドロ

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2023年08月04日

Posted by ブクログ

「サクラサクラサクラ」ということで、表紙も桜。
まさか3巻でペリリューの戦い終結(11月27日)を迎えるとは思いもよらなかった。

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2022年08月06日

Posted by ブクログ

ついさっきまで話していた仲間があっという間に亡くなってしまう。
巻頭では元気に話していた人が次々と死んでいく。
これが戦争なんだと痛感しました。

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2022年05月30日

購入済み

生きても地獄、死んでいくのも…

玉砕、の二文字は死を美化している。そんなのただの無駄死にだ。でも、それが命令される。不条理だ、理不尽だ。そんな時代を祖父母たちは生きていたのだ。

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2021年12月28日

Posted by ブクログ

開戦から74日、天皇陛下からの「御嘉賞」は11回という異例の多さを誇ったペリリュー島の守備隊も、組織的な戦闘を終えます。
「玉砕」という勝ち目のない突撃を命じられ、効果を上げることなく死んでいった兵士たちも悲劇ですが、「玉砕」すらゆるされずに補給もないまま「持久戦」を強いられ、病魔に苦しみながら戦う兵士たちもまた悲劇だと強く感じます。
むしろ、本部の指示系統から離れて一日いちにちをひたすらに生き抜こうとする者たちの方が、”解放感”があるように描かれていると感じます。

いずれにせよ、戦争という行為の恐ろしさや、国際法にもとづく「降伏」という手段を決して認めず、理論的に思考せずに困ったときには精神力で解決しようとする日本軍の体質が、本来であれば生まれることのなかった被害を生んでいるように感じてなりません。

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2020年07月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

美しい表紙は玉砕の電文。

7巻まで読んでから戻ってきてるので、もう泉くんの姿に涙が止まらないよ。島田の決意、優しさ、漢気。そうだよね、泉くんはそこに憧れて惹かれて尊敬してたんだよね。

イマイチ小杉がわからんが、彼には彼なりの哲学みたいなものがあって、彼なりに最良を選んで生きてるんだろうなあ。

吉敷くんは、なんか本当に頼りになるし強いけど、どこか脆くて、でも素直で本当にいい奴。

鬼畜米兵か。仲間を焼き払って、爆撃で殺して。だから日本兵はあんな風に死体を、あんな。ああ、戦争なんて本当に嫌だ。本当にクソだ。

本巻はついにさくらさくらの玉砕。Wikiのこの部分も本当に熾烈。この数ページのコマの紹介で私はこの漫画に出会えたので、本当に印象深い。
死ねることを喜ぶのだ。もうようやく終わると。国と家族のために、そうやって死んだのだ。

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2019年12月27日

Posted by ブクログ

ネタバレ

たまに
これ戦争だよな?
と思うほど平和な空気が流れるのだけれど
現実に引き戻される
戦争が日常で
日常が戦争

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2019年05月31日

Posted by ブクログ

借りたもの。
表紙の桜は最後に玉砕を伝える電文「サクラ」を暗示するものだった。

洞窟で火炎放射器で一掃される負傷兵。
自身の死後、家族に恩給が支払われることを望む。
補給も退路も用意されず(できず)、本部からは玉砕も許されず……
極限状態で死を望む空気が蔓延する。

燃料も食料も、医薬品もあらゆるものが底を突き、万策尽きた机の上。
暗い壕内には他に誰もおらず、黒くシルエットだけになった大佐の姿。目だけが白く浮かび上がって見える。
周りには蝿が飛び交い、描くことができない血と膿と腐臭がすることを感じ取る。
その死が近いことも……

大佐の慟哭は何であろうか……
国のためという大義名分ではなく、単純に「敗北」という無念だと思った。
無念…敗北という「失敗」を認めたくない、認められないという理由だっただろうか?おそらく当時の空気感はそうではなかったのだろう。
機密保持だけでなく、誰のせいにもできないことが解っているから自害するのだろうか?しかしそれは今となっては無責任となってしまった。

見せしめとして屈辱的な姿にされたアメリカ兵の遺体。
その遺体が持っていた薬によって命を繋ぐ、その皮肉。

単独行動をしていた小杉伍長は洞察力に優れ要領がいい…
彼が最善の行動を取っているともいえる。

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2019年01月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

話題になってるのは知ってたんですが、
どうにも読むのは避けてたんですな・・・。
書店で桜満開の3巻のこの表紙を見て思わず
購入して読みましたよ・・・

「お 終わり・・・ じゃ じゃあ もうっ 俺たち 死んでもいいのか・・・」

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2017年08月07日

Posted by ブクログ

戦争モノの漫画は積極的に読むことにしているから、本作もマストか、と。ただ、著者の絵がイマイチ苦手なので、どうかな…とも思いながらトライ。3巻までひとまず読んで、悪くないけど凄く好きでもない、みたいなところ。でもこれは最後まで読みますけど。

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2022年02月01日

Posted by ブクログ

悲惨な状況が、更に続く。衣食住が足りてこそ人間性が保たれるのだろう。戦争は、異常事態以外の何者でもない。してはいけない。

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2020年11月14日

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