【感想・ネタバレ】蟲師(2)のレビュー

見慣れた動植物とはまるで違う、生命の原生体に近いもの。
「蟲」と呼ばれる異形のものは、形や存在があいまいで、誰にでも見えるものではない。
そして、時に「蟲」は、ヒトと…ヒトの営みに作用する。
これは「蟲」とヒト、そしてその間に立つ者「蟲師」のお話です。

雪夜に耳を病む者が出る村(1巻)、生き神のいる島(3巻)、
天の糸を掴んで姿を消した妻(6巻)、死が伝染する里(8巻)など
数々の奇妙な現象、様々な特質を持った「蟲」と人々の様子が描かれます。
また、作品内の時代設定ははっきりとはしません。
登場人物のほとんどが和装に身を包むものの、主人公である「蟲師」のギンコは洋装です。
産業革命による機械文明とは無縁に、農業や漁業に従事する村里が広がっています。
定かではない時代設定において、摩訶不思議な「蟲」や人々の生き死にを描く『蟲師』という作品は、
どこでもない、あるいは彼岸でもあり此岸でもあるような、あいまいな世界の感覚をもたらします。
それと同時に、作品全体を取り巻く静けさ、妖しさに心惹かれてしまうのです。

幽霊や妖怪といった異形異類の存在を語る怪談や伝承に惹かれる方は、ぜひ読んでみてください。
民俗的で、幻想的な魅力漂う作品です。

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感情タグBEST3

匿名

購入済み

1巻に比べてそれぞれの話にまとまりができて、読みやすく面白くなった気がする。
主人公のギンコの何とも掴みどころのない感じが好き。
でもって基本的に優しいのがまたいいよね。

#切ない #怖い

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2024年01月25日

匿名

ネタバレ 購入済み

面白い

生き物と時間の話は印象的。
1日1日、1刻1刻、心を澄ませば
もっと大事に、いろんなことに気づけ、感謝出来るのかも。
ワタヒコを読むと、蟲師って大変な役割だ。
1度一緒に時間を過ごすし、直接的な害もないと、人間にとって割り切れなくなる反面、別の目的を持つ生物が同じように感じてくれるわけでもなく。

#エモい #ドキドキハラハラ #深い

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2023年10月13日

購入済み

怖いが美しいと思える

一度読み始めると止まらなくなる。
怖いが美しいと思える作品です。
基本的には一話完結タイプなので、どの話からでも読めます。

0
2022年02月06日

購入済み

名作

人間の複雑な心理の描写もうまく面白い。
物語も短編なのに濃密で情報量多く飽きない。
昨今の漫画にはない奥深さ。

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2021年12月24日

ネタバレ 購入済み

蟲と共存する者がいれば、私利私欲のために蟲を利用する者もいる。反対に、人間を利用する蟲もいるわけで…。ギンコの住む世界は、美しいけど残酷です。そして、そこに惹かれます。

#エモい #深い

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2022年09月28日

Na2

購入済み

「やまねむる」収録巻

私は『蟲師』のお話の中でも「やまねむる」は5本の指に入るくらい大好きです。
そこで暮らす人々と山との関わりや主人公ギンコが普段は表に出さない真情の吐露など、見所ばかりなので必見です!

そして「筆の海」では、他の蟲師が『蟲』をどう見ているかが垣間見えるお話で、ギンコと同じ『蟲師』でも人によって『蟲』への見かた・接し方が大分違うのだという事が窺い知れます。
では何故ギンコは“今”の様な考え方になったのだろうなど色々と考えさせられるお話です。

#切ない #深い

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2021年07月01日

ネタバレ 購入済み

蟲と蟲師

昆虫や小動物とは違うもっと生命の源流に近い蟲。
『みどりもの』とも呼ばれるそれらを取り扱い、各地を旅する蟲師の男、ギンコを主人公にした漫画の第二巻。

『やまねむる』
旅の途中に通りがかった山で出会った老人は、蟲師でありながら『ヌシ』として生きていた。
その老人の最期と彼の弟子との物語。

『筆の海』
禁種の蟲を体に封じ込めた蟲師が時たま現れる家系に生まれた女性が、蟲のことを書き記しながら紙に虫を封じ込めるお話。
『露を吸う群れ』
荒波に囲まれた断崖絶壁の小島で生き神として祀られる少女と、彼女をそんな境遇から助けたい少年の物語。
『雨がくる虹がたつ』
虹を見ると見境なく騒ぐ父を持ち、自らもそれにとらわれて旅をする男のお話。
『綿胞子』
婚礼の最中についた緑のシミのせいで生まれた子供はよくわからない緑の塊となってしまい、やがて子供の姿になるが人の理とは明らかに違う生き物となる、それらをめぐるお話。

蟲に関わるとよくも悪くも人生が大きく変わる。
それを業として受け入れていくほか方法がないのは見ていてやるせない。
昔から言い伝えられているようなものを、独自の観点で描く作者の想像力、それを絵として表現する描写力は相変わらず圧倒される。



#切ない #エモい #深い

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2021年04月26日

購入済み

文字の持つ魔力

底知れぬ不気味さをたたえながら表面上はそれほどホラーでもグロテスクでもない傑作である。
あちらこちら旅をする主人公を描いた連作短編集の形態をとっているため、全体のストーリー構成を気にすることなく一つ一つの短編に注力できるのが良い。第一巻冒頭の作品もあったが中島敦の文字禍を少し思わせるような「文字の持つ魔力」を扱った話が印象に残った。

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2020年08月05日

購入済み

独特の雰囲気、世界観にどっぷりはまれる作品。
「やまねむる」で人と自然と蟲との関係について考えさせられる。
「綿胞子」では蟲の生き延びる力にゾッとさせられる。

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2020年05月06日

匿名

購入済み

湿った空気

この巻は水が出てくる回が多く、全体が湿った潮気に覆われている。そういう質感を描くのが最も上手い作者だと思う。この漫画は、生きものの生活に根差している。他の漫画とは一線を画しており、こんな読み心地の漫画は他に探してもなかなか無い。頭の中も心も様々な情報でいつも渦巻いてしまう、そんな人に一度は読んでもらいたい。

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2020年01月24日

Posted by ブクログ

ハッピーエンド!というすっきりした終わり方はほぼないのですが、やはり独特の雰囲気や余韻にはまります。 ギンコだけ洋服なのがまた不思議でいい感じ。綿胞子の話がつらかったなあ。

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2016年11月14日

Posted by ブクログ

蟲師を初めて読んだけど、無茶苦茶面白いね。唯単に不可思議なだけではなく、自然と生きる人の姿がそこにあり、そこにとても憧れる。

綿胞子が好きです。

怪奇現象、妖怪、蟲、鬼、奇譚、神話、妖、物語など…この手の話は面白い。興味が尽きないね。

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2016年03月26日

Posted by ブクログ

読んでいる間、独特なこの蟲師の世界にどっぷりと浸っていられるのは至福の極みです。
特に、筆の海と、綿胞子のお話が美しくもおそろしく、とても好きです。
原作はアニメとはまた違った味わいがあっていいですね。

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2014年01月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

全巻通して、ぶっちぎりで一番好きな話が「筆の海」。

ただ淡幽が好き、というか、ギンコと同じ方向を向いて”今を生きている”キャラクターである淡幽の存在感が、やはり群を抜いている。

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2012年11月09日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いつぞやアニメ化した時はクオリティの高さや声の違和感0度に万歳しまくっていて、いざ映画化されたら………


あそこまで世界観を台無しにしてくれた実写映画は他に知らない。
最初から最後まで展開についていけず、突っ込みどころ満載で漫画の感動を返せ!!!と帰りの車で騒ぎまくった映画なんて、今のところあれだけだ。
無理矢理一話にするんじゃなく、短編集映画にすればもうちょい違ったろうに。
だいたいあれじゃ鬼太郎だ(笑)


今回はそんな蟲師のお話。

【蟲師】
漆原友紀 著

二巻の表紙にした理由は、二巻があまりに濃いから。映画では完璧な恋人扱いだった(ここ突っ込みポイント)淡幽の話や、映画では旅のパートナー扱い(ここも突っ込みポイント)虹郎の話が入っているから。
ではなく、あくまで個人的趣味に走ってます。

二巻の一話目である「やまねむる」
がアニメでも漫画でもいい仕事をしているからです。

まず題名になっている蟲師という職業ですが、幽霊とかとはちょいと違うけれど、見ることができる人は素質がある人だけで【蟲】を研究したり退治したりしている人達のこと。
主人公のギンコもそんな蟲師の一人。
ただ、蟲を寄せ付けやすい体質であるため、一カ所に長くとどまっていることはできません。
ヘビースモーカーですが、あれは蟲タバコと言って、蟲を追い払うために普段吸ってます。
それ以外の意味でも吸ってるだろうけど。

蟲についての説明は、一巻でギンコさんが詳しく説明してくれています。(ロリコン疑惑を付随しながら)


さて、なぜ「やまねむる」を選んだか。
それは冒頭にギンコさんがずぞぞぞとそばを食べるシーンがあり、そのシーンが可愛くて(笑)
アニメでは五回くらい連続で見直した気がする。連続じゃなければもっと。
え?そこ?とか突っ込み入れない。

ギンコさんは普段けっこう淡々としている感じですが、この話は特別キレてます。熱い男ギンコ!!
キレてるところも何度も見直しましたよ、もちろん。

そして最後、またいつものギンコさんらしい感じにはなるものの、どこか……と、色々な表情を見せてくれてお得感があるから!!です。


蟲師は明るい話もあれば、ダークすぎる話もある。中には気持ち悪い話もある。この二巻だけ読んでも十分伝わると思います。
ギンコさんはたいてい干渉していても結末が第三者ってこともしばしば。
全ての話がハッピーエンドで終わらないのが、この蟲師の良いところなんだろうなぁ、きっと。

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2012年01月18日

Posted by ブクログ

初期のギンコは猫っぽいんだよね。だんだん犬化する。
漆原さんの優しい色遣いが好きだ。表紙の紙も和紙みたいな手触りで優しい。

「やまねむる」
ヌシを殺して成り代わり、蟲に殺され成り代わられる。因果応報の話。そうなるしかないと分かっていても、切ない。

「筆の海」
どこへも行けなくても、自由か不自由かは自分で決める。

「露を吸う群」
生きものはみんなそれぞれの時間を持っている。寿命が短い生きものが生きている時間は、恋のようなものなんだろうか。何度経験しても、何度同じ道を辿っても、特別に感じられる。恋のようなものなんだろうか。

「雨がくる虹が立つ」
蟲に魅了された男の息子の話。

「綿帽子」
情ってのは厄介だよな。人から正気を奪って、操り、人を生かす。

最後の
「不可解な生きものだ」
「いいからお前もう寝ろよ…」
の会話がツボに入って好きすぎて困る。別に困らないけど。

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2011年11月18日

Posted by ブクログ

「筆の海」の淡幽とギンコの会話がすごくいい。言葉も少なくて静かな場面だけど、交わす一言一言から二人の気持ちが静かに伝わってくきます。
どのエピソードも良いですが「やまねむる」「綿胞子」が蟲と人とのありかたを考えさせられて、印象に残りました。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

やまねむる
筆の海(ふでのうみ)
露を吸う群(つゆをすうむれ)
雨が来る虹がたつ(あめがくるにじがたつ)
綿胞子(わたぼうし)

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

蟲、と呼ばれる異形のものと、ヒトを繋ぐ蟲師ギンコの話(って説明が難しいなあ)。独特の世界観と、色使いが好き。特に「筆の海」の淡幽が好きなので二巻を。

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2009年10月04日

ネタバレ 購入済み

怖いくらい

不思議なお話がたくさん。
なんとなく民話のような雰囲気があり、怖いほど繊細な描写がたくさんあって美しい。

#深い

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2022年04月15日

ネタバレ 購入済み

面白いです

主人公は同じですが、基本的に一つ一つの話が独立していてオムニバス形式に近いです。
どの話も物悲しいラストが多いですね。
ハッピーエンドじゃないと嫌だという人以外は楽しめると思います。

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2020年06月02日

Posted by ブクログ

一巻で感じた蟲を「生き物」として扱うこと、そしてこの二巻を読むことで、これは共生の物語なのかなという気持ちを強くした。それは「筆の海」の話ではっきり示したし、初めて蟲を滅しにかかった「綿胞子」でも最終的にああしている。ひとつのテーマを様々な形で描くことはなかなか難しい。それをきちんとこなしているのが、人気作たる所以かもしれない。

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2012年08月28日

Posted by ブクログ

筆の海っていう話が特に好きです。
あとがきの、収録されている話のそれぞれをまとめた絵がかわいらしくて好きです。いつも楽しんで見ています。

怖いし気持ち悪いしと思うこともあるけれど、それに済ませることはできない良さがあります。
今まで読んだことのなかったタイプの漫画です。

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2010年09月04日

Posted by ブクログ

1.やまねむる 2.筆の海 3.霞を吸う群 4.雨がくる虹がたつ 5.綿胞子の5話を収録。
すごいなあ、どっからこんな話思いつくのだろうと思わされる話ばかりです。「筆の海」とか。個人的には、虹の話が好き。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

コレに収録されている「筆の海」という話がとても好き。動かない黒色の右足を持ち、蟲封じの秘書の「狩房文庫」を守る淡幽という娘の話。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

淡い幽玄の住人達の幻想生態観察記。
第二集収録作:「やまねむる」「筆の海」「露を吸う群」「雨がくる虹がたつ」「綿胞子」
和風異世界散策を好む方や、ファーブル昆虫記に夢中になった少年時代を持つ方にオススメ。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

“「………… お前も 蟲師か」
「蟲の話 集めてんだろ? 協力すれば 「狩房文庫」 閲覧できると 聞いたんだが」
「……悪いが 帰ってくれ
蟲を殺す話は もう たくさんだ」
どさっ
「じゃ 殺さねぇ 話しな あ―― そっちの方が 随分多いな」
「いや それでは 役に――」
「え―― まずは 黒子を食う 蟲の話」
「…… 黒子?」
「ん 何か 今 言いかけた だろ」
「……いや いい 話してくれ 蟲の話……」”

「やまねむる」
ムジカーー。悲しい。
「筆の海」
「露を吸う群」
蟲を選んだ女の子。
「雨がくる虹がたつ」
珍しくおっさんがメイン。
「綿胞子」
ちょっぴり薄気味悪いかも。

“「なぁ ……ギンコ と言ったな」
「ん」
「あんただって 何か目的があって 旅してたんじゃ ないのか
何故こんな…… 通りすがりの者に 手を貸す」
「だから 俺も それ 見たいだけ だよ」
……特別 目的があって 旅してるわけじゃ なくてな…… でもまぁ…… ずっと 虹蛇<こうだ 探してるわけにも
とりあえず 俺は…… そうだな 立秋までに 見つからなきゃ 手を引くよ そういう 契約なら いいだろ?」”

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2010年04月11日

Posted by ブクログ

見慣れた動植物とは違う「蟲」というものをテーマに描かれている漫画です。次々と新しい「蟲」がでてくるこの作品。第2巻では「筆の海」や「雨が来る虹が立つ」などの5話。物悲しいような、懐かしいようなそんな気持ちにさせてくれるマンガです。

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2009年10月04日

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