【感想・ネタバレ】蟲師(10)のレビュー

見慣れた動植物とはまるで違う、生命の原生体に近いもの。
「蟲」と呼ばれる異形のものは、形や存在があいまいで、誰にでも見えるものではない。
そして、時に「蟲」は、ヒトと…ヒトの営みに作用する。
これは「蟲」とヒト、そしてその間に立つ者「蟲師」のお話です。

雪夜に耳を病む者が出る村(1巻)、生き神のいる島(3巻)、
天の糸を掴んで姿を消した妻(6巻)、死が伝染する里(8巻)など
数々の奇妙な現象、様々な特質を持った「蟲」と人々の様子が描かれます。
また、作品内の時代設定ははっきりとはしません。
登場人物のほとんどが和装に身を包むものの、主人公である「蟲師」のギンコは洋装です。
産業革命による機械文明とは無縁に、農業や漁業に従事する村里が広がっています。
定かではない時代設定において、摩訶不思議な「蟲」や人々の生き死にを描く『蟲師』という作品は、
どこでもない、あるいは彼岸でもあり此岸でもあるような、あいまいな世界の感覚をもたらします。
それと同時に、作品全体を取り巻く静けさ、妖しさに心惹かれてしまうのです。

幽霊や妖怪といった異形異類の存在を語る怪談や伝承に惹かれる方は、ぜひ読んでみてください。
民俗的で、幻想的な魅力漂う作品です。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

大好きです。当時は映画も観に行ったっけな。
監督は大友克洋で、ギンコはオダギリジョー。
それでも原作には程遠い完成度で残念でした。
仕方ないよ、この世界観や設定は再現不可能。
漂う仄暗さと、隣り合わせの闇、大きな何か、
流れるままただ淡々とそこにあり続ける現象、
なす術もなく彷徨う心、突き動かされる衝動、
現実にありそうでなさそうな、不思議な世界。
読む毎に静かに身体中に染み渡るようでした。
なんとも言い難い感情になる。好きだなあ。。

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2023年08月20日

Na2

購入済み

そしてまた“彼”は旅に出る──

遂に終幕です…!
(その後に出た短編も知っているけど)ギンコの旅路を追えなくなるのは悲しいです…。

『鈴の雫』でのギンコがヌシに向けて言う台詞、初めて読んだ時は彼が「何故そう思ったのか」がよく分からなかったのですが、9巻の『草の茵』を読み返して何となく理解できました。
きっと彼はずっと子供の頃の事を心の奥底に引きずって生きてきたのでしょう。
その事が、この山のヌシに逢う事で少し晴れた(スグロに言われた事を実感した)のだと感じました。
とても『蟲師』らしい最期だったと思います。

#泣ける #切ない #深い

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2021年07月03日

Posted by ブクログ

最終巻。香る闇はじわじわ怖かった。ヒトのヌシの話も。まだまだ続きそうな雰囲気で終わってしまって、さみしい。

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2016年10月18日

Posted by ブクログ

今までは漫画でも本でもせっかちに読む癖があったのですが、この漫画を読むようになってからゆっくり読むことの楽しみを知った気がします。

登場人物がギンコと別れるときってこういう感じなんだろうなぁ と感じた最終回でした。
またゆっくりと読みたいです。

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2013年08月15日

Posted by ブクログ

未レビュー消化。蟲を排除するもの、利用しているもの、ただ共生しているもの、この10巻という期間の間に様々な蟲という命と等しい存在との接し方を描いていて良かった。
 気に入ってる話は5巻の山抱く衣。土の上で生き、土で育ったものを喰らう人々の人生をうまく描いていた。土にも故郷はあり、そこに帰ろうと思うなんてとてもロマンチックだなと思いました。

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2013年01月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

「鈴の雫」のラストシーンでは鳥肌がたった。
これは多分一生忘れられない感覚、感動だと思う。

切ないのに、美しくて優しいのです。

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2012年11月09日

Posted by ブクログ

1巻にするか10巻にするかで10巻にしました。

コミックの中で名作だと挙げる1つ。
1年に1冊しかコミック出さないので10年かかって最終回です。
その間、アニメになりオダギリジョー主演で映画にもなりました。

正直、映画はチョットでしたが・・・
日本に生まれて良かった。と思える日本昔話風ファンタジー作品

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2011年04月09日

Posted by ブクログ

私の中のたまに読むと本当良いシリーズの一つ。

ギンコ大好きです。

なんとまぁ叙情的な…日本の原風景バンザイって感じです。

この漫画の影響で私は熊野に行きましたから。

10巻とゆー調度良いボリュームも良し。

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2010年07月07日

Posted by ブクログ

終わってしまった…。

この世界観、とても惹かれます。

大概のお話が不条理で終わるのも魅力かと思うんですが、6巻の「天辺の糸」の幸せな終わり方にもジーンときました。

人と人外の交流というのがものすごく好きだー。

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2010年10月20日

Posted by ブクログ

表紙の絵と装丁に魅せられて手にした1巻から新しい話を読む度に、どんな風にこの話は終わるのだろうかと考えながら、旅を続けるギンコが何か蟲の世界から形がなくても得るものがあって欲しいと願っていた覚えがあるのだけれど。最高の終わり方でしたね。

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2010年06月14日

Posted by ブクログ

ギンコと「蟲」の物語、ここに終結。

ずっと昔から続いていて、子どもの頃から見てきたような、懐かしい作品。
この巻で終わりだけど、終わった気がしない。

「サザエさん」並みに続けばいいのに、と残念がってしまうほど、日本らしい漫画だなと。
この世界観は、日本でしか生まれ得なかった。そう考えると、昔から伝わってきた物事、日本の山や緑の大切さが身に染みる。

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2010年01月25日

Posted by ブクログ

【最終巻】
大好きだった蟲の世界。
いつか別れがくるとは思ってたけど
もう少し長くこの世界に浸っていたかった。
最初に読んだときはこれで終わるの気付かなかった。
いつまでも大好きな作品。

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

とうとう降幕してしまいました、蟲師最終巻です。ギンコの行く末をもっと見たかったのになぁ…どこかでまた会える日を楽しみにしています!

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

完結。

物語は作者の手を離れ、読者の数、読者が思いつく数だけギンコは仕事をこなしていくでしょう
お疲れ様でした。

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2009年10月07日

Posted by ブクログ

この世界観はホントに素晴らしい。
本としては完結してしまいましたが、
この世界は私の中にしっかりと生き続ける様なステキな作品です。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

1~10巻まで読み終えたので、こちらに感想をまとめます。
大変面白かったです。ハッピーエンドなんだかバッドエンドなんだかわからない、なにか割り切れないストーリーも独特で面白いのですが、蟲師の魅力はなによりもこの世界観そのものだと思います。原初的で、常識ではとても考えられないような奇妙な生態を持つ『蟲』たちの存在を中心として語られているのに、不思議と納得できるというか、一度として見たことなんかないのにどういうわけか懐かしいような、何故かはわからないけれど、「こういうことを知っている」といった感覚を、少なくとも日本人ならば多くの人が感じるのではないでしょうか。山や河、海、土、雲、闇…そういうものの中には何かがあって、それは我々人間がどうにかできるようなものではない。人間には立ち入ってはならない領域というものがあり、その禁を犯した者はどうなるかわからない。科学や理性の力などではとても説明しきれないなにかというものは、やはり確かにある…というような、直感、なにか大いなるものへの畏れ…。そういうものが、『蟲』の形となってこの物語たちを動かしていて、だからこそ独特な魅力を放っているのだと思います。
どの話も好きだなあ。『綿胞子』、『山抱く衣』、『野末の宴』、『隠り江』、『常の樹』が特に好き。『水碧む』や『鈴の雫』も好き。いや、どれも甲乙付けがたい! この世界観に触れられて、本当に良かったと思います。満足しました。

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2015年11月23日

Posted by ブクログ

最終巻。

遠い昔の話のような、今も近くで起こっている話のような、そんな不思議さを最後まで貫き通した蟲師最終巻。
ギンコはやっぱり不思議な人物のままでした。
続きもっと読みたいけれど、これで終わりなのが残念。

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2015年07月11日

Posted by ブクログ

 ブームの時には読まず、今更全巻一気読み。
 これはすごい。
 長編大河ロマンになってもおかしくないのに、1話1話が抑制された掌編になっている。すごいよ。圧縮。
 ギンコが完全な狂言回しに徹しているところも好み。
 現代の昔話なのかもしれないね。

 個人的にちょろっと気になるのは、蟲というものが人には見えない(見ない方が良いとされている)世界なのに、登場人物たちが「蟲師」と名乗って話が通じてしまうところと、ギンコが明らかな異形(白髪緑目隻眼)なのに、簡単に受け入れられるところ。
 私がギンコ自身の痛みを感じることがないところ、かなぁ。

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2013年02月11日

Posted by ブクログ

10巻まとめて大人買いして、続けて読んだ。この世界、いいな。ちょっと昔の日本が舞台なんだけど、そこには蟲と呼ばれる普通の人には見えないものが生きていて、それが原因で人が病気になったり、不思議なことが起こったりする。その蟲が見え、それに対処できる人が蟲師。その蟲師の一人ギンコが旅するその先々で出会う事件を短編形式で書いたシリーズ。

シンプルな絵に加えて淡々とした話で、じわ~っと染み込んで来るような漫画だった。10巻それぞれにいい話が収録されている。短編集なので、1巻から10巻まで特に続けて読まなくても、という感じだが、続けて読むと所々に出てくるギンコの生い立ちが繋がっていいかも。

ギンコが定期的に関わりを持っている人物が数人いて、そのどれもがいい感じに繋がっているのもいい。

10巻完結だが、確固とした終わりがあるわけではない。

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2012年04月22日

Posted by ブクログ

ネタバレ

蟲師のシリーズ最新刊で、最終巻。
空想的で美しく、おどろおどろしく懐かしい独特の世界の
続きがもうないと思うと淋しい。

最終話は、
人の身で山のヌシになってしまった少女、カヤの話。
言葉をなくし、記憶をなくし、ヌシとして生きるカヤだが、
ひょんなことから元の家族のもとでしばらく暮らすことになる。

その間に山は荒れ、カヤはヌシとして山に戻ることを選ぶが、
家族を思う気持ちを取り戻したカヤは、山とひとつになれず、
ヌシとして不適合だと判断されてしまう。

ヒトは山からはなれて生きて行くだろうと語る山の意思(神々?)に対して、
カヤをかばうギンコは、ヒトは山と離れて生きることはないと語る。
でも最後には、カヤはヌシとしての役割と、命を同時に奪われてしまう。

なんともいえない余韻……

最後の最後で説教くさくなってしまったことと、
一度もなかった、現実の世界とのリンクをつくってしまったことが惜しい。

家族を思う気持ちはヒトだけのものじゃないだろうけど、
それをいうのは野暮なんだろうな。

「個」として生きるか、「全体の中のひとつ」として生きるか。
後者を受け入れられないからこそ、ヒトがヒトである理由なのかな。

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2011年07月13日

Posted by ブクログ

なんやかんやしているうちに、完結してしまいましたね。
こういう、最終的な目的がないものって何故だかあまり読まないので(大ボスを倒す、何処何処へ辿りつく、何かを探して集める…とか)、少し違和感や不完全燃焼な感じがしますが、でもこういうのはいいなって思えました。

「常の樹」が好きです。
自然と人間の関係…。

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2010年09月15日

Posted by ブクログ

すごく奇麗な漫画。漫画でなくても絵が吸い込まれるようなものになると思う。表紙が更に奇麗。アニメは当たり。

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2010年07月26日

Posted by ブクログ

他人に見えない衣を着せられて育った少年。
大きな杉にとりつかれた男。
何かを忘れているような気がする男。
人でありながらヌシに選ばれた少女のかなしくうつくしい物語。

え・・・これで最終巻なのですか?
それは、すごく残念。

この世界を維持していくのはたいへんだったろうと思います。
いつかまた読めることを願いながら、さようなら。

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2010年04月11日

Posted by ブクログ

最初はアニメを見て、美しい絵と独特な世界観と雰囲気に惹かれてはまりました。原作マンガのほうもかなり魅力的で、少し怖いシーンもありましたが、いい作品だと思います。第10巻でピリオドを打ったのは残念だったけど、収録された「常の木」は感動的でした。
実家の隣にはグーグルマップの衛星写真からもはっきり見える大きなガジュマルの木があって、都市の中では珍しい存在で、その緑と革質の葉っぱに反射された光にいつも癒されていました。木ってのは本当にその周りに住む人々に守護神みたいに感じられる存在ですね。

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2009年12月06日

Posted by ブクログ

面白かったです・・・が、
1巻の頃が一番好きでしたね〜(^^;
ギンコさんの垢抜けないカンジとか(笑)。

*****************

ギンコさん、優しいなー。
訥々とした印象が、伝承っぽくて好き。

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2010年06月06日

Posted by ブクログ

祝・完結!
ちょっと寂しいけれど、この10巻をもって綺麗に完結して下さいました。
とは言え中身はいつも通りの『蟲師』です。
主人公ギンコの謎や、薬袋家の宿敵・禁種の蟲についても
特にクライマックスとなるエピソードはなく、淡々と最終話までいっちゃいます。

でも、そこがまた『蟲師、そしてギンコらしい』構成で良いなと思います。
今もあの世界で彼らは生活しているのでしょう。蟲と共に。
漆原さんの次回作に期待です。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

最終巻だそうで。
不思議な感覚の詰まった漫画だったなぁ。
その後が気になる話なんかもあるけど・・・うーん、番外とかないんかなぁ。
このストーリーにこの絵ってすごいあってるよね。

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2011年09月06日

Posted by ブクログ

最終巻。

この人の描く『闇』は何というか(うまく言葉に表すのが難しいけれど)目を閉じたときに広がる闇、夜眠りについている間に見る夢の中の闇という印象をもっています

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2009年10月27日

Posted by ブクログ

“「無理に動かない ほうがいい かなりの 疲弊のようだ
蟲師のギンコ と申します この山を 通り抜ける由 ごあいさつを
それは 滋養の薬 です ヌシ殿にも おそらく 効くものかと
――あんたは 一体 何故 ここでヌシを やっている……?
ヒトが ヌシに選ばれた という話は 古い記録でしか 知らない
それも皆 長くは生きて いない あんたも…… ずいぶんと衰弱 しているようだが」
『去ね』
『――あまり 深入りすべき じゃないか……』”

ギンコの旅を見れるのがもう終わりかと思うとすごく悲しい。
でも、ギンコはきっとどこかで今も旅を続けている。
蟲師として、気が向くままに人を助け蟲を助け。
そんな彼の旅路と彼に関わった人々の今後が、温かい陽の光で照らされることを、願う。

「光の緒」
「常の樹」
「香る闇」
少し、こわい。終わらない日々。
「鈴の雫(前編・後編)」
ヌシに選ばれた少女の行く末。

“「じゃあな」
「もう 行くのかい」
「ひとまわり してからな きっと もう 大丈夫だろうが また 何かあったら 呼んでくれ」
――山と 命と 理の間に流れる “約束”の中に――

「……さて 行くかね」”

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2010年04月11日

Posted by ブクログ

時々かなり恐怖なことになったりしますが
不思議な世界観がいいですね!!!
何故ギンコだけ洋装!?笑

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

最終巻かー……。
しょんぼりしつつ、でも終わったというよりはギンコの旅はまだ続くけど、読者が追えるのはここまでですよというかんじなのではぁはぁしようとおもいます(……

やっぱ好きだなー。
今度最初から読み直してみます。

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2009年10月07日

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