【感想・ネタバレ】蟲師(4)のレビュー

見慣れた動植物とはまるで違う、生命の原生体に近いもの。
「蟲」と呼ばれる異形のものは、形や存在があいまいで、誰にでも見えるものではない。
そして、時に「蟲」は、ヒトと…ヒトの営みに作用する。
これは「蟲」とヒト、そしてその間に立つ者「蟲師」のお話です。

雪夜に耳を病む者が出る村(1巻)、生き神のいる島(3巻)、
天の糸を掴んで姿を消した妻(6巻)、死が伝染する里(8巻)など
数々の奇妙な現象、様々な特質を持った「蟲」と人々の様子が描かれます。
また、作品内の時代設定ははっきりとはしません。
登場人物のほとんどが和装に身を包むものの、主人公である「蟲師」のギンコは洋装です。
産業革命による機械文明とは無縁に、農業や漁業に従事する村里が広がっています。
定かではない時代設定において、摩訶不思議な「蟲」や人々の生き死にを描く『蟲師』という作品は、
どこでもない、あるいは彼岸でもあり此岸でもあるような、あいまいな世界の感覚をもたらします。
それと同時に、作品全体を取り巻く静けさ、妖しさに心惹かれてしまうのです。

幽霊や妖怪といった異形異類の存在を語る怪談や伝承に惹かれる方は、ぜひ読んでみてください。
民俗的で、幻想的な魅力漂う作品です。

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感情タグBEST3

匿名

ネタバレ 購入済み

畏敬の念

作者さんは生き物が好きなのかな。
蟲たちの世界は恐ろしかったり不思議なだけでなく
畏敬の念すら感じられる。
人の縁、蟲の縁。

#切ない #エモい #深い

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2023年10月13日

Posted by ブクログ

時代設定すらファンタジーなのに、懐かしさを感じさせるのすごい。何から何までファンタジーなのに、物語自体に説得力があるのすごい。サンカからインスパイアされたという「ワタリ」の存在が興味深い。こんなにすごい話なのに、後書きで作者が自分で読み直すの精神的に辛いと書いてたことが気になった。

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2022年01月08日

Na2

購入済み

自然の空気感までもが伝わる

「虚繭取り」と「春と嘯く」、「草を踏む音」が特にお気に入りです。

「虚繭取り」は繭の画像や絹を見るたび、このお話に出てくる『蟲』の怖さを思い出させてくれます。

「春と嘯く」は最後にギンコの心の内が窺え、美しい情景とともに彼の言葉が染み渡る、そんな少し切ないお話です。

「草を踏む音」では「眇の魚」以降のギンコがちらっと出て来ます。
『光脈筋』の通る山に住む地主の息子である少年と“ワタリ”と呼ばれる『光脈筋』と共に旅をする少年との交流を描いたやるせなくも心温まるお話。

#泣ける #切ない #深い

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2021年07月02日

Posted by ブクログ

夫婦の絆、親子の絆、その間に入り込む蟲たち。恐ろしいのになぜか憎むこともできない、そんな蟲ばかりでてきます。 ギンコのルーツが少しずつ明らかになってきて、どんどんこの世界にひきこまれていく感じ。今までにない体験。

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2016年11月14日

Posted by ブクログ

「虚繭取り」がお気に入り。
綺ちゃん、緒ちゃんがとても可愛い。
この話はハッピーエンドで終わるけど、再会を描くような終わり方じゃないのが逆に良いし、この漫画の雰囲気に合っていると思う。

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2012年04月19日

Posted by ブクログ

表紙買いして、勇気だして良かったと思った本
蟲師読みだしたくらいから所謂少女少年漫画じゃない本を読みだした
内容は言わずもがな、素敵
漫画家ってすごい(いい意味で)偏執してても固執しててもいいんだと子供ながらにぼんやり思った
それがサブカルってやつなんだろうけど

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

虚繭取(うろまゆとり)
一夜橋(ひとよばし)
春と嘯く(はるとうそぶく)
籠のなか(かごのなか)
草を踏む音(くさをふむおと)

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

好きな表紙を。どの巻も、どの話も良い。ギンコもカッコ良い。蟲専門ブラックジャックみたいで。絵と物語がシームレスで、こういう世界がどこかにある、またはあった、んじゃないかと思ってしまう。静かな雰囲気が大好き。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

幻想的な話の数々、最高です。
一話読み切りになっていて、勢いで読めます。
と、ギンコにベタ惚れの私は言う。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

ファンロードで連載していた頃から好き。
当時は長野まゆみの影響が強かったけど、独特の世界が確立されたなあ。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

この独特の世界観、いいですね~
毎回読むたびにどっぷりこの世界に浸れるので、贅沢な時間になっています。
虚繭取りのお話をアニメで見たとき、怖いなと思いました。
『閉じてはならん。開けてはならん……』

巻末のおまけまんがが、不思議でちょっとぞっとするようなお話で、毎回楽しみです。

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2014年03月03日

Posted by ブクログ

春と嘯く の豪雪の中の春が、色鮮やかに想像できて幻想的で美しい。

ちょっとした不思議な現象を、人類の原始的(根源的)な自然のとらえ方を背景に「蟲」でうまく描いている。

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2011年01月08日

Posted by ブクログ

「虚繭取り」 何だかあのウロという蟲を使った仕掛けが好き
「一夜橋」 一夜橋を渡るラストが好き。この辺に作者の愛への哲学を感じる
「春と嘯く」今までの緊張感の中で、この作品は少しほのぼのしていて心が落ち着いてよい
「籠のなか」 閉じた世界というのが好き。入るのは業で、出るのは犠牲が必要。
物語とは残酷で盛上りを必要としている。ラストは心温まるというかホラーのように感じた私は変??
「草を踏む音」 友情の話。人を好きになるのはこんな風にいつも追いかけるのだなと納得。落ちが好き。

全体として誰かを思って土地に縛られた者の話が多い

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2009年10月24日

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昔話みたいなカンジで雰囲気がすごく好きです。
表紙の水彩画も綺麗で気に入ってます♪
持ってるだけで幸せ(*-v-*)

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

一話完結型の作品。一話ごとに「蟲」と私たち人間との関係を問うていきます。独特で、万人受けする作品でないのは確か。世界観は細部までしっかりと練られていますが、一話一話を読んでいくと、話の流れに?と首をひねりたくなるときがまれにあります。私たちの考える「虫」とこの世界の「蟲」は全くの別物です。気になったかたは読んでみてください。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

哀しい、故に美しい。
だがそれだけではなく、
どこか人間の温かみが感じられる。
シリーズ4巻目。
沢(タク)の過去も明かされる。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

この独特の雰囲気がなんともいえず好きです。
トトロとかもそうだけど、日本の田舎には何かいろんなモノがいそうな気がする…

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

“「……この穴のうち 外へつながって いるのは この鎖の先の ひとつだけ だという
それ以外は どれも どこかの 密室に つながっていて 中からは 開ける事は できない
こういった 大虚<おおうろが 数限りなく 存在している
お前の 姉さんが この虚穴<うろあなの どこかを通った 可能性すら ひどく低い
お前が 手を尽くしても 追いつく ものじゃない
綺 諦めてくれ」”

「虚繭取り」
ハッピーエンドでよかった。
「一夜橋」
切ない。
「春と嘯く」
「籠のなか」
最後をどうとらえていいものか……。
「草を踏む音」

“「………… 目が眩む――」
『―― 早く出た 方がいい
“空吹<うそぶき”は 木につく 花の形 ……だったな
――どれも 普通の 花にしか 見えん……
――手がかりは 一体どこに ある――?』
「……! ―――― 匂いが 変わってる ………… ……何だ?」
『急に体が…… 冷えてきやがった 手が…… 動かねえ……
――何で あの蝶だけが ――――?』
「…… こいつ ……!
………… くっそったれ
……わかった ってのに…… 眠くて しょうが ねえ……」
どさっ”

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2010年04月11日

Posted by ブクログ

見慣れた動植物とは違う「蟲」というものをテーマに描かれている漫画です。次々と新しい「蟲」がでてくるこの作品。第4巻では「一夜橋」や「籠のなか」などの5話。この巻では蟲と人との間に生まれた子供の話が載っています。人は、見れないものに恐れを抱き、迫害する。そんな物悲しさが描かれた巻です。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

繭の中に手紙を入れるとその中の蟲、ウロが運んでくれるという設定が好きです。『草を踏む音』ではラスト、物語の語り手がギンコに戻る流れが上手いよなあ。何でもないシーンだけど。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

蟲師と呼ばれる「蟲」を調査し人に害を与えないようにする仕事がある。それを生業とするギンコが旅の先々で起きる蟲と人間の物語。
まるで御伽噺のようなふしぎな感じがする漫画です。この方のかかれる水彩はさらに世界を柔らかくします。ふしぎな世界にはまりたい人にはとってもオススメですv

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2009年10月04日

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