「お前を殺める前に一つだけ願いを叶えてやろう。」
千鶴が死神に願った最期の願いとは…?
本作のヒロイン・千鶴は没落令嬢で、現在は使用人として三条家でひどい仕打ちを受けながら日々奉仕していました。
そんなある日、町で流行っている疫病を鎮めるために千鶴は「死神の花嫁」として身を捧げて欲しいと請われます。
死神の「花嫁」と聞くと聞こえは良いですが、要は疫病を鎮めるための代償、生贄です。
家族がバラバラになり、使用人としても酷い扱いを受け、挙句の果てには死神に嫁がされる…。
なんとも不遇な扱いを受けてきた千鶴と、周囲から恐れられている死神。
決して幸せとは言えない環境下にいる似た者同士の2人ですが、どのような関係性を築いていくのでしょうか。
なんて不幸なヒロインのお話なんだ、と思う方もいるかもしれませんが、本作は読み進めるごとにヒロインや死神、その周りの登場人物たちの優しさが見えてくる、温かい作品なのです。
死ぬ前に願いを1つ叶えてやる、との死神の質問に対する千鶴の返答も、必見です。
良い意味で予想を裏切る展開ですので、ぜひ皆様におすすめしたい作品です!
感情タグBEST3
匿名
続きが気になります
八雲に見守られているとはいえ、千鶴は強いですね。
吾野を憎みつつも許したいという気持ちもでてきそうです。
松葉の中に芽生えた気持ちも気になります。
最後の笑顔
息子を送り出す最後の笑顔。
その笑顔の意味がわからないはずがない。
その母親の惨めな姿。
その意味がわからないはずがない。
どうして時々顔を見に行くくらいできなかったのか、と野暮は言わない。
真っ直ぐ突き進むのには必要だったのだろう。
でもどちらかしか救えない未来だけではなかったはずなのに、とは思う。
今は、千鶴がこれからも千鶴として生きていける「最期の言葉」を待つ。