【感想・ネタバレ】千年万年りんごの子(3)のレビュー

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Posted by ブクログ

短い作品ながら、生への慈しみにあふれた自然風景の描写、遥かな過去と未来を見通すような深い作品世界、読み返すたびに泣けてくる名作です。
神の嫁として村の女子を人身御供に出すという神話の世界を現実に生きる人々の物語として蘇らせるために、1970年代初頭の青森の村を舞台に設定したところに、まず唸らされる。まだ土葬の風習を保ち、「おぼすなさま」のしきたりに縛られている村は、一方では日本全体が高度経済成長に突き進む中で、りんご価格の暴落と品種一斉改良を迫られている。この村で育った「りんごの子」である朝日と、東京の理学部を出て入り婿にやってくる雪之丞の夫婦が迫られる困難な選択は、二つの異なる原理にもとづく世界の間でどう生きていくのかという村そのものの選択でもあるのだ。
ひとりの個人にとっては理不尽としか言いようのない運命に翻弄されて、「見返りなくただ生きる我々がなぜ奪われるんだ!」と叫ぶ雪之丞に対し、総代が返す「毎年兆す芽・草・花・実 くりかえしくりかえし その不思議こそが 大いなる神の所業だと気付いだんだ 我々は購いきれない祝福の業火の中生きておるのよ」という言葉は衝撃的に重い。呪いが祝福であり祝福が呪いとなる因果の中に、類としての私たちはまだ繋がれている。3.11という大いなる災いを祝福として受け取ろうとする、祈りに満ちた物語として読むこともできるように思います。

2
2015年02月17日

Posted by ブクログ

わかってたけどさー。
なんとなく結末はこうだろって想像してたけど・・・
やっぱ悲しいよ。
そんなぁ~~って思うよ。
せっかく通じ合えたのに、始まりではなく
終わりだなんてね。

うぅ。。。。

2
2014年04月23日

ネタバレ 購入済み

良かった

結局「神」がなんであったのか、神の花嫁はどうなるのかは明かされていないが、訳もわからず巻き込まれた人の視点から見たらこうなんだろうなーと。
多分これは持っていかれてしまうんだろうと思って読んではいたが結末は切なかった。
主人公の養父母目線の漫画も良かった。これを読むかぎり本当は雪之丞はひとりで舟を漕いでいたんじゃないんだろうけど・・・。

1
2020年09月22日

cEo

ネタバレ 購入済み

えかった

切ないが、良い物語でした。

1
2018年08月12日

Posted by ブクログ

すごい漫画だった。読み終わったばかりで、何も言葉が出ないけれど、胸の中からぐわあ、と広がっていくような漫画だった。

1
2015年05月01日

Posted by ブクログ

林檎の樹の神様のもとへ嫁入りが決まってしまったらどしよもないんだよ。って運命に逆らって、逆らって逆らって逆らったけれど。相手は神様で、こちらはただのちっぽけな人間で。諦めるしかなくて。代わりたくても代わらせるわけにはいかなくて。誰もが大切で。
とね。本編は結局抗えないままで。
ハッピーエンドになっててもね。どうかなぁ。無理感があるかなぁ。とは思うんだけど。悲しかった。から4。なんだけど、おまけの番外。雪之丞さんの子供のころ。捨て子で、拾ってくれた現・両親に嫌われたくなくて必死な雪之丞と、必死になる子を見て必死にさせてしまう自分を悔やむ母がお互いを求めあえた瞬間の話が泣けたので5。大事で大切な思い出。ね。あるかな。どれかな。卑屈な思いはそんな簡単にゃ消えないけどね。すぐね。暗闇に覆いつくされるのさ。

1
2014年08月14日

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最終巻。こんな漫画初めて。最初からまた読み返したい。純文学とか伝統とか神話とか好きな人は面白く読めると思います。表情とかもグッとくる。温度がある。

1
2014年07月03日

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禍ツ神でもあり、豊穣の神でもある『おぼすな様』。それは、この村を取り巻く自然の姿そのもの。
なぜ贄を欲しがるのかと問うても、なぜ嵐がくるのか、なぜ大雪を降らすのか、なぜ地震を起こすのか…それらを問うても仕方のないように、人知の及ばない神の所業なのです。
それでも諦めることが出来ず、どんな犠牲を払おうとも神に抗おうとする雪之丞。大切な人を喪い無力さに打ちのめされても、地に足をつけこの村で生きて行きます。
失ったものは大きかったけれど、得たものもまた多かったのだ…そう思いたいですね。

1
2014年04月17日

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終わってしまうのが残念です。雪之丞さんの朝日への思いの変化が始めと比べると大きくなっていることがよく分かりました。でも、2人とも救われておぼなす様の伝承も消える、という都合の良い話はやはりなくて、妙にリアルに感じられました

1
2014年03月12日

Posted by ブクログ

良かったです…!
暖かくて感動しました…
朝日ちゃんは光り輝いて十二年も照らしてくれてるんだって思ったら、ほっこりしました。^^

0
2014年10月07日

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いつまでも胸に鈍くて切ない痛みを残す結末。
こんなふうに誰かを愛せることが1番の幸せ
なんだろうなって思えます。満足です。

0
2014年03月22日

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なしてもう終わってまるのー!!まぁでも主人公が捨て子だった設定も回収されてて、物語としてはきちんと閉じられていたように思う。もっと読みたかった。

0
2014年03月09日

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表紙からして雪之丞の本気が伝わる最終巻。全三巻ながらじつに壮大だった。終わりかたとしては、スッキリはしたけどやはり哀しさが強くてやるせない気持ちでいっぱいです。

2
2017年11月30日

ネタバレ 購入済み

泣きました

3巻の表紙の絵の迫力で、もしやこれはと少し期待をしました。
終わりに近づくにつれ泣いていました。けれどやはりこれが納得の結末なんだろう。
でも、やっぱり不思議な話なら不思議で戻って欲しい気持ちで星一つ欠けで。

絵もお話もとても良かったです。雪之丞の番外編の話もホロりとなる。

1
2019年06月02日

Posted by ブクログ

アラミタマとニギミタマ、神の二面性を女性誌上で描ききったということは称賛に値するんじゃないかなぁ
モチーフはオシラサマでしょうか?

1
2014年07月30日

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この人の描く笑顔が好き。
大きな大きな不条理に立ち向かう二人の烈しさと静かさが印象に残りますね。
思い合う二人が美しい良い話でした!

1
2014年04月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

全三巻をまとめ買いして一気に読みました。三巻の途中から涙が出っぱなしで、最後まで泣きながらページをめくっていました。

生まれ育った家を早く出たい雪之丞と、家業のために婿が欲しい朝日。目的が一致して一緒になった二人の間に少しずつ信頼や愛情が育まれていくさまがとてもあたたかく感じられただけに、あの結末が切なくてたまらない。
決断して行動した雪之丞は立派だけれど、二人にはずっと一緒にいてほしかったなあ…

1
2014年04月21日

Posted by ブクログ

ネタバレ

愛する妻を守れなかったけれども、それがバッドエンドだとは思いません。
雪之丞と朝日は、その土地に根づき、子を作って、老いて死ぬ、という普通の暮らしをするのではなく、因習を終わらせるために出会ったのではないかと思います。二人の言葉を借りるならば、そうなるべく「決まっていたこと」なのではないのでしょうか

1
2014年03月26日

Posted by ブクログ

ハッピーエンドにはならないだろうとは思ってたけど、悲しすぎる。
朝日は立派だけど、ひどいと思う。
悲しいわ。

1
2014年03月24日

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巻末のショートストーリーにも泣いた。神の前では人間はなすすべもなく、しかしただ嘆いているだけではいられない。大切な人を守る、その愛が通じた瞬間。幸せってなんだろう。おとぎ話でも昔話でもない現実。

1
2014年03月19日

Posted by ブクログ

雪深いりんごの村の禁忌に触れてしまった夫婦の話。
絵もめちゃくちゃ良いし、感情が痛いほど伝わるし、
民俗学や伝承に基づいた話は説得力あって好きだし、
始終面白く読み進めたけれど、最後が悲し過ぎる…
結局救えない結末、抗えない運命、くそおおぉぉ…!
つらいつらい、つらいよおおおお!!!しか残らん。
たいつか読み返してみるか。。。

0
2023年08月07日

Posted by ブクログ

本棚整理中に再読。

民間伝承とホラーは切り離せない、、、
しかしどこからホラーになるんだろう?
明るい民俗学って覚えがないが民俗学に寄っている作品には何故か惹かれてしまう。

怪しさと切なさと心、、、ゲフン。

互いの事情で夫婦になった二人。
もし何事もなく過ごせていたら、本当によい夫婦になっていただろうなぁ。
朝日のかわいらしいこと。

これはまだ処分できず本棚に戻した。

0
2021年11月03日

Posted by ブクログ

「僕はいつだって何もかもを諦めてきた
だって仕方の無いことばかりなんだ
でも
でも
君が 好きなんだ」"

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2018年02月10日

Posted by ブクログ

ちゃんと洗練されたファンタジーなのに、匂いと温度の感じられる世界観。
とにかく「朴訥」の描き方が秀逸。

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2017年11月26日

Posted by ブクログ

正直1巻を読んだときはそこまでかなーと思ったし、2巻を読んでもやっぱり短編集の感じのが好きだなと思っていたのですが、
この巻の、クライマックスが、なんかもう全部をぶっ飛ばしてくれてずるい!
強烈な愛に勝る物語はないんだよなぁやっぱり
と思ってしまいました
恋愛ドラマとか、恋愛モノの映画とかあんまり見ないし苦手意識があるのですが、
結局愛はすごい!!と思うし、愛はすごい!という気持ちになるのは好きだなぁと思いました

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2015年02月16日

Posted by ブクログ

お伽話というか神話?を、生身の人間によせていくかのような発想がすごすぎて、ぽかーんとしてるうちおわった。再読しなきゃ。

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2014年03月21日

Posted by ブクログ

さいしょ考えていたラストとは違う展開になった、というラストがどんなものだったのか気になる。りんご農家 と 神様 のモチーフ。画に感情を落とし込む、静かな臨場感。朝日はぜんぶ知ってて、だから雪之を選んだのか。インタビュで、作者が速筆なんだと知った。 

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2014年03月11日

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