【感想・ネタバレ】岳 1のレビュー

山岳小説や山岳ノンフィクションを愛する私。でも、実際の山登り経験はほぼゼロ(高尾山ビアマウントは、登山じゃないですよね…)。そんな私がこのマンガを読んだきっかけは、職場のN君に勧められたから。著者の石塚さんは実際に登山をされているようで、すべての描写が素晴らしく、山好きな人が描いている作品なのがヒシヒシと伝わってきて、あっというまに『岳』の世界にはまってしまいました!『岳』のお話は、すべての人が助かるわけではないし、人の生死を取り扱う重い話だと思います。ですが、主人公・三歩の限りない優しさと温かさのおかげで、素晴らしい人間ドラマになっていると思います。
出会えてよかったなー、そんな作品です。
15巻のあとがきで触れられている山岳救助隊の話も一緒に読むと、『岳』の世界観だけでなく、山というもの、登山というスポーツの理解が深まって更に楽しいので、ぜひお試しください!!

...続きを読む
\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

このページにはネタバレを含むレビューが表示されています

ネタバレ 無料版購入済み

本格的な登山まんがですね

国内の山(いわゆる日本アルプス周辺が多い)で、遭難する登山者を救助する民間ボランティアと連携して活動している長野県北部の警察機構の話で、登山者は連作形式で次々と出てきますね。
なぜ山に登るんですか?と訊かれ、「そこに山があるからだ」との名言で答えたジョージ・マロリー、本来これは世界最高峰のエベレスト山(中国語でチョロランマ、ネパール語でサガルマータ)についての言葉だったらしいのですが、今となってはこれ、一般化した名言にしても良いと思いますね。
主人公の三歩氏は普段はのんびりマイペースっぽいんですが、ヒマラヤやアンデス等でも登山の腕を鍛え、北米でも同様の仕事をしていたようです。
彼が救助する時の台詞、いつも「良く頑張った」ですね。
不安で死にかけている登山者(中には既に死んでいたり、救助中に命を落としたりも)にかけるのはこの言葉がベスト、と分かっているのでしょうね。
長野県警側からは久美さんという、登山の素人さんが異動で長野県北部の山岳警察に赴任し、彼女、徐々に訓練も経て成長していくのでしょうね。
山の危険性等も熟知している作者がきっちり描かれていて、読み応えが十二分にありますね。山岳まんがとして、名作の予感がしましたよ。

#感動する

0
2023年04月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

 おなじみの、ゆかいな仲間の「ヤサイクン」が段ボール箱を抱えて日曜の夜やってきた。
「はい、これ。」
「なに?あっ、『岳』やん、どうしたん?持ってないっていうとったやん。」
「買った。読んだことないゆうてたやろ。」
「ヤサイクンも読み直してんの?」
「うん。風呂でな。」
「ご飯は?チビラちゃんたちはどうしてんの?コユちゃんは帰ってきた?キャンプ、面白かったゆうてた?一緒に来んかったん?」
「ああ、たべた。お祭りや、お祭りや、ゆうて三人そろって出ていった、岩屋公園。コユが帰ってきたから、元気復活や、ふたりとも。」
「須磨スイ、行っとったんやろ、昨日。写真来てたやん。」
「今日は夏祭り?盆踊りか?」
「岩屋公園てどこらへんやの?」
「西灘駅、阪神の、海側、ちょっと西側やんな。通りかかったことあるで。」
「アーちゃんがついていってんの?」
「うん、そう。家からもすぐやな。これ、やっぱ、エエで。全巻泣ける。」
(註:コユちゃん=チビラ1号・アーちゃん=チビラ軍団のママ)

 2008年小学館漫画賞「岳」全18巻。10年前の作品だ。読みはじめたら、やめられなくなった。ただ、10巻にたどり着くころから、どうやって終わらせるのか気になり始めた。

 最近のぼくの目は、続けて文字を読み続けるのが、なかなか難しい。カスミ目というのか、乱視というのか、ピントが合わなくなって、強烈に眠くなる。作品の内容とは関係ない。液晶の画面の見過ぎという説もある。そうだろうなとも思う。しかし、不便なことだ。Astigmatic bearと名乗ってきた結果、文字通り、その通りになってきたのだから、しようがない。

 しっかり泣けた。落語に人情噺というのがあるが、あれと似ている。ただ、物語を支えているのが「山」だ。

 いっとき流行った「構造分析」的批評をやりたい人には、こういうマンガはうってつけの対象なのだろうと思った。「山」なんて神話作用を描くにはもってこいの素材だろう。

 16巻まで続く日々の描写は読者を飽きさせない。「山」の高さとすそ野の広さがマンガを支えている。北アルプス連山に対して、読者が持っている「神話」的イメージの多様性、美しさ、恐ろしさ、苦しさ、楽しさに対して、一話完結的にマンガ家が絵付き物語を与えていく。読者は一話ごとの小さな違いに納得し、泣き、笑い、ほっとすることができる。しかし、やがてマンネリに陥るに違いない。

 マンネリを打ち破るために作者が用意したのは「新たな高い山」。より高い山を求めた主人公は、残念ながら元の山に戻ってくることはできない。神話化の次元をあげれば、もとの神話の場所は、ただの生活の場所になるほかない。

 「山」の物語は時を経て、北アルプスの現場で同じように繰り返しているように見えるが、新しい神話は生まれない。すべてが後日談となるほかないからだ。作者はそれをよく知っていて、マンガはそこで終わりを迎える。傑作マンガだと思った。

(S)

0
2019年01月29日

Posted by ブクログ

ネタバレ

いい話が多いが人が亡くなるシーン多数
いつの時期も多いけど山を甘く見てはいけないということなんですかね

0
2013年05月03日

Posted by ブクログ

ネタバレ

”また山においでよ”
おもしろいです
僕は登山をやるんですが、やる人はいっそう楽しめると思います

0
2012年05月18日

Posted by ブクログ

ネタバレ

山岳救助隊をメインに山を登る人のドラマを描く。書店員が選ぶマンガ大賞に輝いたこともあり、2011年には映画も放映された人気作。

山岳に住む島崎三歩はボランティアで遭難者の救助を引き受ける男。長野北部警察署で山岳救助を請け負う幼なじみの野田や、新米女性警官の椎名からも信頼を得ている山のベテランだ。
ひょうひょうとした彼の行動や、しゃべりなどはすべて経験に裏打ちされたもので、読んでいくとそれがわかる。

また、話中では山中遭難のリアルな厳しさもよくわかる。助けにいった相手が必ず救えるわけではなく、遺体で発見することもよくあるし、遺族から救助隊が責めを受ける場面もある。それでも三歩たちは山岳救助隊を続け、助かった人間に「また山に来なよ」と言う。
山の過酷さは本格的に登山したことがない私にはわかりませんが、山の良さと怖さを教えてもらえたような気になる作品です。

0
2012年02月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

たまたまなのだが山に関する小説や
登山をする人の話を聞く機会が多かったもので
山の素晴らしさと厳しさはある程度知ってはいる。

ボランティアで山岳救助をしている青年が主人公
というのは目新しく、
彼が明るくて、というか山男は大抵実際はどうあれ
見える部分はそんな感じの人が多い印象だけれど
山が本当に好きで山に来る人は仲間という感じなのが良い。
遭難した人にも頑張ったねと声をかけてくれるのが良かった。

0
2021年07月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

全18巻読んだ。
3巻くらいまで、淡々と進む感じで感情移入もなく、
読後感がボーっとしました。
だんだん慣れてきて、人間性も見えてきたので、読み進みやすくなってきましたが、17巻でなんか大きな話になって、結局最後は、また1巻みたいな感じに。

0
2013年11月11日

「青年マンガ」ランキング