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日本統治時代に生まれ育った子。故郷のことば台湾語、政府としてやってきた北京語、50年という長い統治で現地に根付いてしまった日本語。マルチリンガルに育ち、日本統治下とはいえ、絵のタッチが示す子ども時代は牧歌的でもあり洗練されている
太平洋戦争、なんて今は言わないのかもしれないが日中戦争に日本側として訓練や労働となり、そのあとくる、国民党、中華民国政府の台湾[統治]
台湾の人々が往々にして先進的でしなやかであることが理解できる。まず入り口の第1巻。
美しい絵、美しい言葉。残していくべき記憶。
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台湾で日本統治から敗戦及び国民党が来てからの台湾の少年の話であった。小学生、中学生、高校生と仕事ということの間に戦争と政治に翻弄される少年の姿を描いている。
説明かと思ったらマンガであった。
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この漫画は、日本統治時代の台中に生まれた蔡焜霖(さいこんりん)を主人公に戦後台湾の白色テロの時代が描かれている。
第1巻は戦争に負けた日本が撤退。国民党政権による新たな支配が始まり、2・28事件を経て1950年代からはじまる白色テロの時代開始までが描かれる。町役場で働いていた焜霖のもとへ憲兵が訪ねてきていきなり拘束されるところまで。以下、続刊。
今はオシャレなカフェになっている「宮原眼科医院」が目医者さんとして登場しているのも見逃せない。読書好きな蔡焜霖は目を悪くして、この宮原眼科でメガネを作り、以後、蔡焜霖のトレードマークとなった。
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文章が少ないので、とてもあっさりと読めてしまった。
裏に含んだ内容はとても深いはずなのに、あっさりと読んでしまっていいものなのか…?
もしかしたら、そこにこのマンガの凄さが隠されているのかもしれない。
このマンガを軸として、歴史を肉付けしていく、というのが良いのかもしれない。
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訳あって、3巻から逆読みしています。統治などの社会的変化の激しさが印象的です。3度も青年期までに大きな変化があり、価値観が変わっていて、とてもハード。おおきなより広い家族も含めた人間関係が支えにはなったのかもしれません。それでも社会の不条理に耐えるうる関係にまでなっているのはそれを大事に思いはぐくむと同時にそのちからが人のなかにあったのだろう。柔らかい絵柄で淡々と描かれている感じだけれども、読むと様々に思いが広がって
考えさせられる内容です。
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台湾が戦時中日本に占領されていたという知識はあるが、その実態がどういうものだったかということは知らなかった。そこで生まれ育った人たちは学校では日本語が母語で、家庭では台湾語が母語で、占領が終わったら今度は北京語を習わないといけなくなった。そんな経験をされた人たちがいることを忘れてはいけない。
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ブックガイドとか書評で複数回目にする機会があり、それは読んどかないと、ってことで。マンガだから取っつきやすいってのも大きい。台湾有事を頻繁に見聞きするけど、その歴史はと問われると、殆ど知識が無いことに気付き、情けない思いにとらわれる。その点、読み易く漫画で描かれた本書は重宝する。物理的な距離感のみならず、日本との関係も色濃い訳で、やっぱり無関心ではいられない。本書を入り口に、ノンフとかも紐解けたらな、と。
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白色テロ時代の台湾について知りたくて。
政治犯の疑いをかけられ、10年間を収容所で過ごし、出所後は出版人として生きた蔡焜霖氏。温かく楽しげな幼年時代と、重苦しい緑島収容所生活の隔絶が、描線の変化でも表現されていて、読んでいて胸にせまった。たくさんの国で、過去にも現在にも、こういう理不尽があることを思うと、人間の闇の深さに苦しくなる。
現在の台湾に至るまでに、台湾の人たちがどんな犠牲をはらってきたのか、たくさんの苦しさのひとつを教えてもらった。
グラフィックノベルなので、読みやすい。
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一夜にして自分の名前も言えない「文盲」へ変わってしまいました 言語は常にグラデーション状に広がっていて 寄る辺ない自らの感情を仮託して表現する一つの手段だったのです ホラー映画『言葉が消えた日』 香港で中国政府を批判する「焚書」を販売して拘束された 現在は白色はくしょくテロ時代の政治犯の名誉回復と
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1930年台中に生まれた蔡焜霖の少年時代を描いた漫画(?)。
淡々と日常が描かれていておりリアルに感じた。戦争がいつの間にかはじまって、終わって、新しい時代が始まって。
市井の人々が、いつの間にか、でも確実に時代の流れに飲み込まれていく様が、悲しい。あっという間。サマーキャンプに参加して国民党に入党させられるとかすごいな。
実際のところ、教科書に載っているような歴史的史実もこんな感じなのだろう思う。コロナもあらあらあらーと思っている間に大変なことになり、あれあれあれーとなっている間に終息したと言われる今に至る。
台湾の歴史を勉強したいと思っているので、イラスト(漫画?)とともに、読めるのは嬉しい。また台中には訪れたことがあるので、現役の宮原眼科(今はお菓子屋さん)が作中に出てくるのは嬉しい。続きを読むのが楽しみだ。もっと暗い内容はになるのかな?
20230614