ユーザーレビュー 台湾の少年4 民主化の時代へ 游珮芸 / 周見信 / 倉本知明 前々回の台湾総統選挙。国民党の朱立倫が負けて民進党の蔡英文が選出されたあの歴史的選挙から8年も経ったことになる。早いものだ。台湾には2015年10月13日から2016年3月19日までおよそ半年間の在外研究で滞在したのだが、ランタン飛ばしのイヴェントに朱候補が来ていたのが思い出される。あの時の国民党は...続きを読む内部紛争もあり、ガタガタで到底朱候補が勝てそうな雰囲気ではなく、結局、総統選も立法院の議員選挙も民進党が圧勝した。ただ、私も周りの先生方の中では必ずしも蔡英文支持が多かったわけではなく、何となく醒めた目で見ていたのも印象的であった。現地の雰囲気というのはそこにいないとなかなかわからないもので、その意味でも有意義な滞在であった。 その後、2017年のユニバシアード大会時に訪台したが、あの時の台湾の盛り上がりも日本の人にはほとんど伝わっていなかったと思う。大学生中心の大会とは言え国際スポーツ大会が台湾で開催されたこと自体が画期的であった。ユニバーシアード大会の成功で人気も上がった柯文哲(当時、台北市長)が今回の総統選では第3極として立候補。もともと民進党が支持していた候補なので今回は与党票を食っていく可能性も否定できない。選挙の結果がどうなっても大陸中国と台湾の関係はこの先まだまだ不透明であろう。台湾は恐らく現状維持派が圧倒的に多数だが、その現状維持が難しい状況なのだと思う。 さて本作品『台湾の少年』第4巻はそんな民主的な選挙がおこなわれるようになるにはまだしばらくかかるそんな時期のお話。 Posted by ブクログ 台湾の少年4 民主化の時代へ 游珮芸 / 周見信 / 倉本知明 シリーズを読み終えた。 隣りの国台湾がどのように苦しみどのように民主化されてきたのか、よく知らなかったことが蔡焜霖の一生をたどることで少し学ぶことができた。 台湾有事でアメリカの尖兵となることを夢想する岸田は日本だけでなく台湾の人々のいのちをどう思っているのか、許せない。 Posted by ブクログ 台湾の少年3 戒厳令下の編集者 游珮芸 / 周見信 / 倉本知明 第3巻。主人公のあくなき向上心に驚かされる。努力の末につぎつぎと願いをかなえていくが、どこまでもしつこく付きまとう権力の陰。人の幸せを踏みつぶすことにためらいのないやからにはほんとに腹が立つ。 Posted by ブクログ 台湾の少年3 戒厳令下の編集者 游珮芸 / 周見信 / 倉本知明 緑島という小さな監獄から、今度は戒厳令下の台湾というより大きな監獄に入ることになったのです。 さいこんりん氏の不屈の魂。 創意、社会や国の未来を思い子どもたちの本や雑誌をだし、緑島の仲間に手を差し伸べ自らの信念を曲げない。 紅葉小学校の野球チームブヌン族の子どもたちへの支援、その後日談。 壮年期の...続きを読むさいこんりん氏の活躍と苦悩が、シンプルな画線で力強く描かれている。いつも死者が近くいる。死や弾圧と隣り合わせだがとにかくできることはなんでもする姿、父親を亡くした空虚さ。絶望から希望、希望さらに大きな希望へ。 Posted by ブクログ 台湾の少年1 統治時代生まれ 游珮芸 / 周見信 / 倉本知明 日本統治時代に生まれ育った子。故郷のことば台湾語、政府としてやってきた北京語、50年という長い統治で現地に根付いてしまった日本語。マルチリンガルに育ち、日本統治下とはいえ、絵のタッチが示す子ども時代は牧歌的でもあり洗練されている 太平洋戦争、なんて今は言わないのかもしれないが日中戦争に日本側として訓...続きを読む練や労働となり、そのあとくる、国民党、中華民国政府の台湾[統治] 台湾の人々が往々にして先進的でしなやかであることが理解できる。まず入り口の第1巻。 美しい絵、美しい言葉。残していくべき記憶。 Posted by ブクログ 游珮芸のレビューをもっと見る