游珮芸のレビュー一覧

  • 台湾の少年4 民主化の時代へ
    前々回の台湾総統選挙。国民党の朱立倫が負けて民進党の蔡英文が選出されたあの歴史的選挙から8年も経ったことになる。早いものだ。台湾には2015年10月13日から2016年3月19日までおよそ半年間の在外研究で滞在したのだが、ランタン飛ばしのイヴェントに朱候補が来ていたのが思い出される。あの時の国民党は...続きを読む
  • 台湾の少年4 民主化の時代へ
    シリーズを読み終えた。
    隣りの国台湾がどのように苦しみどのように民主化されてきたのか、よく知らなかったことが蔡焜霖の一生をたどることで少し学ぶことができた。
    台湾有事でアメリカの尖兵となることを夢想する岸田は日本だけでなく台湾の人々のいのちをどう思っているのか、許せない。
  • 台湾の少年3 戒厳令下の編集者
    第3巻。主人公のあくなき向上心に驚かされる。努力の末につぎつぎと願いをかなえていくが、どこまでもしつこく付きまとう権力の陰。人の幸せを踏みつぶすことにためらいのないやからにはほんとに腹が立つ。
  • 台湾の少年3 戒厳令下の編集者
    緑島という小さな監獄から、今度は戒厳令下の台湾というより大きな監獄に入ることになったのです。

    さいこんりん氏の不屈の魂。
    創意、社会や国の未来を思い子どもたちの本や雑誌をだし、緑島の仲間に手を差し伸べ自らの信念を曲げない。
    紅葉小学校の野球チームブヌン族の子どもたちへの支援、その後日談。
    壮年期の...続きを読む
  • 台湾の少年1 統治時代生まれ
    日本統治時代に生まれ育った子。故郷のことば台湾語、政府としてやってきた北京語、50年という長い統治で現地に根付いてしまった日本語。マルチリンガルに育ち、日本統治下とはいえ、絵のタッチが示す子ども時代は牧歌的でもあり洗練されている
    太平洋戦争、なんて今は言わないのかもしれないが日中戦争に日本側として訓...続きを読む
  • 台湾の少年4 民主化の時代へ
    台湾が好きで、何度も旅行したことがある。
    とても風通しがよい国だと感じていたが、ほんの数年前、数十年前に、このようなことがあったのかと、驚く。

    私は、白色テロの時代、緑島に収監されていた人々はヒーロー的存在で、人々から尊敬されていたのかな?なんて呑気な想像をしていたが、釈放後もその身分は監視され、...続きを読む
  • 台湾の少年2 収容所島の十年
    国民党のさまざまな、思想矯正施設、監獄を経験する。

    火焼島、国民党が緑島と改名。美しい南の島。
    ペラグラという病になる。栄養不足ビタミンBとタンパク質不足で太陽に当たりすぎるとこの病にぬり皮膚が痒くなる

    中国共産党と戦い思想統制を行なっている国民党政権も、毛沢東、中共の、下放と同じ様なことをして...続きを読む
  • 台湾の少年1 統治時代生まれ
    台湾で日本統治から敗戦及び国民党が来てからの台湾の少年の話であった。小学生、中学生、高校生と仕事ということの間に戦争と政治に翻弄される少年の姿を描いている。
     説明かと思ったらマンガであった。
  • 台湾の少年1 統治時代生まれ
    この漫画は、日本統治時代の台中に生まれた蔡焜霖(さいこんりん)を主人公に戦後台湾の白色テロの時代が描かれている。

    第1巻は戦争に負けた日本が撤退。国民党政権による新たな支配が始まり、2・28事件を経て1950年代からはじまる白色テロの時代開始までが描かれる。町役場で働いていた焜霖のもとへ憲兵が訪ね...続きを読む
  • 台湾の少年2 収容所島の十年
    第2巻は、無実の罪で逮捕された蔡焜霖が、激しい拷問によって自白を強要され、政治犯として緑島に送られ、そこで強制労働に従事させられ、「再教育」を受ける10年間が描かれる。全体に暗いトーンで描かれているが、時折入る見事なブルーが美しく印象的。
  • 台湾の少年1 統治時代生まれ
    文章が少ないので、とてもあっさりと読めてしまった。
    裏に含んだ内容はとても深いはずなのに、あっさりと読んでしまっていいものなのか…?
    もしかしたら、そこにこのマンガの凄さが隠されているのかもしれない。
    このマンガを軸として、歴史を肉付けしていく、というのが良いのかもしれない。
  • 台湾の少年2 収容所島の十年
    でたらめな白色テロによって長期間収容されたり殺されたり。国は違ってもやることやられることはそっくりだ。多様性を拒み平気で差別するくだらない人間にだけはなってはいけない。
  • 台湾の少年1 統治時代生まれ
    訳あって、3巻から逆読みしています。統治などの社会的変化の激しさが印象的です。3度も青年期までに大きな変化があり、価値観が変わっていて、とてもハード。おおきなより広い家族も含めた人間関係が支えにはなったのかもしれません。それでも社会の不条理に耐えるうる関係にまでなっているのはそれを大事に思いはぐくむ...続きを読む
  • 台湾の少年2 収容所島の十年
    台湾でこのようなことがあったのか。外省人と内省人の対立ということは聞いたことがあったが、十年にも及ぶ長期に無実の者をとらえていたなんて。漫画であるが、読むのが辛くなるような内容だった。
  • 台湾の少年1 統治時代生まれ
    台湾が戦時中日本に占領されていたという知識はあるが、その実態がどういうものだったかということは知らなかった。そこで生まれ育った人たちは学校では日本語が母語で、家庭では台湾語が母語で、占領が終わったら今度は北京語を習わないといけなくなった。そんな経験をされた人たちがいることを忘れてはいけない。
  • 台湾の少年2 収容所島の十年
    最初に三巻を読み、二巻目に入った。はからずしも、そろわずに読む順が逆になってしまったのだが、三巻目を読んでいたときに折に触れ白色テロという言葉が出てきた。何か不条理なものにまきこまれたのだな、ということは察した。だが、二巻を読んでわかったのは、どのような方向に社会が向かうとしても、一般の人の考え方が...続きを読む
  • 台湾の少年3 戒厳令下の編集者
    ゆえあって、三巻から。
    途中からなので、揃ってから読もうか、と思ったけれど、読み始めてしまうと読みやすい。

    白色テロ時代を経て、その傷を負い、他より十年出遅れたという思いの強い主人公はアイデアを得て児童雑誌「王子」を創刊する。
    よく読むと、いろいろなことがバランスよくかかれて、事態の複雑さがそこは...続きを読む
  • 台湾の少年1 統治時代生まれ
    ブックガイドとか書評で複数回目にする機会があり、それは読んどかないと、ってことで。マンガだから取っつきやすいってのも大きい。台湾有事を頻繁に見聞きするけど、その歴史はと問われると、殆ど知識が無いことに気付き、情けない思いにとらわれる。その点、読み易く漫画で描かれた本書は重宝する。物理的な距離感のみな...続きを読む
  • 台湾の少年4 民主化の時代へ
    さいこんりん 「移行期の正義」の起動 今ではすっかり台湾の方が日本を遥かに凌ぐIT先進国になっていますが それはあくまでも日本の為に行なった植民地統治による反射的利益 
  • 台湾の少年3 戒厳令下の編集者
    人口に膾炙した漫画が次から次へと連載出版されてゆき ペスタロッチの教育理念である「自ら体験するすることを重視する」姿勢を実践していった 紅葉チームではその後続け様に年齢詐称した選手の替え玉事件等が発覚した