感情タグBEST3
Posted by ブクログ
エピローグに何かあるかと思ったがこれもあっけなかった。
それより全体解説の「ドストエフスキーの生涯」約100ページと「解題」約200ページがわかりやすくてすばらしい。ロシア皇帝権力に対するテロ事件に影響を受けていた様子がよくわかった。単なる芸術家ではなく祖国を何とか良くしたかった。
だから第2の小説では13年後のアリョーシャやコーリャが皇帝暗殺を目指すという説に説得力ある。ドストエフスキーがもう少し長生きして執筆してくれていたら。でも若い頃国家転覆の罪で逮捕され銃殺刑に処されかけたのが恩赦で助かって第1の小説を書いてくれただけでも良しと考えよう。
Posted by ブクログ
「カラマーゾフの兄弟4」
「カラマーゾフの兄弟 5 エピローグ別巻」
※4.5の感想です。
これで、亀山郁夫訳のカラマーゾフの兄弟全巻を読み終えた。
長くて苦しくて楽しくて、、今まで読んだどの本にも無い読後感だった。
それはこれが、未完の大作であるからということも大きいのかと思う。
ドストエフスキーは、このエピローグまでを第一の小説とし、その13年後を描く第二の小説を念頭に置いて書いていたが、亡くなってしまったから。
にもかかわらず、この完結性の高さという、他に比べようがない(少なくとも自分が読んだ中では。)「人類の奇跡のような」作品。←訳者、亀山郁夫氏の言葉
まずは、第4巻から。
第4巻は、第10編「少年たち」という話から始まるのだけど、これが個人的に素晴らしく良くて、ドストエフスキーの、反抗的でありながらも、少年のもつ純真さや繊細さ、故の暴力性を台詞回しや出来事によって描き切る才に驚愕した。特に、後々まで重要になるコーリャという少年の描写が本当に良くて、、どことなく、スティーブン・ミルハウザーの「エドウィン・マルハウス」の世界観を思い出させた。(これも傑作中の傑作)
イワンの内面が徐々に浮かび上がる中盤、スメルジャコフとの対話のシーンは不穏で不気味、グロテスクで、なんだか自分自身の内面を暴かれているようでどきどきした。
その流れからのミーチャの裁判。
世の中の残酷な事件や、戦争、虐待。
「父殺し」という作中での直接的表現にそれらをあてはめてみると、更に先ほどのイワンの内面描写が他人事ではなく思えて今度はゾッとするのである。
そしてそれらを見つめる「わたし」の俯瞰的目線、それによって台詞の意味が補完される。
5巻にある訳者による解題での「ポリフォニー(多声)性」という手法の巧みさ!読み手により如何様にも読めるという面白味に加えて、最大の主題「神はあるのか」についてもまた、登場人物の言動や行動や、それに伴う結果のそれぞれの違いによって複雑に絡み合って、決して白か黒かでは分つことができない。
その「複雑さ」がリアルで惹きつけられる要因のひとつなのかもしれない。
またしても「二項対立の脱構築」的思考だなと、、
第5巻エピローグは、僅か63ページ。
これで本編自体は完結する。
最後のアリョーシャのスピーチを読んだとき、本当に自然に、ハラハラ涙が出て、心が動くということは多分これのことなんだなと実感した。
これまで積み上げてきた長い物語世界の、一つの側面であり大きな主題でもある、先述した「神はあるか」についての、人間としての最適解というか、本当は全ての人間がこうありたいと願っていると「思いたい」と思える、素晴らしいものだった。
143年前のロシア古典文学が、今もずっと読み継がれている理由が身に染みてよくわかった。
訳者違いで、また何度も読みたい。
素晴らしい読書体験だった。
Posted by ブクログ
カラマーゾフ万歳!
兎にも角にも続きが気になります。。
ロシア文学は苦手意識が強かったんですが、こんなに楽しめるとは想定外でした
新訳が良かったのか、亀山さん訳が自分に合ってたのか。。時間があれば原さん訳にもチャレンジしようかと!
Posted by ブクログ
日本列島が最強寒波におおわれている頃、この凍てついたロシアの地で繰り広げられる物語もまた、クライマックスへーー。
昨秋から4か月におよんだ読書の旅も、ついに完結。
いやあ、それにしても長かった。
まずはおつかれ、私!!
3巻から徐々にスピードアップしていた展開は、4巻でさらに凄みをまして、5巻のエピローグまで一気読みでした。
ミーチャ、有罪になってしまったのか、うわあ……。
そしてイワンはこれからどうやって生きていくんだろうか。
それにしても話が長くて読むのが辛くて、途中で何度も投げ出しそうになったけれど、なんとか最後までたどりついたいま、この作品と出会えて本当に良かったと思っています。
なんとなく、最近は自分の経験のなかで、小説ってこういうものだ、というイメージをもっていたのですが、それを根底からくつがえすような構成と世界観。
はじまりがあって、事件がおこって、結末をむかえて、という流れに加えて、登場人物が話すごとに、頭の中に万華鏡のような球体が形づくられて、切り取り方や光の当て方でいくらでもキラキラと見え方が変わる。
人の心の、とらえどころのなさや危うさが、あますところなく表現されている。
運命のあやで無実の罪人になってしまったミーチャに、アリョーシャがかける、
「兄さんは苦しみを受けることで、もうひとり別の人間を自分のなかに甦らせようとしたんです。ぼくに言わせれば、一生どこへ逃げようとも、そのもうひとり別の人間のことをつねに忘れずにいるだけでいいんです……それだけで兄さんは十分なんですから。」
という言葉が好き。
苦難に巻き込まれた人の、怒りや絶望を絶ち切って、人生の主導権を自分自身に取り戻す意味が込められていると思う。
5巻は、約半分が訳者の亀山郁夫による解題でしめられているけれど、本編を読み終わってから読むと、これがまためちゃくちゃ面白い。
今回は途中で挫折することをさけるために、とにかく先へ進むことを優先して読んだけど、再読の際はもっとディテールに着目して読めたらいいなあ。
細部の描写で個人的に印象に残ったのは、最後の裁判でカテリーナやラキーチンの、風俗を生業にするグルーシェニカに対する差別心がむき出しになる場面。
ドストエフスキーの冷静な観察力に驚いてしまった。
それにしても、この重量の作品を読み通すには、2020年代に生きる身としては、学生時代に読むか、社会人の場合は生活上の何かの優先順位を下げて時間をつくらないと、かなりむずかしいと感じる。
私は学生時代(はるか昔)にカラマーゾフを読まなかったので、たまたまとはいえ、人生の中でこの作品に向き合う時間を与えられたのは幸運だったと思う。
めぐり合わせに感謝しよう。
そして同じく最後までたどり着かれた皆さまも、おつかれさまでした!!
さようなら、カラマーゾフの兄弟たち、また会える日まで。
Posted by ブクログ
最終巻はエピローグが数十ページ。残りの大部分は解説となり、ドストエフスキーの生涯、解題、訳者あとがき。
エピローグのみ別巻とする配分は初めてらしい。気になる登場人物たちのその後は、アリョーシャと少年たちの未来を予感させて終わる。続編が予定されていた本作だが、刊行直後に作者が亡くなってしまい執筆されずに終わった。13年後のアリョーシャを見てみたかった……。
エピローグ部分は短いのですぐ読み終わる。その後の解説などは必ずしも読む必要はないのかもしれないが、読み飛ばす人は意外に少ないのではないか。圧倒的なエネルギーを持つ本作を読み解くには、何がしかの思考補助が有用で、訳者・亀山郁夫先生の「解題」は非常に大きな助けになった。
とても長い小説でありながら、多くの人に読まれ続ける『カラマーゾフの兄弟』。圧巻のラストを目の当たりにして、やはり人類の至宝といえる文学のひとつなのだと強い確信を抱いた。
Posted by ブクログ
完結巻。長い長い物語の終わり。訳者の解説で続編の存在に触れられている通り、シナリオとしては未完、アリョーシャの物語はまだ始まったばかりだ。それなのに読後は爽やかな気分になる。快晴の冬の朝のようだ。
劇的なシーンは前巻の裁判で最後であり、主要キャラクターの顛末を考えても決してハッピーエンドとは言えない。それでは物語の終わりと第二の小説への序章として必要だったのだと思う。
Posted by ブクログ
何度も挫折し、何年か越しに完読
これ程までに壮大な物語だったのか…
今までに味わったことのない充実感と処理しきれないざわざわとした気持ち
ドストエフスキーの頭の中に描かれていたその後の物語とはどのようなものだったのだろうか
この本を超える本には、今後出会えないかもしれない 圧巻の一冊
最後に
カラマーゾフの兄弟を完読できたのは亀山郁夫先生の翻訳お陰です
Posted by ブクログ
遂に!完読!
こうしてみると、いかに考え抜かれた構成か、練り上げられたキャラクターか、重なる層か、に感嘆するほかない。
そして、書かれなかったもう1つの物語の存在感。読みたかったもう1つの物語。それがあるから、これが更に際立つ。
亀山郁夫の渾身の解題が圧巻!
Posted by ブクログ
今までの人生で沢山の本に出会ってきたが、カラマーゾフの兄弟ほど強烈な印象を私に与えた本はない。登場人物の誰もが凄まじい個性をもっていることが、その所以だろう。そして、彼らの多くは、宗教、父殺し等の重い内容をまくし立てるかのこどく、ハイテンションで話す。時には数十ページにも彼らの会話は及ぶため、終始、彼らの熱量に圧倒されっぱなしである。エピローグの後に訳者の仔細な解説が載っているので、キリスト教や当時のロシア情勢に疎い私のような人でも、より深く小説を理解できるようになっている。また数年後に読み返したい。
Posted by ブクログ
まずは約2週間かけて読破できた自分を褒めたい。非常に充足した気分。
振り返ると、第一部は非常に苦しかった。正直面白くなかった。全く知らない登場人物の詳細がないまま会話ベースに話が進んでいく。誰が、どんな気持ちで話しているか読み取るのが非常に困難だった。
第二部の大審問官は実は読み飛ばしてしまった。が、これから頑張って読み直そうと思う。
第三部からは打って変わって手が止まらなくなった。少しずつ各キャラの性格や、物語の向かう先がわかってきたのと、ドストエフスキーの文章(と、訳者の亀山さんの文章)に慣れてきたのもあり、一気に読みやすくなった。
第四部は終着点。正直最後は、えっ、これで終わり?と思ってしまった。
そしていよいよエピローグ。最後、子供達とアリョーシャのやり取りを読んでいて、ふっと気持ちが軽くなった。少し、未来に希望が持てそうな気持ちだった。
そのうえで、亀山さんの解説を読むと、いろいろ納得できるところも多く、もう一度読みたいと思ってしまうのが不思議なところ。また落ち着いたらカラマーゾフの兄弟の世界に足を踏み入れてみようか。
もっと面白い本は世の中にたくさんあると思うが、それでも傑作と名高いカラマーゾフの兄弟を「読破」した側の人間になれたことが嬉しい。
万人におすすめはできないが、読書好きな人にはぜひ、読んで欲しい作品です。
Posted by ブクログ
5巻ってほんのちょっとなんだね…
ドミートリーやイワンがその後どうなったか、知りたかった
アリョーシャは宗教とどう関わっていくのだろうか。
全体を通してみると、まぁ緻密な物語。
カラマーゾフたちの性格が、最後の裁判にどう繋がっていくのか、いつか再読してたしかめたい。
Posted by ブクログ
読書として長い旅だった。数十年前は分からなかったことが少しはうなづけるようになり、ドストエフスキーの生涯と解題を読んでさらに理解が進んだ。
キリスト教と社会主義、農奴解放後の混乱という19世紀のロシア特有の空気と、著者が実生活で持つ背景が作品に及ぼす強い影響。ミーチャ、イワン、アリョーシャという3兄弟と父親、スメルジャコフやコーリャ、女性たちとの会話など、どんなに分かりやすい翻訳でも、おそらく原語が理解できないとその面白さは半分以下なのだろうと、訳者の解説を読みながら実感。それでも他作品を間に挟みつつ3か月で読み通せたのは、活力ある言葉での翻訳に徹した訳者のおかげだ。
著者が予定していた第二小説が永遠に読めないのは残念だが、ここまで5冊でも十分に体力の要る読書だったし、読み方によっては十分に完結している物語でもあった。
Posted by ブクログ
読み終わった。この本は、何をテーマにしていたのだろう。多くのことが思い起こされるが、人生と同じく、一度は考え、悩むことがたくさん盛り込まれている。そこに、裁判という小説としてのエンターテイメントも加えられている感じがした。
伝えたいのは、ドストエフスキーの思想。それをエンタメ作品にのせて吐き出した?
あまりにも評価が高いだけに、どう言っていいのかわからないが、素直に言うなら、もう一度読みたい。訳もわからず読み進めた部分、得に登場人物の深層心理を理解を深めつつ、状況の進み具合を把握しつつ読んだら、もう少し物語に没入して楽しく読めそうだ。
Posted by ブクログ
何が起きたのかは何とか理解できたが、そこから宗教や心理学、哲学に繋げることは非常に難しかった。もう一度読んだらもう少し深く理解できるのかもしれないが、そんな元気はもうない…(゚∀゚)
Posted by ブクログ
暫く間が空いたが、今日5巻を読み終えた。感想は?と聞かれると少し躊躇する。あまりにも表現が、気持ちが、そして神とのつながりや断絶が強すぎ、理解できない部分が多い。作者の神経の繊細さと激しさ、愛への狂おしいほどの猛進。兎に角もう一度読まないと理解は半分かもしれない。ロシアの人名や地名の難しさ。特に人名は下を噛みそうだし、相性と正式な呼び名の違いに混乱する。また、いつか読み直してみようとは思う本だ。
Posted by ブクログ
ついに読み終わりました。
読み終えた自分を褒めたいです。
後半はとても面白く読めましたが、
それでも難解で、解説を読んで補っています。
登場人物が一筋縄ではいかない感情起伏の激しい人々ばかりの中、アリューシャは、ホッとする存在でした。最後の言葉が意味するものは何なのか?
しばらく考えています。
Posted by ブクログ
エピローグ。
ドミトリーとカテリーナの和解。
(引用)こうして二人は、ほとんど意味もなく、狂おしい、ことによると真実とかけはなれた言葉をたどたどしく交し合っていたが、この瞬間にはすべてが真実であり、ともにひたむきに自分の言葉を信じていたのだった。
この二人はその場の情熱で自分にも嘘を吐くし、似たもの同士なんだろうね。裁判でのカーチャの虚偽発言が有罪に導いたのは間違いないし、ミーチャは甘んじてそれを受け入れようとしているということか。
そして、イリューシャの葬儀で幕。書かれなかった第2の小説に繋がる箇所。
その後は亀山先生の解説。ドストエフスキーの生涯と評論「解題」。
ドストエフスキーはギャンブルが止まらなかったり、かなり破滅型の人だったんだな。恋愛についても(闘争の中で、奪われるという予感の中かでしか人を愛することのできないマゾヒスト)とあり、大作家はかなり問題のある性格と知った。
亀山先生の解題には、自分の読みの浅さを思い知らされた。全部書いていると限がないので、心に留めておくところを幾つか記す。
・記述のポリフォニー性。登場人物を光と影から交錯させ、作者の一方的なまなざしを許さないとある。
・破天荒なミーチャの行動に目が行ってしまうが、事件の罪人イワンの隠れた悪魔性が主題だったと思う。実行犯スメルジャコフが彼の深層心理を体現したばかりでなく、少女リーザの変身はイワンの関係性に起こっている。これは完全に読み落としていた。スメルジャコフとリーザと彼の幻影である悪魔もイワンの分身ということなんだろう。
・大審問官の説話は教会批判でキリスト批判ではないと思ったが、キリストと思しき「彼」は言葉を発していない。悪魔と手を組んだと自白する大審問官に接吻するだけ。この接吻とこの話の後にアリョーシャがイワンに与えた接吻の意味を亀山先生は注目する。アリョーシャの意味とイワンの受け取った意味が同一でないとの示唆。
・イワンは、神がなければすべてが許されている、という。スメルジャコフはそれに従う。では、神がいたならば。これがイワンの精神病を引き起こす。エピローグではイワンの命が尽きようとしていることが告げられるが、第2の小説での登場は想定されていなかったのだろうか。
・この長編の自伝性についてドストエフスキー自身の内なる父殺しについては、NHKの100分de名著でも亀山先生レクチャーしていた。それから考えても、やはりイワンを一番の主役なんだろうな。ミーチャは父の死について、特段の感情持たなかったようだし、アリョーシャには長老ゾシマの死の方が重要だったろうし。
面白かったけど、かなりの難物。いつかは再読しようと思う。
Posted by ブクログ
3兄弟と父殺しのいきさつ、下男のスメルジャコフ、2人の女性グルーシェニカ、カテリーナとゾシマ長老が登場するこの話は登場人物のキャラクターが興味深い。キリスト教的な死への恐怖、ロシア人の女好きな男ども、ドミートリーの大審問官等描いている人間の本性はとても奥深い。名著と言われるゆえんだろうか?
Posted by ブクログ
エピローグと解説だけで一冊。
他の小説なら考えられないけれど、4冊分高嶺を乗り越えた心持ちでは当たり前に感じてしまう不思議。
一言では語り尽くせない作品です。
作者が伝えたかったことは何なのか?
メインテーマは何なのか?
少なくとも犯人を当てるだけのミステリーでも、理想的な宗教物語を現代風に語りたい訳でもないことは分かります。
そこから先を、藪に踏み込むように進む重労働が、この本の特長といえるでしょう。
おっ、イリューシャのこのワンシーンは、ゾシマ長老のあのシーンとかぶってるぞ。そうつかの間喜ぶも、2000ページある中のほんの数行です。まだそれを翻す発言があるかもしれない。1万ピース超えのジクソーパズルに手を出した気分になりました。
大層辛そうだな、と思われるかもしれませんが、それは人それぞれです。
表面的でない、肉厚な人物像を前にして読み解こうするか、よくわからんと投げ出すか。スルメを一口で飲み込もうとするなら止めておくのが無難です。
読後感がパチパチと長続きしているので、この後YouTubeの解説にも手を出してみようと思います。
Posted by ブクログ
約2ヶ月かかって全巻読破。ロシアン家族のドタバタ劇。
学生時代に挫折した「大審問官」は、今なお難解で再び挫折しかけたが、その後は面白く読めた。
Posted by ブクログ
やっとら読み終えた。
後日談でエピローグ主人公たちのその後。
いままであった剥き出しのはげしさはない。
何回よんでも新しい発見があるそうだけど、またいつかよめるかな?
Posted by ブクログ
この巻は、物語の『エピローグ』が60ページ程、残り300ページ程は訳者による『ドストエフスキーの生涯』と『解題』『あとがき』です。
ドストエフスキーについてや、登場人物たちの性格、物語のダイヤグラムなど結構細かくいろんなことを説明してくれているので、なるほど!となるとこがたくさんありました。
読んだだけでは私にはなかなか理解できないとこが多かったので…。
このことをふまえていずれ再読したいです。
それと、確かにいろんなことが投げっぱなしというか伏線みたいなの張ったきりみたいな印象があるのでやっぱり第二の小説ありきで考えていたんだろうな、と。
読んでみたかったなぁ…。
(2022/05/10再読。やっぱり面白かったし、第二部を読んでみたかったなぁ…って気持ちになる)
Posted by ブクログ
読んだ本 カラマーゾフの兄弟5 ドストエフスキー 20240602
最終巻は、本文60ページで残りは「ドストエフスキーの生涯」と「解題」。なんか感想が変わっちゃうんで解説とかは読まない方なんでありゃって感じ。
エピローグっていうだけあって後日談って感じ。
しかし、読み終わって思うのは、これだけ神の在不在なんかを描きながら、奇跡らしいことが全く起こらない。死ぬ人は死んで、誰も救われない。聖人も死ねば腐臭を出すし、父殺しの裁判でも客観的事実のままに裁かれ、読者の知る事実は無にされる。ある意味身も蓋もないお話なんだよな。
神はいない。だけど必要だから人間が作った。ってのがイワンだったっけな。宗教法人はともかく、神は必要ですよね。それがどんなもんだとしても。信じたものが誰かの利益のためとか、利用されてたとかって突きつけられる残酷さって考えさせられるもんがあるんですよね。ちょっと本とは関係ないんだけど。
Posted by ブクログ
第5巻には、物語としてのエピローグ(約50ページ)の他に、訳者による物語の解説とドストエフスキーの生涯についての研究成果が載っている。解説は、参考にならないわけではないが、意見の合わない部分もあるし物語を楽しむに当たっては邪魔でもある。残念ながら、全体としてあまり役立つ情報とはならなかった。
「この小説に魅せられた哲学者のヴィトゲンシュタインは、何十回となくこの本を手にし、全文を諳(そら)んじるほど細部を読み込んだ」p172
「ドストエフスキーは、1年ないし2年の休息を経て、続編にあたる「第二の小説」に入る心づもりでいたが、突然の死により、実現を見ることなく終わった」p177
「カラマーゾフ家の兄弟は、しばしば真(イワン)、善(アレクセイ)、美(ドミートリー)の体現者であるといった言い方がなされる」p224
「わが国には『カラマーゾフの兄弟』の翻訳が8種類あり、原文よりも翻訳の方が優れていると感じられる場合が少なくなく、ドストエフスキーのゆるぎない位置は、翻訳者の献身的で不可欠な努力に負うところが大きい」p276
「『カラマーゾフの兄弟』は、あくまで未完の物語である」p351
Posted by ブクログ
5月22日に1巻を読み始めて以来、6ヵ月半をかけて、ようやく5巻全巻を読み終えた。今まで挫折がちだった古典を読破したい、というレベルの低い目的から始めたが、何とか2019年内に読み終えたことは、自分を褒めたいと思う。
何故、今回はこれだけの大作を読み終えられたか、自分でもよく分からない。というのも、国や時代背景、宗教等の違いにより、情景を理解することも困難だったからだ。
にもかかわらず読めたというのは、やはり作品に力があったからなのか?いずれにせよ1度で理解できる代物では全くない。
話は、キリスト教、ロシア正教会、男女かかわらずロシア人の議論好き等を理解することから始めないと無理だった。
これをきっかけに宗教を知らなければ世界は理解出来ないことを痛感したため、宗教につき勉強を始めたことは自分にとってプラスだ。
また、ちょうど12月にNHKで100分で名著が、訳者の亀山さんの解説で始まったことに、タイミングの良さを感じている。
これを1ヵ月見て、また理解を深めたい。
また、読むことがあるのか、今はまだ分からない。
それだけ疲れ果てる作品だった。