小学6年生の広記は、父、妹の奈奈、同級生の建太郎、トモちんと横浜スタジアムでベイスターズの応援をするのが一番の楽しみ。
憧れは、ハマのキャプテン筒香嘉智。
「体が大きくって、森のどまんなかに生えてる、どっしりした木みたいだ」
「応援する人じゃなく、応援される人になりなさい」
こうお母さんに言
...続きを読むわれたという建太郎は、もう観戦は一緒に出来ないと言い出す。
2016年春、ベイスターズは最下位にあえいでいた。
「君は将来、何になりたいの?」
大人が子供に聞く質問の定番。
小学6年生の広記にとって、こんなに難しい質問はない。
トモちんは地元野球チームのエース。男の子に負けていない。
広記は、5年生の時にそのチームを辞めてしまったけど。
建太郎は中学受験して、自分の夢をつかみに行くらしい。
ハンディキャップのある妹の奈奈は、しっかりとした自分の考えを持っている。
ベイスターズがはじめてクライマックスシリーズに進出した2016年。
ハマの番長三浦大輔が現役を引退した2016年。
広記の家にも小さな奇跡が舞い降りる。
語り合うこと。
人を励ますこと。
「応援」する人自身が、実は元気になっていく。