菊池寛のレビュー一覧

  • 形

    まず形から入る

    ハロー効果 というか 人は見た目が9割 というか、外見の持つ力 威力 そして怖さを十分に感じさせる作品である。昔 高校の国語の教科書に乗っていたので印象に残っている。最近の、反ルッキズムという運動 活動を考えると感慨ひとしおである。
  • 真珠夫人
    芥川賞と直木賞の創設者であり、文藝春秋社の創始者である菊池寛の長篇小説。

    園遊会に招かれた華族に生まれた若い恋人達が、拝金主義の主催者の男と口論になり、お金こそ全てと信じて疑わないその男は、侮辱された恨みを晴らすため、女性の父が金策に窮することにつけ込んで罠に嵌めます。
    追い詰められた女性は、恋人...続きを読む
  • 真珠夫人
    長さを感じず、あっと言う間に読める。面白い。
    人間の表裏一体な感情が見事に描写されているように思う。特に女性の揺れ動く様々な感情が、さらけ出したくないのだが良くわかる。菊池寛、男なのに恐るべし。

    人の感情は常に揺れ動く。しかし信念、信条をもって覚悟を決めれば揺るぎない人になれる。瑠璃子しかり、信一...続きを読む
  • 真珠夫人
    「瑠璃子」さんにどんどん魅かれて、読むスピードも早くなってあっという間に読みきってしまった作品でした。本当に男性が書いたのかと思うような女性目線の作品です。時代設定もあるからか、男性と女性の価値観に関して、当時の社会や文化を知ることもできる。男性優位の社会のなかで、このような強い女性を描かれているの...続きを読む
  • 真珠夫人
    ストーリーの展開を含めて、ぐいぐいと惹きこまれていく。
    大正時代の小説、古臭い小説、との先入観を持つ必要は全くない。いや、大正時代だからこそ、新たな価値観の萌芽の時代だからこそ、男女の価値観において、このような興味深い小説が書けるのかもしれない。

    女性の生き方、フェミニズムをテーマにしているのだが...続きを読む
  • マスク スペイン風邪をめぐる小説集
    久米正雄がモデルの『神の如く弱し』目的で読んでみた。
    菊池から見た破船事件後の様子が分かるのと、久米が何とも可愛かったので満足。
  • 受難華
    菊池寛ってなんとなくお固い作家なのかなーと思っていたけど、こんなドラマチックかつ可愛らしい恋愛小説を書いていたとは!
    3人娘の大正ロマンな言葉遣いを読んでいるだけで、エレガントな気分になって心地よい。
    寿美子が「恋愛以外にも、生活はあり、生活のあるところ、どこにでも欣びはあるのだ」という境地に至った...続きを読む
  • 真珠夫人
    しかし、白蓮さんを重ねて読むのでなく、これはこれで小説として読むと、本の厚みの割りに、ドンドン読み進められ、先の気になる内容で、本当に面白く読んで良かった1冊です。
  • 将棋

    将棋をやってみようか

    納得できる解説です。
  • 真珠夫人
    これは面白かった!
    信一郎屋敷に乗り込むシーンは、瑠璃子の悪女っぷりが憎たらしくて、信一郎も惑わされてるんじゃないわよ!? と、夢中になってしまった。後半の展開も意外で、非常に楽しませてもらいました。
  • 形

    色々と考えさせられる

    読み終わって思ったことは、これってAKB48じゃん!ってことです。AKB以外にも色々と置き換えて読むことができそうです。非常に短いけど色々考えて楽しめる読みものだと思います。
  • 新撰クラシックス 李陵/山月記(小学館文庫)
    「李陵」
    李陵と司馬遷、二人の不遇な男の物語。
    祖国への忠心を頑に守るのか、柔軟に新たな恩義を大切にするのか、どちらの生き方が正しいのかは誰にも判断できないが、迷いのある者が苦しむことは確か。
    「悟淨出世」
    西遊記でおなじみの沙悟淨が、三蔵法師一行に出会うまでの話。自分とは何なのか、何のための人生な...続きを読む
  • 真珠夫人
    近代文学なのに、このストーリー。
    ちょっと刺激的すぎるところが、ドラマ化した理由なのかしら~。
    まさに、昼ドラの内容。
    でもね~、この菊池寛の描写がきれい分かりやすいので
    自分の身において考えられるのが嬉しかったのよね。

    読んでて
    「ああ、この気持ちよくわかる~」
    って思うところがいっぱいあった...続きを読む
  • 新撰クラシックス 李陵/山月記(小学館文庫)
    李陵は子供の頃から何度読んだやら。読むたびに心に染みいります。山月記は森見登美彦のパロディ読んだ後なので違った面白さ。
    しかし、新装で600円か。昔は200
    円ちょっとで薄いペラペラの新潮?文庫買えたのだが。
  • 新撰クラシックス 汚れつちまつた悲しみに ゆきてかへらぬ(小学館文庫)
    カヴァーには古本屋の値札。入手した頃は佳いも悪いも解らなかった。ただソレっぽい空気に抱かれたかっただけ。転居準備に拾い読めば ソレっぽい空気を共有していることの なんと哀しき余生か。
  • 真珠夫人
    瑠璃子の心の奥に秘められた思いの強さ、その苦しみからの行動、なんというか非常に切なかった。最初の可憐な瑠璃子が本当に愛していた人と引き裂かれて不本意な結婚を強いられてしまう。借金と名誉のために、ほぼ身売りのような形で。ただ、それは勝ち気な瑠璃子にとっての「負け」ではすまされなかったのだろう。負けてな...続きを読む
  • 新撰クラシックス 人間失格 櫻桃 グッドバイ(小学館文庫)
    言わずと知れた一番有名かつ最も読まれている太宰作品。太宰治論の奥野健男氏は「太宰治の全作品が消えても、『人間失格』だけは人々にながく繰返し読まれ、感動を与え続ける、文学を超えた魂の告白と言えよう」とまで評しています。

    アフォリズムを作り出す天才だと言われる太宰治。中でも『人間失格』の中の言葉は際...続きを読む
  • 真珠夫人
     ワタクシこれで卒論書いております。
     瑠璃子の人物像、多少不完全なところもあるけれども、大正時代からすればすっごい新しかったんだろうな、と思います。自分を恨んで死んだ男が書いた恨み節をよんでも、「自惚れが強いのね☆」と一蹴してしまうところなんかはかなりカッコヨイ。
     ただし、フェミニストとしてのや...続きを読む
  • 貞操問答
     菊池寛・貞操問答。三女の美和子のキャラがイイんです。それゆえの5つ星!(笑)
    メロドラマっぽい展開なので、好き嫌いは分かれると思いますけど、私は結構好きです……☆
  • 真珠夫人
    菊池寛二冊目。貞操問答よりも、こっちの方が気に入った。ミステリアスな出だしと、主人公の心理描写が絶品で、(当時としては非常にセンセーショナルであったであろう)社会風刺も効いている。なるほど、これは面白い。