発表から40年の間に幾度も小学校の国語教科書に採用されてきた戦争児童文学の名作。8編からなるが、表題がおかあさんの木。
七人の息子がそれぞれ兵隊へ。その都度桐の木を植え、子どものように育てる母。この一言が胸に響きました。
『何もお前たちのせいではないぞえ。日本中のとうさんはかあさんが弱かった
...続きを読むんじゃ。みんなして、息子を兵隊にはやられん、戦争はいやだと一生けんめい言うておったら、こうはならんかったでなあ』
私にもまだ8歳だけど息子がいる。たとえ非国民と言われても赤紙がきても、我が子を兵隊には出さんからねっ!と、テレビの国会中継を見ながら、そんなことを時の首相に向かって言ってみるけど、きっと有事の際はそんな理論が通るような状態ではないんだろう。
だからこそ、「あの戦争の時のかなしみや、くるしみや、つらい思い出を…二度とふしあわせにならないために、いつまでも語りついでいきたいと思う」という前書きの文章が心に刺さる。強いとうさん、かあさんでいないといけないと思う平成の世。