大野一のレビュー一覧

  • 日経BPクラシックス 資本主義、社会主義、民主主義 1
    シュンペーターといえば「創造的破壊」の概念を提唱した人物として日本人にもなじみの深い経済学者ですが、その概念を紹介したのが本書になります。本書は第二次世界大戦中の1942年に発刊された本ということで、そのあたりの背景を考慮しながら読み進めると良いかと思います。また本書では、序文としてシュンペーター伝...続きを読む
  • 日経BPクラシックス 資本主義、社会主義、民主主義 2
    第2巻では「第4部:社会主義と民主主義」、「第5部:社会主義政党の略史」に加えて、戦後のその後の展開へのコメントとして、「イギリス第三版への序文(1949年)」と「社会主義への行進」というシュンペーターが亡くなる直前の(不完全な)論文が収録されていました。
    率直な感想はというと、第1巻での資本主義の...続きを読む
  • テクノロジーの世界経済史 ビル・ゲイツのパラドックス
    まさに「自動化」の渦中にある現代テクノロジーにおいて「人々の仕事は機械に奪われてしまうのか?」「社会経済は、人々は、どうなってしまうのか?」という大問に、真正面から対峙した重厚な一冊。

    古くは先史時代から技術革新の歴史を顧みながら、特に近代以降の大変革ーーイギリス産業革命並びに第二次産業革命ーーを...続きを読む
  • 雇用、金利、通貨の一般理論 (日経BPクラシックス)
    難解、(過去の翻訳書は)訳がよくない
    などと聞いていたので敬遠していたが新薬が次々出て本書を手に取ってみた
    マクロ経済学を学んだ後だと、真髄が分かる、までは行かないがそんなに難解でもないのでは?
    ただ、ケインズを下敷きに次へ行こうとしている経済の元では本書が熱狂で迎えられた感じとかは今ひとつというか...続きを読む
  • テクノロジーの世界経済史 ビル・ゲイツのパラドックス
    民主主義社会である以上、テクノロジーの進退は大衆がその恩恵を享受できるかどうかによって、ゆっくりと決まっていく。
    蒸気や電気など、汎用的な過去のテクノロジーは発明されてから広く受け入れられるようになるまで時間がかかった。
    また、受容されてから大衆にそのメリットが及ぼされるには数世代の時間がかかる。
    ...続きを読む
  • テクノロジーの世界経済史 ビル・ゲイツのパラドックス
    テクノロジーの進化について、古代ローマのテクノロジーからラッダイト運動を経てAI失業まで、一貫性のある説明がされており、目を見開かされる。
  • 代議士の誕生
     日本の候補者が選挙でどのような活動をしどうやって代議士になるか、を大分県のある代議士のもとでエスノグラフィー手法で記録した本。メインの内容について書く前に、この本を今買うべきだと思うということを書いておきたい。2009年版前書きにおいて、なぜ民主党が勝利し、自民党が敗退したかということを書いている...続きを読む
  • 民主主義のファイブ・フォース分析 政治産業にイノベーションを!
    経営戦略の大家であるマイケルポーターと元企業経営者による政治分野においてファイブフォースを取り入れて分析を行った本。

    実際の分析のプロセスは正直どうなんだろと思うところ(そもそも政治分野に「競争」の概念を取り入れること自体個人的は反対)も多々あったが、世界一裕福なアメリカがなぜランキングではここま...続きを読む
  • 日経BPクラシックス 資本主義、社会主義、民主主義 1
    「資本主義はその成功ゆえに失敗する」マルクスの向こうを張ったこの意表を突くテーゼであまりに有名な本書は、処女作『 理論経済学の本質と主要内容(岩波文庫) 』でワルラスの一般均衡理論を継承したシュンペーターが、『 経済発展の理論(岩波文庫) 』でイノベーションをキーにその動学化を図った後、自らの学問体...続きを読む
  • テクノロジーの世界経済史 ビル・ゲイツのパラドックス
    ◯ 政治的支配力をすでに握っている者にとって、ほとんどの場合、創造的破壊という不安定化プロセスには何の利益もない。(48p)

    ◯ 短期の問題には政府が慎重に対処すべきだ。イギリスの産業革命を生きた多くの人々にとって、短期とは一生を意味した。(524p)

    ◯ 自動化がまだきわめて困難な対人サービス...続きを読む
  • 日経BPクラシックス 資本主義、社会主義、民主主義 2
    「民主主義とは、単に『統治する人を受け入れる機会、拒否する機会が市民にある』という意味にすぎない」(p109)

    なかなかドライな指摘ではあるが、民主主義の本質をしっかりと見据え、よりマシな政治を展望するまっとうな書といえる。エリート民主主義の本丸とみなされている本書だが、そういう看板を外して、現代...続きを読む
  • テクノロジーの世界経済史 ビル・ゲイツのパラドックス
    具体の話が少し頭に入ってきにくい感じがあったので、機会があれば再読を頑張りたい。

    第一次産業革命では、ラッダイトと呼ばれる機械を壊して抵抗する労働者が現れたりして、イノベーションに対するアレルギー反応ようなものがでたりするが、最終的には全ての人に技術革新の恩恵が行き渡ることもあり、受け入れられてき...続きを読む
  • テクノロジーの世界経済史 ビル・ゲイツのパラドックス
    とても分厚く読み応えがある

    過去のイギリスとアメリカの産業革命からテクノロジーが人々の生活にどのような影響をもたらしたかを分析し、今のAIによる自動化の影響を考察している

    初めて自動化してもそれによるダメージの大きさを知った。昔のイギリスでは産業革命が起こっても人々の賃金レベルは変わらず、上位の...続きを読む
  • 日経BPクラシックス 資本主義、社会主義、民主主義 2
    1巻より続く

    気づき
    ・マルクスは自分は決して真の民主主義の道から逸脱し
     ているわけではない。真の民主主義の息の根を止める
     資本主義という毒ガスを除去しなければならないと宣
     言しただろう
    ・民主主義は「市民による統治」と定義できるかもしれ
     ないが、「市民」と「統治」にはさまざまな概念があ
    ...続きを読む
  • 日経BPクラシックス 資本主義、社会主義、民主主義 1
    読もうと思った理由
    現在起こっている政治経済制度の問題点について深く知りたいと思ったから

    気づき
    ・ひとたび「資本家」が潜在的なサービスの蓄えを手に
     すると立場上、そうした蓄えや潜在的な蓄えの生産に
     かかるかかる時間以上、労働者を働かせることがー実
     際のサービスを提供させることができる。この...続きを読む
  • テクノロジーの世界経済史 ビル・ゲイツのパラドックス
    AIに代表されるテクノロジーは生産性の向上により人間を不要な労働から救う救世主なのか、それとも低付加価値の労働者の仕事を奪うことで失業率を押し上げる悪魔なのか。論争が尽きぬこの議論に対して、主に産業革命以降のテクノロジーの歴史を紐解くアプローチを取ったのが本書である。

    本書では、産業革命以降、労働...続きを読む
  • 代議士の誕生
    著者は本書の主人公ともいえる新人立候補者の佐藤文生氏の家に一年近い期間居候し、佐藤氏がどのような戦略で票を集めていたのかを詳細に記録している。本書は、フィールドワークの傑作と言われているが、その詳細な記述には驚くばかりである。今であればこれだけ自分の陣営の手の内を見せるようなことはできないだろう。
    ...続きを読む
  • 代議士の誕生
    かつて出されたカーティス氏の著作の復刊。2009年の政権交代直後に出された。まえがきの「政権交代は何故起きたのか」は自民党が敗北した理由を選挙制度から議論をスタートさせ、かなり鋭い分析を加えている。

    この本は著者の博士論文が元になっており、当時の選挙活動の実態が事細かに記されている。現在は中選挙区...続きを読む