中野剛志のレビュー一覧

  • 全国民が読んだら歴史が変わる 奇跡の経済教室【戦略編】
    ものすごい!MMT(現代貨幣理論)に立脚しながらなぜそれが受け入れらないのかを、合成の誤謬、認識の共同体、予言の自己実現、経路依存性等の概念で読み解く。ここまで言えるにはかなりの自信が必要だし、単に経歴だけでなく相当の研鑽があればこそ。
  • 目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】
    目からウロコが5、6枚落ちる感じ。現代貨幣理論入門の決定版。

    銀行は家計から集めた資産を元手にせずお金を貸す。

    政府の支出拡大は赤字に制限されない。ただしインフレの度合いを考慮する。

    デフレ下ではむしろ競争や生産を抑制し、大きな政府志向の政策が有効、緊縮財政は有害。
  • 富国と強兵―地政経済学序説
    自分にとって本書の意義は2つある。
    まず、軍事と経済が両輪であることを古今東西の多数の事例とともに再確認できる。
    次に、国際関係論と経済学双方のリベラリズムのバーチャル性がよく分かる。そして対案提示される、空間・時間・人間の3つの「間」のリアリティに則した学問群を学べる。主なものは地政学、現代貨幣理...続きを読む
  • 官僚の反逆
    マックス・ウェーバーの官僚に対する考え方をうまく引用して、グローバル化と大衆化、そして官僚化に対する警鐘を鳴らしている。
    とくにグローバル化の例で出したマクドナルドの説明は非常に分かりやすかった。
    効率性・計算可能性・予測可能性・支配、そういった観点で見れば今タケノコのように出店してるフランチャイズ...続きを読む
  • 目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】
    定説とされてきた経済理論や考え方、政治家や経済学者などを鮮やかな理論でバッタバッタと斬り捨てる所はまさに痛快。
    一方で、現代貨幣理論(MMT)の確からしさを読みながら感じつつも、現実にはまだ主流とはなっていないのも事実。経済の地動説だ、との話もあるように、一旦世の中に定着してしまった理論を覆すのは、...続きを読む
  • グローバリズムが世界を滅ぼす
    警告の書、世界経済という視点からグローバリズムという経済活動を検証する

    グローバリズムがもたらしたものは、経済の自立を失い、国家主権さえ失ってしまう状況である。
    EUは、グローバル資本主義のもとに完全な自由貿易、経済的国境の撤廃がもっとも進んでいる地域。
    圏内で関税をなくし、通貨を統合した。しかし...続きを読む
  • どうする財源 貨幣論で読み解く税と財政の仕組み
    貨幣論について非常に勉強になりました。
    お気に入りの一冊です。
    ただ、世間の通説(?)に囚われてるような人が読むとセンメルヴェイス反射的にアレルギー反応を起こしちゃいそうな本。
  • 世界インフレと戦争 恒久戦時経済への道
    昨年12月に刊行されたので、もうすぐ1年というところである。著者の書籍は初めて読んだが、その指摘がその後に起こった変化を含め現状をよくとらえている点に驚いた。

    まず冒頭に「グローバリゼーションはリーマンショックで終わっていた」という衝撃的な主張が。確かにリーマンショック後、ロシアのジョージアやクリ...続きを読む
  • 奇跡の社会科学 現代の問題を解決しうる名著の知恵
    1990年代初頭の日本のバブル崩壊に始まる失われた30年。第二次安倍政権が声高く叫んだデフレ脱却のための3本の矢も、蓋を開ければ異次元の金融緩和による、金余りから端を発する株価上昇と輸出企業の円安メリット享受くらいだろうか。
    冴えない日本経済と言う印象を持つなか、何気に取った本書は、眼から鱗が落ちる...続きを読む
  • どうする財源 貨幣論で読み解く税と財政の仕組み
    MMT(現代貨幣理論)についての新しい入門書。2022年末に政府が防衛力の抜本強化のための財源について一部増税により賄うとした件をきっかけに、「財源」の考え方をいちから説き起こしており、ひととおりの理解が得られる。批判派から責められがちなインフレの危険についてもページを割いて説明しており納得感がある...続きを読む
  • 目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】
    その主張や文体からして、いわゆる「逆張り」の議論のようにも見えるが、本書の内容に目を向ければ、理路整然としており、かつ、ここ何十年かの日本経済の動向についての自らの肌感覚に照らしても、なるほどと思わせられる。著者の議論にも何か穴があるのかもしれないが、とりあえず「戦略編」を読んでみようと思う。財政健...続きを読む
  • 世界インフレと戦争 恒久戦時経済への道
    2020年代に入って発生した世界的なインフレーションは、歴史的な転換点であり、グローバリゼーション終焉のはじまりであるとの認識がある。
    デマンドプル・インフレとコストプッシュ・インフレを明確に区別することが必要であり、今回のインフレはいずれにあたるのか、失敗を繰り返さないための日本に対する正しい処方...続きを読む
  • どうする財源 貨幣論で読み解く税と財政の仕組み
    話題の「財源」がテーマだが、著者の代表作「富国と強兵」のダイジェストとして読むこともできる。
    ポイントは直感に反する「貨幣とは特殊な負債である(資産ではない)」という事実が理解できるかどうかにかかっている。
    この点が理解できれば景色が変わり、日経等の経済記事のレベルの低さに愕然とするようになるだろう...続きを読む
  • 楽しく読むだけでアタマがキレッキレになる 奇跡の経済教室【大論争編】
    貨幣や財政のイロハをある程度理解した上でも、論点を醸成させてくれる1冊。なかなかに読み応えあり。
    大論争編と基礎編は、現物買って保有しようかと思いました。
  • どうする財源 貨幣論で読み解く税と財政の仕組み
    経済学者や財務官僚がいかに不真面目なのか、がわかる本だと思う。
    なぜなら彼らの緊縮財政に対する主張も、MMTをはじめとする積極財政に対する批判もあまりにも的外れなことがわかるから。
    せめて相手の主張を理解したうえで批判することは最低限の分別だと思うけれど、それすらできていない。
    最近は事実すらまとも...続きを読む
  • 西洋の自死―移民・アイデンティティ・イスラム
    ゲイのジャーナリストであるのに、現代の正義、あるいはポリコレに意義を呈する作家の、欧州移民問題(偽装難民による欧州占拠)の書。内容はどれも解決策の無い欧州の状況が書かれいる。
    この問題の起きた原因として著者はつぎのことを挙げている。
    ・戦前のファシズム台頭の記憶・トラウマ・反省と、キリスト教に由来す...続きを読む
  • 世界インフレと戦争 恒久戦時経済への道
    同様のテーマを扱った書に「世界インフレの謎」という本があるが、それと比較して本書の方がよりシンプルですっきりと理解しやすい。しかも本書では経済学にとどまらず政治学、社会学、地政学など幅広い分野から総合的に分析を行い迫力ある警鐘を鳴らしている。我々は新自由主義、グローバリゼーション、リベラリズムといっ...続きを読む
  • 世界インフレと戦争 恒久戦時経済への道
     現在もっとも信頼している論客の一人である中野剛志氏の新著。この方の主張はずっと追いかけているが、見事に近未来を予測している。
     背景にあるのは、時の試練をくぐり抜けた天才たちの思想。明るい未来は必ずしも示されていないが、無責任な楽観論より余程心に響く。現状を知ること、まずはそれからだ。
  • 目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】
    タイトル通り、目からウロコが落ちるほど、驚きの内容だった。
    筋の通っており、非常に分かりやすく、内容もよく理解できた。是非とも政府関係者に読んでもらって、デフレの早期解決を図ってもらいたい。
    続きの戦略編も読むのが楽しみだ(^^)/
  • 目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】
    経済についての理解が深まり、日本の経済政策の問題点が知れた。政策や理論に対する著者の批判は、興味深くて面白かった。
    たくさんの人に読んでほしいと思った。