誉田龍一のレビュー一覧

  • 大目付光三郎 殿様召捕り候 刺客

    出世競争

    この物語の4件の事件は、京都から来た謎多き公家、穂波将監とその手下が実行したものである。穂波将監の姿形、すなわち何者なのかがなかなか浮かび上がらない。
    江戸の寺を舞台に、忽然と消える8人の江戸小町の拐かし事件や、化猫で市中を恐怖に陥れ、不正な賭博が開催される事件など、穂波将監が企んだ悪事であった。
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  • 手習い所 純情控帳 : 3 泣き虫先生、棒手振りになる
    今時、こんな子供想いの先生がいたら苛めも不登校もないだろうなと思うほどです。親が怪我をした生徒のため先生が棒手振りとして奮闘。文体も軽く読みやすいです。
  • 手習い所 純情控帳 : 2 泣き虫先生、幽霊を退治する
    西国の藩で公金着服の濡れ衣を着せられ江戸へ出て寺子屋の先生になった泣き虫先生が、今回も子供達、同心の友人、皆で事件を解決します。泣き虫なのに文武両道の先生や子供達が生き生きしています。
  • 日本一の商人 茜屋清兵衛、危機一髪
    二代目の父親が穀潰しのため息子の清兵衛が商家の人々と孤軍奮闘します。今回は仕入れた商品まで強盗にあうなど散々ですがどんでん返しに、読みやすい文章で面白かったです
  • 手習い所 純情控帳 : 1 泣き虫先生、江戸にあらわる
    武士から寺子屋の先生になり子供達と事件を解決していく涙もろい先生。文章も読みやすくさらっと読め、後味の悪い事件がないのでシリーズでずっと読んでいきたいです。
  • 幕末 暗殺!
    非常に面白かったと思う。
    私の好きな歴史小説短編集の一つ、この本と同様の題材を扱った司馬遼太郎の『幕末』があるが、それに次ぐ面白さだった。
    油小路の変を描いた『裏切り者』が読み物として、秀逸と感じた。
  • 日本一の商人 茜屋清兵衛奮闘記
    穀潰しの父親に代わり、三代目の息子が傾いた実家の商家を立て直す話で読みやすく、人と人の出逢いが面白い作品です。
  • よろず屋お市 深川事件帖2 親子の情
    失敗したり、心に大きな傷をつくったりする、お市。
    読んでいて辛い(T ^ T)
    まだ大人になりきれない気持ちが切ない。
    次巻、お待ちしております。
  • よろず屋お市 深川事件帖
    新しいレーベルにふさわしい作品でした。
    幼くして両親を殺されたお市。よりどころだった寅のために魚を盗み、その縁で岡っ引きの万七に娘として引き取られるのだが。

    年月は流れて、万七はしくじりを犯し、岡っ引きをやめてよろず屋を始めていたのだが、ある日、万七は川で溺れ死んでしまう。
    その死因になっとくしな...続きを読む
  • よろず屋お市 深川事件帖
    英国女流作家P・D・ジェイムズ「女には向かない職業」の オマージュ作品。
    読みやすく面白かったです。舞台は江戸深川、女探偵お市が活躍します。続編も是非とも読みたいです。「作者のおぼえがき」「解説」がないのが残念です。
  • 日本一の商人 茜屋清兵衛奮闘記
    傾きかけた実家を再建するために、奉公先から呼び戻された清兵衛。
    頑張ってるな、こうなりたいなと思った。
    続きも楽しみです(^^)
  • 妖ファンタスティカ 書下し伝奇ルネサンス・アンソロジー
    「そうこの会」による妖のアンソロジー。
    色んな作家さんが、ゾクゾク、ゾワゾワさせてくれます。
    どれも面白かったけれど、朝松健さんの『夢切り浅左衛門』、秋山香乃さんの『草薙剣秘匿伝』が特に面白かった。
  • 幕末 暗殺!
    幕末の暗殺者たちの物語。
    暗殺される人物が、主人公という作品が多いですが、
    このアンソロジーは、暗殺者側から書かれています。
    こういう理由で暗殺すると意図がはっきりしています。
    早見俊先生『刺客 伊藤博文』が一番わかりやすくて、
    好きです。廃帝の研究をしているという噂を信じて、
    塙忠宝を暗殺する話で...続きを読む
  • 幕末 暗殺!
    「桜田門外の変」「塙忠宝暗殺」「清河八郎暗殺」「佐久間象山暗殺」「坂本龍馬暗殺」「油小路の変」「孝明天皇毒殺」と幕末に起きた7つの暗殺を7人の作家で書き下ろしたアンソロジー。
    「孝明天皇毒殺」が入っているのでわくわくして購入。これについて書かれているのを読むのは、自分は初めてかな?
    毒殺に関わったと...続きを読む
  • 使の者の事件帖 : 1 女湯に刀掛け

    事件に係わる異色の仕事人

    長崎奉行だった筒井和泉守が江戸、南町奉行に着任する際、混血の3人若者を連れてきた。名前は猪三郎と鹿之丞で深川一色町で湯屋の裏長屋に住んでいる。そして同じ深川黒江町楊枝屋の看板娘として働くお蝶。この3人組が外国渡りの武器を使い、地元の悪者を退治するという痛快な物語だ。南町奉行内与力の村雨卯之介は和泉守...続きを読む
  • 大目付光三郎 殿様召捕り候 騒動

    御庭番の行方は?

    将軍家治は、前田加賀藩に不審な動きがあり、御庭番(隠密)3人を送り加賀藩の内偵に当たらせたが、いずれの者も行方不明になった。大目付朽木光三郎はこれら3名を見つけ出すように家治から命じられた。
    3人の御庭番は岸田半左衛門と山中寛次郎、馬原三蔵という者である。
    その内一人、岸田は本所の川で体中傷やあざだ...続きを読む
  • 大目付光三郎 殿様召捕り候 謀反

    西国大名の数々の悪事

    長崎近在を領地にする大名たちが、江戸で起こした悪事の数々を描いた物語である。
    南蛮人のことを鬼と勘違いした武家娘が、大川から助けられた。武家娘を掠い、南蛮人に売り飛ばすという第一話の「人身御供」事件を起こしたのは、矢場藩の江戸留守居が首領の事件だ。
    大目付、朽木光三郎は、仲間のお幹とお蘭、芸者市松と...続きを読む
  • 見破り同心 天霧三之助
    質屋主人の殺人事件に南町奉行所臨時廻り同心である主人公・天霧三之助が定町廻りの同僚・結城栄二郎を相棒にして挑む推理小説。本来なら捜査の主導は定町廻り同心の栄二郎がとるのだが、腕っぷしは一流でも推理や洞察力では三之助に敵わないため、主従関係が逆転しているのが面白い。特に会話がいちいち可笑しく、やや軽妙...続きを読む
  • 大目付光三郎 殿様召捕り候 暗殺

    江戸の街に連続凶悪事件が発生

    第一話は「火附盗賊」事件の話しである。
    江戸の3つの大店に火附盗賊の一味が侵入し、お店者全員を皆殺しにして逃走するという事件が発生した。その際に、速水藩小坂和泉守が頭となる大名火消しがいち早く出動したが、この対応に大目付、朽木光三郎が不信を抱いた。
    光三郎の探索は、幕府内の役職が依然として縦社会で役...続きを読む
  • 大目付光三郎 殿様召捕り候

    大目付、光三郎の鮮やかな活躍

    徒目付の朽木隼人正、通称光三郎は、中山丹後守から推薦されて大目付に抜擢された。大目付は、大名諸侯や高家などの監視に当たるお役目である。
    光三郎がお城に上がったその日、奏者番の控えの間で新米の奏者番を苛める他の古参大名を目撃し、それを咎める事から物語は始まる。
    第一話は、重い病に罹り藩主が参勤交代で江...続きを読む