【感想・ネタバレ】大目付光三郎 殿様召捕り候 刺客のレビュー

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出世競争

2024年02月20日

この物語の4件の事件は、京都から来た謎多き公家、穂波将監とその手下が実行したものである。穂波将監の姿形、すなわち何者なのかがなかなか浮かび上がらない。
江戸の寺を舞台に、忽然と消える8人の江戸小町の拐かし事件や、化猫で市中を恐怖に陥れ、不正な賭博が開催される事件など、穂波将監が企んだ悪事であった。
...続きを読むそして馴染みの大目付朽木光三郎は、穂波と連んで城中の奉行や老中たちの犯罪を暴いて成敗する。
江戸の街の安全と平穏を願う光三郎は、第三話で幼馴染みの東雲又一郎と一緒に穂波の探索を続ける中、忍びの一団に弓矢で襲われて足に深手を負った。大目付、長尾清之進が代わって穂波の行方を追及していたが、長尾自らの援護者である、城中で奏者番を務める大名に殺害された。光三郎は、奏者番たちに言葉巧みにカマを掛けて犯人を突き止め、長尾清之進殺害の咎で三輪丹後守を召し捕り、見事に清之進の仇を討った。
光三郎の活躍は見事であり、物語は快調に進んで読み易い。そして物語の核心は「出世」だといえる。
最後、第四話「側室」。
この一連の物語は、宮家の姫の嫁取りの話しが光三郎に寄せられた事が始まりである。しばらくすると、相手が変わり京都西奉行、新垣新三がその相手に変わる話になり、その話が変わったことに何か不信感を感じたる光三郎だった。
更に、将軍家治に、五摂家の一つ鷹司家の姫を側室にという話しが来る。家治には正妻との間に娘ばかり二人がいるが、世継ぎの男子がいないからだった。京都より旅して来て、姫君が城中大奥に入ったところを、光三郎はその時も依然と真偽を疑い、将軍に代わって大奥に入り確認をしようとした。姫が光三郎に短刀で向かってきたが、光三郎は姫を成敗し将軍を救ったのである。その姫君こそが穂波将監であり、当の穂波はすでに老人だという。ただ、穂波には二人の子供がいてそれも双子の姉妹、一人は先に述べた三輪丹後守の妻女であり、もう一人は男女不明の者になっていて、物語を読んで非常に惑わせるところである。
物語を読んで意外や意外、どんでん返しを喰らったが、非常に面白い物語で家治治世がどんな時代だったのか、リアルに考えるきっかけになった。

#笑える #ドキドキハラハラ

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