【感想・ネタバレ】大目付光三郎 殿様召捕り候 謀反のレビュー

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西国大名の数々の悪事

長崎近在を領地にする大名たちが、江戸で起こした悪事の数々を描いた物語である。
南蛮人のことを鬼と勘違いした武家娘が、大川から助けられた。武家娘を掠い、南蛮人に売り飛ばすという第一話の「人身御供」事件を起こしたのは、矢場藩の江戸留守居が首領の事件だ。
大目付、朽木光三郎は、仲間のお幹とお蘭、芸者市松と近松を囮に仕立てて悪者の根城に乗り込み、犯人一味を捕らえた。しかし、主犯格の矢場藩、江戸留守居役服部は、その時服毒自殺を図り、犯行の動機は不明のままとなった。
その後しばらくして、両国で阿蘭陀芝居の一座が興行を始めた。この芝居を演じる役者は、混血の若者5人でその顔立ちや姿の美しさで、江戸娘を虜にしたのである。なかでも、武家娘は別の場所に連れて行かれ、アヘン中毒にさせられて淫らなあそびに呆けるという貞操観念を失わせたばかりでなく公序良俗にも反する行為に発展するのである。
そして、この5人の若者を育てたのが藤代藩であり、犯行現場は藩の寮であった。
光三郎と相棒の又一郎は、中間になりすまして藤代藩の寮に入り込み無事事件を収めた。
第三話「謀反」は、鉄砲500丁を江戸に運び込んで将軍家治のお膝元、江戸の街で暴動を起こすという物語で海戸藩が起こした事件。
第四話は、命中精度の高いヘーゲル銃で将軍を射殺しようとする矢場藩の企てで、光三郎とその仲間の活躍と、長崎奉行になったばかりの新垣新三、そして江戸老中たちの加勢もあり、事件は未然に防げたのである。
ここに出てきた藩に共通するのは、徳川が全国を平定した際に、家臣たちの褒美の分け方に不満を持つ大名たちが起こした事件ということだ。邪魔者扱いされて、遠ざけられた大名の根深い恨みが引き起こした事件だった。

#ドキドキハラハラ #ドロドロ

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2024年03月18日

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