金子成人のレビュー一覧

  • 付添い屋・六平太 玄武の巻 駆込み女
    今回もハズレなし。

    今回は珍しい付き添い、離縁をしたい女房が鎌倉の東慶寺に行くのを付き添ってほしいという依頼。

    はたまた、評判の和菓子屋を、陰謀を持って立ち行かなくし、乗っ取りを重ねて、評判の和菓子の作り方もろとも字乗っ取って、大名のお抱え和菓子屋として大きくしていた「甘栄堂」その悪を暴く。

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  • 付添い屋・六平太 鷺の巻 箱入り娘
    良いねぇ〜。
    実に良い!
    短編がいくつか合わさり、話になっている作りなのだが、どれも良い。

    お家を放逐され荒れて、放蕩のかぎりをしていた六平ただが、父親の後妻の母が亡くなり、後に残った義理の妹が、古着の仕立てでどうにか食いつなぐ生活が続き、やっと兄としての自覚も戻り、自分で『付き添いや』という商売...続きを読む
  • 付添い屋・六平太 鳳凰の巻 強つく女
    六平太の妹、佐和に子供が生まれた。男の子だった。
    妹夫婦も仲が良く幸せそうだった。
    姿を消した9年来の恋人、おりきの行方は以前としてわからない。

    菊次も修行の甲斐と一生懸命さが功をそうして1年で板前となった。今ではおいしい料理を出せるようになった。

    六平太も一軒家から一人住まいにふさわしい長屋住...続きを読む
  • 付添い屋・六平太 朱雀の巻 恋娘
    今回は六平太の義理の妹の再婚話。子連れの鳶の音吉とのやり取りに、周りも気が揉める。
    芸者の京の手伝いもあってどうにか話がまとまる。

    旧藩の揉め事に、無頼の頃の息子の最近の様子など、次々に悩まされる今回の六平太。

    人間らしさが前面に出ている読み応えのある回。
  • 付添い屋・六平太 虎の巻 あやかし娘
    うまい!
    血が繋がらない妹の関係も、請われて嫁ぎ一安心していたが、あまりに懸命に頑張る佐和に、かえって不審を抱き夫婦仲が壊れる。

    付添人となって付き添った大店の娘には、その奔放な行動の裏に、、、。

    通りかかった大名の籠の前を通ってしまった農家のせがれ、幼いのに手討ちにされそうになる。
    殴打され重...続きを読む
  • 付添い屋・六平太 龍の巻 留め女
    時代小説のシリーズ物というのは、なんといっても登場人物像がいかに魅力的か?と、いうことが一番だ。

    初めて手にしたこの「付き添い屋 六平太」シリーズ第1巻。

    信州十河藩で、藩主の籠の警護を役目とする供番だった秋月六平太。内紛の煽りで父は切腹し、脱藩することになった。後妻のハハと、その連れ子、佐和と...続きを読む
  • 付添い屋・六平太 天狗の巻 おりき
    初刊から読ませていただいています。時代小説の心地よい要素、(人情・男気・そこに女性とのかかわり)といったものがふんだんに盛り込まれており、読み手を飽きさせない、まさに私にとっては至福の小説といってよいかと思っております。当面「おりき」との関係が心配されるわけですが、女性の内面は男にとって理解に苦慮す...続きを読む
  • 付添い屋・六平太 玄武の巻 駆込み女
    太平の世に思える江戸時代にも、勿論市井の人々の悲喜こもごもはあったのだなあと、このシリーズを読む度に、再確認させられる。私が唯一読み続けている時代小説。


    いつの時代も女は強かで、惚れた腫れたは厄介だ。
    永久に変わらない様に思えた六平太と情婦おりきの関係、義理の妹の佐和との暮らしにも、少しづつ...続きを読む
  • 付添い屋・六平太 鷺の巻 箱入り娘
    シリーズももう第4弾。今回も六平太が、付添い先で関わった町人などの困りごとを解決してゆく。

    とは言っても、もうどうにもならない事もあり。知恵を絞った聞き込みや、大立ち回りの先に、人の世の無情が香るのだ。

    江戸の様々な場所が出てくるので、江戸の地図が欲しくなりました。

    お佐和さんにも好き男ができ...続きを読む
  • 付添い屋・六平太 鷹の巻 安囲いの女
    シリーズ第3段。相変わらず江戸の市井の人々の悲喜こもごもを描いている。ストーリーは王道な感じがするけれども、結末はどれもハッピーエンドではなく、世の無情を感じる。


    三巻にして遂に、一巻から名前だけ出ていた杉原重蔵(佐和の叔父)が姿を現す。六平太が浪人になって随分たつようだけれども、十河藩のお家騒...続きを読む
  • 付添い屋・六平太 龍の巻 留め女
    一ヶ月、小説を読まないようにしていて、復活の際の一冊。
    やっぱり時代小説からと思いまして。
    ずっと気になっていて、やっと手にしました。
    淡々と、でもおもしろく読めました。
    筋の通った登場人物に惹かれます。
  • 付添い屋・六平太 虎の巻 あやかし娘
    四つの短編の中に、江戸の人々の悲喜こもごもが詰まっている。

    藩の抗争に巻き込まれ、浪人となってしまった秋月六平太は、良家の子女の付き添いをして、日々の暮らしをしのいでいる。付き添い先は、味噌問屋や琴の先生などなど様々だが、どの家も現代と同じく、様々な事情を抱えていて、六平太は好奇心や人情から、その...続きを読む
  • 付添い屋・六平太 龍の巻 留め女
     長く脚本家として活躍して来た著者らしい、どこまでも王道な、人情時代劇。想い人を探して江戸へやって来た女性がお金が無くて困窮したり、大名行列を横切って武士に突き飛ばされ、昏睡状態に陥った息子の為に復讐する父親の話などなど。現代にも通じる、江戸っ子達の悲喜こもごもが描かれている。全4編。

     最後の「...続きを読む
  • 付添い屋・六平太 龍の巻 留め女
     時代劇の脚本家が時代小説を書いたらしい。 

     主人公の六平太は藩のお家騒動に巻き込まれ、浪人となった。しばらくは理不尽を嘆きながら、酒を飲み、やさぐれ、自暴自棄になった過去がある。しかし今は、年の離れた妹の佐和と二人で暮らし、剣術の腕をいかした付添い屋稼業で生計を立てている。付添い屋とは、いうな...続きを読む
  • 付添い屋・六平太 朱雀の巻 恋娘
    十河藩との因縁は士農工商の序列を凌駕する商人の金の力によって強引に解消したようです。
    相変わらずふらふらしている六平太のような生き方が若い商家の娘達には型にはまらない魅力と映るのかな、
    そんな中途半端な彼と自由度を残した付き合い方を選択したおりきさんに一票です。
  • 付添い屋・六平太 玄武の巻 駆込み女
    佐和ちゃんのほのかな恋心と、十河藩の権力争いと並行して発生する存亡の危機という、全く趣の異なる2つの流れを軸にして、ブラブラ付添い稼業に勤しむ六平太。
    いろいろあるけどこんな生き方で暮らしていけるのが羨ましい。
  • ごんげん長屋つれづれ帖 : 1 かみなりお勝
    後半になってググッと面白くなり、次巻以降も読みたくなった。
    かみなりお勝のきっぷの良さと、秘めた過去の痛みと、子どもたちに、周囲の弱き人に寄り添う温かな情が心地よい。
    いろいろあっても、前向いて笑って生きていこう、生き抜こう、と思える時代もの。
  • ごんげん長屋つれづれ帖 : 7 ゆめのはなし
    202309/面白かったけど、貸本にたすけての文字…の話は強引にミステリー仕立にしてる印象でちょっと残念。
  • 付添い屋・六平太 鷺の巻 箱入り娘
    短編毎に毛色が異なる依頼人の事情を織り込んでいるので、変化があって誰にでも読みやすいのだろうと思う。けれど、もう少し奥行きが欲しいので長編にして欲しいな。
    十河藩の面々は第1巻からずっと卑怯で小物ばかり。こいつらこの先も成敗されずにずっと出てくるのだろうか。
  • 小梅のとっちめ灸 (三)針売りの女
     灸師小梅は午後は道具箱を持って外回り、大店加賀屋の御嬢さんの放屁癖の治療をしたりして豪勢な食事をw。薬師庵での治療専門の母親お寅はやっかみを。世は老中水野忠邦、北町奉行鳥居耀蔵の悪政下、この二人によって被害を被る者達の怒りは収まらない状況。そんなある日、小梅が外回りで訪れ、小梅の前で背中を見せてい...続きを読む