金子成人のレビュー一覧

  • ごんげん長屋つれづれ帖 : 3 望郷の譜
     金子成人「望郷の譜」、ごんげん長屋つれづれ帖シリーズ№3、2021.9発行。一番かみなり、藍染川、老臣奔走す、望郷の譜 の4話。質屋「岩木屋」の番頭、お勝39歳の気風の良さが売りのシリーズですが、その子供たち(産んだ子ではなく引き取った子供たち)、お琴13歳、幸助11歳、お妙8歳もそれぞれいい味を...続きを読む
  • 付添い屋・六平太 猫又の巻 祟られ女
     金子成人「祟られ女」、付添い屋六平太シリーズ№14、2020.10発行。剣友、いかず連、祟られ女、放生の夜の4話。3話はぱっとしない話でしたが、最後の放生の夜は読み応えがありました。
  • 付添い屋・六平太 妖狐の巻 願掛け女
     金子成人「願掛け女」、付添い屋六平太シリーズ№13、2020.2発行。幽霊虫、願掛け女、押し込み、疫病神の4話。六平太、困った時の「飛騨屋」頼み、山左衛門、おかね、一人娘の登世に世話になりっぱなしです。登世の「いかず連」の結成には少々あわててますが。人質になったお佐和と勝太郎を救出する六平太、流石...続きを読む
  • 若旦那道中双六 : 3 べらぼうめ!
     「てやんでぇ」「すっとこどっこい」に続く「べらぼうめ」。金子成人さんの若旦那道中双六シリーズ№3、2018.5発行。女に「優しい」と言われるより「意地悪っ」と言われたい巳之吉wの東海道中、いろいろ楽しませてくれます。巳之吉の道中と江戸での義右衛門などの話が交互に進む形式ですが、江戸の話はつや消しな...続きを読む
  • 若旦那道中双六 : 1 てやんでぇ!
     金子成人「てやんでぇ!」、若旦那道中双六シリーズ№1、2016.12発行。「渡海屋」の若旦那、巳之吉25歳は、家業そっちのけで遊んでばかり。見るに見かねた祖父義右衛門68歳が、世間を知るため京都まで旅をせよと。若旦那巳之吉の珍道中の始まり。若旦那お発ち、鬼火、望郷、物乞い若旦那の4話。望郷が秀逸!
  • 付添い屋・六平太 姑獲鳥の巻 女医者
     金子成人「女医者」、付添い屋六平太シリーズ№11、2018.9発行。第4部の始まりは、春雷、女医者、鬼の棋譜、一両損の4話。おりきは音羽に帰り、六平太とは以前のような関係に復帰。博江は今回は登場なし。六平太の息子穏蔵は甚五郎の元で働くことに。菊次と八重のぎくしゃく関係は、八重が謝ってとりあえずは落...続きを読む
  • 付添い屋・六平太 天狗の巻 おりき
     金子成人「おりき」、付添い屋六平太シリーズ№10、3部完結編、2017.3発行。冬の花、隣人、雪月夜、おりき の4話。第3部完結編はいろいろあり、はっきりしないまま、次の巻に。六平太は博江なのかおりきなのか。菊次とお八重に明日はあるのか。博江は博江と同じ長屋に住む手習いの半九郎の世話をやいているけ...続きを読む
  • 付添い屋・六平太 玄武の巻 駆込み女
     金子成人「駆込み女」、付添い屋六平太シリーズ№5、2015.7発行。厄介者、十三夜、駆込み女、初時雨 の4話。六平太の義妹佐和は音吉といい仲に。六平太とおりきは大人の恋を。この物語の主人公は、佐和とおりきのような気がします(^-^)
  • かぎ縄おりん
    付添い屋シリーズからの新シリーズで読み始める。脚本家出身の作者のためか状況描写が上手い。TV を見ているようだ、とは褒め言葉になるのだろうか?
    駕籠屋の娘なのに婿養子で入った父親が目明かしだったために、小さい頃からかぎ縄を遊び道具にして来たことから隠れて悪人退治をする。同心の目に留まり、父や祖母の反...続きを読む
  • 追われもの 二 孤狼
     金子成人「孤狼」、追われもの№2、2018.12発行。兄佐市郎の店「武蔵屋」が妻のお滝とその相棒要三郎によって廃業させられたと聞いた佐市郎の弟、丹次は決死の覚悟で八丈島を島抜け。追われものの身ながら、わずかの手がかりをもとに、目に病を持ち殆ど見えない兄と憎き兄嫁、その愛人の居場所を探す日々。丹次の...続きを読む
  • 脱藩さむらい 蜜柑の櫛
     金子成人さんの「ごんげん長屋」が面白いので、別のシリーズも読み始めました。生憎、№2が先に届きましたがw。「蜜柑の櫛」、脱藩さむらい№2、2019.2発行。石見石州を脱藩し、その代わりに、江戸で藩のために藩の悪人を征伐する仕事を強制させられている香坂又十郎の物語。強制の仕事は嫌だけど、神田「源七店...続きを読む
  • 付添い屋・六平太 妖狐の巻 願掛け女
    付添い屋稼業を続ける六平太が当面する様々な出来事や事件が比較的淡々と綴られている。

    気になるのは、父親の名乗りを上げられずに近くにいる息子穏蔵とのもどかしい関係だ。
  • 付添い屋・六平太 猫又の巻 祟られ女
    付添い屋という、実際にはなかったであろう江戸時代のボディガード屋の秋月六平太のお話。シリーズ14作目。道場の高弟でもある六平太は道場主から別の道場の代稽古を頼まれた。そのことから見聞きする事件の解決の話やら、頼り無さげな付添い屋後輩の話やら、亭主の悪事をお上に密告した後に島帰りで帰ってくる亭主の報復...続きを読む
  • 脱藩さむらい
    新シリーズは、冒頭から丁寧に主人公の人となりを、丁寧に描いてゆく。

    妻にも仕事にも真摯に向き合い、剣を愛し、釣りを愛し、人を愛する主人公を魅力的に描く。

    ところが読み進めてゆくと、事もあろうに、どう見ても悪役側にその運命を翻弄されてゆく。

    国元で正義を貫く奉行所でお頭として働くその人が、自分た...続きを読む
  • 脱藩さむらい 蜜柑の櫛
    国元の妻や親戚の命にも関わると脅かされて、なおも江戸屋敷目付、嶋尾久作の手先となって暗殺などをすることが重なる。

    が、しかし香坂又十郎は、機会を探っていた。
    言いなりになっていたのでは、義理の弟、数馬に申し訳がたたない。真相を探ろうと密かに動き出す。

    密偵を何人も雇う嶋尾に気取られてはならない。...続きを読む
  • 脱藩さむらい 抜け文
    抜け荷をしている嶋尾側と、その反対の勢力、改革側の筧との出会いがあり、双方の情報を知り得る立場となった香坂又十郎。

    愛妻に送った蜜柑の櫛に気づき、江戸にやってくることに。
    船宿に調理人として働くことになり、ますます新事実も耳にすることになった。

    新しい段階に入った又十郎。
    気が揉める展開である。
  • 付添い屋・六平太 天狗の巻 おりき
    何も告げずに姿を消したおりき。
    神奈川宿で見かけたという話が。
    一年もなしの礫で、二人とも相手に連れ合いができたのではないかと、尚更再開の機会を失っていた。

    孝行息子と奔放で迷惑をかける母親の話。

    悪辣な家主に追い払われようとする長屋の人々に同情し、なんとか支度金を払わせることに成功。

    それが...続きを読む
  • 付添い屋・六平太 姑獲鳥の巻 女医者
    おりきも音羽に帰り、元の生活に戻った。
    道場主が骨折し、一年あまり六平太は、師範代をしてきたが、潮干狩りで、ゴロツキと騒ぎを起こしたことがきっかけで、口入れ屋が文句を言ってきた。
    佐和が、口入れ屋の苦情も、もっともだと言い、またしても付き添い屋に。

    中条流の女医師の付き添い、天才的な将棋棋士の付き...続きを読む
  • 付添い屋・六平太 鵺の巻 逢引き娘
    全く上手な作家だ!
    今回も4つのエピソードを中心にしつらえ、放蕩を重ねた頃にできた息子(名乗りはあげていない)の成長ぶりを、隠蔵の友人を絡めた仇討ち騒ぎにし、はたまた隣に越してきた隠居とも仲良く酒盛りする間柄になったものの、小さな疑問がだんだんと膨らみ。。。。

    絵師の師匠と弟子の話やら、、、盛りだ...続きを読む
  • 付添い屋・六平太 獏の巻 嘘つき女
    秋は付き添い家にも忙しい時期。
    ある日、知り合いの同心から、支柱引き回しの付き添いを頼まれる。

    盗賊の頭立った男が、未だ金の隠し場所を教えない。
    きっと捕縛を魔逃れたその配下の接触があるはずだった。

    その話を今回は全編に散らばせつつ、いくつかのエピソードを絡ませる。

    イイ話揃い。