帚木蓬生のレビュー一覧
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下巻は一気読み。歴史小説は終わりがわかるためあまり加速する事はない。ただしこの作品さすがにミステリーの要素も加わり最後まで気の抜けない作品に仕上がっている。戦争という狂気をテーマにしながら最後まで人間らしさを失わずにあたたかい気持ちを持ち続けた人々を描くを満ち続けた人々を見事に描き切っている。かなり...続きを読むPosted by ブクログ
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昔剣道をやっていたことがあり、表紙の剣道防具の絵にひかれて購入した本。
第2次世界大戦中のドイツで、日独混血の青年、香田光彦の、誇りを失わない力強い生き方に感動した。
戦争の愚かしさというものを改めて考えさせられた。Posted by ブクログ -
第14回吉川英治文学新人賞。このミス「BEST 1993国内編09位」。キーワードは、河時限(ハーシグン)、強制労働、ボタ山。朝鮮半島と日本の関係。3回の海峡越え・・・胸が熱くなりました。Posted by ブクログ
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おばあちゃんっこだった私にとっては
患者さんたちのエピソードがとても和むし、癒される。
ますます高齢化が進む日本のことを考えずにはいられない1冊。
これからは良い"死の質"を求める人が増えるのだろうかPosted by ブクログ -
上下2巻のそれも厚みのある2冊だったけど、停滞することなく最後まで読めた。途中、カタリ派の<良き人>の説教、問答に感動。実際に聖職者による問答のように思えるくらい。
文中で紹介されるワインや郷土料理も楽しい。恋愛のシーンはは・・・なくてもいいかな。Posted by ブクログ -
これほどに魅了された作品は久しくない。
想像をはるかに超える苦役に就きながらも、心は腐らず真っ直ぐに生きる主人公を応援し、全ての出会いに感謝しながら読んでるなんて。
何度となく大仏さんにお参りしているが、次回は別の見方で感慨一入になるだろう。Posted by ブクログ -
ベルリンの描写が素晴らしい。
ヒトラーという狂気の持ち主に翻弄されてしまったドイツ国民と
ベルリンという悲劇の都市、そして
誇り高く生きた日本人武官。
歴史の波に流されつつも、自らを貫き通した人々を讃える、
壮大な叙事詩である。
感服しました。Posted by ブクログ