中屋敷均のレビュー一覧

  • 遺伝子とは何か? 現代生命科学の新たな謎

    すごい学びができる

    正直理解できないレベルの内容でしたが、80年代の生物学では想像できなかった常識が多く学べて、感動しました。RNA ワクチンや狂牛病、アルツハイマーなどにもつながるように思います。セントラルドグマのリセットができました。
  • 遺伝子とは何か? 現代生命科学の新たな謎
    タンパク質をコードする塩基配列が遺伝子というところで知識が止まっている人(私も)にとって、最新の知見を簡潔に学べるのでお勧め。
  • ウイルスは生きている
    人間は新型コロナを駆逐しようと躍起になりコントロールしようとしているが、新たな変異という「ジャンプ」を引き起こすだけで、もしかしたら余計なことをしているのかもしれない。

    生命はゆらぎのようなもので独立している生物という物はない。混じり合って存在しているカオス。
    これは仏教にも通じる概念だと思った。...続きを読む
  • ウイルスは生きている
    ウィルスは自己増殖しないので生命ではない、と言われているが、生命とは何かを改めてよく考えると、実はウィルスも生命ではないのか、と問いかける本。
    蛾の幼虫に卵を産んで寄生する蜂(カリヤコマユバチ)の、寄生幼虫が寄主を巧に操るようすは、実はウィルスが関係しているとは、なんということか!
    生命進化は伽藍(...続きを読む
  • ウイルスは生きている
    ウイルスとは何か、今まさに世の中を惨禍に巻き込んでいる新型コロナとは何か、なぜ生まれたのか、何者なのか、、よくわかる。
  • 科学と非科学 その正体を探る
    ▼新しい概念とは
    ■一人の夢から生まれたものが、社会に認められて、科学理論の体系の一部となったもの

    ■新しい概念は、今の常識という前提では想定しないものが多い
    だからこそ、正しさだけでなく分かりやすさが重要
  • 科学と非科学 その正体を探る
    世界は科学的に説明できる部分もあるし、科学ではまだ説明できない部分もある。科学で説明できる範囲は限定されるし、それまで非科学的とみなされていた事象を科学的に説明できるようになった部分もある。

    分子生物学者である著者は、科学と非科学の境界は絶えず、行きつ戻りつするのだと言う。それは、科学的知見は常に...続きを読む
  • 科学と非科学 その正体を探る
    中屋敷均(1964年~)は、神戸大学大学院教授で、植物・菌類ウイルス研究を専門とする分子生物学者。
    本書は、講談社のPR誌「本」に2018年1~12月に連載された「科学と非科学~その間にあるもの」をもとに、再構成・加筆修正されたもの。
    内容は、著者によれば、学術書では書くことが難しい、「科学と非科学...続きを読む
  • ウイルスは生きている
    どちらかというと生物ではないという意見が主流なウイルスであるが、生物の進化はもちろん、さまざまな生命活動に密接に関わっており、それ自体も生命につながる存在であるからウイルスは生きているんだ!という主張と思われます。

    なんとも言えないけど、ウイルスに関する様々な話がとても興味深く、この宇宙は何でこん...続きを読む
  • 生命のからくり
    『ウイルスは生きている』からの流れでもう1冊読んでみました。科学史や最新学説の解説ではなくしばしばやや哲学的に「生命とは何なのか」「生命に特徴的なこととは何か」を考えることが本書のテーマです。

    読んでいて印象に残ったのは2点。まず1点目は「化学進化説」を前提とし、無機物と有機物、ウイルスと細胞を持...続きを読む
  • 生命のからくり
    それなりに高度な内容だが文章が読みやすい。DNAやウィルスといった、なんとなくわかったつもりになっているけど、じつはよくわかっていないものを説明してくれる名著。
  • ウイルスは生きている
    ウィルスは結晶化もするが、寄生主の環境を使って自己生産も出来るし、進化もできる「生物」である。

    生物のあり方は非常に幅広く、共棲や寄生、環境依存まで含めれば個体という定義すらあいまいとなる。
    昨今流行りの腸内環境を見れば、体内に寄生する微生物のDNAは寄生主の人体が持つDNAよりも多いし、細胞内に...続きを読む
  • ウイルスは生きている
    ウイルスは生物ではないと言われるが、本書では、ウイルスの構造や特徴を紹介するとともに、生物とは何か、ウイルスを生物と定義することの可能性など、生物の要件といった問題に説明を広げている。
    著者が主張するように、生物と生物もどきとの境界は曖昧で、これという「生物」の必須要素はなさそうだし、仮に境界線を引...続きを読む
  • ウイルスは生きている
    これまでウイルスと生物の間には様々な二項対立的境界が引かれてきた。エネルギー代謝を行うか否か、独立した自己複製能や進化能を有するか否か…。本書は様々な事例を挙げながら、これらの分類の科学的根拠が極めて怪しいことを指摘してゆく。紹介されているウイルスや他の生物の振る舞いは意外性に満ち、これまで一般的と...続きを読む
  • ウイルスは生きている
    恐ろしい病気の元と思っていたが、こおん本を読むと昔から生物はウイルスと共生してきたらしい。人間もウイルスによって進化したという。現在も体内にウイルスは住んでいて生命活動の手助けをしている。もちろん、人を殺すウイルスもいるがそれは絶対数からいうと少ない。
    ウイルスという漠然として持っていた概念を崩す一...続きを読む
  • 生命のからくり
    一定の専門性を確保しつつ、明確なモチーフ(有用情報の漸進的蓄積。保存と変化)を下敷きに、一書がものされている。とりわけ最後のDNAから文明論にいたる考察は深い。

    生命の起源に関する記述はよくあるもので、かつ少なめ。

    ・単純な競争で考えると無性生殖のほうが有利である場合が圧倒的に多い。
    ・有性生殖...続きを読む
  • 生命のからくり
    「生命」の持つ根源的なシステムについて、分子生物学の最先端の知見を踏まえて考察している。
    著者はまず、生命と非生命の境界について、細胞内小器官(葉緑体、ミトコンドリア等)、細胞内共生細菌、巨大ウイルス等を例に、細胞膜の有無、他の生物への依存関係の有無、ゲノムサイズ・遺伝子数等の観点から考察し、「そこ...続きを読む
  • 生命のからくり
    生物進化以前の化学進化が始まった原始の地球から現在の極まで、姿かたちを変えながらも心臓の鼓動のように、時を超えて生命の営みを動かし続けてきた動作原理は、生命の三つ「自分と同じものを作る」という性質と「自分と違うものを作る」という性質、その相克と葛藤が織りなすリズムである。そのような著者の生命観を科学...続きを読む
  • わからない世界と向き合うために
    大学で指導する学生に勧められる本じゃないかなぁと思って買ってみた。
    3章はエッセイっぽい。
    1,2章は学生に「考えさせる」という意味では有益そう。

    OECDの調査で、
    「批判的に考える必要がある課題を与える」、また「明らかな解決法が存在しない課題を提示する」といった、自力で考えるための教育が日本で...続きを読む
  • 遺伝子とは何か? 現代生命科学の新たな謎
    ヒポクラテスからはじまる生殖と遺伝の研究の歴史を振り返ることができて大変興味深かった。初学者にとっては途中分からない用語が多数出てくるが、それらを知らなくても読み進めることは可能で、大きな流れを簡潔に理解できる。用語を調べつつ、細部の理解を深めながら再度読み返したい。