中屋敷均のレビュー一覧

  • 生命のからくり
    私は生粋の文系人間で、理数系の書籍はことごとく避けてきたが、生命の起源とか原理に興味が湧いたので覚悟を決めて本書を手に取ってみた。

    本書の趣旨はシンプルで、生命の設計図に当たるDNAは自己情報の保存と変革の相反する性質を内包しており、それゆえ弁証法的に生物が今日の姿まで発展してきたというものである...続きを読む
  • 生命のからくり
    1章のブフネラや細胞内小器官とウイルスの比較検討から、生きているとはどういうことか、生命と非生命の境界はどこにあるのかと展開する話題にただちに引き込まれる。2章以降もどうやってDNAを中心とした生命のしくみが発達してきたのか、生命の本質は何なのかについて深い考察があり知識をアップデート出来た。ウイル...続きを読む
  • 遺伝子とは何か? 現代生命科学の新たな謎
    遺伝学、分子生物学初心者なりに頑張ってついて行きました。
    メンデルの三法則すらちゃんと理解していない自分でもなんとか読み進めたから好感触だったが、後半へ進むにつれ、基礎固めの甘さが露呈し理解三割。
    遺伝子についての本はもっと読まないと。
  • 遺伝子とは何か? 現代生命科学の新たな謎
    遺伝学の歴史と、そのたびごとに遺伝子の理解がどのように更新されたのかが概観されてゆく。分子生物学の本でなんでこの記述スタイル?と訝って読んでいたが、DNA、mRNA、tRNA、タンパク質のセントラルドグマというお馴染みの図式が説明されたところからが本番。
    セントラルドグマ以外にもほかのRNAやら酵素...続きを読む
  • 遺伝子とは何か? 現代生命科学の新たな謎
    現今、最大重要な科学事項であり、しかし理解が非常に難しい「遺伝子」について比較的分かりやすく解説された内容。特に歴史的に「遺伝子」についての研究の詳細を説いてくれているので素人には理解に役に立つ。
    生命科学が大きくに人間の生活、生命、歴史、思考そのものを変革しつつある時「遺伝子」という概念を自己の中...続きを読む
  • ウイルスは生きている
    ウイルスの基本的な構造や性質を紹介すると同時に、ウイルスを含んだ新たな生命観について考察した本。

    ウイルスは時に人類とは対立する存在となってしまいます。しかし、本書で紹介されている胎盤形成の例のように、長い目で見れば、ヒトを含む生命は多くのウイルスからの恩恵を受けて進化してきている事を理解しまし...続きを読む
  • 科学と非科学 その正体を探る
    エピローグが響く。

    科学的とか非科学的とかそんな簡単な話ではないようだ。
    自分は非科学は信じない非合理だ!って決めつけてる節はあった。
    非科学的な言動が嫌いなのは揺るがないが、非科学的なものを大事にしても良いとも思った。
    科学者のエッセイもっと読んでみた
  • ウイルスは生きている
    めっちゃ面白い。地味な表紙に反して、惹き込まれた。

    どこからどこまでが、生命か。

    これは結局キメの問題なので、百人居たら百通りの線引きがある。

    が、ウィルスが割と移ろいゆくもので、我々も結構自由にいろんな機能を持ってなかったり、他者に依存してたり。

    そんな事例がてんこ盛りで、本当に興味深い。...続きを読む
  • ウイルスは生きている
    面白い!
    新型コロナウイルスがこうも人間を翻弄しているのはウイルス自身に何等かの意志があるのでは、という疑問から本書にたどり着いた。

    ウイルスは生きているのか 生物か物質か
    専門的な解説ではあるものの、分かりやすく、論点が整理されている。

    少なからず、ウイルスは生きていると思った。



  • ウイルスは生きている
    専門的でありながら具体例が非常に分かりやすくて良い本。
    自分が大学生の頃に読みたかった。
    生物系の大学生、院生にぜひ読んで欲しい。
    加えて話題のコロナウイルスについても
    敵を知らず騒ぐのではなくまずは知ることも大切。

    本書を読んで最も衝撃を受けたこと。
    ウイルスは敵じゃないということ。

    むしろ生...続きを読む
  • ウイルスは生きている
    【「ウイルスは生きている」・・・と僕は思う】(文中より引用)

    身近な存在でありながら一口では捉えがたい性質を持つウイルス。最新の研究を丁寧に紹介しながら、ウイルスとは、そして「生命」の定義とは何かについて思考を巡らせた作品。著者は、細胞構造機能学を専門とする中屋敷均。

    知っているようで知らないウ...続きを読む
  • ウイルスは生きている
    昨今の状況から、ウィルスは人類にとって単なる敵と見てしまっていた。ところがそれはウィルスの1つの側面であり、胎盤の進化等人への恩恵もある事がわかった。また、最新の研究から生物と見做せるとの考えやその不思議な振舞いは興味深く思った。簡潔な良書。‬
  • ウイルスは生きている
    コロナウイルスの猛威に怯える今だからこそ、
    あえて「ウイルスってそもそも何だっけ?」に
    立ち戻ってみた。

    ウイルスと共存し、ともに進化する動物など
    生命とは?個とは?自明性を掘り崩される。

    ベイエリンクや、バーバラ・マクリントックなど
    優れた生物学者に共通する
    どんなにとんでもない実験結果も常識...続きを読む
  • 科学と非科学 その正体を探る
    日本の高等教育が危機に瀕しているということを、行政はどれほど実感しているのだろうか。筆者が繰り返し訴えていることは、このままでは日本の高等教育は死に絶えてしまうということである。高等教育が研究の自由選択と多様性を維持できるよう担保することこそ、行政がやらねばならぬことなのに。
    本の題名についての最も...続きを読む
  • ウイルスは生きている
    細胞をもたない単純な姿のため非生物とされがちなウイルス。しかし「細胞」をもつとは言い難い共生細菌や遺伝子数が千を超える巨大ウイルスの発見で境界はぐらついてるとか。
    ウイルスとは何か,生命とは何かを問いかけるために提出された極めて重要な概念を「丸刈りのパラドックス」と呼んだり,なかなか親しみやすく書か...続きを読む
  • ウイルスは生きている
    2016/5/19 メトロ書店御影クラッセ店にて購入。
    2017/9/27〜10/3

    これは面白い。帯に「新たな科学ミステリーの傑作が誕生」とあるが、看板に偽りなし。生物と無生物の間は本当に混沌としてきた。こういうったことに少しは関係ある仕事をしているが、不勉強で知らなかった。いやいや、生物(ある...続きを読む
  • 生命のからくり
    ありきたりな表現で恐縮ですが、非常に興味深いものでした。生命は美しい、今、起きている様々な苦難も、驚くべきことも、ノイズのように見えることも、すべては生命の大きなリズムと流れの中にある。そういうことを思い浮かべました。
    核酸に内包された情報の保存と情報の変革のサイクルが機能し始めた時、「情報の蓄積...続きを読む
  • 生命のからくり
    現代新書からほぼ同時に出ていた「生命誕生」と合わせて読んだが、どっちもかなり面白かった。こっちは生物学者、向こうは鉱物学者が、それぞれ最新の研究を紹介しながら生命の起源を探っている感じがした。当方の拙い理解で言えば、核酸とかタンパク質のような高分子化合物が出来る所までは、「生命誕生」の方が、具体的で...続きを読む
  • わからない世界と向き合うために
    「はじめに」と帯に書かれていた内容に救われた気持ちになりました。報われない、分らないこと世界ですが、考え、今の時間を大切にしていこうと思いました。
  • 遺伝子とは何か? 現代生命科学の新たな謎
    もともと生物学の研究者だったけど、その分野を離れて15年が経つので、思い出すために読んでみた。

    途中までは知っていたし、ヒポクラテスとかの哲学には興味がないので読まなかった。

    RNAワールドやプリオンのところから読んだのだけど、これ素人が読んでわかるのかな?と思った。
    大学の生物学を真剣にやって...続きを読む