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2003年にヒトゲノムの解読が完了したが、これで「遺伝子」がわかったのかというとそうではない。DNAにコードされている遺伝子の構成が判明したことで、ヒトゲノムの複雑さがかえって判明してきた。また、DNAに遺伝子はコードされているが、それらは非コード配列やそのコピーである多様なRNAなどによって、たくみに制御されていることがわかってきた。「遺伝子」とは、それらの制御機構を抜きにしては語れないし、「遺伝子」の概念は新たなステージで考える必要があるのではないだろうか?
本書では、メンデルの実験から、ワトソン、クリックによる二重らせんモデルの発表など、「遺伝子」をめぐる科学史を追いかけながら、「遺伝子」の正体を問い続ける。ゲノムの解読は終わりではなく、「遺伝子とは何か?」という、古くて新しい問いとその答えをめぐる研究の始まりであることを明らかにする野心的な一冊。
Posted by ブクログ 2023年11月27日
遺伝学の歴史と、そのたびごとに遺伝子の理解がどのように更新されたのかが概観されてゆく。分子生物学の本でなんでこの記述スタイル?と訝って読んでいたが、DNA、mRNA、tRNA、タンパク質のセントラルドグマというお馴染みの図式が説明されたところからが本番。
セントラルドグマ以外にもほかのRNAやら酵素...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年05月18日
現今、最大重要な科学事項であり、しかし理解が非常に難しい「遺伝子」について比較的分かりやすく解説された内容。特に歴史的に「遺伝子」についての研究の詳細を説いてくれているので素人には理解に役に立つ。
生命科学が大きくに人間の生活、生命、歴史、思考そのものを変革しつつある時「遺伝子」という概念を自己の中...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年04月16日
もともと生物学の研究者だったけど、その分野を離れて15年が経つので、思い出すために読んでみた。
途中までは知っていたし、ヒポクラテスとかの哲学には興味がないので読まなかった。
RNAワールドやプリオンのところから読んだのだけど、これ素人が読んでわかるのかな?と思った。
大学の生物学を真剣にやって...続きを読む
正直理解できないレベルの内容でしたが、80年代の生物学では想像できなかった常識が多く学べて、感動しました。RNA ワクチンや狂牛病、アルツハイマーなどにもつながるように思います。セントラルドグマのリセットができました。
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