辻原登のレビュー一覧

  • 闇の奥
    小人族と1人の日本人を巡る世代を超えた冒険物語的なもの。
    ノンフィクションか、フィクションか、はっきりしていればもう少し楽しめた気もするのだけど、中途半端に毒カレー事件とか、数学者のナントカとか、物語に没入しづらかった。
  • 東京大学で世界文学を学ぶ
    2014/10/29
    いま読んでる
    友達のフルート吹きにオススメされました。タイトルに「学」が3回も出て来るところが大事らしい。

    2014/11/20
    読み終わった
    講義を書き起こした本なので、講義を聞けばもっと臨場感あふれるものなのだと思う。ボヴァリー夫人を読みたくなった。あとドストエフスキーは...続きを読む
  • 家族写真
    意外と変な話満載というか、虚ろな空気が立ち籠める中ぽつんと取り残されたり、さぁ謎解きがはじまったと思ったら、プ・チエン・ドゥ、ずるずると脱線、「谷間」の老婆の言葉に得も言われぬ空気に包まれたり、終始そわそわさせられる。「わが胸のマハトマ」も好いけれど、最後のふたつがユーモアをまぶした不条理系でちょっ...続きを読む
  • 東京大学で世界文学を学ぶ
    ドン・キホーテ、やっぱり読むべきなのかもしれない。講義の内容はところどころ比喩に寄りかかりすぎな気もしたけれど、学生時代が遥か彼方となった私にとっても啓発的な本でした。しかし古い翻訳書の文意は実にわかりにくい。
  • 許されざる者 下
    戦争に反対していた「毒取る」槇は、脚気に苦しむ兵士を助けるべく医者として戦地に赴く。
    そこには、脚気について誤った主張・治療をしなければならず苦悩する森林太郎(森鴎外)がいた。

    森宮に帰国後、槇はもとの生活にもどるが、
    そこでは社会主義運動が広がり始め、怪しげな空気に包まれていた。
    槇は、はからず...続きを読む
  • 抱擁
    ちいさな女の子のみつめる世界の独特で不思議な空気感。
    最後の一文が発する謎に対する衝撃が、印象的で。
    魅力的だった。

    世話係の主人公と、ちいさなお嬢様の緑子。そして、ゆきの。

    閉鎖的で、依存しあったちいさな世界が、不安定で心地よく感じた。
    読んでいて少し、ねじの回転を思い出した。
  • 抱擁
    なんだかよく分からない。薄い本だからすぐに読めるんだけれど、じゃあページ数がある小説だったらもうちょっと書き込まれて理解できたのかなあと思う一方、いやページ数増えても変わらないでしょって気もするし。舞台設定というか雰囲気は嫌いじゃないんだけどなあ・・・
  • 抱擁
    雰囲気は好きです。お屋敷!小間使い!といったら内名あまりがまっさきに出てきてしまうのですが(笑)、より現実的というか、そういう感じはありました・・・序盤は。
    後半の展開は「お嬢様を独占したい自分」という点では非常に共感できるものだと思います。おんなのこはこういう感情に陥ったりしません? 
    そのわりに...続きを読む
  • 許されざる者 上
    大逆事件を題材にしており、事件自体にも興味が湧いた。他に大谷探検隊や二楽荘に関してとか初めて知る事が多かった。小説としてはTHE純小説だった。
  • 父、断章
    辻原登の半生を特に小説家になる前からなった後を掌編的に、父、母、自分、郷里の小説家の先輩を主役に纏めている。
    人生史でもないしあまり納得はしなかった。
  • 父、断章
    辻原登の作品は、『村の名前』が芥川賞をとった時に読んだきりで、以来何年になるのだろう。でも作品世界の雰囲気は何となく覚えている。今回の作品集中の「天気」を読んで、それと雰囲気が似ていると思った。嫌いではない雰囲気なのに、何か物足りない感じがするのはなぜだろう。相性の問題だろうか。
  • 枯葉の中の青い炎
    「ちょっと歪んだわたしのブローチ」
    「水いらず」
    「日付のある物語」
    「ザーサイの甕」
    「野球王」
    「枯葉の中の青い炎」

    の短編6編。

    短編なのに、なにこの重厚感。
    いろんなものがつまってる感じです。
    個人的にはツシタラと呼ばれる不思議な語り部が語る「枯葉の中の青い炎」がGOO...続きを読む
  • 抱擁
    手探りで進むような、心許ない気分。どちらに転がるのか、どこに辿り着くのか、どきどきしながら読みました。
  • 抱擁
    2010.07.前田侯爵家の緑子の小間使いとして働くこととなった主人公のわたし.緑子には以前、ゆきのという小間使いがいたが夫が二・二六事件の首謀者の一人で後を追って亡くなったという.緑子はどうやらこの世界ではないゆきのと通じているようだ.ミセス・バーネットに相談したところ、ポゼス(possess)さ...続きを読む
  • 枯葉の中の青い炎
    ○2010/07/10 
    中古屋にて長いタイトルが気になって、短編集だっていうことで購入。面白いものもあったけど、で、これはどいう言いたいの?っていうのが。
    不思議な話というか度を越した狂気と言うか、最後まで読んでみると一番しっくりくるテーマは”奇憚”だろうか。そういう話書くぞーって意気込んだはいい...続きを読む
  • 抱擁
    2.26関連と聞いて読んでみたけど、そんな関係なかった(笑)
    面白いんやけど、主人公が普通の子やったはずやのに急にぶっとびだしたり、書いてくれないことが多かったりして、いまひとつ腑に落ちないというかすっきりしない感じ。
  • 抱擁
    金原瑞人さんがこの本をおすすめ!と書いてあって、興味を持って読んでみました。
    一貫して一人の女性のモノローグで語られるこのお話、最後まであきることなく読み終わりました。
    が......。
    最後のところがわたしには理解できず、モヤモヤとしたものが。。
    結局これってどういうことなの??
  • 抱擁
    内容(「BOOK」データベースより)
    二・二六事件から間もない、昭和12年の東京。前田侯爵邸の小間使として働くことになった18歳の「わたし」は、5歳の令嬢・緑子の異変に気づく―。歴史の放つ熱と虚構の作り出す謎が濃密に融け合う、至高の物語。