辻原登のレビュー一覧
-
久しぶりの大家作品に気負ってページ開くと主人公はラブドール…。SFホラー、それとも穴場紹介?あまりに突飛な設定に最初は戸惑うも、豊富に繰り出される蘊蓄マッタリ楽しんでいるうちに怒涛のラスト。辻原さん、551のブタまんまでカバーしているとは。この春、大津SAで食べたシューマイ懐かしい。Posted by ブクログ
-
過去の読書メモで高評価を付けた(籠のオウム、4.5)作家の探偵小説。正統派スタイルの作家らしく、主人公と犯人の二人が奇しくも同じ映画フィルムに関わる仕事をしているのだが、その辺りの描写(京橋のフィルムセンターとか、山中貞雄監督のサイレント映画とか)がとても詳しく安心してよんでいられる人である。
3....続きを読むPosted by ブクログ -
第5講義 燃えつきる小説 近代の三大小説を読む1 セルバンテス『ドン・キホーテ』
ドン・キホーテとキリスト教信者を同一とする分析は面白い。
何故、ドン・キホーテに偽ドン・キホーテに会わすと文学が破滅するのか、わからなかった。Posted by ブクログ -
帯より「誘う女とワル3人、最期に誰が笑うのか?」
ワル3人とは、あの3人か
4人のお話なのね
やくざの抗争がありつつ、個人間のだましあい
そこに女が絡み、なお話でしたPosted by ブクログ -
芥川賞や紫綬褒章を受賞(章)している一流小説家の東大での講義録。「近代小説とはなんぞや」ということを大テーマに、ドストエフスキーの『罪と罰』や、『源氏物語』、谷崎潤一郎の『夢の浮橋』などを取り上げ、著者独自の分析を試みている。
なかなか難解な内容で、「ほんまかいな」と思うような解釈もあったりしたが、...続きを読むPosted by ブクログ -
昭和50年代の和歌山。
1人のコケティッシュな女がいる。
この女に群がる3人の男がいる。
1人は不動産屋。1人はヤクザ。1人は町役場の出納室長。
時代はバブル期を目前にし、国際空港の建設に沸く。山口組分裂に伴う、いわゆる「山一抗争」で血みどろの戦いが展開されていた頃でもある。
女は元々、長崎の浦上...続きを読むPosted by ブクログ -
ずいぶん以前に読んで好きだった『遊動亭円木』の辻原さんを久しぶりに読んでみようかと。
ただ、私にとって辻原さんは当たり外れの大きな作家さん。で、これは「やや、外れ」という印象です。
合本と言うのでしょうか、中編『抱擁』と短編集『この世でいちばん冴えたやりかた』(旧題『約束よ』)が1冊にまとめられた文...続きを読むPosted by ブクログ -
今回は俳句。
松尾芭蕉・与謝蕪村・小林一茶
芭蕉の奥の細道の句を初めて全部読みました。
小林一茶の句がわかりやすく面白い
露の世は露の世ながらさりながらPosted by ブクログ -
著者の本は小説以外では書評「熱い読書 冷たい読書」「熊野でプルーストを読む」は読んだ。
本書は、小説とは何かという講義を元にしたもの。
まずゴーゴリと二葉亭四迷を語る講義。
四迷に関しては関川夏央「二葉亭四迷の明治四十一年」を思い返した。「あひびき」の引用があり、国木田独歩の「武蔵野」への影響もよ...続きを読むPosted by ブクログ -
昭和な空気感の「たそがれ」。「首飾り」は、いいオトナでもこんななんだ〜と思い、「シンビン」は片岡義男風で、ラグビーがメジャーに浮上した今となってはここまで説明されなくても素人の私でもわかるよ、と思い。そして「Yの木」だが、ごめんなさい、なんだよこのしみったれた年寄りは、と情けなく思ってしまいました。Posted by ブクログ