辻原登のレビュー一覧
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近代小説について十講にわたり解説される。小説の読み方について縦横に語られ、まさに目から鱗が落ちたとの感がある。19世紀が近代小説のピーク、ドン・キホーテが最初の近代小説、騎士道小説の批判がドン・キホーテである等の指摘に納得した。女ドン・キホーテだという「ボヴァリー夫人」を読まなくては。Posted by ブクログ
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面白い!
ゴーゴリもあひびきもドン・キホーテもボヴァリー夫人も白痴も読まなきゃなぁ。
というか、この年までにドストエフスキー作品をカラマーゾフと貧しき人びとしか読めてない情けなさ。
読書が趣味って言ってる割には全然読めてないんだよな。時間が足りない!Posted by ブクログ -
小説論から文化論へ。
面白い!
視野の拡大と飛翔。
★★★
1 ゴーゴリ。カフカ。ナボコフ。
言語表現の根底には比喩の問題。
古びた比喩を壊すこと。その繰り返し。
何がリアルなのか。
2 二葉亭四迷 日本
NOVEL 内面を書く文章がない。
近代になって、行動の前に考える人間の登場。
近代的=...続きを読むPosted by ブクログ -
この作者の芥川賞受賞作「村の名前」を読んでから本作を読むと繋がってくるところがある。長編読み物小説の「韃靼の馬」などとは違う傾向だが、この「父 断章」には短編に凝縮された面白みがある。Posted by ブクログ
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新たに園朝の速記が発見され、速記が解読されるように円朝の落語は名調子で語られていく。これって、創作なんだよね?(苦笑)と思いつつ、発見されたから、各章ごとに注釈なんかついちゃって、これまた「速記」が副テーマのように。そうして、最後の最後まで、円朝の息子と芥川龍之介まで出てきちゃって、作者の博学がスト...続きを読むPosted by ブクログ
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とにかく凝った作品です。
中盤は速記で書かれた円朝の芝居話を翻訳して紹介するという設定ですが、まずこの話(フィクション)がなかなか良く出来ていて面白い。
その上に、途中で文体を変えたり、それを訳注の形で指摘したりと、色々な小細工が施され、楽しませます。
もっとも最後は眩惑され過ぎて、読み解くのも面倒...続きを読むPosted by ブクログ -
著者の作品は、遊動亭円木、花はさくら木、など読んだが、この作品もまた文体が違う。
三遊亭円朝。新聞に速記の連載が載り、二葉亭四迷や山田美妙など黎明期の作家に影響を与えた。著者の作品「黒髪」の登場人物、橘菊彦の遺品から見つかった速記の束。円朝の芝居噺「夫婦幽霊」の発見。しっかり、騙して貰おうと読み始め...続きを読むPosted by ブクログ -
いろいろ調べていたら、この本を知ったので読んでみた。
JTの女性社員が逆恨みで殺された実際の事件をモデルにした小説。
実際の事件はひどい内容だった。被害に遭ったことを警察に通報し、自分が逮捕されたことを、被害者に裏切られた、と加害者が恨みを募らせて被害者は殺された。
小説なので、実際の事件とは違...続きを読むPosted by ブクログ -
アカデミックに知識人達を配し都会的に男女の交際を絡めてゆきながら、変態なのか狂人なのか手探りしながら読み進めてゆく。
で、結局はファンタジーと思わせておいてのホラー小説…?
分からないけれど何故か心に残る一冊。Posted by ブクログ