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太平洋戦争末期、北ボルネオで気鋭の民族学者・三上隆が忽然と姿を消した。彼はジャングルの奥地に隠れ住む矮人族(ネグリト)を追っていたという。三上の生存を信じる捜索隊は、彼の足跡を辿るうち、ジャングルの奥地で妖しい世界に迷い込む──。ジョセフ・コンラッド『闇の奥』に着想を得、その思想を更に発展させた意欲的な一大冒険ロマン。2011年、芸術選奨文部科学大臣賞を受賞。
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Posted by ブクログ
フィクションなのに、実在した冒険家の手記を読むようで、壮大なドキュメンタリーに感じる。 熊野の山奥、ボルネオ、チベット、、、小人伝説と蝶を追って消えた1人の探検家を追う、彼の教え子たちの更なる冒険譚。 大陸を跨ぎながらも森の奥は全て繋がっているようで恐ろしい。 前に進む怖さより、何もしないことが怖く...続きを読むなる気がした。 現実と夢がどろりと底なしに一緒くたの、本気のファンタジー。
おすすめ!これは二回読まなきゃいけないやつ。big issueの書評にあって気になっててbookoffで見つけて一気に読んだ!もちろん買って笑。 小人族を探して行方不明になったミカミ博士と、彼を捜す人たちの話し。 「空想があってこそ現実が生まれて、またその現実によって空想が大きくなる」っていうの...続きを読むがテーマだったのかな。読んでると、ファンタジーなのか実際にあった話なのか区別がつかなくなる。読み終わって色々事実確認のためにググってしまって、まさにテーマ通りになった気がする。 もととなった同名の小説、コンラッドの「闇の奥(Heart of Darkness)」も是非読んでみたい。コンラッドの「闇の奥」はイギリスの植民地政策を暗に批判したものらしい。
円朝~でもうまいなあとうなったけど今作も思わぬところでゾクっとさせられる。 まず、入りは思いっきり怪談調。 熊野の奥に「小人の村」があるから行こうと意気込んで男三人が山へ入る。 そこで経験したことについては誰も語らない。 そして主人公が父親の家の遺品を整理しに行き、偶然見つけた手紙に誘われるように...続きを読む物語は進む。 戦中戦後父親が探していた三上隆という博物学者。彼は小人の存在を信じ、調査を続けていた。 主人公の父親がメンバーの一人だった三上隆捜索隊のジャングルでの冒険譚、首狩族、小人たち、ふっと話に現れては消える三上隆らしき人物の影。 通常、物語は最初「え、なにこのエピソードたちどうやってつながるの」って思って後半に行くにつれて視界が晴れる。でもこの物語は真逆。 和歌山カレー事件が絡み、捜索隊は第5次にまで至り、熊野の奥を探検したうちの一人の息子から父親が吹き込んでいたテープを受け取り、ここでまた主人公の私は言葉を精査して物語を作り上げる。 終盤、主人公らは第5次捜索隊として中国のマツタケツアーに紛れ込んで山の奥深く、外国人が通常立ち入りを禁止されている奥地にまで行って三上隆の実像を探り当てようと奮闘する。最後の一行であんなにシンプルに救われるなんてすごいです。 狙ってジャングル、ピグミー、宗教的なものを選んだわけじゃないのに「13」のあとにこういう物語を読めた偶然に感謝。
矮小族に魅せられた民族学者・三上隆を追ってボルネオ、チベットへと、とりつかれたように捜索する人たち。タイトルはコンラッドから着想を得たもの。冒頭から話に引きずり込まれ、あれよあれよと読まされた。 辻原登って、なんか文学文学して時期もあったような気もするが、適度なエンタメ度が加味されて妙に読みやすかっ...続きを読むたりする。小説を読む体力が落ちてきたなと思っていた時期に読んだので、ちょっとスタミナを回復させてもらった気がする。
小人族と1人の日本人を巡る世代を超えた冒険物語的なもの。 ノンフィクションか、フィクションか、はっきりしていればもう少し楽しめた気もするのだけど、中途半端に毒カレー事件とか、数学者のナントカとか、物語に没入しづらかった。
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