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注文が増え忙しくなった牡丹堂に手伝いの女性がやって来た。年のころは三十過ぎ、背が高くて器量よし、さっぱりした気性で働き者。たちまち見世の職人たちの心をつかんでいった。女房のお葉を亡くして十年になる主・徹次とも、じきに親しくなってゆくのだが……。一方、小萩は新しい菓子の考案に頭を悩ませる日々が続いていた。菓子と人情の物語シリーズ第五弾。
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Posted by ブクログ
フードライターの中島久枝さん、そのお菓子に対する造詣の深さは、読売夕刊連載コラム「甘味主義」でもお馴染みですw。お菓子作りを縦糸に、江戸の人情を横糸に絡めた「それぞれの陽だまり」(2019.12)、日本橋牡丹堂菓子ばなしシリーズ第5弾、いよいよ佳境に入っています(^-^)
小萩の良くも悪くも素直な気持ちに、 「そうだよなぁ、そういう時ってあるよなぁ…」と感じ入ってしまう。
日本橋牡丹堂シリーズ第五弾。菓子の事、自分の将来に悩む、小萩。 素人落語のみやげ菓子・・・山野辺藩に収める新作の菓子で、 店の者は手一杯。小萩は落語会の手みやげを考える。 小萩、須美。女性の目線が新作の菓子に花を添える。 飴の甘さと母の想い・・・能楽のおさらい会の依頼に、演目...続きを読むを菓子の 題材に決めた小萩。お福から聞く須美の過去と家族。 母の想いと子の想い。離れていても絆は深い。 煉り切りの淡い夢・・・新たな、山野辺藩に収める新作の菓子は、 能楽を主題に、小萩と留助が中心で進めることに。そして、 幾つかの変化が。曙のれん会、勘太、お福に弥兵衛も。 『道成寺』の桜、『石橋』の牡丹・・・隠居所への引っ越しを挟み、 収める菓子を完成させる。そんな中、須美の周辺で・・・。 弥兵衛の、伊佐の言葉が、小萩の心に覚悟を生む。 主要参考文献有り。 注文が増えて多忙になった牡丹堂の、出来事の連作短編です。 新たに登場した手伝いの須美の話が中心となりながら、 18歳になった小萩の内面と菓子作りでの苦悩が味を添えています。 見世の男たちは皆“職人”だと気づく小萩。 弥兵衛は言う。「男の職人には考えつかないことを考えろ」と。 「なりたい私になりたい」では、どうしたら良いのか? 落語や能を学ぶのも、糧になる。人の心を想う機微も学ぶ。 さり気なく力添えをしてくれる、牡丹堂の面々。山野辺藩の杉崎。 多くの人の協力と小萩への想いもまた、糧になる。 牡丹堂に来てから2年、小萩も、ただ菓子を学びたいだけではなく、 様々な事に気づき、悩むようになりました。成長していますね。 今回は、須美や留助が良かったです。彼らと接したことで、 新しい一歩を踏み出せたようにも、感じられました。
202112/シリーズ全8巻まとめて。江戸の菓子屋が舞台というのも好みだし、読みやすく面白かった。主人公が、菓子に見せられ鎌倉で旅籠を営む実家を飛び出してきたわりには、菓子への情熱や職人としてのひたむきさがあまり感じられないのでそこは残念。でも職人らしい気難しさもありながら気のいい菓子屋の面々や、我...続きを読むが道をいく呉服屋の女将お景など、周囲の人々の描写も魅力的で、楽しく読めた。
日本橋牡丹堂菓子ばなし、シリーズのようです。 はじめて読みましたが、それでも十分楽しく読めました。 菓子職人として、いろいろ悩む日々の小萩と、お店に新しく入ってきたなんでもそつなくこなして、みんなに評判のいい須美さん。 お店の人間関係や、お菓子つくりにかける思いが面白かったです。シリーズの初刊か...続きを読むら読んでみようかな、と思いました。
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日本橋牡丹堂 菓子ばなし
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